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製造業DXのキーファクター“BOP(Bill of Process)”とは?
BOPの基礎知識から各業界におけるBOP活用事例まで【2024.02.19】
カテゴリ:DX・業務改革推進設計・開発・技術PLM/CAD
「ものづくりの未来」では、NECのスペシャリストたちへのインタビュー記事をはじめ、ものづくりDXを支える最新ソリューションやトレンド情報など、様々な切り口から製造業の今と未来を伝える情報を発信しております。
本稿では、これまで掲載した記事の中でも特にアクセス数が多く注目のテーマである「BOP(Bill of Process)」について、以前の記事を振り返りながら詳しくご紹介します。
【目次】
1.BOP(Bill of Process)とは?
BOPは「Bill of Process」の略称で、日本語では製造工程表とも呼ばれます。
BOM(Bill of Materials:部品表)が「どんな部品をいくつ使ってつくるか」を表す製品構成情報であるのに対し、BOPは「どの工程でどのように何の設備や治工具を使って作るか」を表す製造プロセス情報です。
さらにNECでは工程情報に加え、リソース情報も含めて広義の意味でBOPと定義しています。BOMとBOPをあわせることで、製品構成・工程やリソースを含めた投入品目や完成品目を表現できます。
2.BOP導入のメリット
1990年代以降、多様化する市場ニーズに対応し開発リードタイムを短縮するために、BOMの戦略的活用が求められるようになり、2010年代からグローバルものづくりにおける競争力強化の次なる一手として、BOPが注目されるようになりました。
製造業では、変化に強いものづくりが急務となっており、グローバルレベルでの設計と生産間のコミュニケーション、データ連携がスムーズであることが重要課題とされています。設計者の視点で作成される設計BOMと、在庫や中間品などの生産側の情報を付加して作成される生産BOMは、その目的や形が異なるため、スムーズな連携が困難でした。製造プロセス情報であるBOPを、目的が違い形も付加情報も異なる設計BOMと生産BOMの間にシステム的に介在させることで、両者がシームレスに連携できるようになります。
さらに、BOPの導入メリットは多岐にわたります。
BOPのデジタル化やBOM/BOPの統合管理をすることで、企画設計~製造現場までデジタルにつながり、製造手順書のデジタル化、グローバル生産拠点の立ち上げ迅速化、品質トレーサビリティの向上、原価企画の精度向上、設計-生産コンカレントエンジニアリング、製造業DX・スマートファクトリーの実現につながります。
これにより、変化に強く柔軟に対応する企業変革力が強化され、市場に製品を迅速かつ効率的に提供できるようになります。
以下の記事では、今なぜBOPが必要なのか?BOPの活用法とそれによって得られる経営メリットなど、詳しく解説していますので是非ご一読ください。
3.業界別に見るBOPの取り組み状況
前項では、BOPの役割やその重要性についてみてきましたが、業界ごとのBOPに対する取り組み状況はどのようになっているのでしょう。
以下の記事では業界別のBOM/BOPの狙いや実装パターンとして、150%BOM/BOPの導入、保守BOPの新たな展開、品質管理や原価企画のBOPへの取り組みなどを紹介し、BOPの導入・活用が製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引していることを紹介しています。
各業界でのBOM/BOPの適用や特徴に焦点を当てつつ、DXにおけるPLM(Product Lifecycle Management)の役割にも触れていますので、こちらもあわせてご参照ください。
4.BOM/BOP活用による設計と生産を効果的に連携させる方法
製造業が急な需要変動や不確実性へ対応するためには、迅速・柔軟に製品を市場投入し続けるためのレジリエンスの強化が必要です。その実現には、標準化された製造プロセスとデジタル化されたBOM/BOPの活用により、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンをシームレスに繋ぐことが重要です。
以下の記事では、NEC事例をはじめ、BOM/BOPの導入や検証から見えてきた短納期開発・生産実現のポイントについて開発側・生産側の双方の視点からご紹介しています。グローバルで設計・生産プロセスを標準化し、PLM/SCM/MESなどのシステムをつなぎ、BOM/BOPの統合管理・活用することで設計と生産を一気通貫につなげる方法を解説しています。インタビュー形式での読みやすい記事となっておりますので是非ご一読ください。
5.BOM/BOPを統合管理するPLMソリューション「Obbligato」
NECは、BOM/BOPを統合管理するPLMソリューション「Obbligato」を開発・リリースしています。1991年に発売開始し、1995年から2023年まで28年連続PLM領域において国内トップシェア(出典:株式会社テクノ・システム・リサーチ「2023年 機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」)の実績を有します。
これまで1,000社以上の電機、機械、自動車などの組立製造企業様を中心にご提供してきました。近年では、素材や消費財などのメーカーにも導入が加速されています。
製造業でもあるNECでも、Obbligatoをグループ全社で活用しています。様々な改善を行い、「Obbligato」にフィードバックしながら機能強化を図ってきました。Obbligatoは、企画~設計~生産~保守に至る製品ライフサイクル全般に渡り、BOMとBOPを核に多種多様な技術情報を連鎖・集約・共有し、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンをつないで、変動対応力・競争力の強化を支援します。
また、NECは、「Obbligato」を通じてどのように生産革新を実現するかについて、コンサルテーションの段階からサポートしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
Obbligato/BOPマネジメント資料ダウンロード
「Obbligato/BOPマネジメント」は、BOMとBOPを統合管理することで、設計と生産を橋渡し、変化に強いものづくりを実現します。PLM「Obbligato」の特長、「BOM/BOP」とは?BOPの活用方法とメリットについてわかりやすくまとめた資料をご用意しました。
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BOP(Bill of Process)構想企画サービス
「BOP(Bill of Process)構想企画サービス」は、拠点別、プロジェクト別に分散管理されている工程や生産技術の情報を一元管理し、グローバルでの共有を実現します。
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