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年別おすすめ論文

2014年

この年は、新たな事業ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」に、「安全」「安心」「効率」「公平」な社会を実現するという強い意志と未来への想いを込め、社会ソリューション事業をグローバルに展開。近年は、特に、防災・防犯に向けた監視システムなど、安全・安心な社会の実現に貢献する官公・公共向けソリューションに注目が集まっています。2018年4月~11月までの間に、アクセス数の多かった10論文を以下にご紹介します。

赤外線カメラの画像処理技術と応用例

赤外線カメラの低価格化、高性能化の進展に伴って市場の裾野が広がるとともに、ニーズも多様化しています。最近では社会の安全・安心を守るための非破壊検査装置として、大きな注目を浴びています。本稿では、非破壊検査に必要とされる高解像度化に向けた画像処理技術とともに、赤外線カメラの応用事例について紹介します。

インバリアント解析技術(SIAT)を用いたプラント故障予兆監視システム

故障予兆監視システムは、NEC 独自のビッグデータ技術であるインバリアント解析技術(SIAT)をプラントの運転管理に適用したものです。これまで蓄積された温度や圧力などからなる膨大な運転データから、このプラントの「いつもの状態」を自動的に定義するとともに、最新の運転データとリアルタイムに比較解析して「いつもと違う状態」を見つけ出すことで、設備の故障につながる恐れのある予兆を早期に、かつ的確に検知することを目的としたシステムです。2014年7月、初号機を中国電力株式会社 島根原子力発電所2号機へ納入しました。

センサとICTを融合させた漏水監視サービス

近年、日本の高度成長期に整備されたインフラが老朽化し、さまざまな問題が発生しています。そうしたなか、NECは2014 年9月、水道管の漏水を常時監視する「漏水監視サービス」を開始しました。本サービスは、センサとクラウド解析により地中に埋設された水道管の漏水個所を発見し、水事業者にその正確な位置情報を伝えるものです。今までの漏水検知は、訓練された技能者が特殊機器を使って路上から耳で確認するのが主流でしたが、このサービスにより水事業者のオフィスで漏水の発生状況を常時監視し、速やかに対策ができるようになります。漏水は世界中で深刻な問題となっており、本サービスはグローバルに展開する予定です。本稿では、技術やサービスの特徴と将来への展望を紹介します。

省電力を実現する相変化冷却技術・熱輸送技術

地球温暖化の問題を受けて、地球環境への負荷を小さくする省電力化に対する社会的ニーズは、日毎に高まっています。データセンターに設置されるサーバなどのIT機器の冷却方式に関し、ラックの高密度化と、冷却のために使う電力を小さくする、NEC独自の高効率ラック冷却技術の研究開発事例を紹介します。

ビッグデータ分析とクラウド ~異常を見抜くインバリアント分析技術~

インバリアント分析技術は、さまざまなシステムから平常時に変化しない関係(インバリアント)を自動的に学習してモデル化し、そのモデルと一致しない「いつもと違う」挙動を検知するものです。クラウド基盤などの情報通信(ICT)システムの安定稼働に加えて、プラントの故障予兆検知や橋梁などの構造物ヘルスチェックなどで保全コストを最適化しつつ、社会インフラを支えるさまざまなシステムの安全・安心に貢献することができます。本稿では、ビッグデータ分析技術であるインバリアント分析技術の特長と、クラウド環境での分析の実現例について説明します。

群衆行動解析技術を用いた混雑推定システム

安全・安心な社会の実現に向け、防犯カメラの映像に映像認識技術を適用することで、さまざまな社会的課題の解決を図るニーズが高まっています。本稿ではNECの映像認識技術を用いた群衆行動解析技術とその実現例として、混雑推定システムへの取り組みについて紹介します。

安全・安心を実現する世界一の顔認証技術

社会の情報化やネットワークサービスの普及に伴い、生体認証技術に関する必要性は年々高まっています。顔認証は、カメラを見るといった自然な認証動作で認証可能であり、ユーザー負担が少ない認証技術です。NEC 情報・メディアプロセッシング研究所では、2009年より米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術評価プログラムに参加し、認証精度や検索速度において2009年、2010年、2013年の3回連続のトップ評価を獲得しました。本稿では、世界トップ性能を獲得したNECの顔認証技術を説明し、2013年に実施されたNIST評価プログラムにおける結果を紹介します。

新幹線の安全・安定輸送を支える情報制御監視システム

東北・上越新幹線開業以降、新幹線の安全・安定輸送を支えてきた新幹線情報制御監視システム(CIC)について、このたび伝送容量の高速・大容量化を図り、指令・保全業務の効率化や安全輸送に寄与する新機能を盛り込んだ新システムとして、東日本旅客鉄道株式会社様に納入しました。本稿では、新システムの構成や特徴について紹介します。

魅力あふれるフライトインフォメーションシステムの実現

近年、航空需要が右肩上がりに伸びていくなかで、空港は単なる通過点ではなく、滞在を楽しめる空間として、エンターテインメント施設の充実やショッピングモール設置など商業施設化してきており、そこを利用する空港利用客に対してさまざまなマルチメディア情報を適切に表示案内していくことが、消費誘導やCS面で重要になっています。NECは、空港におけるフライトインフォメーションシステムを中心とした情報表示システムに長年携わってきており、本稿ではその取り組みについて紹介します。

ワールドカップを支えた「NECのスタジアム・ソリューション」

NECは、2014年にFIFAワールドカップが開催されたブラジルにおいて、スタジアム建設プロジェクトにシステム・インテグレーターとして参画し、さまざまなICT製品を最適化した1つのインフラとして統合するとともに、求められた納期、品質基準をクリアしました。本稿では、本プロジェクトを例として、グローバル規模の社会ソリューション事業に貢献するNECのインテグレーション力、マネジメント力を紹介します。

藤永 誠司・Francisco Yoshihiro Yamamoto・Claudia Yokoo Eguti
福永 孝一・坂本 修作・幸田 拓也・小林 哲郎
NEC技報 Vol.67 No.1 2014年11月 社会の安全・安心を支えるパブリックソリューション特集