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NECが取り組む新事業開発へのチャレンジ

NECは「a brighter world」の実現に向けて社会課題を解決する「新事業開発」に対し組織的に取り組んでいます

NECが挑む新事業開発とは?

「新事業」。それは限りない挑戦により社会に大きな価値をもたらすもの。グローバル化し、産業構造が変化していくなかで、新しい社会システムを提案することにつながります。

NECは、新事業開発に長く取り組んでいます。2013年に「ビジネスイノベーション統括ユニット」を設立し、全社アセットを集約して注力領域のコアソリューション開発を手掛けました。その後、2018年に「ビジネスイノベーションユニット」を発足させ、多くの新事業の創出に寄与しています。そして2021年、「グローバルイノベーションユニット」が発足し、さらにイノベーションの加速を推進しています。

NEC全社のイノベーションをけん引するグローバルイノベーションユニットでは、小手先の新規事業ではなく、顧客(カスタマーセグメント:Customer Segments)と価値(バリュープロポジション:Value Propositions)のいずれもが未知である事業開発こそがイノベーションだと捉え、ひとつの組織だけで進めるのには困難を伴う革新的な新事業の開発に取り組んでいます。既成概念の枠を超えた多彩な知の新結合を生み出すことで、世界を舞台にした新たな社会価値創出を目指しているのです。

チャレンジしているイノベーションの定義

新事業を実現させる 6つのイノベーションモデル

1 Strategic Carve-out

企業が事業の一部門を切り離して、新たにベンチャー企業として独立させるカーブアウトは、NECのイノベーションモデルでも1つの形として採り入れています。グローバルに勝ち抜く製品やサービスを生み出すために、NECのコア技術を戦略的にカーブアウトすることでベンチャーキャピタルなどの社外資本も得ながら事業開発を加速する「Strategic Carve-out」という手法でイノベーションを後押しします。

Strategic Carve-outを採用する理由はいくつかあります。事業の成長速度を最大化させること、厳しい市場の中心で新事業を磨くことで強いビジョンとプロダクトを醸成すること、そして、優秀な人材を世界から獲得することなどです。

事例として、エンドツーエンドのデータサイエンスオートメーションを実現するdotDataの事業化があります。dotDataは、NECの最先端の開発リーダーがスタートアップ創業者としてシリコンバレーで起業しました。商用発売から1年半で50社を超えるユーザー企業を獲得した実績があります。NECはdotDataの国内独占販売権を取得し、データドリブンによるDX分野の新サービス提供の幅を広げています。

◇dotData
https://jpn.nec.com/solution/dotdata/index.html

2 Build & Acquisition

企業・事業の合併や買収を行うM&Aにより、産業としてスケールするエコシステムの構築を実現し、新事業を創出していくイノベーションモデルが「Build & Acquisition」です。

Build & Acquisitionの代表的な事例が創薬事業です。NECは、2019年6月に定款を変更してAIを活用したがん治療の創薬事業に本格参入しました。NECが誇るAIの技術力を、創薬分野で効率的に活かすために、Build & Acquisitionを構築する手法を採用しました。

NECは、フランスのTransgene社と共に、個々の患者に対応した治療薬を投与する「個別化ネオアンチゲンワクチン」の共同開発に着手し、現在は治験を行っています。また米国BostonGene社、スイスのVAXIMM社へ出資したほか、ノルウェーのOncoImmunity社を買収・子会社化(NEC OncoImmunity AS社)し、世界トップクラスのネオアンチゲン予測技術を強化しています。さらにはこのNEC OncoImmunity AS社によるVAXIMM社のネオアンチゲン個別化がんワクチン事業買収など、オープンイノベーションでAI創薬事業を強化しており、2025年には、創薬事業の事業価値を3000億円にすることを目指しています。

◇NECのAI創薬事業
https://jpn.nec.com/solution/ai-drug/index.html

3 Crowd-funding

インターネットで新事業への賛同を募り、広く資金を集めて事業の実現を目指す「Crowd-funding」も、NECの新事業開発のイノベーションモデルの1つです。資金調達と同時にテストマーケティングも可能になり、新事業が社会に受け入れられる可能性を予見しやすいメリットがあります。

