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講演者、NECスマートインダストリー統括部 北野芳直とNECスマートインダストリー統括部 中原啓輔講演者、NECスマートインダストリー統括部 北野芳直とNECスマートインダストリー統括部 中原啓輔

ものづくりDXの最新トレンドとNECのDXソリューション

第一弾 ものづくりDXセミナーレポート【2025.01.22】

カテゴリ:DX・業務改革推進生産技術・製造スマートファクトリー(IoT基盤/AI)

2024年11月29日に、ものづくりDXの最新トレンドをご紹介するオンラインセミナーを行いました。
NECスマートインダストリー統括部の北野芳直からものづくりDXの進め方やデータ活用事例をお話しした後、同じく中原啓輔よりNECのご提供するものづくりDXソリューションをご紹介しました。
ここでは、その概要をお伝えいたします。

[目次]

【講演1】ものづくりDXの最新トレンドのご紹介

【講演者のご紹介】
NECスマートインダストリー統括部 北野芳直
1991年にNECに入社。半導体デバイス、携帯端末など電子機器製造に関するNECグループ内の設備開発や生産ライン構築に従事。2000年より生産革新活動と連携した生産ライン効率化プロジェクトや社内人材育成プログラムを担当。2015年より工場IoT改革プロジェクトを担当、自社工場やお客様工場における多数のIoTプロセス改革を支援。現在、製造業向けスマートファクトリー / ローカル5G領域における製造業向けソリューション開発や企画構想を担当。

1.なぜものづくりDXを進めるのか

ものづくりのDXに取り組まれていても、「データは集められているが活用が進んでいない」「PoCをやっても投資対効果が出ず展開できていない」「全社で進めているが、具体的な効果が出ていない」といった声が多く届いています。
製造業を取り巻く環境が様々に変化し事業継続における危機が迫り来る中、企業価値向上のためには、図のような取り組むべき経営アジェンダがあります。

「注目される経営アジェンダ」の解説スライド

NECにもまだまだ課題は山積していますが、NECは自らの業務システムの標準化や最新テクノロジーの活用など30年に渡ってDXに取り組み、ものづくりの改善活動を進めてきました。こうした経験をもとに、お客様の企業価値を向上させるご支援に取り組んでいます。

先の経営アジェンダをひも解いた変革ポイントは、以下の図の7項目が考えられます。

「ものづくりDXにおける変革ポイント」の解説スライド

ものづくり領域におけるROIC経営とは?

ROICとは、Return On Invested Capital(投下資本利益率)の略で、調達した資本でどれだけ利益が上げられているかを表す経営指標。営業利益率と資本回転率の二つを上げることが重要です。特にものづくりにおいては、CCC(Cash Conversion Cycle:仕入れによる支出から製品販売による入金までの期間)をいかに早めるかがポイントとなります。
そのためには、原価低減とリードタイムの短縮が重要であり、
このために、DX改善や自動化によるサイクルタイムや歩留まりの向上、営業/生産との密な連携による適正な在庫基準の設定などが求められます。

ものづくりのレジリエンス強化

ものづくりのレジリエンスを強化するには、設備や人(音声、映像)といった現場データに加え、PLMやSCM、MESシステムなどのデータを集約するものづくりDX基盤を用意し、工場、会社を横断したものづくりデータを捉えていく必要があります。
データ基盤にデータが蓄積されることで、計画の進捗や品質の低下などを捉え、要因分析が行えます。要因分析によって業務改善ができ、こうした活動を通じて人材育成も可能となります。

「ものづくり高度化スマートファクトリー」の解説スライド

2.ものづくりDXの進め方

ものづくりDXを進めるには、“マインド”、“プロセス”、“仕組み”が必要です。
データを一元管理していろいろな部署で使えるようにする仕組みだけでなく、使う側のマインドやデータを用いて改善するプロセスも伴わないと進みません。

最初に“マインド”は、現場だけでなく経営層も重要です。
ものづくりDXの推進を腹落ちするには、デジタルデータ活用によって小さな成功体験を得ることが肝要です。

「管理者や現場が腹落ちする『実データ』で理解し、改善」の解説スライド

画面上部の青い部分は設備の稼働を示しています。通常はこの稼働が止まっているところをいかに減らすかという改善をしていくわけですが、設備の動きだけ見ても止まっている理由がなかなかわかりません。そこで、中部の赤い部分の人のデータをあわせて確認すると、実は設備が止まってからすぐに段取りをしなければならないところで、別の作業をしていたことがわかります。また、段取り作業に時間がかかっている部分がわかります。
このようにデータを見て気づき、新たな改善点を見つけることができ、成功体験を得ることで、非常に前向きにデータ活用が進められます。

次に、“活用プロセス”については、設備総合効率といったKPIを決め、それを構成する要因を分析して施策を打つという流れになります。そこで我々は「ものづくりDX改善ガイド」をつくり、設備総合効率からドリルダウンしながら分析していくシナリオと画面を揃えています。

「データ活用した業務プロセスへ変化」の解説スライド

最後に、”仕組み“についてです。
業務システムと現場システムには必要かつ大事な情報がそろっていますが、これらの情報の粒度は異なっています。この粒度の違いをデータ基盤は吸収し、BIツールなどを使い見える化することが可能で、さらにAIも活用しながら次の打ち手につなげることができるようになります。

3.データ活用事例

ここでは現場における課題を解決した、具体的なデータ活用事例をいくつかご紹介しました。


事例の詳細については、「NEC ものづくり共創プログラムコミュニティ」会員にご登録をされるとご視聴いただけます。ご登録はこちら(https://jpn.nec.com/nec-community/manufacturing/info.html


