Japan
サイト内の現在位置
資源循環・サーキュラーエコノミー
NEC製品の回収方法・内容 こちらをご覧ください
ガバナンス
資源循環推進体制
環境経営推進体制のもと、資源循環についても同様に対策を推進しています。その中で、各ビジネスユニットのサーキュラー関連事業のシナジー向上と新たなビジネスの機会創出に向け、「サーキュラーエコノミー活動共有会」を設置しています。
資源循環関連イニシアティブへの参加
- CLOMA
- サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ
戦略
資源循環方針
NECでは、環境方針において「事業活動に伴う環境関連法規制、およびステークホルダーとの合意事項を遵守すると共に、サプライチェーン全体での、省エネルギー、省資源、化学物質や廃棄物などによる環境汚染の予防に努めます。」と明記しています。省資源には「資源循環」を含みます。また、「社員一人ひとりの環境意識を高め、気候変動対応や資源循環推進、生物多様性保全を始めとした地球環境保全に貢献します。」と明記し、資源循環を推進しています。
自社の取り組み
回収とリサイクル
NECでは、1969年より法人のお客さまから使用済みとなったコンピュータなどの情報通信機器を回収し、再利用、再資源化しています。
2001年「資源の有効な利用の促進に関する法律」が改正され、企業から排出される使用済みパソコンの回収・再資源化が義務化されましたが、NECでは「広域的処理認定業者」の認定資格を活用し、法律の施行と同時に他社メーカーに先駆け、パソコンの回収サービスを行っています。
2023年度の使用済み情報機器(コンピュータ、パソコン、プリンタなど)の回収量は、法人系で約780tと前年度比で約18%の増加となりました。再資源化率*1は前年度と同じく98%となっています。また、資源有効利用促進法の定義による資源再利用率*2も前年度とほぼ同様に90%となりました。今後はプラスチックなどの再資源化を推進し、さらなる再資源化の向上を推進していきます。
- *1 再資源化率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、リユース、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルされた物の重量の比
- *2 資源再利用率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、再生部品(部品リユース)もしくは再生資源(マテリアルリサイクル)として利用することができる状態にした物の重量の比(資源有効利用促進法の定義)。
パソコン回収・再資源化実績
2001年4月「資源有効利用促進法」が改正され、企業から排出される使用済みパソコンの回収・再資源化が義務化されました。また2003年10月には、家庭から排出されるパソコンについても、同じく回収・再資源化の義務化がされております。
2023年度の使用済みパソコンの回収実績はデスクトップパソコン、ノートパソコン、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ合計で約67,000台となり、前年度比で約1.5%の減少となっています。法律で2003年までの達成目標として定められている資源有効利用率については、すべての製品について達成しています。
プラスチック資源循環促進法への対応
海洋プラスチックごみ問題に加え、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化などへの対応を契機として、国内におけるプラスチックの資源循環を一層促進するため、2021年6月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が成立しました。
法律に基づき、プラスチック使用製品産業廃棄物等を排出する事業者(NECは多量排出事業者に該当)は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制・再資源化等を促進することが求められています。
NECとして、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出抑制や再資源化促進を目指し、排出量等の削減目標設定し活動を推進します。
- 2024年度目標 : 廃プラスチック排出量を2019年度比で3.5%削減(売上原単位)
- 2023年度目標の達成状況 : 46%削減(目標達成)
- 2023年度廃プラスチック排出量 : 603t
- ※廃プラスチック排出量及び目標に関して、特殊要因(事業場の再開発に伴う非定常の廃プラスチックの排出 等)を除くものとする。
事業を通じた貢献
プラスチック情報流通プラットフォーム(PLA-NETJ)の構築
NECは、政府が主導している「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」第3期における課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」に参加し、プラスチック情報流通プラットフォーム(PLA-NETJ)の開発を行っています。
PLA-NETJは製品のライフサイクルにおいて製品に使用されているプラスチック材の循環をデジタル情報として管理・情報共有するシステムです。特に、再生プラスチック材の活用向上を目的として研究開発を行っています。PLA-NETJによって、「どこで採掘された原料を使い、どこで加工され、どこで最終製品にされ、CO2をどれだけ排出し、リサイクル品はどれだけ含まれ、どんな耐久性があるのか」などの証跡データを記録していきます(図1)。そして、PLA-NETJは、国内外で整備されるデータスペース(国境や分野の壁を越えてデータを共有・活用する空間、Ouranos Ecosystem、DATA-EX、Gaia-Xなど)に接続して、本PLA-NETJに登録したデータや他システムで登録されたデータとの情報流通を行い(図2)、デジタルプロダクトパスポートとして運用を行うものです。
