イベントレポート
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5Gで進化する NEC DX Factory
最新ソリューションのご紹介
NEC DX Factory 共創スペースの実態に迫る
2020.03.16
NEC DX Factory共創スペースとは?
NECでは、デジタルトランスフォーメーションが変える“ものづくりの未来”コンセプト「NEC DX Factory」を提唱しています。
2018年6月には、その姿を具現化したモデルを常設する場として「NEC DX Factory 共創スペース」をNEC玉川事業場内に開設。部品の搬入から加工、組立、検査に至る実際の生産ラインに、NEC Industrial IoT Platformを中心とした最新の技術がどのような変化をもたらすか、実際に見て体験しながら議論できる場となっています。ここで見ていただく生産ラインとソリューションは、NECグループの工場で積み上げられたノウハウと、NECの最新技術を掛け合わせ、実証・実装しているものです。
この共創スペースには、これまで既に100社700名を超えるお客さまがご来場されています。実際のデモラインを見ながら活発に議論が行われ、その結果は、お客様のものづくり革新に貢献しています。
日々進化を続けるNEC DX Factoryですが、昨年11月には5Gによって変わるものづくりの未来の姿をC&Cユーザーフォーラム&iEXPO2019にてご紹介(レポートはこちら)。本稿では、その更なる発展モデルを玉川事業所 共創スペースよりレポートいたします。
※本稿にてご紹介させていただくのは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため出展中止といたしました、展示会にてお披露目を予定していた内容です。
5Gの活用はさらに加速
ものづくりにおける5G活用の一つとして、ロボットのリアルタイムな遠隔操作が挙げられます。遠隔地からスマートグラスやタブレットを介して遅延なくロボットの操作・制御でき、場所に縛られない働き方が可能となります。NEC DX Factory共創スペースでは、実際に遠隔地に見立てた場所からモニタを見ながらネットワーク経由でロボットを操作するデモを体験いただけます。
また、AGV(無人搬送ロボット)は、5Gにより多数同時接続による高密度かつ高頻度な運用が可能となります。複数台のAGVが、AIを活用した自律制御により交錯することなく、最適なルートを選び、部材の搬送を効率化することで、多品種変量に対応したものづくりを実現します。
人作業に最新技術を適用して、さらに高度化
製造業全体が抱える課題として、労働力不足による省人化の必要性と、熟練者の退職に伴う属人化したノウハウの断絶があります。NECでは、こういった課題に対応すべく、人の作業を効率化・高度化する「人作業ナビゲーション」を提供しています。
「人作業の高度化」をテーマとしたデモでは、「顔認証」、「音声認識」の他、耳穴の反響音によりデバイスを装着した作業員を識別する「耳音響認証(ヒアラブル)」を活用。音声・プロジェクションマッピングを掛け合わせ、作業者の熟練度や使用言語に応じた作業手順のナビゲーションを行う様子を、ユースケースとしてご紹介しています。
このようなナビゲーションの活用により、作業者のミス防止や若手作業者への教育にかかる時間を短縮。多言語対応も進んでおり、海外工場への導入や訪日外国人従業員への活用も期待できます。
また、製造工程における組立など人作業のデジタル化は、業務改善・品質改善にも役立てることができます。
「音声認識」により、作業員が"声"で実績を記録することで、作業の手を止めずに実績のデータ化が可能になります。これにより蓄積された作業情報を分析、QCDを改善し生産性の向上を実現します。
AIと映像を組み合わせた人作業の解析
映像による作業解析もまた、人の作業の見える化/データ集積において期待が高まっている領域です。
AIを活用した作業現場の映像解析により、実際に手を動かして作業している時間を把握できます。これにより、離席時の停止、段取りや調整など付加価値を生まない作業の実態を正確かつ簡単に把握し、作業改善に役立てることができます。
さらに、機械学習モデルによる高度な映像解析を活用することで、予め決められた作業と異なる動きをしていた際にアラームを発報し、リアルタイムかつ直接的に作業ミスの防止ができます。更に、その作業履歴を動画で確認することで作業改善に活用することもできます。
新技術でより高度化したAI外観検査
AI外観検査では新しく機能を強化し、欠陥をピクセル単位で精細に検出できるようになったことで、長さや面積など細かい品質基準に合わせた良否判定が可能になりました。欠陥の種別の判定も同時に検出でき、人によって生じていた検査精度のバラツキ問題を解決し、検査の標準化を実現します。
こういった業務に適用しやすいソリューションは、NEC DX Factory 共創スペースにご来場頂いた方からの声を活かすことで、製造業の皆様に貢献できるよう作り上げています。
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段ボール箱等の開梱作業の自動化による省人化と安全性の向上
人とロボットの協働を実現する「ロボット導入トータルサポートパッケージ」の新たなラインナップとしては、「開梱ロボット」をご用意。
これまで自動化の進んでいなかった受入工程での段ボール開梱作業のロボット対応を実現しています。異なった箱サイズの連続投入にも対応しており、重い段ボールの取り扱いやカッターを用いた作業による怪我など、開梱作業にかかっていた負荷を軽減、効率化・省人化が可能になります。
稼働管理アプリケーションも用意されており、ロボットの稼働状況や刃など消耗品の交換時期が分かるため、ロボットの停止によるダウンタイムの軽減につながります。受入工程の状況がデジタル化されることで、ライン全体の見える化・分析も促進します。
Edgecrossに対応しデータ収集を加速
NEC DX Factoryでは、ベンダーやネットワークの種類を問わずに設備や装置からデータを収集するEdgecrossを適応し、設備データをNEC Industrial IoT Platformに集約しています。さらに人作業データやその他各種データと統合して見える化・分析し、現場だけでなくPLMやMESにまでフィードバックすることで、ものづくり全体のスループットと品質の向上を実現します。
最新のソリューションが実装された玉川事業所の「NEC DX Factory共創スペース」に加え、近々、ローカル5Gのユースケース検証を短期間でコンパクトに実施することができる「ローカル5Gラボ」の併設を予定しています。
5Gを「自社の工場でどのように活用するか」を実際に体感する場としても活用していただければと思います。
【関連リンク】

次世代ものづくりを具現化する
「NEC DX Factory」
NECは、日本の製造業の課題を解決し新しいスマートファクトリーの実現を支援するため、「NEC DX Factory」というコンセプトを打ち出しました。これは次世代のものづくりを先取りし、その具現化を支援するものです。
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