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資源循環と汚染防止への取り組み

NEC製品の回収方法・内容 こちらをご覧ください

考え方

NECは、限りある資源の有効活用により持続可能な社会を実現するため、環境方針に基づき、生産から使用、リサイクルまで一貫した資源循環への取り組みと各過程で発生する廃棄物などの環境負荷の低減を行っています。特に、これまで多くのお客さまにご使用いただいたハードウェア製品には、多くの資源が使用されていることから、回収しリサイクルすることで、限りある資源を有効に活用することに取り組んでいます。

資源循環

リスクと機会

リスク/機会 内容 リスク低減対策/機会の具体例
リスク 国内外の使用済み製品の回収やリサイクルに関する規則の強化に対応するため、コストや時間を要する。対応が遅れた場合、競争力や評価の低下に関わる 法規制前の情報収集により、早期対応を実施
機会
(経済価値)
サーキュラーエコノミー関連ビジネスの新市場開拓や市場拡大が進む 自社バイオプラスチック製品やAIを使用した食品ロス対応ソリューションの需要拡大

重大なインパクトを与える廃棄物

NECは、サーバやルータ・無線通信機器などの情報機器を製造・販売しています。情報機器製品には多品種の化学物質材料が使われており、製品使用後に適切な廃棄がなされなかった場合、環境負荷に重大なインパクトを与える可能性があります。そのため、NECでは電機業界では初めてとなる「広域的処理認定業者」の認定資格を2001年に取得し、回収・再資源化に努めています。また、製品製造に要する部品には、製品設計の段階から将来リサイクルしやすく、無害であることを念頭に置き、部品調達を行っています。

ホームゲートウェイ製品のリサイクル

Wi-Fiルータやセキュリティ機器などを含むホームゲートウェイ製品では、自社レンタルを実施しており、戻ってきた製品の廃棄物の削減、再生資源の有効活用に積極的に取り組んでいます。
NECの関係会社であるNECプラットフォームズ(株)掛川事業所では、生産したWi-Fiルータのリサイクル再製品化を行っています。使用年数を終えたルータをお客さまから回収し、筐体に使用されているプラスチック材を解体、粉砕し、ペレット化した後、成形し再びWi-Fiルータの筐体として、再商品化しています。
これらの取り組みは、「資源循環技術・システム表彰」を受賞するなど、外部からも高い評価をいただいています。

ホームゲートウェイ製品 クローズドリサイクルシステム

NEC 地域資源循環サービス

NECでは、サーキュラーエコノミーの実現に向けた、地域の資源循環や地域コミュニティづくりの推進を目指しています。
本サービスは、地域のごみステーションに回収される生ごみなどの循環資源の回収状況や地域住民の参加状況を可視化し、資源エネルギーの地域内循環を促すことを目的としています。
住民はごみステーション訪問のたびに専用のICカードをチェックイン端末にかざすだけで、資源循環に関する活動を記録することができます。また、活動記録時に行動経済学のナッジ理論*1に基づいた感謝のフィードバック(明治大学・後藤 晶先生 監修)を提供します。このフィードバックにより、住民が記録を続けるモチベーションを高める効果が期待できます。

  • *1
    ナッジ:行動科学の知見に基づく工夫や仕組みによって、人々がより望ましい行動を自発的に選択
    するよう促す手法

ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験

NECの子会社であるNECソリューションイノベータ(株)において、アミタ(株)および(有)リアス・エンジニアリングと共創し、住民の生ごみ分別・回収への参加意識を高めていく実証実験が行われました。本実証実験は、環境省主催 令和元年度「ベストナッジ賞」コンテストにおいて、「ベストナッジ賞」を受賞しています。

解決したい課題

当該地域において、アミタ(株)による、資源・エネルギーの地域内循環を担う拠点としてのバイオガス施設が開設された。本施設の効果を高めるため、ごみの回収量を増やすとともに、地域住民の協力を得て分別品質を高める必要がある。

取り組み

  • 生ごみ分別参加状況把握の効率化。
  • 住民の参加意識向上を促す仕組みづくり(回収状況や分別参加に対する感謝のフィードバック)。

効果

  • 導入した地域における回収量の増加、分別品質の向上を確認できた。
  • 生ごみ分別の参加状況把握の効率化と、「感謝の研究」をベースにしたナッジの手法を用いて、ごみの分別に対する当該地域の人々の行動変容を促した。
ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験

