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株式会社Paltac様
化粧品・日用品卸業界初のSAP ERP導入
―NECが持つ経理テンプレート、ftサーバを活用―
- 業種:
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- 卸売・小売業・飲食店
- 業務:
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- 経理・財務
- 製品:
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- PCサーバ
- その他
- ソリューション・サービス:
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- 共通業務/ERP
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業の最大手である株式会社PaltacはNEC独自のクラウド指向経理テンプレートと「Express5800/ ftサーバ」を活用し、業界で初めてSAP ERPを導入しました。SAP ERPの債権/債務管理・財務会計システムと自社構築の販売・物流システムとの自動連携を実現し、業務を大幅に効率化しています。
事例のポイント
課題
- 自社構築システムと異なるパッケージシステム(財務会計)の運用に手作業や二重入力という無駄が発生していました。
- 複数システムを網羅するコードや基準において、管理・運用面での非効率という課題を抱えていました。
成果
コードや基準の統合により、各締日毎の請求締処理を一括で実施できるようになりました。
物流・販売システムとSAP ERPとの自動連携により、データの二重入力がなくなり、経理処理にかかる時間が大幅に短縮されました。
基準の統一により、整合性が確保され、正確な経理データが迅速に取得できるようになりました。
導入前の背景や課題
業務プロセスの効率化に向けて、財務会計情報の管理を一元化
Paltacは、約65,000種類の商品を全国のドラッグストアやスーパーマーケットなど約3,500社に販売し、取り扱うデータ量も膨大な量となっています。同社はこれまで、物流・販売、債権/債務等については自社構築した基幹システムで運用し、財務会計等についてはパッケージシステムで対応していました。このような、異なるシステムをさらに効率的に運用管理することを課題として、検討を進めていました。
情報システム本部 基幹システム部 部長の川上孝氏は、「当社の強みである自社構築の物流・販売システムの領域は、長年にわたって進化させてきたもので、今後も、自社の強みとして活かしていく必要があります。そこで、物流・販売システムの機能は継続しながら、債権/債務と財務会計の機能をERPパッケージで統合し、自動連携を図ることにしました」と語ります。
選択のポイント
テンプレートを用いた短期開発と豊富な導入実績を評価
Paltacは、将来にわたる長期利用とIFRS・海外事業への展開を見据えて、グローバルスタンダードとなっているSAP ERPを選択。複数候補の中から、卸売企業へのSAP ERPの導入経験があり、自社でもSAPで基幹システムを構築しているNECの提案が採用された。選定の決め手について川上氏は次のように説明します。
「FIT&GAPの結果、NEC独自の経理テンプレートを活用することで、短期間でかつコストを抑えた開発を行うという提案が、卸売業界特有の商習慣対応を含め、当社の要件に最も適合すると判断しました。さらに、現状の取引環境も後押しした面もありますが、ハードウェアの調達やデータセンターのアウトソーシングなど、インフラ構築からシステムインテグレーションまで任せられるNECの総合力に期待しました」
2011年6月から始まった開発プロジェクトは、要件定義、設計、開発、テストを経て2012年8月から本稼働を開始しています。Paltacが強みとしている自社構築の物流・販売システムとプロジェクトのスコープとした債権/債務・財務会計の業務プロセスを統合したSAP ERPとを自動連携することで、物流・販売、債権/債務管理、財務会計、入金・支払いそれぞれのプロセスがシームレスにつながっています。
導入ソリューション
システム構築に際しては可用性を重視し、障害時にもシステムを止めることなく待機系への切り替えが可能なNECの「Express5800/ ftサーバ」を採用。さらに、1日500万明細の大量データ処理に対応するため、サーバに大容量メモリーを搭載し、高速ストレージと組み合わせたほか、プログラムについてもチューニング精度を高め、目標とするレスポンス性能を確保しています。
