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四国旅客鉄道株式会社様

「財務基盤の安定化」と「収益基盤の強化」を支える新財務会計システムをプライベートクラウド環境で実現
-NECがグループ総力で共創プロジェクトを完遂-

業種:
  • 運輸・物流
  • サービス業
業務:
  • 経理・財務
製品:
  • その他
ソリューション・サービス:
  • 共通業務/ERP

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導入前の課題

四国旅客鉄道株式会社
総合企画本部
課長 末沢 直邦 氏

制度改正への対応と固定資産業務の効率化を目的にシステム検討を開始

「四国とともに光り輝く企業グループ」を目指し、広く四国の経済・文化の向上に寄与されている四国旅客鉄道株式会社様(以下、JR四国様)。JR四国グループは、鉄道事業のみならず、バス、ホテル、物販やITビジネスなど幅広いジャンルの事業を展開し、四国地域の活性化や観光振興による交流人口の拡大に積極的に取り組まれています。

2010年6月、同社は、(1)社内外の制度改正への的確な対応、(2)上場企業並みのよりレベルの高い財務報告への対応、(3)固定資産関係業務の効率化、(4)独自改修の極小化によるシステム維持費用の低減への対応に向け、総合企画本部、財務部、JR四国情報システム株式会社様(以下、JRSIS様)を中心にした新財務システム導入への取り組みを開始しました。従前の会計ERPシステムは、アドオン、カスタマイズを行って導入し、パッチの適用が困難な状況であり、制度改正による対応にかなりの時間が必要でした。

JR四国 総合企画本部 課長の末沢直邦氏は、「固定資産が鉄道会計に合うERPは少なく、5種類あるかないかで、しかも完璧にしっくりくるものはありませんでした」と述べます。

導入の経緯

JR四国情報システム株式会社
情報システム部
課長 西谷 光弘 氏
四国旅客鉄道株式会社
財務部経理課
副長 戸川 健司 氏

新財務システムの総合SIパートナーに安心して依頼のできるNECを選定
~鉄道業務ノウハウが集約され実績豊富なSAP ERPテンプレートソリューションであるATSを採用~


JRSIS 情報システム部 課長の西谷光弘氏は、システム選定の過程を次のように振り返ります。

「固定資産だけに限れば、鉄道会計に特化したソリューションはありましたが、コアシステムとのつなぎを含めると、想定費用感では実現できないことが分かりました」

選定を進める中、NECより2010年11月に“ATS(ABeam Transportation Solution)を活用する鉄道事業社向けのクラウドサービス”の紹介を受けました。JR四国 財務部経理課 副長の戸川健司氏は「鉄道事業は固定資産まわりが他企業と違いますので、その点を中心に検討しました」と機能面の充実を重視したと述べます。JR四国様はATSを導入した他社の見学をするなど検討を重ね、最終的にはJR各社、私鉄を含めた豊富な実績とベンダへの信頼感を決め手とされました。

NECは、システムインテグレータとして、JR四国様、JRSIS様と共同で、長きにわたりプロジェクトを推進してきました。旅客系、人事給与系などのシステム構築、仮想化など最新技術を採り入れたサーバ統合基盤の構築など、JR四国様の他社に先駆けた試みを支援。こうしたNECの技術力やプロジェクトマネジメント力に対し、本プロジェクト統括の重責を担われた末沢氏は次のように述べます。

「NECとは、いろいろなプロジェクトを一緒に手がけてきましたが、すべてうまくいき、失敗したことがないので安心して依頼できます。NECとアビームコンサルティングが一緒にやってくれるのであれば、新財務システム導入もうまくいくだろうと思いました」
こうして、JR四国様は、NECグループと共に2012年6月より、新財務システム構築プロジェクトを開始しました。

JR四国情報システム株式会社
情報システム部
石原 裕士 氏

じっくりと時間をかけた基本構想フェーズが円滑なプロジェクト遂行に寄与

プロジェクトは、メンバーが各部門担当者をリードし、改修による機能付加ではなく、欲しい機能をどう実現するかという視点で進行。「基本構想段階から財務部の各担当者にも入ってもらい、決めるべきことを決めていったので手戻りは少なかった」と戸川氏は述べます。また、JRSIS 情報システム部の石原裕士氏は「独自改修を極小化するため、ATSが保持していない機能は、パッケージとは別に外付けシステムとして構築することに決めました」と述べます。

四国旅客鉄道株式会社
財務部経理課
宮崎 佳孝 氏
四国旅客鉄道株式会社
財務部経理課
副長 馬場 貴宏 氏
四国旅客鉄道株式会社
総合企画本部
副長 香川 祐二郎 氏

プロジェクト全体での創意工夫により円滑な共創プロジェクトを推進

プロジェクトは、ATS適用はアビームコンサルティング、それ以外のインフラサーバ統合環境構築、外付けシステムやインタフェース開発はJRSIS様とNECソリューションイノベータが担当。外付けシステム開発ツールの開発元も含め窓口をNECに一本化。NEC一元管理による総合管理体制のもと実施されました。

会計を担当したJR四国 財務部経理課の宮崎佳孝氏は「統合テストを前にシステムに触り出す人が増えると新たな要望が上がりましたが、ATSでの代替案を出してもらうなど臨機応変に対応してもらいました」と振り返ります。また、JR四国 財務部経理課 副長の馬場貴宏氏は、「NECによる総合プロジェクト管理により、外付けシステムも含めスムーズに運んだことは高く評価したい」と語ります。

