Japan
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人材開発
ガバナンス
人材開発の体制
NECでは、HR(Human Resources)方針の実現に向けて変化にスピーディーに対応し、「適時・適所・適材」を実現するための体制整備を加速しています。
変革を推進する人事体制
事業戦略をサポートする人事戦略をリードする人事部門の役割を整理しています。HRモデルを作成し、HRBP(Human Resources Business Partner)、SSC(Shared Service Center)、COE(Center of Excellence)のそれぞれに役割と責任を定義しました。COE機能が中心となり人事戦略の立案、プログラムや制度、ポリシーなどを最適に策定し、NECにおける人材開発・育成の施策の展開をHRBPとともに行っています。
専門性を高める育成体制
- ピープル&カルチャー部門内にL&D(Learning&Development)統括部を設置
社内で分散体制となっていた人材育成機能を集約し、L&D統括部を設置。部門および職種共通の人材育成についてNECとしての方針および施策の企画・設計を実行し、人材育成のグループ最適化と高度化を担います。 - 職種別人材育成委員会の設置
職種軸で専門スキルを強化し、NECグループ全体の人材育成を高度化する目的で、組織横断の「職種別人材育成委員会」を設置。領域を代表するNEC役員が各委員会の委員長に就任し、各組織から選出された幹部・有識者と人事部門が協働して、事業成長に必要なプロ人材育成を加速していきます。
One NECとしての人事基盤
HR方針を実現させるためにはNECグループ内(国内・海外を含む)での人事基盤の統一が必要です。パフォーマンスディベロップメント(目標管理、1on1、業績と「Code of Values(行動基準)」による9ブロックを活用したフィードバックによる育成と行動変容の促進)を2019年以降グループ会社にも展開し、人事評価の軸の統一を図っています。
戦略
人材開発の方針
NECは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、組織と人材の力を最大限に活かすための制度改革や環境整備を「人への投資」として進めてきました。
HR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」
市場やお客さまのみならず、働く人から選ばれ続ける企業「Employer of Choice」であるために、2019年に策定したHR(Human Resources)方針「挑戦する人の、NEC。」のもと、人材一人ひとりへの多様な挑戦・成長機会の提供やフェアな評価、挑戦する従業員がベストを尽くせるよう環境や風土の変革を進めています。
目標エンゲージメントスコア
取り組みの結果として、エンゲージメントスコアを2025年度に50%*1まで上げることを目標としています。
- *1グローバル人事コンサルティング会社「Kincentric」サーベイによる。スコア50%は概ねグローバル上位25パーセンタイルに該当し、Tier1レベル
リスク管理(含む機会創出)
人材開発プログラム
人材の育成(人材育成プログラム・研修)
次世代リーダーシップ育成
人材発掘
- 次世代リーダー像とポテンシャル要件を明確化し、グローバルで有望な人材として約1,300人をリストアップ
- 24%の女性を含む、特に有望な人材150人をTop of Topとして特定し、全員に個別育成計画を導入
- 役員間で有望人材について議論を行う「Talent Talk」や事業戦略に基づき組織設計と人材の配置について議論を行う「People & Organization Discussion」を展開
- 上記は日本を含むグローバルで展開し、海外連結子会社では主要7社すべてで実施
次世代リーダー育成プログラム
- Top of Top を中心とした次世代リーダーを対象に、リーダーシップ開発プログラムを策定し、展開
- プログラムは役員からのフィードバックを含む。2023年度は「Beginning Leadership Journey」にグループ会社のタレントを含む21人が参加
グローバルでの人材育成
- リーダーシップポジションにグローバルで通用する人材をアサインするためにグローバルでのリーダーシッププログラムを継続
- 「Rising Leader Program」を実施し、日本を含むグローバルから18人のタレントが参加
- コロンビア大学経営大学院の客員研究員プログラム、社会価値を創造するための海外ワークショップに若手タレントを派遣
若手タレントの発掘とアセスメント、および育成
