Japan
サイト内の現在位置
株式会社エクセディ様


HEC on AWSを軸にSAP ERPをS/4HANAに移行
データ活用を促進し経営の高度化を目指す
- 業種:
-
- 製造・プロセス
- 業務:
-
- 経理・財務
- 製品:
-
- 統合型システム
- ソフトウェア/サービス実行基盤
- ソリューション・サービス:
-
- 共通業務/ERP
- クラウド
事例の概要
課題背景
- 多様なデータを活用しデータドリブン経営にシフトしたい
- SAP環境で利用するSQL Server 2008のサポート期限切れが間近に
- SAP S/4HANA化を目指しつつ、既存業務への影響は抑えたい
成果
HEC on AWSによるデータ活用基盤を整備
AWS上のHEC(HANA Enterprise Cloud)に既存SAP環境を、SAP S/4HANAにコンバージョンを実施。会計システムの基盤をAWSに集約したことで、グローバルの経営情報を一元的に管理・活用可能な環境を整備した
限られた期限内で予定通り移行を完遂
NECとSAP社が緊密に連携し、プロジェクトを推進。移行リスクを回避し、要件を満たすシステムを予定通りにカットオーバーした
システムの信頼性や使い勝手を継承
既存業務フローは極力変えない方針でコンバージョンを実施。これによりシステムの可用性・安定性を堅持し、業務への影響も極小化できた
導入ソリューション
SAP ERPをSAP S/4HANAにコンバージョンし、新システムの基盤にはAWS上のHECを採用。ジョブ監視・管理を行う既存のSAP環境もAWSに移行し、データを集約・活用しやすい環境を整えた。会計系以外の基幹システムやツール、ネットワーク回線などは変更せず、新システムへの経路のみ変更することで移行リスクを低減した
本事例に関するお問い合わせはこちらから
事例の詳細
導入前の背景や課題

管理本部
情報システム部 部長
前神 勇司 氏
新しいテクノロジーを活用してデータドリブン経営を目指す
駆動系部品の専門メーカーとして70年の歴史を持つエクセディ様。世界25カ国46社の拠点を有するグローバル企業として、高品質な製品を世界各地に提供しています。自動車用駆動系部品では世界有数のメーカーであり、なかでもトルクコンバータのシェアは世界トップクラス。その技術力を活かし、環境性能を高めた製品の開発、生産・供給体制の脱炭素化を進め、持続可能な社会の実現にも貢献しています。
グローバル企業として国際競争力を維持・強化していくためには、こうした活動を加速していくことが肝要です。そのためにはデータの活用が欠かせません。「デジタル技術を活用したリアルタイムの経営モニタリングを実現し、データドリブン経営にシフトする。経営層からはこうした強い要望が上がっていました」と同社の前神 勇司氏は話します。
経営を支える基幹系システムはNECのサポートのもと、SAP ERP(ECC6.0)とNECのERPパッケージ「EXPLANNER」を軸に構築。2012年1月に稼働を開始し、現在はプライベートクラウド環境で運用しています。なおSAP ERPは財務会計と固定資産管理についてグローバルで利用しています。
基幹系システムは性能・機能面や使い勝手で大きな問題はありませんでしたが、SAPシステムと連携するSQL Server 2008のサポート期限が2022年7月に迫っていました。
そこでこれを機に、国内および国外にある2つのSAP ERPインスタンスをSAP S/4HANA(以下、S/4HANA)にコンバージョンすることを決断しました。「インメモリデータベースをはじめとする新しいテクノロジーを活用することで、業務のスピードアップ、経営の要請に応えるデジタル化とデータ活用が大きく進むと考えました」(前神氏)。
選択のポイント

