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デジタル技術で持続可能な農業に変革を

新たなデジタル技術で社会の問題を解決する-そんな課題に取り組むのが、NEC India Global Development and Delivery Center(GDC)です。GDCはNECが世界に展開するオフショアリングの一大拠点で、SDGs達成に向けたNECの変革を加速させる新たな技術やソリューションを生み出す役割を担っています。ヴァルン・マリクはGDCの一部門であるソリューションファクトリー部門の責任者で、最先端技術を社会の課題解決に活用することに取り組んでいます。

より良い世界に向けた研究と開発

気候変動、経済活動への女性の参加、そしてすべての人のための医療と食糧というテーマに重点を置いているとマリクは語ります。
彼のチームはいかにして農業の収益を増加させながら温室効果ガスの排出量を減少させることができるのかを研究しています。
また女性や子供たちにより良い医療サービスを届けるため、病気の動向調査、予測、ワクチンサプライチェーン管理のためのソリューションの開発も行っています。

明るい未来の礎を築く

NECのソーシャルインパクトビジネス拡大を担うマリクは、革新的なアイデアの検証や、社会問題の解決に活用できるデジタルソリューションの開発、さらにNECの技術を世界各国に紹介しています。こうした取り組みを通じて、NECはより良い社会を作り、人々の生活の向上に貢献し、明るい未来の礎を築いていきたいと考えています。
「NECはSDGs目標達成に向けて国際機関との共創活動も行っています。NECには高い技術力があります。デジタルの力で、安全、安心、公平、効率、そして誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しています。」(マリク)

ソーシャルインパクトプロジェクト:
スパイス産業でのブロックチェーンの活用

デジタル技術は、開発途上国における持続可能性の向上にさまざまな形で貢献しています。たとえば、生体認証ID管理ソリューションは、恵まれない子供たちが必要な助成金を受け取るのに役立っています。また、農場の二酸化炭素排出量の削減にも役立ちます。ブロックチェーンを用いることで農産物のトレーサビリティを向上させれば、農家の収益をおよそ20%増やせるようになるとマリクは話します。

インドのスパイス産業で実証実験も行っています。世界最大のスパイス輸出国であるインドは、毎年40億ドル以上の唐辛子やウコンなどのスパイスを輸出しています。これらは重要な輸出作物であるにもかかわらず、品質管理が不十分であるために返品率が高くなっていました。そこでNECは国際機関とインドの関連省庁と協力し、ブロックチェーン技術を活用した生産・流通管理プログラムを立ち上げました。

農家のデータ収集、複数のステークホルダーの特定と連携、プロセスやワークフローの定義、さらに農家や小売業者へのブロックチェーンプラットフォームの使用方法のトレーニングなど、いくつもの課題を乗り越えながらプロジェクトを推進しました。
新しいプラットフォームでは、すべての製品の農家の身元、所在地、品質検査の詳細、栽培条件や児童労働の有無、農薬などに関する情報が提供されています。

「私たちはブロックチェーンを通じて農場から食卓までのバリューチェーン全体を捉え、データの正確性と一貫性を確保することで、スパイス製品の透明性を高め、消費者が生産者や生産地、栽培条件などの情報を得られるようになりました。これにより返品率が低くなり、適正な価格を設定できるようになるので、農家の収入増加につながります。」(マリク)

この実証実験は約3,000人の農家を対象にして行いましたが、現在約10万人を対象にした本番稼働を検討しています。

「私たちはサプライチェーンに関わるすべてのステークホルダーを明らかにし、このプラットフォームを活用してもらえるよう十分なコミュニケーションを心掛けてきました。インド政府に対して、QRは必ずパッケージ上2か所に貼付することも提言しました、そうすれば1枚が破損しても安心ですよね」

ビジネスと社会の両面での成果の重要性

ワクチン、難民、雇用など、NECが政府機関やNGOと連携し、取り組んでいる社会価値創造プロジェクトは他にも数多くあります。このようなプロジェクトでは、経済的な自立まで見据えて計画することが大切です。支援に頼るのではなく、自分たちの力で持続可能な仕組みを作っていくことが重要なのです。
また、農家、病を抱えている人、女性など、ステークホルダーが誰であれ、生活にどのような影響を与えているかを把握することも重要です。

「このようなスキームを長期的に運営するためには、ビジネス上の成果と社会的な成果の両方が必要です。それはソリューションを提供する組織、政府、そして最終的には社会にとってあるべき姿なのです。」(マリク)

テクノロジーでより良い社会を実現

マリクは、テクノロジーの活用が環境的にも持続可能な経済の推進に役立つと期待しています。

「私は将来に関して非常に前向きに捉えています。2024年には世界がもっと平和になり、より良い持続可能な未来が訪れることになるでしょう。たとえばグリーンテクノロジーの採用も急速に増えていることもその顕れです。テクノロジーは世界的な飢餓問題の解決に役立ち、人口は安定するでしょう。これからの10〜20年間は、月に行って新しいエネルギー源や資源を探索するなど、人類にとって非常に良い時代になるはずです。」(マリク)

マリクのようなNECのプロフェッショナルはこれからも力を合わせ、世界中の人々のためにテクノロジーを活用するという重要な役割を担っていきます。NECはより良い社会の実現を目指し、様々な取り組みをしていきます。

ヴァルン・マリク

約15年前にコンサルタントとしてNECに入社
インド ノイダでの勤務の後、アメリカ ニューヨークでNECのデジタルプラットフォームソリューションおよびプロダクトマネジメントの責任者を務める。生成AIやニューラルネットワーク、ブロックチェーン、デジタルツイン、メタバースといった新興技術に関連したビジネス開発における幅広い経験をもつ。現在はインドを拠点に、国際機関やその他の非営利団体との共創プロジェクトを主に担当。

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