- タレントプールに選出された若手従業員のうち、150人にポテンシャルアセスメントを実施
- カルチャー施策との連動による優秀層からのチェンジファシリテーター登用、横断プロジェクト(経営監査)への若手の登用
役員とのラウンドテーブル
- Top of Topの有望人材150人と役員とのラウンドテーブルを実施。役員が部門横断的にTop of Topと直接接点を持ち、育成に携わる
職種別人材育成委員会によるプロフェッショナル人材育成
「マーケティング」「営業・ビジネスデザイン」「サービス・SE・コンサルティング」「技術開発」「SCM」「研究開発」の6領域について職種別人材育成委員会を設置。2023年度は当社におけるジョブ型人事制度の導入に向けて、ビジネスリーダーが当事者としてジョブディスクリプションの最終化、人材要件の設定およびそれを強化するための人材育成体系を再構築するとともに、当社の全従業員に向けて、成長と挑戦への期待についてのメッセージ発信やトークセッションなどを行いました。
ピープルマネージャーのマネジメント力強化
2024年4月からの当社におけるジョブ型人材マネジメントの導入を見据え、当社の全マネジメント職(約2,500人)向けのトレーニングを実施しました。人事制度を活かすためには、事業の現場のマネジメントを担う人材が制度の目的や活用について理解を深めることが大切であり、また適切に評価やフィードバックを行うスキルを強化していくことが必要です。2023年度はマネジメント向け制度導入説明セッションなどを通じ、事業戦略を起点とした最適な人材ポートフォリオを実現し、モチベーションが高いプロフェッショナルのチームを築くスキル付与、新任者(約300人)へはパフォーマンスマネジメントスキルの獲得および多面的なフィードバックにより自身の強み・改善点を明らかにし、マネジメントを改善し続けるドライバを獲得するための育成プログラムを実施しています。
DX人材育成
NECおよび国内連結子会社共通のDX教育体系を整備し、DXリテラシー(基礎)と強化すべきDX人材の定義や要件、育成目標に合わせたDX人材(専門)の育成プログラムを実施しました。
DX事業の成長と連動した計画的なデジタル人材育成推進体制のもと、DX人材育成プログラムによるスキルシフト/スキルアップ施策を継続強化することで、2025中期経営計画の達成を実現していきます。2023年度のDX人材はのべ10,376人(2024年3月31日現在)となっています。また、NECおよびNEC国内連結子会社(16社)において、DXリテラシー(基礎)研修にのべ42,820人が参加、DX人材向けの専門研修にのべ49,737人が参加しました。
上記の活動を主な施策として、2023年度に実施したエンゲージメント調査において、マネジメントに関する指標が約5ポイント向上、キャリア・自己開発に関する指標が約7ポイント向上しています。
研修体系
注力領域における人材育成
NECでは当社の核となる技術を価値創出へとつなげる人材の育成・獲得に積極的に取り組んでいます。
トップ研究者の育成・獲得/ダイバーシティ
- ジョブ型人事制度の導入により、高度な専門性を有する研究者に対しては柔軟に報酬を設定
- 博士人材の採用強化を目的として博士学生のキャリア・経済両面を支援する産学連携プログラム「NEC R&D Doctor’s Pass」を設立
- AI・データサイエンス、センシング、バイオメトリクス、ネットワーク、セキュリティ領域の研究者の採用強化。
コア技術を社会価値につなげる研究人材の育成・獲得 - 事業部門と研究部門の人材交流によるプロジェクトリーダー、技術アーキテクト人材の育成
- 事業開発者向けの研修を研究者向けにも展開
- 海外拠点と連携したグローバル人材の育成(人員の4割がグローバル人材)
-海外研究所でのトップ人材の積極採用
-インド工科大学をはじめとする有力海外大学からの採用
新事業創出のための人材の育成
- 事業開発職の人材育成体系整備(事業開発職のスキル・コンピテンシー整理、実践型の研修体系の構築)
- ドメインエキスパート強化(外部企業での事業推進経験者 約4割)
- ビジネスリード経営人材育成(新規ジョイントベンチャー、ベンチャー出向促進)
知財専門人材
- 弁護士・弁理士グローバル人材の採用強化
- 訴訟&カウンセル統括部を新設・強化(2022年度から)
情報セキュリティ人材の育成
SBDを実践する専門人材の育成
- 製品・システム・サービスのインテグレーションにおいて、システムの企画段階からセキュリティを考慮する「セキュリティ・バイ・デザイン(SBD)」を推進
- 2019年度から各事業部門でセキュリティ責任者*2を補佐しSBDを実践する人材の育成を開始
- 2021年度から営業職向けコースを開始。インシデント事例やセキュリティ対策のためのオファリングなど、適切なセキュリティ提案に必要なスキルを習得可能