「総合企画本部は予算取りする立場でもありますが、外付けやインタフェース用アプリが必要ということで見積りは予算を超過。しかしNECがグループとして、JRSISと共にうまく調整し、予算内に収めてくれました」(末沢氏)。JR四国 総合企画本部 副長 香川祐二郎氏は、「契約関係を担当しましたが、NECが全体をまとめて、SAP導入が実現し非常に満足しています」と予算内・納期内での導入の工夫を評価します。

次期財務システム実現全体イメージzoom拡大する
次期財務システム実現全体イメージ

導入後の成果

四国旅客鉄道株式会社
財務部経理課
松原 弘樹 氏
JR四国情報システム株式会社
情報システム部
木村 友哉 氏

新規ツールによる外付開発システムも含め、安定稼働を実現、他システムへも構築ノウハウを展開

新財務システムは2014年4月に本稼働。西谷氏は「従前のシステムに比べ、確実に安定稼働しています」と評価します。「独自改修を避けたので、最初は現場でもう少し戸惑いがあるかと心配しましたが、思った以上に入力などに抵抗がなく、移行に際して大きな問題も発生しませんでした」(戸川氏)。

「固定資産で苦労するかと思いましたが、基本機能に違和感はありません。従前システムの前システム『NEC製汎用機』とATSは項目などで似通ったところがあり、これも使いやすさの一要因ではないかと思います」(JR四国 財務部経理課 松原弘樹氏)。

また、外付けシステムやインタフェースについては、「現場で使う人が一番多い業務には、新規ツールを使いシンプルな仕組みを構築しました。開発ノウハウも蓄積できたため、今後他システムにも使えると思います」(石原氏)。「インタフェースについては仕様確定に事前に十分な時間が取れず、リリース後に仕様変更もありましたが、NECの臨機応変な対応に感謝しています。今後も変わらぬ対応に期待しています」(JRSIS 情報システム部 木村友哉氏)。

さらに、「固定資産などの業務知識を高める良い機会になり、インタフェースについても丁寧に教えてもらい勉強になりました」とJRSIS 情報システム部 宮武光彦氏はプロジェクト参画の効果を挙げます。

JR四国情報システム株式会社
情報システム部
宮武 光彦 氏

今後の制度改正や新たな技術追随など、NECグループ連携による迅速な対応に期待

「今回のプロジェクトは、これからの対応次第で、成功かどうかが判断されます。制度改正等、システム対応が発生した際は、NECグループが密に連携を取り、対応していただきたい」と石原氏。

また、西谷氏も「目紛るしく技術が移り変わる中で、必要なものを見極め、変化に立ち遅れることがないよう、SAP以外も含めた新技術や新製品などの情報提供をお願いしたい」とNECグループへの期待を語ります。

最後に今回のプロジェクトの成果を踏まえ、末沢氏が今後の展望を次のように述べます。

「NECグループには、制度改正に関する情報提供や迅速な対応に期待しています。さらにATSが今後も進化を続け、鉄道業界のデファクトスタンダードになり、ユーザ企業へのサービスがますます向上することを期待しています」

NEC担当スタッフの声

四国支社 産業営業部
主任 前田 暁士

お客さま文化を大切に、共にサービスを創り、共に社会ソリューション事業の発展を目指す

今回のプロジェクトでは、地域密着SEによる新技法への対応、SAPテンプレートの豊富な構築・運用実績とそれらにもとづくコンサルテーションなど、OneNECとしてNECが一丸となり、JR四国様の新ERP導入・移行の完遂に貢献することができました。

プロジェクト現場での最重要テーマは、JR四国様が築き上げられた「地方圏における経営の模範たる文化」を、プロジェクトに関わるすべてのメンバに、継承・浸透させる共創のチーム作りにありました。

例えば、現場の声を細部まで十分反映しつつコンパクトに導入するために、現場担当者様の負担を配慮されたプロジェクト推進(総合企画本部様)、何度も何度も繰り返し研究、分析を重ねた機能搭載手法の構想作成(JRSIS様)、実務担当者様の参画調整や仕様確定・検証(財務部様)など、各部門が連携されました。
こうしたお客さまの取り組みを、NECは長年のお付き合いをもとに総力を挙げてご支援し、トータルなソリューションをご提供することができたと実感しています。

今後もNECは、運用サポートや制度改正対応、新技術、新技法等の情報提供などに加え、「心のこもったサービス」を通して地域社会の発展に貢献できる社会ソリューションをご提供していきます。

NECソリューションイノベータ株式会社
エンタープライズ第二事業本部
共通ソリューション事業部
エキスパート 高嶋 英幹

既存環境を活かすことで低コスト、高品質なインフラ構築を実現

財務システムとして新規にシステムを構築する際、全てを新規に作り上げるのではコストがかかるため、既存資産を有効活用することで低コストかつ高品質なシステム構築を目標としました。

既存環境へ必要最低限の増設を行うとともに、既存システムへの影響や親和性、リソースの流用性を考慮して財務システムの構築を実施。特にバックアップについては、当初財務システム分の処理時間の余裕がなく、JR四国様、JRSIS様と共同で検討・試行を重ねてバックアップ方式を見直すことで大幅な処理時間の改善に成功。既存システムと新財務システムのバックアップを遅延なく実施可能な状態に再構築することができました。
お客さまとの協力関係・信頼関係があってこその成功であったと思います。

今後もNECグループとして、システムの安定稼働に努めていきます。

お客様プロフィール

四国旅客鉄道株式会社

所在地 本社 〒760-8580 香川県高松市浜ノ町8-33
設立 1987年4月1日
資本金 35億円
従業員数 2,629人(2014年4月現在)
事業内容 旅客鉄道事業、旅行業、その他関連事業
URL new windowhttps://www.jr-shikoku.co.jp/

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(2014年09月25日)

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