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サプライチェーン・マネジメント

ガバナンス

サプライチェーン・マネジメントの体制

NECでは、当社のCSCOがNECグループ全体のサステナブル調達の責任を担い、サプライチェーン戦略部門の調達責任者を議長とする会議体で意思決定を行います。

当社および国内の主な連結子会社では、各社で選任されている調達関連法規の遵法推進者が自社・自部門内の調達関連法規の遵守を徹底しています。また、遵法推進者会議を年2回開催し、サステナブル調達に関する環境変化への対応、調達担当者研修、Web研修の教材などについて情報共有を図っています。

海外関係会社では、北米、中南米、欧州、ASEANの地域統括会社および当社が直轄する主要な現地法人の調達責任者と年間の活動方針と計画を整合し、定期的な業務レビューを行いながら、当社で策定した方針・ガイドラインに則り各国の文化や商習慣にも配慮したサステナブル調達を推進しています。

また、国内外ともにこれらの会議で定期報告を受けガバナンス強化を図っています。

戦略

サプライチェーン・マネジメントにおけるリスクと機会

調達取引先への展開の観点では、「NECグループ調達基本方針」や「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」において、

  • 人権・労働
  • 安全衛生
  • 環境
  • 品質・安全性
  • 情報セキュリティ
  • 公正取引・倫理

を6重点リスクとして特定し、調達取引先に対しTier2以降の上流のお取引先も含めた責任ある企業行動を要請しています。

サプライチェーン・マネジメントの方針

NECは、自社のみならずサプライチェーンを構成する調達取引先との協働・共創を通じて、環境や社会全体に与える影響に十分配慮しながら事業を行うことで、社会から信頼されるサステナブルな社会価値創造に貢献していきます。

具体的には、NECのサステナビリティ経営の考え方と社会的責任や持続可能な調達の国際ガイダンス規格であるISO26000およびISO20400をもとに「NECグループ調達基本方針」を策定し、サステナブル調達に関する社内統制と調達取引先への展開を図っています。購買倫理など社内統制については、「資材取引に関する基本規程」を制定してすべての従業員に対して規程遵守を徹底しています。加えて、社内統制の強化のために、調達プロセスにおける具体的な業務規程を制定して定期的な研修を行い調達関係者に周知徹底しています。

サプライチェーン・マネジメントにおけるリスク管理

NECでは、特定したリスクについて下記のとおりリスク管理を行っています。
人権については、「NECグループ調達基本方針」で奴隷および人身売買の拒否を明言するとともに、「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」で強制労働・児童労働の禁止と労働者の団結権の尊重、適切な賃金・労働時間の管理を要請しています。また、OECDのガイダンスのプロセスに則った人権デュー・ディリジェンスを実施、リスクを評価・特定してリスク軽減の取り組みを進めています。

環境については、「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」でNECと調達取引先が一体となった環境経営の実現を求めるとともに、「製品含有化学物質の調達制限に関する基準」を制定して製品化学物質に関する国内外の規制への対応を要請しています。

情報セキュリティについては、NECから委託された業務に従事する作業者が守るべきセキュリティ対策を「お客様対応作業における遵守事項」として定めるとともに、作業従事者にこの事項を遵守することを誓約していただくことで、対策を徹底しています。

NECでは、調達やセキュリティ対策に関する方針・ガイドラインに基づいて、調達取引先との相互理解を深め、密に連携しながら活動を推進しています。また、調達取引先をQCD*1に加えてサステナビリティの観点から統合的に評価し、長期的な視点でパートナーシップを深める努力を続けています。

こうしたサプライチェーン・マネジメントの活動によって事業を通じたお客さまへの提供価値の向上に取り組んでいます。

  • *1
    Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期

リスク管理

サプライチェーン・デュー・ディリジェンス

リスクベース・アプローチでのデュー・ディリジェンスのステップ

リスクベース・アプローチ

日本政府によって「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が公表されたことや、海外でのサプライチェーン上の人権侵害を防止する法整備の進展に加え、NECにおける顕著な人権リスクの一つに「サプライチェーン上の労働」が位置づけられたことを受け、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを下記のとおり強化しました。

サプライチェーン・デュー・ディリジェンス

「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に規定された以下のステップに基づいて活動を進めています。

ステップ1

「『ビジネスと人権に関する国連指導原則』の実施に係るICT部門向けガイド」、国際労働組合総連合(ITUC)による「地域別人権評価レポートとリスクマップ」などの外部調査結果とNECの調達構造に対する内部分析結果をふまえ、ICTセクター、地域および事業特性の観点からそれぞれのリスクに関する情報を収集、評価

