Japan
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ルネサス エレクトロニクス株式会社様
アジア地域工場の基幹システムを全面刷新へ
グローバルバリューチェーンの最適化を加速
- 業種:
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- 製造・プロセス
- 業務:
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- 生産管理
- 物流
- グローバル
- その他業務
- 製品:
-
- その他
- ソリューション・サービス:
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- 共通業務/ERP
事例の概要
課題背景
- 各工場間のデータ連携をさらに強化し、より柔軟な生産体制を築きたい
- 事業の根幹を支えるICTインフラの運用効率化やコスト削減を図りたい
- 様々な経営情報をスピーディに収集・活用できる環境を構築したい
成果
基幹システム統合を実現
近い将来、アジア地域4工場の基幹システムの統合を計画実現後は、需要変動などに合わせたダイナミックな生産調整が可能に
クラウド移行に成功
生産管理、倉庫管理、販売、会計などの基幹システムをクラウド化し、システム運用管理やサポート業務を一元化。自前のハードウェア資産などを持たないことでICTコストも低減
経営情報の見える化を推進
経営戦略に必要な情報を本社側で収集できるようになり、決算業務日程も短縮。タイムリーな経営判断を支える経営ダッシュボードの構築も視野に
導入ソリューション
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事例の詳細
導入前の背景や課題
工場ごとに構築された基幹システムの統合に挑む
ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合により、2010年に誕生したルネサス エレクトロニクス。自動車、産業・家電、OA・ICTなどの分野において、高付加価値の半導体ソリューションを提供し続けています。
変化の激しい半導体業界では、競合企業との厳しいグローバル競争を勝ち抜いていかなくてはなりません。そこで同社でも、多様化する市場ニーズへの即応を目指して様々な改善を積み重ねてきました。
こうした中、大きな課題となっていたのが、アジア地域の生産工場を支える基幹システムの改革です。その背景について同社の田尻 昌三氏は次のように説明します。
「市場変化に素早く追随していくためには、よりダイナミックな生産調整を可能とする仕組みが不可欠です。しかし従来は、各工場がそれぞれ独自の基幹システムを導入していたため、工場間での生産調整などについても、各社間の人的連携で対応する必要がありました。こうした状況を変えていくためには、業務プロセスのグローバル標準化が不可欠。そこでマレーシア工場を皮切りに、基幹システムの全面刷新に取り組むことを決断しました」
選択のポイント
国や工場の枠組みを越えて業務プロセスの標準化を推進
そのための方策として実施したのが、SAPソリューションの導入です。調達、在庫、生産、原価、会計など、主要な基幹業務をトータルにカバーする新システムを導入し、国や工場をまたいだ業務プロセス標準化を推進することにしたのです。
この重要なプロジェクトのパートナーとして選ばれたのがNECです。
「当社の事業戦略に合わせた柔軟なシステム構築を行える点と、運用・保守まで日本と現地で連携できるワンストップ体制が決め手となりました」と同社の佐藤 博文氏は話します。今回のSAPシステムは、最終的にアジア地域工場への展開を行います。それに対応できるだけの体制や提案力、ソリューションをトータルに提供できる総合力が高く評価されました。
ここではNEC独自の知見やノウハウも数多く活かされています。その1つが、グローバルで豊富な導入実績を誇る「SAPテンプレート」です。「SAPには非常に多くの機能が備わっていますので、初めてSAP導入に取り組む拠点では、一体どの機能が自らの業務に必要なのか見極めにくい。その点、NECのテンプレートを活用することで、現場の業務ニーズに則したシステムを効率的に開発できました」と佐藤氏は話します。
また、今回のプロジェクトでもう1つ注目されるのが、NECのデータセンターを活用して、プライベートクラウド化を行っている点です。「従来は各工場内に置いていた基幹システムをクラウド環境に移行すれば、システム運用管理の統合化が可能です。オンプレミス環境のように、5年ごとに設備投資を行う必要もなくなるため、ICTコストの削減にも役立ちます」(佐藤氏)。
もちろん、アジア地域の生産業務を支える重要な基幹システムだけに、セキュリティ面でのチェックも徹底的に実施。その結果、NECのクラウドが、同社のセキュリティ要件を十分に満たしていることが確認できたため、新システムへの採用に至りました。
導入後の成果
グローバルバリューチェーンの全体最適化を目指して
今回導入されたSAPシステムが、その真価を発揮するのはこれからです。しかし既に様々な効果が表れつつあります。
例えば、第一弾として導入されたマレーシア工場では、生産業務の効率化に大きく寄与。従来は各担当者がそれぞれ個別のExcelシートを利用して生産計画などの業務を行っていましたが、これがSAPシステムに変わったことで、担当者全員分のデータを簡単に集約して可視化することが可能になりました。在庫や原価の状況なども早期に、かつきめ細かく把握できるようになったため、部材調達の最適化や決算処理の工数・日程短縮など、数多くの効果が見込まれています。また、製造現場においても、バーコード管理の対象範囲を拡大したことで、部材の情報・所在管理がより高精度に行えるようになるなど、様々な改善が図られています。
さらに本社側でも、今後は経営戦略に必要な情報をより効率的に収集できるようになると期待されています。これまでも各工場から情報を集める仕組みはできていましたが、基幹システムが異なっていたために、データをまとめ直す必要がありました。「しかし今後は工場、本社ともSAPに統一されますので、様々な経営情報を同じ仕組みの上で一元的に管理・活用できます。本社側で新たなデータが必要になった場合も、こちらから直接取り出すことができますので、工場側のスタッフに負担を掛けずに済みます」(田尻氏)。
今後同社では、残りの他工場への展開も推進し、本来の目的である業務プロセス標準化の取り組みを着実に進めていく考えです。そして、その先に見据えているのが、同社が目指すグローバルなバリューチェーン最適化への貢献です。「今回の基幹システム統合はそのための第一歩。社内の他の改革プロジェクトとも歩調を合わせ、より最適なビジネス環境を実現していきたい」と田尻氏は展望を語りました。
お客様プロフィール
ルネサス エレクトロニクス株式会社
所在地 | 東京都江東区豊洲3-2-24 |
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設立 | 2002年11月1日 | |
資本金 | 100億円 | |
従業員数 | 約19,160名(2016年3月末現在) | |
事業概要 | 日本を代表する大手半導体メーカー。安全・安心・快適で環境にやさしい社会への貢献を目指し、自動車分野、産業・家電分野、OA・ICT分野の3領域を中心に、デバイス、キット、プラットフォームの3つの半導体ソリューションを展開している。 | |
URL | https://www.renesas.com/ |
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(2016年9月30日)