海洋プラスチック問題への対応

NECでは、事業活動と社内活動の両面において海洋プラスチック問題の解決に向けて取り組んでいます。事業活動では、バイオ素材を用いた製品開発やAIによるマイクロプラスチックの分析技術の開発支援を行っています。また、社内活動では、ペットボトル削減活動や社内売店でのレジ袋廃止を行っています。

マイクロプラスチックの分析技術の開発支援

マイクロプラスチックは、生態系への影響はもちろん、食物連鎖を通じた人体への影響も懸念されています。マイクロプラスチックの海中における実態を明らかにするために、採取した多量の試料を、効率的かつ高精度に分析する技術の開発が求められています。

NECは、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が進めるこの技術開発を、ICTにより支援しています。具体的には、蛍光顕微鏡により観察される微細なマイクロプラスチックを対象に、AIを活用することで、自動的にサイズを計測し、形状を分類してデータ化するシステムを目指しています。試作システムを用いた実証実験では、短時間で多量のマイクロプラスチックの情報をデータ化することができ、有用性が確認できました。将来、この様な分析技術が確立されて広く普及し、海洋マイクロプラスチックの実態解明が進むことで、具体的な環境汚染リスクの評価や、排出規制の検討などにつながることが期待されます。引き続き、海洋プラスチックごみ問題に対してICT技術による貢献を目指します。

  • (※)補足:
    上記活動は独立行政法人環境再生保全機構の環境研究総合推進費(SII-2)にて実施。

NECの最先端技術

高級感あふれるセルロース系高機能バイオ素材 NeCycle®

「NeCycle®(ニューサイクル)」は非可食性のバイオマスであるセルロースを原料としながら、バイオプラスチックの機能性に加え、装飾性という新たな付加価値をつけ実現した、これまでとはまったく新しいバイオ素材です。漆塗りのような高級感あふれる黒は、日本を代表する漆芸家下出祐太郎氏との共同研究を経て実現しました。NeCycle®は、通常のプラスチックと同じように、金型を使った射出成形を活用することができ、また塗装工程なしで自由に成形できるため、これまで漆塗りで実現できなかった形状の部材でも表現できます。

2019年10月には、「環境と成長の好循環」のコンセプト実現に向けた非連続イノベーションについて議論する「グリーンイノベーション・サミット」が日本で開催されました。この中で、総理官邸にて行われた「グリーンイノベーション・サミットレセプション」で、来賓に振る舞われた和菓子の小皿に、「NeCycle®」が採用されました。「NeCycle®」は海に流れても、長期的には木材と同じように分解される特徴を有し、海洋プラスチックごみ問題を解決するための「非連続のイノベーション」の事例としてご紹介いただきました。

NECのデジタル技術で実現する循環型社会への変革

PDFこちらをご覧ください

目標と実績

項目 目標 実績
廃棄物排出量 2.7%削減(2018年度比) 達成
9.9%削減(2018年度比)
使用済み情報通信機器製品の回収量 回収量約660t、再資源化率※1 98%、
資源再利用率※2 92%

活動:有価物売却の推進・拡大や分別廃棄の徹底、電子化の推進による紙使用削減、緩衝材のリユースなどの取り組み、産業廃棄物委託先への現地訪問による適正な産業廃棄物処理の確認

  • *1
    再資源化率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、リユース、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルされた物の重量の比
  • *2
    資源再利用率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、再生部品(部品リユース)もしくは再生資源(マテリアルリサイクル)として利用することができる状態にした物の重量の比(資源有効利用促進法の定義)

廃棄物の排出量と原単位の推移

廃棄物排出量内訳

(単位:t)

  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
廃棄物総排出量 42,593 38,318 38,589 35,886 308,460 42,236
一般廃棄物 2,251 2,156 2,328 1,823 1,781 1,608
産業廃棄物 36,611 35,030 31,993 26,772 303,457 35,539
特別管理産業廃棄物 3,380 633 2,756 5,755 1,795 4,089
海外廃棄物 351 499 1,512 1,536 1,427 1,000
再資源量 36,686 34,504 36,612 29,057 291,668 36,707
再資源化率 86.1% 90.0% 94.9% 81.0% 94.6% 86.9%

回収とリサイクル

NECでは、1969年より法人のお客さまから使用済みとなったコンピュータなどの情報通信機器を回収し、再利用、再資源化しています。

2001年「資源の有効な利用の促進に関する法律」が改正され、企業から排出される使用済みパソコンの回収・再資源化が義務化されましたが、NECでは「広域的処理認定業者」の認定資格を活用し、法律の施行と同時に他社メーカーに先駆け、パソコンの回収サービスを行っています。

