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現地ニーズを踏まえたICTで、
アフリカのサステナブルな成長・発展に貢献

2021.03.23

「アフリカ」と言うと、どのような印象をお持ちでしょうか?54カ国からなるアフリカは、一言では言い表せないほど、多様な民族による独特の文化を持ちながら、人口の増加や都市化の進行で発展を遂げている地域です。2030年までに中国とインドを抜いて、世界最大となる17億人の域内人口になるとnew window予測されており、それに伴って経済の成長も見込まれています。

NECは1963年から約60年にわたって、現地に根付いたビジネス活動を通じて、アフリカ地域の生活の質の向上やライフラインの確立に貢献してきました。

NECがアフリカとの関わりを深める機会のひとつに、アフリカ諸国の開発をテーマにした国際会議「new windowアフリカ開発会議(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)」があります。

TICADをきっかけに、「支援」から「ビジネス」へ

NECがTICAD 7に出展したブースには、さまざまな最先端ソリューションが展示され、多くの来場者の関心を集めた

日本政府が主導し、国連などの国際機関やアフリカ連合委員会などと共同で、現在は3年に一度開催されているTICADには、各国のリーダーだけでなく、国際機関や民間企業などからも合わせると数万人が参加し、アフリカの成長を後押しするために、日本の持つ技術や国際開発に関するノウハウをどのように活用していくかなどの活発な議論が交わされます。

NECは、2008年に開催された第4回会議から2019年の第7回会議まで、毎回TICADに参加し、アフリカの成長に向けNECの持つテクノロジーやソリューションをどのように活用していけるか、政府や国際機関の要人や企業などと議論し、取り組みへと結びつけてきました。

2016年、初めてのアフリカ開催となった、ケニア・ナイロビでの第6回会議(TICAD 6)。日本からは、安倍晋三・総理大臣(当時)が現地を訪れ、多数の企業や団体も現地に赴いて、アフリカ諸国や国際機関・NGOなどの要人と意見交換などを行いました。

NECは、安倍総理の同行ミッションの一員として会長の遠藤信博が、NECの持つ顔や指紋の生体認証技術などが、どのようにアフリカ諸国の治安対策や国民ID制度に貢献できるかを、事例を交えて説明しました。また、NECと総務省が設置したブースにはそれぞれ、NECの顔認証ソリューションを展示し、来場者に実際にソリューションを体験してもらえるデモも実施しました。中でも、総務省ブースには、会談を終えた安倍総理と開催国ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領を始めとする各国首脳が来場し、実際に顔認証ソリューションの有用性を体験され、国内外のニュースでも取り上げられるほどの話題となりました。

TICAD 6では、NECのソリューションを使ったデモで、安倍元総理とケニア大統領の顔認証に成功

2019年に横浜で行われた第7回会議(TICAD 7)では、安倍元総理がnew window基調演説で、NECが入札から完工まで約6年をかけて取り組んだ、アンゴラとブラジルをつなげる海底ケーブルについて、「アフリカ・南米(を)直結(する)ケーブルは史上初。通信の歴史に輝く達成」と言及しました。

アフリカ大陸(アンゴラ)と南米大陸(ブラジル)を結ぶ、南大西洋を横断する光海底ケーブルのルート図

また、TICAD 7 でNECは、new window国連世界食糧計画(WFP)食糧支援・生体認証で、new window国際連合工業開発機関(UNIDO)ICT技術支援で、new windowルワンダ共和国ICT省new window生体認証等を活用したICT利活用で、それぞれ覚書(MOU)を締結しました。さらに、TICAD 7開催前の同年6月には、国際組織「new windowGaviワクチンアライアンス」とイギリスのnew windowSimprints Technology Ltd.(英語)とのワクチン・幼児指紋認証技術に関する3者MOUを締結し、これら4つのMOUについて、日本政府が主催するMOU締結を記念する式典で、改めて締結を祝いました。

TICADに第4回から第7回と継続して参加する中で、NECにおけるアフリカへの視点は進展してきました。「現地の成長を支援」するというものから、「現地の成長を後押しするソリューションを、互いに持続可能な形でビジネスにしていく」というものです。

アフリカは先進国と比べ、社会インフラなどの基盤整備が進んでいませんでした。TICADへの参加を通してNECは、だからこそアフリカには、最新のテクノロジーを使って現地の人々と長期的な関係性を作り、新たな時代を先取りするようなインフラ基盤を作ることによって、アフリカの長期的な成長・発展に貢献する余地が十分にあると考えたのです。

現地ニーズに応える独自の技術開発

エボラ感染症、COVID-19等感染症のスクリーニングソリューションとしてアフリカ各国に提供した赤外線サーモグラフィカメラは、NEC社員がオンラインで使い方のトレーニングも実施(new windowボツワナ保健省向けのオンライントレーニング(英語)の様子)

