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NECグループの多様性で挑んだ「魔改造の夜」NECグループの多様性で挑んだ「魔改造の夜」

NECグループの多様性で挑んだ
「魔改造の夜」

プロジェクト総合リーダーへのスペシャルインタビュー【2023.11.15】

カテゴリ:DX・業務改革推進生産技術・製造スマートファクトリー(IoT基盤/AI)

超一流のエンジニアたちが極限のアイデアとテクニックを競う、NHKの技術開発エンタメ番組「魔改造の夜」。2023年7月27日放送の第4回「パンダちゃん大玉転がし」と、8月31日放送の第5回「洗濯物干し25mロープ走」に、NECグループから2チームが参加し、熱い闘いを繰り広げました。
このプロジェクトの総合リーダーを務めたのは、NECプラットフォームズ株式会社でスマートファクトリー推進部の部長である成田尚志。急ごしらえの混成チームをどのようにまとめ、どんな成果に繋げたのか、その内幕をインタビューしました。

NECプラットフォームズ株式会社
生産技術本部 第二スマートファクトリー推進部長 成田尚志
2002年NEC生産技術研究所入社。2019年よりNECプラットフォームズへ出向し、現在、工場の生産自働化を担当している。

【目次】

1.はじまりは1通の社内SNS

──今回、NECチームが「魔改造の夜」に参加することになった経緯から教えていただけますか?

魔改造の夜プロジェクトで総合リーダーを務めたNECプラットフォームズ株式会社 生産技術本部 第二スマートファクトリー推進部長 成田尚志氏
NECプラットフォームズ株式会社 生産技術本部 第二スマートファクトリー推進部長 成田 尚志

成田: NECに転職されてきた方が社内SNSで「番組に参加したい」と有志を募ったことがきっかけです。その方が以前勤めていた会社がこの番組に参加したことがあり、とても楽しそうだったから、という理由でした。

──成田さんも参加されることになったのは、どういった動機からですか?

成田: 今だから言いますけど、私は自分から参加したのではなくて、突然、田熊CPO(Chief Product Officer)から「総合リーダーをやってくれないか」というメールが来て、参加することになりました。田熊さんは現在、NECのハードウェア戦略を統括する立場ですが、当時はNECプラットフォームズの社長でした。「魔改造の夜に参加して、みんなでものづくりを楽しみたいです」という参加メンバーの熱い想いを受け止めた田熊さんは、放課後活動としての参加を快諾しつつ、「出るからには勝ってほしい」と檄を飛ばされたと聞いています。

実は、田熊さんからメールが来た時には、私は番組のことを全く知らなかったのですが、過去の番組を見てから、こういう番組ならこれまでの私のハードウェア設計の経験や現在担当している生産設備の開発といった経験が活かせるのではないか、と思いました。
また、NECはソフトだけじゃなく、ハードのものづくりも大事にしている会社だということをアピールしたいと常日頃から思っていたので、そうした想いも込めて、私も積極的に参加させてもらうことにしました。

2.バラエティーに富んだメンバーが集結

魔改造の夜に挑んだN社プロジェクトメンバー

──初めて有志として集まった50名ほどのメンバーを見た時は、どういうふうに感じましたか?

成田: 正直、不安でした(笑)。所属も経歴もバラバラなメンバーでしたので、このメンバーで過去の「魔改造の夜」でみたようなモンスターをつくることができるのか、当初は想像ができなかったのです。そのため、設計の要所を押さえられる旧知のメンバーにも個人的に声をかけて参加してもらったりもしました。

──バラエティーに富んだメンバーが集まっていると、短期間でプロジェクトを動かすのはとても大変そうですね。

成田: そうなんです。NECグループは、海底ケーブルから人工衛星「はやぶさ」まで、非常に多岐にわたる幅広い製品を作っている会社です。そんなNECグループのあちこちから集まって来たメンバーですし、若手からベテランまで、それぞれの経験値も全く異なっていたので、まずはお互いを理解することから始める必要がありました。

──そうしたメンバーを、どのようにまとめていったのでしょうか?

成田: このプロジェクトは、番組の企画として「おもちゃチーム」と「家電チーム」の2チームに分かれることになりましたが、まずはそれぞれのチームリーダーがとても頑張ってくれたというところがあります。私自身としては、「ハードウェアはこういうふうにつくるんだよ」と言いたい気持ちが確かにありましたけど、いろいろなアイデアを持っているメンバーが集まっているので、まずはメンバーの「やりたい」という気持ちを尊重すべきと思って接することにしました。

──「このアイデアは厳しいのではないか」といったときもあったけど、そう言うことは我慢して、まずは見守るという感じですか?