ステップ2

ステップ1の情報に国際NPOのBSRによる人権影響評価の結果を加味し、優先度の高い事業領域におけるリスクを特定。例として、生産委託など調達取引先の海外工場における製造工程での労働者に対する人権リスク、調達取引先の国内工場における製造工程での外国人技能実習生に対する人権リスク、ソフトウェア開発の長時間労働リスク、施工・保守・点検時の労働安全衛生リスク

ステップ3

上記リスクに関連する調達取引先をマッピングし、潜在的影響の性質や範囲を評価したうえで、選定した調達取引先(2021年度から2024年度までで22社)に対し、人権・労働安全に特化した外部監査会社による第三者監査、および当社による第二者監査を実施。監査によって特定された不適合事項(長時間労働、避難経路の不備など)について、国内法およびグローバル基準の人権、労働安全衛生の視点から以下4つのカテゴリに評価・区分、調達取引先へフィードバックし、是正対応を要請

労働安全衛生4つのカテゴリ

なお、2023年度の監査の結果、高リスクの是正事項が特定された調達取引先に対しては、是正指導を行い、是正完了までフォローを行いました。

サプライチェーンのリスク評価結果と是正措置

書類点検

NECでは、調達取引先に対してサステナビリティの取り組み状況を確認する書類点検を継続的に実施しています。2024年度は下記の点検を行いました。

書類点検の名称 内容 2024年度回答社数
サステナブル調達セルフアセスメント 「人権」「安全衛生」「環境」「公正取引」「その他」に関するリスクを確認 1,212
(Tier1、Tier2の合
計)
脱炭素・自然資本に関するお取り組み調査 環境への影響度が高いと特定した調達取引先の環境に関する取り組み状況を毎年確認 969
情報セキュリティチェックシート 「情報セキュリティ」に関して、重要情報(個人情報含む)の取り扱いのある委託先の管理状況の把握 1,838

2024年度の「サステナブル調達セルフアセスメント」では、よりリスクの高い領域に焦点をあてた調査として過去得点率が低かった調達取引先の取り組み進捗を再調査するとともに、過去4年間に調査対象外だった調達取引先約400社にも新たに調査を実施しました。2023年度と2024年度に調査対象となった調達取引先は連結調達実績の60%をカバーしています。本アセスメントでは、外国人技能実習生の受入状況の詳細や2次以降の調達取引先における人権問題への対応なども確認しています。

2024年度の点検では、協力を依頼したTier1にあたる1,354社のうち1,206社から回答を得るとともに、調達取引先の取り組み状況を「得点率」および「クリティカルポイント*2」の評価基準に基づいて「人権」「安全衛生」「環境」「公正取引」「その他」の点検テーマ単位にA、B、C、D、Zの5段階で評価しました。

この評価結果は、回答を提出いただいたすべての調達取引先に対して、点検テーマ別の得点および調達カテゴリごとの平均点との比較を示したフィードバックシートとして発行しています。2024年度の調査では、潜在リスクの可能性が見受けられるZ評価の調達取引先は36社となりました。Z評価の調達取引先に対しては、NECが実態を把握し是正指導を行うなどのサプライヤー・エンゲージメントを通じて2025年度上期中の是正完了を目指します。

なお、2023年度の調査の結果、是正が必要(高リスク)と特定された調達取引先に対しては、是正指導を行い完了までのフォローを行いました。

  • *2
    クリティカルポイントとは、NECが発行した「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」や法規制などに照らして、取り組みが未対応の場合に、潜在リスクが存在する可能性があると当社で特定した設問
5段階評価 評価区分、基準、定義の一覧表

また、サプライチェーン上流のリスクへの対応を強化するため、Tier1にあたる調達取引先5社のご協力のもとTier2の調達取引先6社の点検を実施しました。

海外の地域統括会社および主要な現地法人では、現地の調達取引先26社に本アセスメントのうち「人権」「安全衛生」の点検テーマについて確認を行いました。
NECのサプライチェーンの中で環境への影響度が高いと特定した調達取引先へは、CO2削減や自然資本に関する毎年の取り組み進捗を確認する「脱炭素・自然資本に関するお取り組み調査」を実施しています。調査結果は、NECの事業による環境への負のインパクトを軽減するための活動である、脱炭素をはじめとした環境課題に関する調達取引先への支援や協働での取り組みの強化に活かしています。

「情報セキュリティチェックシート」での点検では、1,838社を対象に専用システムを利用して書類点検を実施しました。社会の基盤である情報システムの構築を担うNECにとっては、情報セキュリティは必要不可欠であり、調達取引先との連携において調達取引先の技術力だけではなく情報セキュリティの水準がNECの定める基準を満たしていることが重要と考えています。そのため、書類点検で確認した調達取引先の情報セキュリティ対策状況から情報セキュリティの水準を分類し、NECが定める基準に応じて適切な調達取引先を選定して業務を委託する仕組みを取り入れています。

