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ナブテスコ株式会社様

S/4HANA on AWSで基幹システムのインフラを刷新
攻めのDX推進や国内および海外グループ会社への展開も視野に

業種:
  • 製造・プロセス
業務:
  • 経理・財務
  • 生産管理
  • 営業・販売
  • その他業務
製品:
  • 統合型システム
  • その他
ソリューション・サービス:
  • クラウド

事例の概要

課題背景

  • プライベートクラウドで運用していた既存のSAP R/3のコストが増大していた
  • リソース増強が難しく、パフォーマンス不足による処理遅延が発生
  • アナログな業務プロセスのデジタル化を推進するためのインフラ基盤が必要

成果

S/4HANA on AWSでクラウドメリットを最大限活用

AWSをベースにSAP S/4HANAのインフラを構築し、2022年11月時点で3つの国内カンパニーに展開。現在、国内カンパニーおよびグループ会社に展開中。今後は海外拠点もS/4HANA on AWS化を進めていく

次世代IT基盤を実現

ユーザ数やデータ量の増加に応じて柔軟にリソースを追加可能になった。周辺システムとの連携で、業務プロセスのデジタル化やデータ活用の推進も視野に

システムの可用性が向上

東京・大阪の2拠点間によるDR対策を効率的に実現。東京リージョン内の冗長化構成に加えて、東京リージョンの障害発生時は大阪リージョンへ切り替え、目標とするRPO/RTOでのシステム復旧が可能に

導入ソリューション

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ナブテスコグループのS/4HANA on AWS構成イメージ

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事例の詳細

導入前の背景や課題

ナブテスコ株式会社
情報システム部
システムセンター長
枝川 文彦 氏

既存SAP環境のパフォーマンス不足、アナログ業務の弊害が顕在化

「うごかす、とめる。」を精密に制御するモーションコントロール技術を活かし、独創性の高い製品を提供するナブテスコ株式会社。同社グループは、長い歴史を持つナブコと帝人製機の統合により誕生した“21世紀生まれの老舗企業”です。産業用ロボット・建設機械といった産業分野から、航空機・鉄道・商用車・船舶といった輸送分野、その他に日常生活や福祉にかかわる分野まで、幅広い事業を展開し、各領域において高いシェアを有しています。

ナブテスコグループが長期ビジョンで目指すのが、イノベーションリーダーです。「お客様の課題を解決するだけでなく、まだ世の中にも、お客様にも見えていない課題をとらえ、新たな価値を創造して時代の一歩先をリードしていきたい」と情報システム部 システムセンター長の枝川 文彦氏は話します。

ナブテスコ株式会社
情報システム部
システムセンター 参事
日比野 正樹 氏

しかし、同社グループはこの取り組みを阻む運用上の課題に直面していました。情報システム部 システムセンターの菅 公成氏は「通常 10 分程度で終わる処理も、ユーザが集中する月初めには数時間に及ぶこともあり、プライベートクラウド環境では業務遅延の解消が難しいと考えていました」と振り返ります。「SAP R/3はプライベートクラウド環境で運用しており、約5年で更改が必要となるため、柔軟性・拡張性に課題がありました」と情報システム部システムセンター 参事の日比野 正樹氏は語ります。

ナブテスコ株式会社
情報システム部
システムセンター
菅 公成 氏

さらに、既存の環境では「攻めのDX」も難しい状況でした。「製造現場の生産管理や品質管理も帳票ベースの作業。攻めのDXを実現するためには、アナログな業務プロセスのデジタル化やデータ活用も不可欠です」と菅氏は述べます。
運用の課題を解決し、攻めのDXにシフトチェンジする。この実現に向け、同社は海外拠点も含めたSAP R/3を順次刷新することを決断しました。

選択のポイント

大規模システムの構築実績やS/4HANA on AWSの実績、次世代を見据えた提案を評価

SAPは事業を支える基幹システムであり、高い信頼性・安定性は絶対条件です。「これを堅持しつつ、ビジネスの成長やIT技術の進化に合わせた拡張性を備えることを重要視しました。今後のDXを見据え、各種業務システムとの連携強化も重要な要件でした」と日比野氏は語ります。

SAPの刷新にあたり、同社は複数のベンダーから提案を募り、最終的に採用したのがNECの提案です。それはSAP S/4HANA環境をAWSで構築するというもの。実際、AWSはSAP S/4HANAのクラウド稼働基盤として最も実績が多く、クラウド移行先の有力な選択肢の1つになっています。そのAWSを基盤とすることで、高い柔軟性・拡張性を確保できます。「数年先を見越したインフラを考える必要がなく、スモールスタートできてコストメリットも高い」と菅氏は語ります。

NECは大規模かつ信頼性の高い基幹システム構築を数多く手掛けており、その技術力、知見・ノウハウは大きな強みです。「大規模なSAP S/4HANAインフラの構築・運用実績もあるため、安心して任せられると判断しました」と日比野氏は語ります。

次世代IT基盤を見据えた提案内容も高く評価しました。「AWSとプライベートクラウドを連携させるハイブリッド環境を実現し、周辺システムのデジタル化まで俯瞰しているため、攻めのDXを目指す当社の戦略にもマッチしています」と枝川氏は語ります。