- *2サイバーセキュリティに関連する、事業部門内への情報展開、プロジェクト支援、インシデント対応を担っています。
実践的なセキュリティ対策訓練
- ECサイトを模した実践的なセキュリティ対策訓練の場を営業やSE向けに提供し、システム構築段階での堅牢化技術の習得を推進
- 2020年度に本環境をリモート利用に対応させ、新型コロナウイルス感染症の影響下でも、エンジニアがお客さまのシステムを担うセキュリティ技術を強化できるように整備
高度なセキュリティ人材の育成
- 2020年度から従来のNEC CISO(チーフインフォメーションセキュリティオフィサー)補佐官トレーニングをより実践的な内容に強化したNCSA(NEC Cyber Security Analyst)プログラムを開始
- セキュリティ技術の知識を持つ人材を対象に、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)業務やリスクハンティングなど高度なセキュリティサービスに必要なテクニカルスキル習得のための、半年間の集中プログラムを提供
セキュリティ人材の裾野拡大
- NECグループ全体のセキュリティスキルの底上げのため、営業・SEに必要なセキュリティ基礎知識をWeb研修形式で提供
- 2015年度から全従業員を対象に業務で使えるセキュリティ技術のスキル習得・定着を目的とした社内イベント「NECセキュリティスキルチャレンジ」を開催(2023年度までに累計8,100人以上が自主的に参加)
- 国際的に認定された資格であるCISSP(Certified Information Systems Security Professional)や国家資格の情報処理安全確保支援士などの公的資格の取得を強く推奨。2023年度末実績で有資格者は450人超
従業員スキル向上プログラムおよび移行支援プログラム
従業員のキャリアオーナーシップを支援するNECライフキャリア(株)
従業員一人ひとりが大切にする価値観に照らしたキャリアを歩むことで、個々人の成長と幸せにつながるよう、会社はキャリアプランを考え行動することができる環境を整備し、自発的なスキルアップや希望するポジションへの挑戦を支援、後押しする仕組みを整えています。特に、主体的なキャリア形成に向けた関連プログラム(研修プログラムや関連制度)は、2020年度に「Career Design Workshop」という名称に刷新し、新たに体系化して展開しています。また、こうした機能を強化し、従業員のキャリアオーナーシップを支援することを目的として、2020年にNECライフキャリア(株)を設立しました。
従業員の主体的キャリア形成を支援する取り組みを強化
HR方針「挑戦する人の、NEC。」の一つとして、2020年10月に設立したNECライフキャリア(株)が中心となり、従業員のキャリアオーナーシップの強化を支援する研修プログラム「Career Design Workshop」を20歳代から50歳代までのNECグループ従業員5,500人に実施しました。また、3,000人を超える希望者に個別のキャリア面談を行いました。
さらに、希望する従業員に対し、グループ内外の新しい仕事への挑戦機会を紹介し、その定着や活躍を支援しました。事業や戦略の変化に伴い組織機能が変化する中、新しい機能を必要とする組織に対しリスキリングプログラムを集中的に提供し、組織強化に向けた取り組みを行っています。
「NEC Growth Careers」(従業員とポジションのマッチング制度)による主体的キャリア形成
従業員一人ひとりが自らの意志で将来のキャリアを描き、ありたい姿になるために挑戦・成長できる環境と機会を整えるべく、社内公募制度を強化しています。2019年度にそれまでの制度を刷新して以来、応募者数は累計約2,000人、合格者数は累計1,000人を超え、多くの従業員が自ら新しいキャリアに挑戦し異動を実現しています。2022年度からは募集をかけている部門が、自組織や募集ポジションの魅力、そこで働く魅力的な従業員を紹介する社内向け生配信番組であるNGCmeetup(! 募集ポジション説明会)を定期的に開催しています。社内のキャリア機会を広く従業員に示し、主体的なキャリア形成を後押しする仕組みを目指します。
NEC独自の取り組みであるAIレコメンドサービスの導入
