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静岡製機株式会社様


需要の季節変動への対応と多品種少量生産の業務プロセス最適化に向けて、システム刷新と業務改革に取り組み、リードタイム短縮とコスト低減を実現
- 業種:
-
- 製造・プロセス
- 業務:
-
- 生産管理
- 製品:
-
- その他
- ソリューション・サービス:
-
- 共通業務/ERP
創業100周年を迎える静岡製機様は、穀物乾燥機や低温貯蔵庫などを製造販売しています。
農業用機械は需要の季節変動が大きく、販売機会を逸しない生産計画の立案が必要です。
また、多品種少量生産であるために購買先との調整業務の効率化が求められていました。
同社はこれらの課題を解決する業務改革とシステム刷新を推進。基幹業務パッケージ「EXPLANNER/J」と 調達EDI「EBWeb」を導入することにより、全体最適に向けた業務の標準化、購買先との双方向の情報連携を行い、製造リードタイムの半減、仕掛在庫の削減、間接コストの低減、さらに原価の見える化を実現しました。
事例のポイント
課題
- 需要が集中し、かつ、リードタイムが2カ月かかるため、先の需要を見込んだ生産計画を立案しなければなりませんでした。そのため、実需への対応に工数がかかっていました。
- 多品種少量生産のため、1,000社にも及ぶ取引先への発注、納期確認、数量や納期変更を人手で調整しており、大きな負担となっていました。
- 部品表の精度が高くなかったため、どの工程でどの部品がいつ必要かをベテランしか管理できず、また、構成品目ごとの原価も把握できていませんでした。
成果
製造リードタイムを半減し、需要変動に対応することで、販売機会損失の低減と仕掛在庫の削減ができました。
購買先を含めた需要変動情報の共有をシステムで行うことにより、購買業務の迅速化・省力化を進めることができました。
構成品目ごとの原価を把握でき、コスト低減の検討を行えるようになりました。
導入前の背景や課題

取締役 生産本部長
岩﨑 康宏 氏
需要の季節変動が大きい多品種少量生産形態ならではの経営課題
大正3年(1914年)の莚(むしろ)織り機の製造に始まる静岡製機様の歴史は1世紀にも及びます。現在の主力製品は米麦など穀物の乾燥機とその低温貯蔵庫で、売上の3分の2を占めています。近年では培った技術を応用した業務用ヒーターや米・茶などの成分分析機器、資源リサイクル用の生ゴミ分解処理器なども製造販売し、国内外12カ所に営業・生産拠点を展開。その顧客も多岐にわたっています。
「農業用機械ならではの経営の難しさもあります」と語るのは、同社取締役生産本部長の岩﨑康宏氏です。
「需要が8~10月に集中し、販売代理店から事業者や農家への即納が求められます。この商機を逃さないためには実績と予測をもとに早めの生産計画を立て、資材や部品の手配をしなければなりません。しかも製品の数は800種にもなる多品種少量生産です。ところが、どうしても生産直前になっての変更や取り消しが出てしまいます。生産能力を見て、1,000社にも及ぶ購買先と仕掛在庫などの調整が必要になります。その結果、販売計画から受注、生産、出荷までの基幹業務処理が非常に複雑になり、多くの人手と時間を要していました。業務を効率化し、収益を高める必要があると考えました」