事例からわかるのは、データはいろいろなところに存在しているものの、整理や見える化がされていない場合が非常に多いということです。NECのデータ基盤は変換機能や5Mのデータモデルなどを備えており、腹落ちできるような見える化をすることができます。
これに対し、NECはこうした改善を3か月という非常に迅速なペースで進める「ものづくりDX 改善アプローチ」をご提供しています。

「データドリブンものづくりを体感する『ものづくりDX改善アプローチ」の解説スライド

この「ものづくりDX 改善アプローチ」は、お客様の既存データに加え、音声や映像データを取得し可視化・分析することで、「ものづくりDX改善ガイド」を通じて新たな気づきや改善に繋げるというものです。

「ものづくりDX改善ガイド」のシナリオは現在21種類あり、新たにプロジェクト型のものづくりに対応するものを追加しました。

最後に、ものづくりDX改善アプローチを実施したお客様の声をご紹介します。

「データはあるのに使われていない、整理されていないことが分かった」
「画面の見栄えが大事なのではなく、分析できる仕組みに価値がある」
「データ追加や分析画面の構築が顧客側で容易に可能」
「NECの強みはITやソリューションだけじゃない、文化と人材育成も」
「メンバーがワクワクしながら進めている」

以上、ご参考になれば幸いです。

【講演2】NECのご提供するものづくりDXソリューションご紹介

【講演者のご紹介】
NECスマートインダストリー統括部 中原啓輔
2020年NEC入社。入社以降、製造業向けスマートファクトリー領域における製造業向けソリューション開発や企画構想を担当。2024年現在までに、自動車メーカー、電子部品メーカー、鉄鋼メーカーをはじめとする幅広いお客様工場および自社工場におけるデータに基づいた設備の安定化、品質向上施策の立案、そしてIoTを活用したプロセス改革を支援

NECがものづくりDX基盤である「NEC Industrial IoT Platform」と共にご提供している改善ツールである「ものづくりDX改善ガイド」に、新たに追加されたシナリオと、映像や音声で実績を収集するNECのソリューションについてご紹介いたします。

1.「ものづくりDX改善ガイド」に新規追加されたシナリオ

●プロジェクト型改善ガイド
ものづくりの現場は一律ではありません。その形態によった現場課題も異なります。
NECでは、ものづくりの形態を「フローショップ型」「プロジェクト型」「ジョブショップ型」「プロセス型」の4つに分類しています。
“プロジェクト型”とは、量産品とは異なる受注品の場合で、繰り返し性のない製造を行うものです。したがって、製品番号や製品IDで管理されています。また、カスタマイズが多く一製品当たりのリードタイムが長いという特徴があります。加工や検査、調整など人の作業も多いです。

「ものづくり形態~4象限~」の解説スライド

プロジェクト型改善ガイドでは、産業機械メーカーの工作機械の製造工程をモデルとし、お客様が取っている製造実績などのデータを収集・見える化し分析改善を行っていきます。
分析例としては、まずは全体俯瞰をし、問題となる製品を特定後詳細分析を進めていきます。
納期に対する進捗率を確認、計画に対する実績を比較して問題の発生状況を把握します。さらに、人作業についても分析し、改善箇所を特定します。

●在庫型改善ガイド
在庫型の場合は、入出庫指示や在庫の入出庫情報、その品目の数や場所、金額、数量などがあることがプロジェクト型と異なります。
分析例としては、プロジェクト型と同様に全体俯瞰の後に問題点を特定していきますが、その際にシリアル単位に問題があるのか、ストックポイント品目単位で問題があるのかによって在庫の状況を把握・分析できる詳細画面をご用意しています。

2.映像や音声で実績を収集するNECのソリューション

NECの強みである映像AIエンジンや音声認識を活用し、現場の作業をデジタル化する「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」と「NEC 人作業ナビゲーション」をご紹介します。

●NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション
人が関わる作業を映像から自動で検知し、時間計測を行うソリューションです。4つのステップで簡単に設定でき、他にも骨格認識や物体認識、色識別といった様々な映像分析技術を搭載しています。また、録画映像、外部映像、ライブ映像に対応しています。
これによって、従来、人が手で行っていた作業分類や計測に関わる工数を大幅にカットし、日々の改善活動をご支援いたします。

●NEC 人作業ナビゲーション
お客様がお使いの作業指示書から作成した帳票に沿って音声ガイドを行い、作業者の方はこの音声ガイドに従って作業を行っていきます。
実績の収集は、作業者のヘッドセットなどから音声を認識して収集します。音声での作業指示や作業実績登録を行うことで、ハンズフリーでのデジタル化が可能です。
収集した実績をもとに見える化、分析を行っていきます。

3.ものづくりDX改善アプローチの進め方

NECでは、データの取得や蓄積、見える化、分析といった一連の流れを3か月で行うために、ものづくりDX改善アプローチをお客様にご提供しています。
先ほどの人作業のデータや設備のデータなどを組み合わせて効果的な改善分析を行い、お客様に最終的に改善分析結果をご報告します。
こういった一連の流れを行うことで、3か月でデータ収集・見える化、分析の効用をご体感いただけます。

「ものづくりDX改善アプローチの進め方」の解説スライド

ものづくりDXへの取り組みにあたり、改善したいことや疑問点などがございましたら、ぜひNECまでお声がけください。NECと共にデータドリブンな現場の改善、生産性の向上を目指してまいりましょう。

関連リンク

11/29 NECものづくりDX最新トレンドオンラインセミナー【動画】

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