従来は公開されているジョブディスクリプション(職務記述書)を見て興味を持った従業員が応募する、または公開されている職務経歴書を採用部門のピープルマネージャーが検索し、欲しい人材にアプローチするジョブマッチング制度でした。2020年度からNECの持つA(I 人工知能)の技術を活用し、職務経歴書に記載された内容と公開されている募集ポジションの内容を機械学習によってマッチングさせ、レコメンド(おすすめ)として表示するAIレコメンドサービスを開始しました。2023年度には新たな研究技術を活用しAIレコメンド機能を高度化し、さらに従業員が利用しやすくなりました。従業員は自らが気づいていない自分の可能性を発見し、より多くの挑戦・成長機会を獲得することができる一方、採用部門のピープルマネージャーはオープンポジションにベストな人材を効果的・効率的に選出・確保・配置できるようになりました。
指標および目標
中長期目標/重点活動と進捗/成果/課題
中長期目標/重点活動
(対象:特に記載のない場合は日本電気(株)、期間:2021年4月〜2026年3月)
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グローバルマーケットで勝ち続けるためのリーダーシップ育成とマネジメント力強化
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ビジネストランスフォーメーションを成功させるためのプロフェッショナル養成
2023年度の目標と進捗/成果/課題と2024年度の目標
2023年度の目標
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グローバルマーケットで勝ち続けるためのリーダーシップ育成とマネジメント力強化
- より一層のグローバルタレント、若手タレントの発掘および、加速度的な育成
- タレントプールへの育成プログラム体系を整備し、より高速かつ高度な育成を推進
- 組織横断のタフアサインメントを核とした育成を強化
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ビジネストランスフォーメーションを成功させるためのプロフェッショナル養成
- 職種別人材育成委員会を通じた事業との連動を強めた人材育成の推進
- 職種横断の全社重点強化施策であるDX人材育成の加速
進捗/成果/課題
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グローバルマーケットで勝ち続けるためのリーダーシップ育成とマネジメント力強化
- 若手タレントの選抜および、外部アセスメントによる客観的指標を取り入れ、育成計画を遂行。グローバルタレント発掘に課題
- プログラム体系全体を見直し。育成の早期化に対応し若手向けのプログラムを拡充。グループ会社にも対象を拡大
- Top of Top を中心に、経営者として必要な経験を特定し、NECグループ横断的な戦略的重要ポジションへのアポイントを実施
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ビジネストランスフォーメーションを成功させるためのプロフェッショナル養成
- 人事制度と人材育成の連動の強化(ジョブとそれを担う人材要件の整備、ジョブ遂行に求められるスキル明確化とそれを強化する人材育成体系の整備・公開)
- DX教育体系整備によるコンテンツ拡充と展開および人材の可視化
-DXリテラシー(基礎)研修:42,820人修了
-DX人材(専門)研修:49,737人修了
-オープンバッジ授与・By name社内公開によるスキル獲得の動機づけ
2024年度の目標
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グローバルマーケットで勝ち続けるためのリーダーシップ育成とマネジメント力強化
- より一層のグローバルタレント、若手タレントの発掘および、加速度的な育成
- グローバル共通のタレント育成プログラム体系の整備と実施
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組織横断のタフアサインメントを核とした育成を強化
- 2023年までの活動をベースに、より戦略的、体系的に計画・実施
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ビジネストランスフォーメーションを成功させるためのプロフェッショナル養成
- 職種別人材育成委員会を通じた事業との連動を強めた人材育成の推進
- 職種横断の全社重点強化施策であるDX人材育成の加速
人材育成に関する指標
人材育成への投資
臨時従業員を含む従業員1人当たりの研修日数および研修費用は以下のとおりです。
人材育成の効果測定
人的資本への投資収益率は以下のとおりです。
One NECサーベイから見る取り組みの成果
年に一度、日本電気(株)および連結子会社の従業員を対象に実施しているOne NECサーベイにおいて、キャリア・自己開発に関する質問に対する肯定回答率が、日本電気(株)および連結子会社ともに2021年度比で2%向上しました。