PLA-NETJの特徴
PLA-NETJは製品の素材を起点としたデータ管理を行うことから、素材開発で利用されるマテリアルインフォティックスシステムや、本SIPで開発される再生材データバンクと連携してプラスチック材(バージン材、再生材)の物理特性を管理し、プラスチック材データベースとして需給マッチングを行うことができます。また、ブロックチェーンによる分散管理によって、製品のライフサイクルにおける証跡データを管理することができます。フィジカル空間における製品のライフサイクルをサイバー空間のPLA-NETJで管理、見える化を行います。
アルミの「アップグレードリサイクル」 富山大とNECの共同研究が始動
脱炭素の推進へ 日本屈指のアルミリサイクル研究設備で挑戦
2024年2月から、NECが富山大学高岡キャンパス内軽金属材料共同研究棟に納入したマテリアルインフォマティクスシステムが稼働を開始しています。
この研究棟では溶解精錬システムや押出機、電子顕微鏡など、大学としては国内最高レベルの機器が導入されており、NECが提供したマテリアルインフォマティクスのシステムによって、各機器から得られるデータを一括して集め分析することができ、難しいとされているアルミの「アップグレードリサイクル」の実現を目指しています。
この「アップグレードリサイクル」とは、アルミ再生地金に含まれる不要な元素を除去し、純度の高いアルミ再生地金を作ることを指します。
アップグレードリサイクルが重要な理由の1つに経済安全保障の観点があります。軽量化が求められる電気自動車(EV)の普及などで、軽いアルミ展伸材の需要が高まっています。しかし、アルミの原材料のボーキサイト産出は海外が主で、アルミ新地金は輸入に依存しているのが現状です。もう1つの理由は環境です。ボーキサイトからアルミを作る場合は膨大な電力を消費し、アルミ1tの生成に約10tものCO2が排出されます。一方、リサイクルなら新たにボーキサイトから作る場合のわずか3%の電力の消費でアルミの再資源化ができます。
そのため経済安全保障と省エネルギー・脱炭素の面からアップグレードリサイクルの早期実現が求められています。
NECがAI技術を使って、そのリサイクルの工程や不純物を可視化していくことで、「世界の環境問題の解決に貢献することができる」という趣旨で、富山大学とNECの共同研究が始動しています。
リスク管理(含む機会創出)
リスク/機会 | 内容 | リスク低減対策/機会の具体例 |
---|---|---|
リスク | 国内外の使用済み製品の回収やリサイクルに関する規則の強化に対応するため、コストや時間を要する。対応が遅れた場合、競争力や評価の低下に関わる | 法規制前の情報収集により、早期対応を実施 |
機会 (経済価値) |
サーキュラーエコノミー関連ビジネスの新市場開拓や市場拡大が進む | デジタルプロダクトパスポートなど、静脈産業と動脈産業をつなげるICTサービスを拡大 |
重大なインパクトを与える廃棄物
NECは、サーバやルータ・無線通信機器などの情報機器を製造・販売しています。情報機器製品には多品種の化学物質材料が使われており、製品使用後に適切な廃棄がなされなかった場合、環境負荷に重大なインパクトを与える可能性があります。そのため、NECでは電機業界では初めてとなる「広域的処理認定業者」の認定資格を2001年に取得し、回収・再資源化に努めています。また、製品製造に要する部品には、製品設計の段階から将来リサイクルしやすく、無害であることを念頭に置き、部品調達を行っています。
指標および目標
項目 | 2023年度 (目標) |
2023年度 (実績) |
---|---|---|
廃棄物排出量の削減 | -3.4% | -36.3% |
プラスチック資源循環促進 | -2.8% | -46.2% |
活動:有価物売却の推進・拡大や分別廃棄の徹底、電子化の推進による紙使用削減、緩衝材のリユースなどの取り組み、産業廃棄物委託先への現地訪問による適正な産業廃棄物処理の確認
- *1再資源化率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、リユース、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルされた物の重量の比
- *2資源再利用率:回収された使用済み情報通信機器の全体重量のうち、再生部品(部品リユース)もしくは再生資源(マテリアルリサイクル)として利用することができる状態にした物の重量の比(資源有効利用促進法の定義)
廃棄物の排出量と原単位の推移
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
廃棄物総排出量 | 38,318 | 38,589 | 35,886 | 308,460 | 42,236 | 38,516 |
一般廃棄物 | 2,156 | 2,328 | 1,823 | 1,781 | 1,608 | 1,479 |
産業廃棄物 | 35,030 | 31,993 | 26,772 | 303,457 | 35,539 | 26,872 |
特別管理産業廃棄物 | 633 | 2,756 | 5,755 | 1,795 | 4,089 | 9,188 |
海外廃棄物 | 499 | 1,512 | 1,536 | 1,427 | 1,000 | 977 |
再資源化率 | 90.0% | 94.9% | 81.0% | 94.6% | 86.9% | 72.9% |
再資源量 | 34,504 | 36,612 | 29,057 | 291,668 | 36,707 | 28,061 |