成田: そうですね。そんなアイデアもありましたけど、やはり皆さんは技術者ですから、やってみないと納得しないところがあるんですよね。自分もそうなんですけど(笑)。
だから頭ごなしに「それはダメじゃないかな?」とは言わずに、まずはやってみようというように運んでいきました。各チームのリーダーもそういう方針で進めてくれたと思います。

3.多様な集団をひとつにまとめたトライアル

魔改造の夜に挑むメンバーを見守る成田氏

──進めていく中で、トラブルとか、壁にぶつかったとかはありましたか? また、成田さんはそこにどのように絡んでいかれたのですか?

成田: 最初に、メンバーもどう進めて行けばいいか全然わからない状態だったので、本番前に練習期間を設けて、仮のお題を出して、そのメンバーでそのお題のものづくりをやってみるというトライアル(準備運動)をやりました。
本番に入ってからは、チームから私に何か報告してもらうのでは手間がかかると思ったので、私が毎日現場に足を運んで直接状況を把握するようにしていました。それぞれのチームは、チームリーダーを中心にちゃんと運営してくれましたよ。
私は両方のプロジェクトのリーダー的な立場でしたので、技術的にすごく困っていることがあったら口と手を出そうと思ってはいましたけれども、あまり出すこともなく行けましたね。

──全体的には順調に進んだのですね。

成田: いえ、全く順調とまでは言えない状況でした(笑)。やはりいろいろな問題も起きましたが、基本的には各チームリーダーが頑張ってくれたのと、メンバーがアイデアを出し合い何とか乗り越えることができたというところですね。

──結果的にうまく完遂できたポイントはどこにあったと思いますか?

成田: 最初に練習期間を設けたのは、本当に良かったと思っています。一番初めは、みんな「はじめまして」という挨拶から始まったメンバーなので、例えば技術的なことでも腹を割って話すに至るまでは時間がかかったと思います。そこで、仮のお題の練習期間を設けたことで誰がどういうことをできるのかがわかったし、なんだかんだとコミュニケーションが取れたのが、すごくよかったと思います。
その練習の中で意見がぶつかったこともありましたし、そういう衝突も経て一つのチームになったのではないかというふうに思いますね。あの練習期間がなかったら、うまくいっていなかったかもしれません。

──仮のお題での練習期間というのは誰か提案されたのですか?

成田: やろうと言ったのは私です。プロジェクトメンバーの募集をかけてから本番が始まるまで半年ぐらいあったんです。その間にメンバーの間で不安が募って焦るような声が起きたので、「まずは1回やってみておくか」という感じで実施しました。
自主的に手を挙げて集まったメンバーなので、非常に意識も高く、いろいろな課題の提起を受けたりして、実際は背中を押されるように、練習しながらの準備を進めたのです。

4.戦って分かったNECグループの強み

多様なメンバーでプロジェクトに挑むN社メンバーの様子

──このプロジェクトをやるとなった時に、社内から反対の声はありませんでしたか?

成田: 全くなかったですね。田熊CPOからは「心はアマチュアで、腕はプロの技を持って取り組んでほしい」と、強い後押しをいただきました。
よく考えると、実はプレッシャーのかかる言葉なのかもしれませんけれども、参加メンバーのモチベーションが高かったので、「よしっ!」という感じで肯定的にとらえることできたと思います。

──番組では3チームが競う形でしたが、他のチームとの違いはなんだと思いますか?

成田: 他のチームと比較して、「N社」はメンバーが多様だったと思います。ハード専門でやっている人もシステム専門の人も幅広くいて、得意領域が幅広くアイデアもバラエティーに富んでいたので、いい意味で一つのことに固執しなかったと思います。
その点、経験値が似通っていると、初めにこれだと思ったことが結構尾を引いてしまい、それがうまくいけばいいけれども、うまくいかない時にそこに固執してしまう傾向があると思います。「N社」ではそういうことがあまりなくて、臨機応変に多様な手段で問題に取り組めたのがよかったのだと思います。

──魔改造の夜に出演されて、何か考え方が変わったとか、取り組み方が変わったとかはありますか?

成田: 「挑戦する」ということには、やる気が触発されてモチベーションが上がるとあらためて実感しました。日々の業務の中では、どうしても効率やコストの制約が優先されてしまう。それはもちろん企業だから当たり前のことですが、その中でも何かに挑戦しようとか、目標を持って臨む、というのが大事だと再認識しました。NECはいつまでもチャレンジする会社でありたいですね。

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