要件を満たす提案力・実現力とこれまでの実績を評価
国内外の2インスタンスのS/4HANA化に向け、同社は社内の要件を再確認しました。「基幹系システムとしての可用性・安定性を堅持し、サポート期限までにカットオーバーすることは絶対条件でした」と前神氏は語ります。
業務のスコープを変えないこともポイントでした。現行システムで業務は問題なく運用されているため、S/4HANA化に伴う業務運用の見直しは必要ないと判断したからです。ただし、機能の差異がある場合、画面や操作を変更する必要があります。その場合は現行業務に影響を与えない範囲で新機能を利用することにしました。
未来志向型のリアルタイム経営基盤の実現も重要な要件でした。「この基盤の実現は今回のプロジェクトの大きな狙いの1つ。グローバルの経営情報を統合することで、海外を含めた各拠点の経営情報の見える化が可能になります。これによって意思決定のスピードアップや事業課題の解決、新たな価値創造が期待できます」(前神氏)。
これらの要件を実現するパートナーとして選定したのがNECです。「私たちのやりたいことを深く理解し、要件を満たす最適な提案が決め手になりました」と前神氏はその理由を説明します。
これまでの実績も高く評価しました。実はEXPLANNERとSAPクラウド経理サービスを組み合わせた現行システムはNECの提案によるもの。システムの使い勝手や安定性は長年の運用で実証済みです。グローバル展開を見据えた業務フローやコードの標準化、多言語対応、各国制度対応も包含して対応できます。
「NECは、システムはもちろん、当社の業務も深く理解しています。SAPシステムに精通したエキスパート人材を配置するなど、これまで同様の体制も維持してくれるため、安心して任せられると判断しました」(前神氏)。
現行システムはプライベートクラウドで運用しているため、今回の基盤も基本的にクラウド利用をベースに検討を進めました。「NECはSAP社と緊密なパートナーシップを構築しており、定期的な情報提供、グループ各拠点への展開も共同で行ってくれています。両社の高品質なサポートが期待できるため、今回の基盤にはAWS上のHECを採用することにしました」と前神氏は続けます。
導入後の成果
HEC on AWSへのコンバージョンをダウンタイムゼロで予定通り実現
プロジェクトは2020年7月よりスタート。計画策定フェーズ、移行検証フェーズ、実行フェーズを経て、2022年1月の正月休みで国内外の12拠点すべての切り替えを一気に実行しました。「会計システムのダウンタイムは全社的な業務への影響が大きい。グローバル全拠点の一斉入れ替えはこれを回避するためです」(前神氏)。
具体的にはSAP ERPからS/4HANAへコンバージョンするとともに、インフラBASISやジョブ監視・管理など既存のSAP環境もAWS上のHECに移行しました。オンプレミスからAWS上のHECへのコンバージョンはNECとしても初のチャレンジです。
そのプロジェクトを前神氏は次のように評価します。
「タイトなスケジュールの中、コンバージョンおよび移行タスクを予定通り推進いただいたことには感謝しています。本番稼働後にはいくつかの障害も発生しましたが、NECのSEと営業が速やかに対応してくれたため、以降は安定的に稼働しています。各拠点の教育もNECがサポートしてくれたため、新機能の習得や新システムの運用定着もスムーズに進みました。また、これまでと変わらない使い勝手を継承してくれたため、業務への影響も最小限に抑えることができた点も大きい。S/4HANA化によって性能面も強化されたため、財務経理担当者の業務負荷の軽減も期待できると考えています」
今後、同社ではS/4HANAをベースにデータドリブン経営へシフトし、ビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速していく考えです。その実現に向け、現在はNECとともにEXPLANNERやSAP環境のデータを一元化するデータ活用基盤の整備を進めているところです。これに歩調をあわせ、ビジネスアプリケーション群「SAP Fiori」の活用も進め、モバイルワークによる生産性向上を目指していく予定です。
S/4HANA化により次世代を見据えた基幹システムのアップデートを実現したエクセディ様。この強みを活かし、既存業務のさらなる効率化とデータドリブン経営を推進し、駆動系部品のトップメーカーとしてさらなる成長を目指す構えです。