訪問点検

2018年度から調達部門が日常的に調達取引先への訪問をする際に、高リスク地域においては人権・労働、安全衛生、環境分野などにおけるサステナブル調達の要求事項も確認し、その記録を蓄積する取り組み(Supplier Visit Record(SVR))を実施しています。2024年度は93件のデータを取得し、問題がないことを確認しました。

情報セキュリティ分野において取引規模だけでなく取り扱う情報の重要性や秘密性および書類点検結果などを総合的に評価して訪問点検の対象となる取引先を選定しています。2024年度は350社に対して訪問点検またはリモートによる点検を実施しました。点検では、情報セキュリティ事故の防止のために調達取引先の従業員が情報セキュリティに関する指示や要請を遵守していることを、従業員へのインタビューや社内規定などの確証、現場の視察をとおして確認しています。点検の結果、重大な不備は確認されませんでしたが、再委託管理、秘密表示の指定、秘密事項の廃棄・返還管理、サイバー攻撃対策などに関して軽微な改善が必要と判断された調達取引先に対して是正指導を実施しました。

いずれの訪問点検においても、改善を要する事項を調達取引先と共有し改善施策が講じられるまでフォローしています。

責任ある鉱物調達への取り組み

NECでは、「責任ある鉱物調達対応方針」を制定し、調達取引先にも責任ある鉱物調達への理解と対応を求めています。調達取引先に対して錫・タンタル・タングステン・金(3TG)・コバルト・マイカの使用状況や製錬所情報を確認する調査を、CMRT・EMRT*3を使用して実施しています。2024年度は連結調達実績の約6割を占める調達取引先に対してCMRT・EMRT調査を行いました。

また、NECは、JEITAが主宰する「責任ある鉱物調達検討会」のメンバーとして業界連携活動も継続するとともに、同検討会傘下の啓発・広報チームに参画し、調達取引先の責任ある鉱物調達に対する理解促進に努めています。

  • *3
    CMRT・EMRT:Responsible Minerals Initiativeの調査報告テンプレート

サプライチェーンの状況

地域ごとの調達額の円グラフzoom拡大する
地域ごとの調達額

重要な調達取引先

NECでは、取引金額の大きい調達取引先、希少部品の調達取引先や代替困難な調達取引先を重要調達取引先と位置づけ、サステナブル調達施策に重点的に取り組んでいます。また、地域、セクター、調達カテゴリなどの特定したリスクに対し、その取り組みを強化しています。

調達取引先とのエンゲージメント

周知徹底

NECでは、「NECグループ調達基本方針」や「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」をはじめとする各種説明書面を調達取引先に提示しています。また、戦略サプライチェーンパートナー交流会やサステナビリティ・情報セキュリティ説明会を開催して、調達取引先に直接説明し、最新の施策について周知徹底を図っています。

2024年6月に開催した戦略サプライチェーンパートナー交流会や2024年7月に開催したサステナビリティ・情報セキュリティ説明会の場で、調達取引先に対しサステナブル調達の方針や施策を説明して周知しました。

新規の取引開始前の評価

当社では、新規の取引開始前に対象企業の経営状況、製品・サービスの品質と価格、納期、技術力に加え、環境および人権・労働・安全衛生などサステナビリティに関するリスクを評価しています。また、「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」の記載内容の遵守および宣言書への署名に対する意向の確認を含め、 総合的に新規取引の可否を決定しています。

環境配慮への取り組み

NECはCDPが実施する「サプライヤー・エンゲージメント評価*4」において、5年連続で最高評価の「サプライヤーエンゲージメント・リーダー」に認定されました。この認定は、サプライチェーンからのCO2排出量ゼロに向けた削減への各種取り組みが評価された結果と認識しています。

  • *4
    「 サプライヤー・エンゲージメント評価」とは、企業のサプライチェーン全体での気候変動・温室効果ガス排出量削減への取り組みを調査し、取り組みに応じて企業を格付けするものです。

宣言書の取得

調達取引先には、基本契約書の締結と「サプライチェーンにおける責任ある企業行動ガイドライン」を遵守する旨の「サプライチェーンにおける責任ある企業行動に関する宣言書」への署名を要請しています。マテリアリティの一つである「サプライチェーンサステナビリティ」の活動指標として、2025年度末に調達金額75%をカバーする調達取引先から本宣言書を取得することを目指しています。また、新規取引開始時に対象企業から宣言書を必ず取得するようにしています。

