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AIと人権

目次

取り組み方針

NECは、AIの社会実装や生体情報をはじめとするデータの利活用(以下、AIの利活用)において、Principlesにも掲げる「人権の尊重」を最優先に事業活動を推進するための指針として、「NECグループ AIと人権に関するポリシー」(以下、全社ポリシー)を策定しています。

1.公平性
NECは、AIの利活用において、判断結果に偏りが生じる可能性を常に認識し、個人が不当な差別を受けないように努めます。
2.プライバシー
NECは、AIの利活用において個人のプライバシーに配慮し保護するよう努めます。
3.透明性
NECは、私たちのAIの利活用において、判断結果の説明が可能となる仕組みの構築を目指します。
4.説明する責任
NECは、AIの利活用による効果・価値・影響について、適切な説明を行い、全てのステークホルダーから理解が得られるよう努めます。
5.適正利用
NECは、AIの利活用において人権を尊重した適正な用途で利用するよう努めます。
お客さまやパートナーのAIの利活用において、NECは、私たちの製品・サービスを提供する際には、人権を尊重した適正な用途で利用されるよう努めます。
6.AIの発展と人材育成
NECは、AIの利活用促進に向けて、有用で最先端の技術開発と、人材の育成に努めます。
7.マルチステークホルダーとの対話
NECは、私たちのAIが人権課題を発生させることがないよう、自社だけでなく第三者の視点や意見を取り入れるため、外部有識者を含めた様々なステークホルダーとの連携・協働を促進します。

この全社ポリシーに基づき、NECはAIの利活用に関する事業を推進する際、各国・地域の関連法令などの遵守をはじめ、従業員一人ひとりが、企業活動のすべての段階において人権の尊重を常に最優先なものとして念頭に置き、それを⾏動に結びつけていきます。

そこでNECは、全社ポリシーに基づき、主に以下の3点に取り組んでいます。

  1. AIの利活用が、NECグループだけでなくお客さまやパートナーにおいても適正な用途で⾏われること
  2. 人権尊重を最優先としたAIの利活用促進に向けた技術開発と人材の育成を⾏うこと
  3. AIの利活用に関して、さまざまなステークホルダーとの連携・協働を促進すること

なお当社は、全社ポリシーに基づく「人権尊重を最優先にしたAI提供と利活用(AIと人権)」をESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」の1つに特定しています。

推進体制

AIガバナンス体制

AIガバナンス体制

AIガバナンス遂行責任者を定義し、取締役会やリスク・コンプライアンス委員会、外部有識者会議等との関係を明確化した上で、コーポレートガバナンスとして位置付け、社内外の各部門・機能と連携することでAIガバナンスに取り組んでいます。

AIの利活用に関連した事業活動が人権を尊重したものとなるよう、全社戦略の策定・推進を担う「デジタルトラスト推進統括部」を設置しています。同部はNECのデジタルビジネスにおける中心的役割を担う全社共通機能のデジタルHubや研究部門などの関係部門との連携を強化しながら、全社ポリシーの事業活動への組み込みに向けて、社内制度の整備、従業員への研修など、人権を尊重した事業活動を推進しています。また、人権・プライバシー配慮への確認項目を設定し、企画段階以降の各フェーズで確認する運用を行っています。

外部有識者会議

法制度や人権・プライバシー、倫理に関し専門的な知見を有する外部有識者に参加いただく「デジタルトラスト諮問会議」をAIガバナンス遂行責任者の諮問機関として位置付け、当社から取り組み方針や内容を諮問し、外部有識者からAIガバナンスの強化に向けた助言をいただき取り組みに反映しています。この会議を通じて、社外の多様な意見を取り込み、AIの利活用において生じる新たな課題への対応を強化しています。

施策と主な活動実績

施策と主な活動実績

全体像

全社ポリシーの実現に向けて、法規制や社会受容性などの動向をタイムリーに把握するとともに、事業遂行にあたってリスクの見極めと対策を行う「リスク軽減プロセス」、社員のリテラシー向上を行う「人材育成」、社外の多様な意見を活動に取り入れる「ステークホルダーエンゲージメント」などに取り組んでいます。

取り組みの際は、経済産業省が2021年7月に公表した「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」のアジャイルガバナンスの枠組みに基づき、AIと人権に関する環境の変化に応じた対応やルール・運用の見直しを行っています。また国内外の法規制・ガイドラインにも対応したものとなるように取り組んでいます。