2022年度の使用済み情報機器(コンピュータ、パソコン、プリンタなど)の回収量は、法人系で約660トンと前年度比で約47%の減少となりました。再資源化率*1は昨年度と同じく98%となっています。また資源有効利用促進法の定義による資源再利用率*2も昨年度とほぼ同様に92%となりました。今後はプラスチックなどの再資源化を推進し、さらなる再資源化の向上を推進していきます。

  • *1 再資源化率:
    回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、リユース、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルされた物の重量の比
  • *2 資源再利用率:
    回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、再生部品(部品リユース)もしくは再生資源(マテリアルリサイクル)として利用することができる状態にした物の重量の比(資源有効利用促進法の定義)。

パソコン回収・再資源化実績

2001年4月「資源有効利用促進法」が改正され、企業から排出される使用済みパソコンの回収・再資源化が義務化されました。また2003年10月には、家庭から排出されるパソコンについても、同じく回収・再資源化の義務化がされております。
2022年度の使用済みパソコンの回収実績はデスクトップパソコン、ノートパソコン、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ合計で約6万8千台となり、昨年度比で約23%の減少となっております。法律で2003年までに達成目標として定められている資源有効利用率については、すべての製品について達成しています。

プラスチック資源循環促進法への対応

海洋プラスチックごみ問題に加え、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化などへの対応を契機として、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進するため、2021年6月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が成立しました。
法律に基づき、プラスチック使用製品産業廃棄物等を排出する事業者(NECは多量排出事業者に該当)は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制・再資源化等を促進することが求められています。

NECとして、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出抑制や再資源化促進を目指し、排出量等の削減目標設定し活動を推進します。

  • 2023年度目標:廃プラスチック排出量の削減 2021年度比 1.4%削減(売上原単位)
  • 2022年度目標の達成状況:売上原単位 22%削減(目標達成)
  • 2022年度 廃プラスチック排出量:691トン
  • 廃プラスチック排出量及び目標に関して、特殊要因(事業場の再開発に伴う非定常の廃プラスチックの排出 等)を除くものとする。

化学物質

考え方

NECでは、化学物質の導入、使用、廃棄の全段階で環境に対する影響や安全性を詳細に審査し、使用量の削減や、より安全な物質への代替化を進めています。

化学物質の事前評価活動

NECでは、新規に化学物質を使用する場合、環境や安全面などについて詳細に審査する「事前評価制度」を実施しています。事前評価では、化学物質の物性、毒性、取り扱い方法、緊急時対応のほか、再資源化方法や環境への影響などについて厳正な審査を行っています。そしてこの審査に合格した物質のみ使用が許可され購入できる仕組みとなっています。

化学物質の事前評価活動

また、使用する全物質に対しては、安全データシート(Safety Data Sheet:SDS)をメーカーより入手もしくは独自に作成し、化学物質使用時における安全対策検討の判断材料として活用するとともに、化学物質使用現場での緊急時措置としての掲示を行っています。さらに、製造プロセス全体については「製法アセスメント」を実施し化学物質、生産設備などの環境・安全面の事前評価を行っています。

「化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度)」への対応

NECは、PRTR制度の対象物質(第1種指定化学物質)について収支管理を行い、結果を開示しています。なお、大気、公共水域(下水への排出を含む)への排出については、法規制値より厳しい自主管理基準値を確実にクリアしています。

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化学物質収支管理図(2022年度)

重点管理化学物質の削減

オゾン層破壊物質

生産工程(洗浄用)で使用する特定フロンを1993年に全廃しました。また、空調機に使用する冷媒用特定フロンや消火器用特定ハロンの全廃活動は、2010年度末で96%とほぼ達成できました。

PCB含有設備・部品の徹底管理

NECでは現在3事業場、グループ会社では5社でPCBが含有する廃棄設備・部品(蛍光灯安定器など)を保管・管理しているため、2重、3重の漏えい防止対策のもと厳重に保管しています。
また、2016年に「PCB特別措置法」が一部改正され、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」の処理期間が変更されました。
NECでも、この動きに合わせて処理計画の見直しを行い、期限内の早期処理完了に向けて対応しています。

2022年3月末時点のPCB保有量
高濃度
29,409kg
低濃度
71,932kg

対象範囲:日本電気(株)

目標と実績

項目 目標 実績
化学物質*1 購入量 1%以上削減(2017年度比) 達成
揮発性有機化学物質(VOC)*2 排出量 1%以上削減(2017年度比) 達成
  • *1
    PRTR制度の対象物質
  • *2
    電機・電子業界における自主行動計画の対象物質