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株式会社シーエスシー 様
不具合時の電話連絡を自動化し、夜間監視オペレータを廃止
運用コストを100%削減、管理負担の大幅減を実現
- 業種:
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- 製造・プロセス
- 情報サービス業
- 業務:
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- 設計・開発・製造
- 保守・サービス
- ICT管理・運用
- 製品:
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- ソフトウェア/運用管理
- その他
- ソリューション・サービス:
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- クラウド
- IoT
- サービス/アウトソーシング
事例の概要
課題背景
- トヨタ自動車東日本様のホストコンピュータの運用・保守を担っていたが、夜間の監視オペレータの定着率が低く、運用が安定しなかった
- 日中出勤の監視オペレータや現場管理者と、夜間出勤の監視オペレータとの間でコミュニケーションが不足し、夜間にトラブルが頻発していた
- 常時2人体制が求められる夜間の監視オペレータの「運用コストの増大」も課題になっていた
成果
業務担当者への電話連絡をAMCで自動化し、夜間監視オペレータを廃止
夜間の監視業務を“棚卸し”し、日中に移せる業務や不要な業務を削除。最後に残った業務担当者への電話連絡(アラート通報業務)をNECのWebSAM Automatic Message Call(AMC)で自動化し、夜間監視オペレータを廃止した
夜間監視オペレータ2人分のコストを100%削減、管理負担も大幅減
夜間監視オペレータの廃止により、夜間オペレータ2人分の運用コストを削減。この削減できた経営資源をDX活動などに振り分けることが可能に。また、夜間の監視業務を自動化したことで、現場管理者の負担も軽減した
機械化により連絡の取りこぼしがなくなった他、業務担当者の心理的負担も軽減
電話連絡を受けるトヨタ自動車東日本様の業務担当者からも、AMCによる自動化で「連絡の取りこぼしがなくなった」他、深夜に電話を受ける際「心理的負担も減った」と評価いただいている
導入ソリューション
トヨタ自動車東日本様が主要業務の処理に活用しているホストコンピュータ(大型汎用機)の夜間の監視業務にWebSAM Automatic Message Call(AMC)を導入し、夜間の監視オペレータを廃止した。全体のシステム構成としては、まずRPA(Robotic Process Automation)でホストコンピュータの不具合を検知。その不具合の緊急度合いなどを独自システムで切り分け、緊急性の高い事案のみAMCに伝える。その知らせを受けたAMCが、業務担当者に自動で電話連絡している。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
夜間監視オペレータの人材確保、運用コスト増が大きな課題に
トヨタ自動車東日本株式会社様のグループ会社として、業務アプリケーションの開発やITインフラ・基幹業務システムの維持・運用を行っている株式会社シーエスシー様(以下、CSC様)。「お客様の立場になって情報システムを企画・提案・提供する」を経営理念に掲げ、開発・制作に必要な工程を一気通貫で担っています。
CSC様の重要なミッションのひとつとして、トヨタ自動車東日本様が主要業務のデータ処理に用いているホストコンピュータ(大型汎用機)の運用・保守があります。この業務の遂行にあたりCSC様では、24時間体制で監視オペレータを常駐させていました。
「しかし、夜間オペレータの定着率が非常に低く、長い間運用が安定しなかった」と、サービス事業部システム運用グループの立木純一氏は、夜間業務の人材確保に苦しんでいた状況を振り返ります。
「そもそも夜勤という特殊な勤務であることに加え、当社の職場が都心から離れた立地にあることもあり、なかなか適切な人材を確保できずにいました。ようやく採用できたとしても、業務を覚えるのに時間を要するうえ、『自分はこの業務に向いていない』『夜勤が合わない』といった理由で辞めてしまうケースが頻発していたのです」(立木氏)
さらに、日中に出勤するオペレータや現場管理者と、夜間に出勤するオペレータとの引き継ぎなどのコミュニケーション不足が原因でトラブルが頻発していた他、2人体制で行われていた夜間監視の「運用コストの増大」も課題になっていたと、サービス事業部事業部長の府川龍実氏は説明を加えます。
こうした状況を改善するため、CSC様では、「夜間の監視オペレータの廃止」を目標にした業務の“棚卸し”を実施。トヨタ自動車東日本様に提案、連携して「日中に移せる業務」や「不要な業務」を除いていき、最終的に残ったのが、「緊急度の高い不具合を業務担当者に電話連絡するアラート通報業務」だったといいます。
このアラート通報業務を機械化するため、CSC様では2023年2月から、アラート業務を自動化するサービスの導入検討を開始。複数サービスを比較した結果、NECのクラウド(SaaS)型通報サービス「WebSAM Automatic Message Call(以下、AMC)」の導入を決定しました。
選択のポイント
決め手は「夜間対応」の充実、導入ハードルの低さもポイントに
「一番の決め手は、夜間の対応が充実していたことです」と、サービス事業部シニアエンジニアの俣賀宏通氏はAMCを選んだ理由を次のように説明します。