国連機関の「国連ハビタット」と国際協力NGOの「ピースウィンズ ・ジャパン」と協働して、ケニアのカロベイエイ難民居住区(Kalobeyei Integrated Settlement)にCOVID-19などの感染症のスクリーニングソリューションとしてサーモグラフィカメラを提供し、NEC社員がトレーニングも提供

NECは、1963年からアフリカ地域で事業を展開し、日本発のテクノロジーと、現地ニーズを踏まえて独自開発したテクノロジーを活用して、これまでにアフリカ諸国で国民IDシステムの構築や情報通信基盤の整備、エネルギー事業などに関わってきました。2018年には、社会ソリューション事業の展開拡大を目指し、南アフリカのICTソリューション企業であるXON社を子会社化して、より現地のニーズに迅速に応えられる体制を整えています。

現地での事業展開の代表例のひとつが、南アフリカにおける国民IDシステムの構築です。NECは、2002年から、同国の人々が公共サービスを平等に利用できるための指紋認証ソリューションを提供してきました。それまで紙で保管されていた指紋データをデジタル化し、手作業で行っていた認証を自動化することで、本人確認の正確性と行政の効率化を実現したのです。約20年を経て、7,000万件の登録が可能なデータベースの構築に成功したNECの指紋認証ソリューションは、南アフリカにおける国家・国民の「社会保障」のインフラ基盤として、広く浸透し定着しています。

二つめの代表的な事例は、ナイジェリア・ケニア・南アフリカを中心とする携帯通信事業者(MNO)の基地局向けに提供している、マイクロ波無線通信システムと再生可能エネルギー蓄電システムです。通信の安定性を実現するソリューションの提供だけでなく、「電気が通っていない地域にある基地局で、通信装置を安定的に運用するために、電力も効率的かつ安定的に確保したい」という現地のお客様からの要望を受け、現地法人と連携し、太陽光パネルを用いて自然エネルギーと蓄電池を組み合わせたシステムを開発しました。これにより、アフリカの無電化地域で多く利用されているディーゼルジェネレーターで必要になるディーゼル燃料の使用量の節約や、二酸化炭素の排出量削減に貢献しています。このように、NECは現在、設備の導入からオペレーション、メンテナンスまで、一気通貫したソリューション提供を実現しています。

TICAD 7の基調講演で安倍総理が言及された、アンゴラとブラジルを結ぶ光海底ケーブル敷設プロジェクトも、代表例の一つに挙げられます。アフリカ主要国で増加する国際通信の需要に応えるもので、40年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛けてきたNECにとっても、大西洋で初めて手掛けたビッグ・プロジェクトでした。それ以外にも、西アフリカでエボラ感染症が拡大していた時には、赤外線サーモグラフィカメラを納入し、空港や国境における水際対策を18カ国に提供しました。現在では同様のソリューションが、新型コロナウイルス感染症の対策にも利用されています。またケニアでは、空港・港湾におけるセキュリテイ強化のためのサーベイランス向けソリューションを提供しています。

「現地に変化をもたらしていることを実感」

TICAD7の際、NEC本社ビル内にある、体感と対話で新たなイノベーションを生む共創空間「NEC Future Creation Hub」に、南アフリカの名門校ウィットウォーターズランド大学(WITS)ビジネススクールの方々が訪れ、NECのさまざまなソリューションを体験

NECでアフリカ事業を担当するマネージャーの吉藤寛樹はナイジェリアで、同じくマネージャーの小出洋介は南アフリカで、それぞれ数年にわたり駐在員として赴任し、現地での事業拡大をリードした経験を持っています。

日本とは異なり、時間などをゆるやかに捉える現地の人々の文化や商習慣を日々感じ、それを理解しながら実効性あるビジネスを展開していくことに、当初はたびたび苦労したそうです。TICADでの各国首脳とNEC役員などとのトップ会談といった場合でも、直前までスケジュールに変更・調整が入ることは珍しくなく、そのたびにギリギリまで、現場であれこれと対応に奔走していたと言います。

それでも、「NECの製品、ソリューションの提供を通じて、アフリカの国々の社会の変化と経済の発展に貢献していると実感できる」「人口増加により、今後、ビジネスとしても成長可能性が期待できる市場に関われていることは、とてもやりがいがある」と充実感を語ります。

アフリカ地域の成長・発展のために

2019年の次となる「第8回 アフリカ開発会議(TICAD 8)」は、2022年にチュニジアでの開催が予定されています。小出は、「SDGsの取り組みも踏まえ、NECの最新の技術や製品も使って、ICTインフラの拡充、社会の平和や安定、保健衛生分野において貢献できるような活動を、前回以上に活発化していきたい」と話しています。

NECは今後も、アフリカ地域の成長・発展のために、現地のニーズを踏まえたソリューション提供をしていきます。NECのアフリカでの今後の取り組みに、ご期待ください。

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