NECはAWS プレミアティア サービスパートナーとしての高い専門性を活かして、プロジェクト要件に柔軟に対応しました。その1つが当時フルリージョンへ拡張する前の大阪リージョンの先行採用です。「事業継続性を高めるため、今回のプロジェクトでは社内ネットワークポリシーに合わせたDR対策を要件の1つに挙げていました。当時、大阪リージョンはフルリージョンへ拡張する前であり、実績も少なかったのですが、NECはAWS社との強固なパートナーシップと高い技術力を基に、AWSの東京リージョンをメインサイト、大阪リージョンをDRサイトとする構成を提案し、こちらのシビアな要求に応えてくれました」と菅氏は語ります。

導入後の成果

柔軟性・拡張性の高いDX推進基盤を実現し、事業継続性も向上

プロジェクトは2019年2月にキックオフし、同6月より設計・構築を開始。納期やマイルストーンを意識した推進により、計画通りのスケジュールとコストでカットオーバーし、既存のSAP R/3環境のデータを順次移行しています。2020年1月にまず本社の経理部門が、その後、2022年11月時点では3つの国内カンパニーがSAP S/4HANAの利用を開始しました。

多くのメンバーが参加するプロジェクトでは、メンバー間の折衝や合意形成も重要な作業になります。「日本のやり方を熟知しているNECが全体を統括することで、AWSとの調整もスムーズに進みました」と日比野氏は評価します。

難しい要求にも粘り強く向き合い、実現手段を模索しました。「簡単に『できない』とは言わない。なんとかできる方法を見つけてくれる前向きな姿勢は非常に頼もしく感じました」と枝川氏は振り返ります。

AWSを活用することで、初期導入費用を抑制し、将来の利用増加を見据えた柔軟性・拡張性も確保できました。「利用ユーザやデータ量が増えても柔軟にスケールアップが可能です」と菅氏は語ります。

システムの可用性も大幅に向上しました。メインの東京リージョンはCLUSTERPROによるリージョン内の冗長化構成を実現。それでも正常稼働が難しい場合はDRサイトの大阪リージョンでRPO/RTOの目標を満たしたSAP環境の復旧が可能です。「本番運用後はまだDRを発動する事態は発生していませんが、定期的に切り替えテストを実施することで運用の精度を高めています」と枝川氏は満足感を示します。

今後は順次移行を進めていき、保守期限を迎える2027年までに国内全カンパニーおよび海外拠点もSAP S/4HANA化していきます。これとともに業務およびデータのデジタル化も目指します。この実現に向け、社内/社外情報を連携させる仕組み、AWS上でのデータ分析基盤の構築に取り組んでいます。

「AWSは新しいサービスリリースや、既存サービスのアップデートなどのサイクルが早い。AWSとNECとの協調による情報やトレーニングの提供に期待しています」と菅氏は語ります。

NECのサポートによるS/4HANA on AWSで攻めのDXの推進に舵を切ったナブテスコ様。今後は新たな基幹系システムを軸に、挑戦し続けるイノベーションリーダーとしてさらなる成長を目指す考えです。

NEC担当スタッフの声

NEC
サービスビジネス統括部
シニアマネージャー(当時 :製造・装置業システム本部 プロジェクトマネージャー)
山下 宙也

お客様に寄り添い全体をマネジメントします

今回のプロジェクトはSAPの脱オンプレミスとAWS東京・大阪リージョンによるDRシステムを約1年という短期間で実現することがミッションでした。そこでメンバーにはSAP S/4HANAインフラやDRシステムの構築経験を持つSE、AWSに精通したSEなどをアサインし、構築・運用まで一貫してサポートするチームを編成しました。

プロジェクトはある意味で、お客様とベンダー側のギャップを埋めていく作業でもあります。NECのチームはお客様に寄り添い、その要件を理解し、一つひとつ合意を得ながらプロジェクトを進めていきました。例えば、お客様側で対応が必要な作業があれば、何をいつまでに実現すべきかを明示する。難しい場合はNECがサポートしたり、代替案を提案する。部門を跨いだ連携が必要な場合は一歩踏み込んで、社内調整もサポートしました。

ナブテスコ様はAWSを本格利用するのが初めてだったため、事例をもとに最適活用もサポートしました。「自社だけではS/4HANA on AWSの実現は難しかっただろう」という評価はうれしい限りです。こうした活動がお客様の納得と理解を深め、プロジェクトの成功につながったのだと思います。

とはいえ、プロジェクトは道半ばです。今後も他の国内カンパニーや海外拠点の脱オンプレミス、さらに周辺システムのデジタル化も含め、ナブテスコ様のDX戦略に伴走していきます。また、この実績と経験を新たな糧として、多くのお客様のS/4HANA on AWS化も幅広くサポートしていきたいと思います。

お客様プロフィール

ナブテスコ株式会社

本社所在地 東京都千代田区平河町2丁目7番9号 JA共済ビル
設立 2003年9月29日
資本金 100億円
従業員数 単体2,369人、連結7,844人(2021年12月末)
事業内容 2003年に帝人製機株式会社と株式会社ナブコの統合により誕生。独創的なモーションコントロール技術で、生産現場の自動化や陸海空の安全・安心・快適な移動を支える機械コンポーネントメーカー。中大型産業用ロボットの関節用途向けの精密減速機では世界市場シェア60%、建物用自動ドアでは国内市場で約55%のシェアを有する。
URL new windowhttps://www.nabtesco.com/

ナブテスコ株式会社様

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(2023年1月6日)

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