NEC担当スタッフの声
S/4HANA化とその価値最大化を包括的に支援
「国内外2インスタンスのS/4HANA化を期限内で完了する」「クリティカルな会計業務のため、現行業務に影響を与えない」――。この2つの重要なミッションを達成するため、エクセディ様、SAP社、NECが緊密に連携してコンバージョン計画を練り上げました。さらに事前検証やリハーサルを何度も行い、課題への対応と移行練度を高めていきました。
新基幹システムにはマルチクラウドのネットワークを一元的に提供するNECのサービス(NECパブリッククラウド接続サービス)も導入しています。これによってネットワーク構築・変更作業も大幅に軽減できました。想定されるリスクに先手を打つ、綿密な準備と対応が今回の成功のポイントです。
現行業務については、国内外の仕様の違い、カスタマイズやアドオン部分を詳細に把握し、既存の業務を変えないように修正。S/4HANAの新機能を利用することによって変更が生じる部分は操作説明などの研修を行い、運用の定着を支援しました。
今後はエクセディ様の新基幹システムの運用とデータドリブン経営をサポートするとともに、今回の経験で培ったノウハウで、多くのお客様のマイグレーションの成功に貢献していきます。

製造システム統括部
プロフェッショナル
濱野 育三

製造システム統括部
プロジェクトマネージャー
彌政 浩二
お客様プロフィール
株式会社エクセディ
本社所在地 | 大阪府寝屋川市木田元宮1丁目1番1号 |
---|---|
設立 | 1950年7月 |
資本金 | 82億8,400万円 |
従業員数 | 15,081人(連結、2023年3月31日現在) |
売上高 | 2,856億円(連結、2022年度通期) |
事業内容 | マニュアルクラッチ(手動変速装置用製品)やトルクコンバータ(自動変速装置用製品)などの駆動系部品メーカー。企業理念は「喜びの創造」。開発から生産までを自社で行い「安全」「品質」「納期」「コスト」を最重視したものづくりを推進する。世界のニーズに応える新製品開発を進めるとともに、製品の生産・提供を通じ、サステナビリティ活動にも積極的に取り組む。 |
URL | ![]() |

本事例に関するお問い合わせはこちらから
(2023年6月27日)
関連事例
ビジネスモデルの変化を受けて基幹システムを刷新
生産性を向上し、付加価値創出のための業務にリソースを集中

- 業種:
- 製造・プロセス
- 業務:
- 設計・開発・製造
- 製品:
- ソフトウェア/情報管理
- ソリューション・サービス:
- 共通業務/ERP
- 共通業務/SCM
- 共通業務/その他
建設業向けSaaS型クラウドERP「建設クラウド」をカスタマイズなしで導入、業務プロセス改革を実現された株式会社ハンシン建設様の事例をご紹介します。

- 業種:
- 製造・プロセス
- 建設・不動産
- 業務:
- 経理・財務
- 経営企画
- 共通業務
- 製品:
- その他
- ソリューション・サービス:
- 共通業務/ERP
需要の季節変動への対応と多品種少量生産の業務プロセス最適化に向けて、システム刷新と業務改革に取り組み、リードタイム短縮とコスト低減を実現

- 業種:
- 製造・プロセス
- 業務:
- 生産管理
- 製品:
- その他
- ソリューション・サービス:
- 共通業務/ERP
機械製造業の日本ホイスト様は、NECの生産管理システムEXPLANNER/Jを導入し、顧客仕様の個別部品と標準化/共通化部品のハイブリッド管理を実現しました。
日本ホイスト様は、お客様の個別のニーズに対応したホイストクレーンを製造している、個別受注生産型の生産形態です。

- 業種:
- 製造・プロセス
- 業務:
- 生産管理
- 設計・開発・製造
- 製品:
- ソフトウェア/情報管理
- ソリューション・サービス:
- 共通業務/SCM
- 共通業務/ERP
Pioneer Manufacturing(Thailand)Co.,Ltd.様
ローコード開発ツール導入でコストを抑えて周辺システムを構築 伝票処理業務のDX化により作業時間を従来の5分の1に削減

- 業種:
- 製造・プロセス
- 業務:
- 経理・財務
- 物流
- 生産管理
- 製品:
- 統合型システム
- ソフトウェア/開発環境
- その他
- ソリューション・サービス:
- 共通業務/ERP
- 共通業務/SCM
- 共通業務/その他
他の事例を探す