Japan
サイト内の現在位置を表示しています。
NEC田んぼ作りプロジェクト
「NEC田んぼ作りプロジェクト」は、NECグループ社員とその家族の環境意識の向上と生物多様性保全を目的に認定NPO法人アサザ基金と協働し「100年後にトキの野生復帰」を目指して開始しました。
本プロジェクトは、稲作からお酒造りまで、一年を通じて体験する自然体験参加型プログラムで、茨城県霞ケ浦近辺の谷津田等をフィールドに、これまでに約19,605名(延べ)のNECグループ社員とその家族が参加しました。
本プロジェクトは、ICTを活用した様々な実証や共創活動の場としても活用されています。例えば、田んぼのフィールドに気象観測センサーシステム(製品名:ウェザーバケット)を設置し、観測データと生態系・生物多様性との関係性を調査分析しています。
また、2019年度、新たな試みとして、本プロジェクトのパートナーである廣瀬商店(酒造会社)の協力の下、「NEC 清酒もろみ分析クラウドサービス」を、本プロジェクトの成果品である日本酒「愛酊で笑呼(あいてぃでえこ)」の醸造において導入しました。これにより、杜氏の経験や勘が可視化され、過去の仕込みデータとの比較や製造工程の関係性を分析することができるようになり、日本酒のクオリティがより高まることが期待されます。さらに、廣瀬商店等との共創活動を通じて、本サービスの新たな機能の創出や改善に取り組んでいます。
さらに、2023年度、本プロジェクトのフィールド(茨城県牛久市)が環境省「モニタリングサイト1000」に認定され、2024年より「モニタリングサイト1000」に則した生態系調査を、社員ボランティアも参加しながら実施しています。また同時に、種の多様性を評価する技術として注目されている環境 DNA を用いた研究も、 NEC ソリューションイノベータとともに進めています。環境 DNA は水や土壌等の環境中に存在する生物由来の DNA(環境 DNA)を分析することで、そこに生息している生物の種類などを評価する技術です。
「NEC田んぼ作りプロジェクト」による主な取り組み・社会的波及効果
主な取り組み
-
霞ケ浦流域の耕作放棄地433アール(4.33ヘクタール)を再生・利用。
-
生態系の回復:
生物多様性の指標であるカエル、メダカ、トンボ、ホタル、哺乳類(カヤネズミ)、鳥類(フクロウ)等の復活。
社会的波及効果
-
本プロジェクトがロールモデルとなり、他企業(8社)での同様な取り組みに発展し、霞ヶ関流域の耕作放棄地計25.53ヘクタールを再生。(再生された谷津田は15カ所)
-
本プロジェクトが、牛久市(茨城県)の治水事業に組み込まれる。
-
本プロジェクトがロールモデルとなり、秋田県八郎湖流域の谷津田再生プロジェクトに発展。
再生前後の谷津田
約30年間、耕されることなく、人も立ち入らない湿地帯となっていました。
再生した谷津田には、生きものたちが戻り、地元の子どもたちの学びの場にもなっています。
活動内容
- ※不耕起栽培とは、田んぼを耕さずに苗を栽培する方法で、耕すための時間が削減でき、土の掘り返しがないため雑草の繁殖も抑えられます。化学肥料や除草剤・殺虫剤等の農薬を全く使わない生物との共生環境を利用した循環型の農法です。
NEC清酒もろみ分析クラウドサービスを導入
生きもの調査から読み解く谷津田におけるインパクトレポート(2021年6月)
NEC田んぼ(茨城県牛久市)では、2010年の活動当初より、毎年、一年を通じた生きもの調査を実施しています。
本レポートは、2020年度の調査記録をもとに、NEC田んぼ作りプロジェクトのプログラムパートナーである、認定NPO法人アサザ基金 代表理事 飯島 博さんが考察を行った生物調査レポートです。
センサーシステムで観測データを集めています
NEC田んぼには気象観測センサーシステム(製品名:ウェザーバケット)を設置しています。
私たちが植えた稲が、どのような環境で成長しているのか、谷津田に集まってくるたくさんの生きものたちは、どのような棲みかで暮らしているのか。このセンサーシステムで収集した気象データを使って調べることができます。
センサーシステムの紹介
-
測定できるもの
- 気温、湿度、気圧、日射量、降水量、風向・風速(平均・最大瞬間)、水中(地中)温度
-
特長
- 7種類のセンサーを一体化して搭載
- 太陽電池で駆動するエコ製品
- 測定データは10分単位で記録
- 無線によるデータ自動収集の他、約3ヶ月分のデータを蓄積
ウェザーバケットは株式会社エスイーシー(NEC-NETグループ)の製品です。製品に関する詳細は、(株)エスイーシーのホームページをご覧ください。