選択のポイント

管理部
システムグループ
大須賀 雅臣 氏
業務モデルの策定を行う導入手法とEXPLANNER/Jの使いやすさを評価
このような経営課題を克服するための新システム導入に当たって、RFP(提案依頼書)の冒頭に書かれたのは、「社員の時間15%をイノベーション活動で利用するための情報化」を進めたいという強い思いでした。また、原価や在庫などの情報を把握し、実績情報を活用できることも大事な要件でした。
同社では10社を超えるSI事業者から提案を募りました。最終的にNECの提案を採用された経緯について、同社管理部システムグループの大須賀雅臣氏が次のように説明します。
「NECの提案は、まず生産管理の業務フローの検討、業務モデルの策定から始めるというものでしたからベクトルが同じでした。それは数あるテンプレートの中から当社にあった業務モデルを適用する、BST(Business Solution Template)という手法でした。さらに策定した業務モデルを実現するため、部品表を含むマスタ整備などの土台作りを行った上で、基幹業務パッケージ『EXPLANNER/J』と 調達EDI『EBWeb』を導入するという提案でした」
さらに、「導入実績が豊富なEXPLANNER/Jについては、実際にシステムが稼働している企業に見学に行き、使いやすさや運用性を確認しました」と岩﨑氏は補足します。
導入ソリューション
基幹業務パッケージ「EXPLANNER/J」と 調達EDI「EBWeb」を連携し、購買先を含むSCMを構築
提供されたソリューションを整理すると、まず中心になるのが「EXPLANNER/J」。これは販売・生産・原価・売掛・買掛管理をサポートする製造業向け基幹業務パッケージです。
静岡製機様ではまず長期の生産計画を立て、途中の変更などを吸収しながら生産直前で工程負荷の調整と引付手配を行い、リードタイムを最小限にすることを狙いました。
また、調達EDI「EBWeb」は1,000社にもなる購買先への発注や納期確認といった双方向の情報連携を実現し、購買業務の迅速化・省力化を図っています。あわせて、購買先と販売計画を早期に共有し、需要変動に対応できるようにしています。
これらのシステムを導入するに当たり、実施した手法が前述のBST(Business Solution Template)です。
BSTでは、繰返生産と個別受注生産のそれぞれの業務についてのテンプレート(ひな形)をベースに、問題・課題の可視化、全体最適を踏まえた改革テーマの検討、改革の実現に向けた業務モデルを定義します。さらに、ベテラン社員が経験と勘で行っていた業務の内容、フロー、用語などを盛り込み、業務の標準化を図りました。
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導入後の成果
リードタイム、仕掛在庫、間接コストを減らし、原価の見える化を実現
今回のシステム導入の成果を岩﨑氏は次のように語ります。
「従来、ほぼ2カ月を要していた製造リードタイムを半分の1カ月に短縮でき、需要変動への対応が容易になりました。その結果、販売機会損失の低減と仕掛在庫の削減を進めることができています。また、購買先との連携も強化でき、人手で行っていた調整作業の手間が減りました。約1.5人の間接業務要員の削減に相当します。さらに、経営面でメリットが大きいのは、原価が把握できるようになったことです。コストがどこにかかっているか、どうすれば削減できるかといった具体的な対策を講じられるようになりました」
また、「NECから、業務モデルを実現するための計画立案や手配方法の改善、生産管理の根幹となるマスタ情報(部品表等)の整備に関する支援をしてもらったことの効果が大きいと感じています」とは大須賀氏。
「部品表が整備されたことにより、若手社員でもどの工程でどの部品がいつ必要かがわかるようになりました」(岩﨑氏)
今後の展望
業務効率化をさらに徹底して、第2フェーズへ
「今回のシステム導入は業務効率化の第1フェーズといえます。省力化や自動化、社外との情報連携強化、生産情報基盤の確立という目標を達成するためです。既に効果が出ていますが、リードタイムの削減をもっと進めたいですし、在庫も削減したい。販売などの予測精度もさらに向上させたいです」
その上で目指す「第2フェーズ」は、「数年内には販売・会計などを行っている別システムと統合し、全社基幹システムに発展させていきたいと思っています。また経営環境が大きく変化しているので、それにも対応できるような改善が必要だと思っています」と岩﨑氏は今後の展望を語ります。
NECスタッフの声

製造SIグループ 浜松センター
プロジェクトマネージャー
折田 和久
業務改革をサポートするITパートナーとして期待に応えたい
これまで静岡製機様では、ERPパッケージをベースとし、必要な機能を作りこんだ基幹業務システムが稼働していました。しかし、生産管理に対応したシステムではなかったのです。今回のシステム導入に当たり静岡製機様は、「受注からの流れが一気通貫で見通せて、製品単位だけでなく半製品の管理もできるようにしたい。リードタイムを削減し、コスト管理が行え、ひいては全社的な業務改革のきっかけとしたい」という意気込みでした。
その思いに対し、ITパートナーとして積極的に応えたいと思いました。
基幹業務パッケージ「EXPLANNER/J」と調達EDI「EBWeb」は、まさにご要望を実現できるパッケージです。また業務改革を推し進めるためには、システム導入前に業務モデルを検討し、部品表の整備を含めた生産情報基盤をしっかり作ることが重要でした。
静岡製機様は創業100年の老舗企業であり、新分野・新製品開発にも熱心です。
今後もITパートナーとして私たちの持てる力でお手伝いし、ご期待に応えていきたいと思います。
お客様プロフィール
静岡製機株式会社
所在地 | 静岡県袋井市山名町4番1号 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 鈴木 直二郎 |
設立 | 1914年6月 |
資本金 | 1億5,355万円 |
売上高 | 95億円(平成24年3月度実績) |
従業員数 | 298名 |
事業内容 | 農産物関連機器、業務用熱機器、環境関連機器などの製造・販売 |
URL | ![]() |

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(2013年5月22日)
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