リスク軽減プロセス

リスク軽減プロセス

適正なAI利活用に向け、企画・提案、設計・開発、運用・保守などのフェーズにおいて、公正性、説明する責任、透明性、プライバシー、適正利用等の観点からリスクチェックと対策を実施しています。フェーズ毎のリスクチェックにあたっては、人権・プライバシーへの配慮事項に関するガイドラインやチェックシートを整備し、デジタルHubやデジタルトラスト推進統括部など関連する部門が連携して、法令の遵守や人権を尊重した取り組みとなるように確認しています。

またお客さまやパートナーにおいてもAIの適切な利活用を推進いただくため、当社のノウハウや知見を活かし、利用目的等の公表に関してデザインサンプルを提供しながらサポートを行っています。

人材育成

全社ポリシーに基づき、事業活動において人権を尊重した適切な行動がとれるよう、当社および国内関係会社の役員、従業員を対象にそれぞれの目的に応じた以下の研修を実施しています。

Web研修
  • 全従業員に対して毎年1回、全社ポリシーの理解・AIの利活用に伴う人権・プライバシー配慮への留意点を学ぶWeb研修を、国内関係会社29社を対象に実施(2021年度修了率:96%)
社内セミナー
  • AI事業に携わる従業員に対して、外部有識者からAI倫理の重要性や最新の法令・政策、社会受容性を学ぶセミナーを開催。公平性、プライバシー、説明責任などの観点で社会的批判を受けた事例を学習
  • 外部の専門家を講師として招き、社会的批判を受けた事例(公平性、プライバシー、説明責任などの観点)を交え解説
  • 外部有識者の助言を活かした新たな施策として、経営層に対してAIと人権に関する国際動向の理解を深め、人権への配慮をふまえた事業判断につなげるための有識者講演会を実施

ステークホルダーエンゲージメント

法規制や社会受容性などの社会動向に応じた対応を行うため、様々なステークホルダーとの連携・協働を実施しています。

デジタルトラスト諮問会議

2019年度に有識者会議として設置した「デジタルトラスト諮問会議」では、法制度や人権・プライバシー、倫理に関し専門的な知見を有する外部有識者から継続的に多様な意見を取り込み、AIの利活用において生じる新たな課題への対応を強化しています。
2021年度の会議では、国内外の法規則や社会の期待・要請に関する最新動向を確認するとともに、AIに対する生活者の疑問や不安を解消するために効果的な取り組み等について議論を行いました。

オンラインで実施した「デジタルトラスト諮問会議」
オンラインで実施した「デジタルトラスト諮問会議」
写真上段左から、板倉氏、永井氏、古谷氏
下段左から山本氏、野口

※2023年度からはAIガバナンス遂行責任者の諮問機関と位置づけ実施します。

また、AI社会の仕組みづくりに向けて産業界、政府機関、国際機関、アカデミアなど国内外の多様なステークホルダーとの連携を積極的に行っています。加えて、シンポジウムへの参加や社外向けのAI人材の育成なども行っています。

産業界連携 経団連、JEITA、AIプロダクト品質保証コンソーシアム
政府機関連携 内閣府、経済産業省、総務省
国際機関連携 WEF-C4IR、OECD/BIAC、Ethical AI関連の国際標準(ISO/IEC、IEEE)
産学連携 東京大学、慶應義塾大学、大阪大学

連携例

経済産業省と総務省による「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.2」の策定に協力

企業がプライバシーガバナンスの構築のために取り組むべきことを取りまとめた「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver.1.2」の策定に協力するとともに、当社の取り組み事例を提供しました。

欧州AI規制法案のパブリックコメントに意見を提出

世界で初めてのAIに対する包括的な規制案となる欧州AI規制法案のパブリックコメントに意見を提出しました。当社は、人間中心のAIルールおよび基本的権利を尊重することやAIを実装する上で実施すべき事項を明確にしていく方向性であることについて賛同するとともに、国際的な枠組みでの議論が重要であると提言しました。

NECアカデミー for AI

AIの発展と人材育成に向けて、2013年から取り組んできた豊富なAI人材育成実績をもとに、社会課題を解決できるAI人材を輩出するための「NECアカデミー for AI」を2019年に社外向けに開校し、学びと実践の場をとおして、プロフェッショナルなAI人材を育成しています。

苦情処理メカニズム

NECの製品、システム、サービスについてご相談いただくための国内総合窓口として、「NECカスタマーコミュニケーションセンター」(CCC)を設けています。

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