Crowd-fundingを積極的に活用したNECの取り組みが、ウェルネスソリューションの開発と商品化です。クラウドファンディングとしては、マクアケの応援購入サービス「Makuake」を利用し、Makuakeのパートナリング力やプロモーション力を生かした新製品展開を実施しました。

具体的な事例が、歩行センシングインソール「A-RROWG(アローグ)」の提供です。A-RROWGは「歩容(≒歩行の質)」を計測し、美しい歩行姿勢へ導くインソールです。FiNC Technologiesと共同開発し、先行予約販売をMakuakeで実施したところ、100万円の目標金額に対して1000万円を超える応援購入がありました。新事業の商品化に弾みを付けることができたA-RROWGに続き、フォスター電機との共同開発による「トゥルーワイヤレス型ヒアラブルデバイス」、LINEを使って犬や猫とまるでトークしているかのような体験を提供するサービス「waneco talk(ワネコ トーク)」などでも、Crowd-fundingを活用した新事業開発に取り組んでいます。

◇歩行センシング・ウェルネスソリューション
https://jpn.nec.com/wellness/index.html

4 Joint Venture

他社と戦略的パートナーシップを結ぶことで新しい価値を創造するイノベーションモデルが「Joint Venture」です。NECでは、Joint Ventureモデルによる新事業開発にも取り組んでいます。

Joint Ventureの代表例が、カゴメとの戦略パートナーシップによる農業分野のICT活用であるAgriTech分野の新事業開発です。欧州のトマト一次原料加工メーカーに向けてAIを活用した営農支援事業を開始するために、NECとカゴメは2020年4月に戦略パートナーシップ契約を締結しました。NECの農業ICTプラットフォームCropScope(クロップスコープ)を活用し、センサーや衛星写真からトマトの生育状況や土壌の状態を可視化するサービスと、AIを活用した営農アドバイスサービスを提供しました。

この新事業開発は、2021年6月にCropScope機能強化という形で成果を拡大、さらには2022年に加工用トマトの営農支援を行う合弁会社をポルトガルに設立、CropScopeの更なる技術開発と普及を加速させ、環境に優しく収益性の高い営農を促進することで、持続可能な農業に貢献を続けます。

◇農業ICTソリューション
https://jpn.nec.com/solution/agri/index.html

5 Incubation Studio

新規事業の創造には、「Incubation Studio」としてNECが2018年に米シリコンバレーに設立した「NEC X」も大きく貢献しています。NEC Xは、NECの人材と技術を核に、シリコンバレーのスタートアップエコシステムのなかで、オープンイノベーションによる事業化を推進するインキュベーション企業です。

アントレプレナーシップ(企業家精神)を備えた人材や、競争力を持つ技術に支えられた事業を開発し、NECへ還元することで新たな社会的価値を生み出します。NECの最先端テクノロジーを強みにして、アウトバウンド型オープンイノベーションによる新事業開発を加速させるのです。実際に、設立から4年で6社の新会社設立により、新事業開発に貢献しています。

2021年、NEC Xはシリコンバレーで有数のアクセラレーター企業であるAlchemist Accelerator(アルケミスト)と戦略的なパートナーシップ契約を締結しました。アルケミストとのパートナーシップによりNEC Xが提供するインキュベーションプログラムを通じて、機械学習によりバグを迅速に特定するツールを提供するMetabob(メタボブ)が2021年1月に設立されました。さらに、AIを活用したEコマース向けのコメント分析サービス(eCommerceInsights.ai)を提供するAIスタートアップ企業Exponential AI Labs(エクスポネンシャルエーアイ)が2021年12月に設立されています。

◇NEC X
https://nec-x.com/

6 R&D Eco-system

NECは、研究開発のエコシステムである「R&D Eco-system」というアプローチからも新事業開発を目指します。デジタル化の進展で課題が複雑化した今、解決までのスピードアップが求められています。そのため、研究開発の重要性が一層高まっているのです。こうした現状をふまえ、NECは課題や技術を産官学で持ち寄り研究開発を行う「共創型R&D」という新たな研究開発手法を推進しています。