2024年度末までに国内外で連結調達金額の87%をカバーする約14,000社の調達取引先から宣言書を取得しており、次年度以降も継続的に調達金額75%以上をカバーすることを目指しています。

戦略サプライチェーンパートナー交流会

NECでは、重要調達取引先を対象に戦略サプライチェーンパートナー交流会を毎年開催し、NECのサステナブル調達活動における人権・労働、安全衛生、環境、情報セキュリティについて理解と協力を求めています。また、交流会ではサステナビリティへの取り組み推進において特に貢献度の高い調達取引先に「サステナビリティ表彰」を授与しています。

2024年6月の交流会は、国内外の調達取引先200社の経営幹部388人が参加しました。

調達取引先への研修・啓発活動

NECは調達取引先におけるサステナビリティ推進活動を支援するために、人権、労働安全衛生、環境、情報セキュリティの各テーマについて研修の機会の提供や啓発活動を行っています。

人権

日本の中小企業においては、人権デュー・ディリジェンスの必要性について徐々に認識が高まっているもののリソース不足などの理由から個社での取り組みを進めるのが難しいという状況があります。これを受けて、NECでは、2025年3月に外部講師の支援のもと日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの「リスク特定」のプロセスを実際に体験するワークショップを実施しました。このワークショップにはNECの重要な調達取引先32社が参加し、参加者アンケートでの満足度は97%でした。

また、国際機関や政府、業界団体などにより開催される「ビジネスと人権」に関するセミナーについてもNECの調達取引先向けポータルサイトにて案内を行っています。

労働安全衛生

調達取引先における健康経営強化のため、2024年度にソフトウェアの重要調達取引先を対象にWell-being推進のための講演やオンラインエクササイズのセミナーを実施しました。講演には125社、オンラインエクササイズには14社が参加し、講演の参加者アンケートでは全員から「有意義だった」、91%から「自社でも取り組みたい」という回答を得ています。

環境

気候変動対策に関する説明会や情報提供を継続的に行っているほか、調達取引先における従業員向けの環境教育に活用いただける資料を提供しています。

情報セキュリティ

調達取引先向けの「サステナビリティ・情報セキュリティ説明会」の中で、情報セキュリティや個人情報保護についての最新動向や業務における注意事項などを共有するとともに、サイバーセキュリティ対策に関する教育を実施し、情報セキュリティ事故防止のための啓発活動を行っています。

パートナー企業に対する情報セキュリティ管理の強化

NECが調達取引先に求める対策は、①契約管理、②再委託管理、③作業従事者の管理、④情報の管理、 ⑤技術対策の導入、⑥セキュリティ実装、⑦点検の実施 の7項で、特に、再委託管理に関しては、調達取引先は委託元から書面による事前承諾を得ない限り、第三者に再委託してはならないことを基本契約で定めています。

また、再委託先確認書の提出を義務化しておりプロジェクトごとの体制を明確化しています。やむを得ず再委託先を活用する場合には、委託先と同様のセキュリティ水準を求めることで、調達取引先で発生する情報セキュリティ事故リスクを低減しています。

2022年には、サイバーセキュリティ対策を強化するため、NECの情報セキュリティ基準を、インシデント発生への対応能力の確立を要求するNIST SP800-171に基づいた内容に改訂しました。また、調達取引先に対してシステムセキュリティ計画書を作成し、情報セキュリティ基準への対応状況を確認しています。

調達取引先だけで対策することが困難な内容についてサイバーセキュリティ対策の勉強会を開催するほか、重要な調達取引先に攻撃リスクの低減やセキュリティレベルの向上を目的とした第三者評価結果を開示することで調達取引先のリスク低減の活動を支援しています。

従業員とのエンゲージメント

当社および連結子会社では、調達の社内規程などに則り、調達担当者を対象とした定期的な各種研修プログラムを実施しています。また、新しい法規制や顕在化した新たなリスクへの対応のため、適時に個別テーマ研修を実施することで適正な業務遂行を維持できるよう努めています。

当社および連結子会社の全従業員向けの研修

サステナブル調達の重要性を啓発するため、「ビジネスと人権」と「環境教育」のWeb研修において、サプライチェーンの人権・環境リスクとNECのサステナブル調達の取り組みについて周知を行っています。

当社および国内連結子会社の調達担当者向けの啓発

2025年2月に、外部講師を招いて当社および国内連結子会社の調達部門の幹部を対象にサプライチェーンの人権課題についての理解を深めるための「人権ワークショップ」を実施しました。30人がこのワークショップを受講し、アンケートにおける理解度・満足度はともに100%でした。