「NECではAMCの挙動を昼夜問わず監視しています。また、具体的な稼働率は『99.5%』とのことでした。当社が利用するのは主に夜間ですから、こうした昼夜を問わないサポート体制は大きな安心材料になりました」
この他にも俣賀氏は、「サーバ追加やAPI設定をせずとも、監視ツールのメールの宛先にAMCを設定するだけで利用できる点」や「スモールスタートしやすい安価な価格設定」といった“導入ハードルの低さ”も決め手に加えます。
一方、立木氏は「ユーザーインタフェースが優れている」点に言及。トライアルで触れた際に「マニュアルを見ずとも思い通りの設定ができた」とし、「直感的な操作感や手軽に導入できる点」を高く評価しました。
約2カ月間のトライアルを経た後、CSC様は2023年11月にAMCを導入。現在では、ホストコンピュータ内の不具合をRPA(Robotic Process Automation)で検知し、独自システムでその不具合を切り分けた後、緊急性の高い事案のみAMCで電話連絡しています。
この仕組みを構築する際に、「特に効果的だった」と俣賀氏が評価したのが、AMCの「到達監視」機能です。これは、「不具合がない」ことを知らせるメールが一定時間届かなかった場合に、AMCが自動で運用担当者に電話連絡するというもの。
「当社の監視システムでは最初にRPAがホストコンピュータ内の不具合をチェックします。しかし、例えばウイルス対策ソフトがポップアップメッセージを出した際などに、RPAが処理できず固まってしまうケースが発生します。この問題の解決に『到達監視』を使いました。まず、RPA側で一連の処理が終わったら、『処理が終わった』とAMCにメールするよう設定。次にAMC側で『到達監視』機能を用いて、メールが届かなかった場合に自動電話するよう設定したのです。この機能がなければ現在の監視体制は実現できなかったでしょう。多様な機能を有するという観点からも、AMCを選んだ意義は大きかったと感じています」(俣賀氏)
導入後の成果
夜間オペレータ2人分のコストを完全削減、管理負担も大幅減
CSC様ではAMCを導入後、約1カ月間、夜間の監視オペレータとAMCを併用。その結果から「AMCのみで対応可能」と判断し、当初の目的であった「夜間の監視オペレータの廃止」を実現しました。
夜間オペレータ廃止の主な効果として府川氏は、「夜間オペレータ2人分のコストをすべて削減できたこと」を挙げます。
「初期導入コストや月々のサービス料金を差し引いても、数カ月で元が取れました。また、削減できたコストをDXなどの新しい取り組みに回せるようになったことも、導入メリットといえます」(府川氏)
監視業務の管理を担う立木氏は、「運用管理の負担が減ったこと」も導入効果に挙げます。
「夜間に大きなイベントがあるときなどは、自発的にオペレータに連絡を入れ、監視現場の様子をうかがうなどしていました。夜間のオペレータが廃止されたことで、この作業がすべてなくなりました。管理業務の負担が大きく軽減されたと感じています」(立木氏)
一方、業務担当者として、AMCから電話連絡を受ける立場であるトヨタ自動車東日本 情報システム部デジタル化支援グループの伊藤寿佳氏は、「連絡の取りこぼしがなくなったこと」や「心理的負担の軽減」を導入効果に挙げました。
「人手で電話連絡を受けていたときには、連絡漏れや輪番の機能不全などで連絡の取りこぼしが発生していました。AMCではこの点が改善され、確実かつスピーディに連絡を受けられるようになりました。また、深夜帯に人から電話連絡を受けるときには、申し訳ないと思いつつ不満を口にしてしまうケースもありました。しかし、AMC導入で“対機械”になったことで覚悟が決まり、対応に躊躇がなくなりました。こうした心理的負担の軽減にも大きな導入効果を感じています」(伊藤氏)
今後CSC様では、AMCの前段システムで行っている「不具合の切り分け」についても、AMCに一本化する方法を模索する予定とのこと。加えてホストコンピュータ以外のオープン系サーバで行っている監視業務についても、AMCのフィルタ機能で担当者の負担を軽減し、「最終的にはすべての監視業務を無人化していきたい」(立木氏)と、AMCの利用拡大に向けた強い思いを示していただきました。
NEC担当者の声
多様な機能を活用いただきながら、さらなる利用拡大に尽力したい
CSC様ではただAMCを導入して通報を自動化するだけでなく、今回の導入をきっかけに、監視運用においてそれが本当に緊急度の高い電話なのかという根本的な部分からの見直しや、RPAのアラートの上げ方を工夫することで、障害検知の質を向上させるなど、少しでもアラート運用にかかわる人の負担を低減させようという思いが伝わってきてとても感銘を受けました。AMCは担当者の負担軽減を目指してサービス提供しています。今回のプロジェクトを通して、管理者様の夜間確認の負担が減り、現場オペレータの連絡の取りこぼしを気に掛ける負担が軽減され、目的の達成に貢献できたことを大変嬉しく思います。今後もCSC様が求める価値を実現できるよう、より良いサービスを提供してまいります。
お客様プロフィール
株式会社シーエスシー
社名 | 株式会社シーエスシー |
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所在地 | 静岡県裾野市御宿1501(トヨタ自動車東日本(株)敷地内) |
設立 | 1998年1月 |
資本金 | 6000万円 |
従業員数 | 34名(2024年1月時点) |
事業内容 | 情報システムの企画・設計・開発・保守・運用、IT機器販売 |
関連会社 | トヨタ自動車東日本株式会社 |
URL | https://www.cscltd.co.jp/index.html |
この事例の製品・ソリューション
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(2024年12月11日)