「卸売業界にも対応できる経理テンプレートを用いたことで、アドオン開発は必要最低限に抑えることができました。NECのSEは業務要件の理解が早く、当社の複数関連部門とも密接にコミュニケーションを取りながら要件に適した開発を行ってくれました」(川上氏)
導入後の成果
経理業務の効率化とシステム運用負荷の軽減が実現
SAP ERPの導入効果は次第に現れています。構築したSAP ERPにより、業務プロセスは統一され運用業務の負荷が軽減され、合わせてコードや基準の見直し統一により、管理面での効率化にもつながっています。
また、物流・販売システムとSAP ERPとの自動連携による、手作業や重複作業の軽減だけでなく、銀行から提供されるFB(ファームバンキング)データを活用した自動照合も新たに実現し効率化を実現しています。「関連部門のユーザーからは、対象領域の業務にてデータ入力の負担軽減による作業時間の短縮や自動化により判断業務が軽減された他、出力帳票の削減・照合作業が簡素化されたという声も聞いています」(川上氏)
ガバナンスの強化も成果のひとつです。自社構築の物流・販売システムとSAP ERPのコードや基準を統一したことで、人手が介することを極力排除した一貫性のあるシステムが実現されています。プロジェクト全体を通して川上氏は「自社構築のシステムを活かし複数システムがシームレスに連携した効果は大きいと思います」と語った。
今後の展望
統合システムのさらなる進化と海外事業への展開に向けて
Paltacでは現在、新システムの完全自社運用に向け、NECからのスキルトランスファーを進めています。また今後は、連携により効率化できる業務のシステム機能も継続導入を進めており、業務の標準化・効率化を加速しています。
最後に川上氏は、「NECには今後もサポート、課題対応などトータルシステムを提供するパートナーとしての支援を期待しています」と語った。
※本事例(株式会社PaltacへのERP導入プロジェクト)により、NECは「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2013」Project Awardを受賞しました。
NECの声
同じ立場で考えられるNECだからこそ、お客様との二人三脚でプロジェクトを成功へ
SAP ERP導入においては、SAPの標準業務プロセスに合わせたBPR(Business Process Re-engineering)が必要不可欠となります。
しかし、身についた業務手順、慣れ親しんだ画面/帳票、「あうん」の役割分担を見直すことは抵抗があるものです。
私たちNECも自社でSAP ERPを導入しました。システムベンダーとしてだけではなく、ユーザーとしての苦労も経験しています。
このことが、お客様の立場で課題を理解し、ソリューションを提供できる基礎となり、今回のプロジェクトは成功を収めました。
今後は、SAP ERPを含めたシステム基盤を支え、お客様の更なる発展に貢献していきたいと考えています。
システム構築だけでなくインフラ、ファシリティ提供まで幅広く継続サポート
株式会社Paltac様では、業務継続を実現するためのHWとして、10年に渡り、NECのExpress5800/ftサーバを幅広くご利用いただいています。
本PJのHWでも、取引先様・メーカー様とのやりとりの重要性から、高可用性を求められていました。ソフトウェアを利用するクラスタ構成と比較し、単体で連続稼動を実現できるftサーバの導入をご提案し、ご採用いただきました。
お客様が求められているHW要件の実現をすべく、今回導入のftサーバでのSAP社のサーバ認証も新たに取得しました。
また、より安心・安全にシステムをご利用いただくため、データセンターに設置し、HW監視を含めファシリティ提供も実施し、稼動後の安定稼動を支援しています。
システム構築だけでなくインフラ、ファシリィテリ提供まで、お客様が求める要件を幅広く実現できるベンダーとしてのNECの強みを活かし、実現できたと考えています。
今後も、お客様の業務効率化やシステム運用負荷を低減すべく、NECの総合力を活かしたトータルサポートでお客様の業務を支えます。
お客様プロフィール
株式会社Paltac
本社 | 〒540-0029 大阪府大阪市中央区本町橋2番46号 |
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創業 | 1898(明治31)年12月1日 |
資本金 | 158億6,954万円 |
売上高 | 7,656億5,400万円(連結、2012年3月期) |
従業員数 | 2,288人(平成24年3月現在) |
事業内容 | 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業、物流受託事業 |
URL | https://www.paltac.co.jp/ |
関連リンク
(2013年2月28日)
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