海外連結子会社向けの研修

海外の地域統括会社と主要な現地法人の調達担当者(一部の会社では全従業員)を対象に「サステナブル調達」に関する研修を実施しました。1,040人が本研修を受講し、アンケートにおける理解度は97%でした。

ステークホルダーエンゲージメント・イニシアティブへの参画

企業横断活動への参加

当社は、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのサプライチェーン分科会にメンバーとして参加し、異なる業種の企業、NGOなどの多様なメンバーとサステナブル調達のあるべき姿について議論を重ねるとともに、サステナブル調達活動の改善と質の向上を目指した活動を行っています。

また、電機・電子業界横断で責任ある企業行動を推進することを目的とした「サステナブル調達パートナーシップ」(SPP)の立ち上げに向け、当社はJEITA CSR委員会傘下のタスクフォースにリーダー企業として参画し、活動を牽引しています。2024年度は、小規模での試行事業「SPPトライアル」を開始し中小企業に対して「人権方針策定」に向けた支援メニューを提供しました。

苦情処理メカニズム

NECでは、コンプライアンスだけではなく、人権・労働、安全衛生なども含めた責任ある調達全般に関して調達取引先から相談を受け付ける多言語対応が可能なホットラインを設置しています。通報者のプライバシーに配慮するため匿名での通報を可能として取引上の苦情や相談に応じる仕組みを整備しています。また、当社では、毎年「コンプライアンス徹底・責任ある調達へのご協力依頼」を文書にて調達取引先に発信することにより、NECの従業員によるコンプライアンス違反の早期発見・是正に向けた通報への協力を求めるとともに、ホットラインで責任ある調達全般に関する相談を受け付けていることを周知しています。

2024年度は、当社のホットラインで受理した調達取引に関する6件の通報に対し事実関係を確認し、すべて適切に対応を完了しています。

また、2022年度からは、業界横断のイニシアティブであるJaCERの集団的苦情処理メカニズムに参加し、UNGPの要件に沿った実効性の改善を目指しています。

指標および目標

中長期目標/重点活動と進捗/成果

中長期目標/重点活動

(対象:特に記載のない場合は日本電気(株)、期間:2021年4月〜2026年3月)
M:マテリアリティに関わる主な非財務目標を示しています。

  1. M:調達ガイドへの同意取得率*5 75%(2025年度末)
  2. 標準点検、サイバーセキュリティ対策強化による協力会社起因の事故撲滅
  • *5
    連結調達金額ベースでの比率

2024年度の目標と進捗/成果と2025年度の目標

2024年度の目標

  1. 調達ガイドへの同意取得75%以上の継続
  2. 標準点検、サイバーセキュリティ対策強化による協力会社起因の事故撲滅
    ①サイバーセキュリティ対策強化
    • NIST SP800-171をベースとした情報セキュリティ基準への適合活動強化(2024年度は、新基準への移行期間の最終年度)
    • 第三者評価(BitSight)活用拡大
      ―NSP交流会への改善活動定着化と新規加盟会社の拡大
      ―開発委託以外の領域におけるアラーム機能の導入検討
    ②海外パートナーの情報セキュリティ強化
    • 中国、インド、ベトナムにおける新基準をベースとした運用準備
    • 書類点検、訪問点検実施による進捗状況確認

進捗/成果

  1. 調達ガイドへの同意取得率87%(2024年度末)
  2. 標準点検、サイバーセキュリティ対策強化による協力会社起因の事故撲滅
    ①サイバーセキュリティ対策強化
    • 2024年度新基準への移行期間終了
    • BitSightの加入会社30%増加
    ②海外パートナーの情報セキュリティ強化
    • 中国重点パートナーの訪問点検を実施し、新基準をベースとした運用準備が完了したことを確認

2025年度の目標

  1. 調達ガイドへの同意取得75%以上の継続
  2. 標準点検、サイバーセキュリティ対策強化による協力会社起因の事故撲滅
    ①サイバーセキュリティ対策強化
    • NIST SP800-171をベースとした情報セキュリティ基準への適合活動強化
      ―新基準ベースでの書類点検、訪問点検の実施
    • BitSight導入取引先の拡大によるSCリスク可視化
      ―NSP交流会会員へのさらなる拡大と改善活動定着化
      ―SW開発委託パートナーへの拡大検討
    • AIを活用したサイバーセキュリティ対策の効率化
    ②海外パートナーの情報セキュリティ強化
    • 中国重点パートナーにおける新情報セキュリティ基準への完全移行
      ―中国における新基準をベースとした運用開始
      ―新情報セキュリティ基準による書類点検/訪問点検の実施