共創型R&Dを具現化した例が、2020年9月に設立した「BIRD INITIATIVE」(BIRD)です。NECをはじめとする事業会社・金融・アカデミアの異業種6社が共同出資する、世界でも類を見ない共創型R&Dです。外部リソースを積極的に活用しながら、社会課題を最速で解決するビジネスイノベーションを牽引します。

BIRDでは、事業開発コンサルティングサービスとソリューション開発を手掛けています。事業開発コンサルティングサービスは、売上高前年比が7倍(2021年11月時点見込み)と急成長しています。また、デジタルツインによる生産性向上をAIが実現する「assimee」new windowhttps://assimee.com/と、ドローンの社会実装に向けた自動交渉・調整マネジメントを行う「自動交渉×ドローン」の2つのプロジェクトが、2022年にカーブアウトして事業化する予定です。

◇BIRD INITIATIVE
new windowhttps://bird-initiative.com/

新事業開発のプロセス

プロセスリファレンスモデル「PLCOR」をベースに、顧客開発によるリーンスタートアップ手法を取り入れ、 事業戦略策定からローンチにつなぐまでの全体プロセスを定義しています。

第1ステップは、「事業ビジョン/事業戦略」です。社会課題や市場の分析、既存事業や主要リソースの評価を通じて、事業のビジョンと戦略を策定します。第2ステップの「事業検証/ビジネスモデル作成」では、事業機会の明確化と選択、顧客発見、顧客実証を通じて、リーンスタートアップの枠組みを構築します。第3ステップの「製品開発/事業化準備」では、組織開発や価値拡大、市場浸透、事業化準備を進めます。最後に「市場投入準備/事業化開始」の第4ステップで、具体的なリソース確保や、製品サービス、マーケティングの準備を経て、事業開始へと進みます。

このプロセスは、日々ブラッシュアップを続けています。NECがさまざまな領域で実施してきたプロジェクト経験をフィードバックすることで、独自のNEC手法の確立につながるからです。

NECの新事業創出を支える2つの仕組み

NECの中で新事業開発を担うグローバルイノベーションユニットでは、新事業部門に適したプロセスで業績評価をしています。新事業開発のプロセスにおける、事業戦略立案からビジネスモデル作成までのステップでは「プロセス成果評価」、製品開発から事業化開始のステップでは「事業価値評価」を行います。売上や利益だけではなく、取り組みの進捗や事業価値で評価しなければ、新事業は実現しないからです。

そして、新事業の実現には、人材の育成も欠かせません。研修などによるスキル向上、専門職認定制度によるモチベーション向上施策などの取り組みはもちろん、キャリア採用の自由度拡張や、新事業開発者向けの人事教育制度の創設など制度変更を伴う施策も実施しています。

さらに、高度人材の拡大、育成にも注力しています。若手トップクラスの研究職に対して上限のない報酬水準で処遇する「選択制研究職 プロフェッショナル制度」や、突出したスキルを持つ高度な事業開発職/研究開発職にジョブベースで適正処遇する「高度専門職認定制度」を導入。また、2022年度には社内兼業ルール(業務時間の20%までを他部門業務や横断活動に充てることを認める)をいち早く取り入れることで、研究開発部門と事業開発部門の融合を加速させています。これらの制度によって、新事業開発へ取り組むモチベーションの向上につなげているのです。

未来を拓く新たな社会価値の創造へ

グローバルイノベーションユニットは、これまでご紹介した6つのイノベーションモデルと新事業開発のプロセス、それを実行する人材や仕組みを軸に、全社技術のシナジー創造や共創による技術価値の更なる向上、スピード感のあるビジネスインキュベーションを次の中核事業に育てる、革新的な新事業開発の実現を目指します。

そして、その取り組みを発信し続けることで共感を生み出し、未来を拓く新たな社会価値の創造を、一歩ずつ着実に進めていきます。