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No.1(9月) AIによる社会価値創造特集

Vol.69 No.1(2016年9月)

記載されている技術は製品に採用されているとは限りません。
製品が掲載されている場合は、販売を終了している可能性がありますので別途ご確認ください。

本特集では、NECが提供するAIによる社会価値創造、社会ソリューションのビジョン、それを支えるAI技術群をご紹介します。更に、連携先のキーパーソンとNECの研究者が対談を通して、これから取り組むべき技術のビジョンを提示します。

AIによる社会価値創造特集

AIによる社会価値創造特集によせて

取締役 執行役員常務 兼 CTO
江村 克己


AI時代における社会ビジョン ~人々の働き方、生き方、倫理のあり方~

マサチューセッツ工科大学メディアラボ
所長
伊藤 穰一

近い将来、AIの普及によって社会のあり方にさまざまな影響が出ることが予想されています。この先、AIがどのように進化し、私たちの働き方や社会はどう変わっていくのか。マサチューセッツ工科大学メディアラボで所長を務める伊藤穰一氏に、未来のビジョンについてお聞きしました。


NECが目指すAIによる社会価値創造

データサイエンス研究所
所長
山田 昭雄

ここ数年、第三次人工知能(AI)ブームといわれ、AIの活用領域は急速に拡大しようとしています。NECはAIの研究開発に50年以上取り組んでおり、機械認識・データマイニング・自然言語理解など数多くの世界最先端技術を「NEC the WISE」の名のもとに開発してきました。本稿では、NEC the WISEの底流にある思想、今後のAI研究の方向性について、自動認識・数理最適化・論理思考という3つのAI機能の視点から概観することで、NECが目指すAIによる顧客価値拡大、社会課題の解決方針について紹介します。

NECが目指す社会価値創造像

都市空間の安全・安心を支えるセーフティ・オペレーション

広明 敏彦

ホームグロウンテロのような新たなタイプの犯罪は、従来の目視によるブラックリスト照合を中心としたモニタリングだけでは防ぐことが難しくなっています。今後は、ホワイトリスト照合に加え、各種AI技術を活用することで、人間だけでは発見や予知が難しい未知の異常を素早く検知し、新たなタイプの犯罪にも対処が可能になると考えられます。また、システムの設計も、防犯を主眼としたものから、平時における現場の管理を中心としたものへとシフトすることで、より多くの価値が創出できると見込まれます。本稿では、これら都市空間の安全・安心を支える監視ソリューションや、その基礎となる技術の進化に関するNECの見解を概説します。


新たな消費エクスペリエンスを提供するリテール産業オペレーション

竹田 直博・酒井 淳嗣・宮野 博義・宮川 伸也・副島 賢司

少子高齢化による人口構成の変化や生活・嗜好の変化、ICT環境の急激な進化により、小売業は大きな変革期を迎えています。本稿では、店舗内の人・モノの見える化によるロス削減、購買行動のリアルタイム把握による店舗運営効率化、AIによる店舗経営支援、IoTを活用した店舗の価値向上など、AIの活用によって実店舗のオペレーションを変革していく方向性について紹介します。


都市交通サービスにおける「NEC the WISE」

Mervyn CHEAH

社会がスマートシティのビジョン実現を目指すうえで、都市交通サービスは市街地における移動性と生産性を牽引する重要な役割を担っています。「NEC the WISE」における交通向けプログラムは、シンガポールなどの都市で、通勤者にとって円滑で便利な運行サービスの実現を支援しています。その目的は、電車・バス・タクシー及びよりスマートな交通管理システムを、よりスマートな管理・最適化システムで構築することであり、最も速くかつ利便性の高い方法で通勤者の移動を確実にすることにあります。そしてそれは、性能監視や需要管理、スケジュール最適化、ソーシャルメディア分析などにAIを活用することで実現可能となります。


第四次産業革命を支えるインダストリー・オペレーション

朝倉 敬喜

Industry4.0(第四次産業革命)では、SCM全体を高度化することで、製造業におけるマスカスタマイゼーションを可能にするとともに、製造コストを大幅に削減することを目的としています。今後、日本の工場やプラントにもこの流れが押し寄せてきます。本稿では、AI技術の適用で特に大きな革新を見込むことができるインダストリー・オペレーション(生産管理)に着目し、コスト最小化と品質最大化に関するインダストリー・オペレーションの課題とNECのAI技術を活用した取り組みについて紹介します。

NECが誇る最新のAI技術

リアルタイム監視を実現する動画顔認証技術

今岡 仁

近年のテロ事件の急激な増加に伴い、空港やレストラン、ホテルのロビーといった公共施設でのセキュリティをいかに守るかということは、全世界的な課題となっています。顔画像データは、国籍を問わず全世界のパスポートに入っている唯一無二の個人認証手段であり、更に監視カメラにおける人物特定など離れた場所からも認証できるという点で、他の個人認証技術と異なる利点があります。NECでは、2009年より米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する顔認証技術評価プログラムに参加し、過去3回トップ評価を獲得し続けています。本稿では、映像監視向け動画顔認証技術について紹介します。


社会インフラの保全を効率化する光学振動解析技術

高田 巡

「光学振動解析技術」は、カメラで撮影した映像から、橋などインフラ構造物の内部の劣化状態を推定できる世界初の技術です。本技術は構造物表面の「動き」を精密に計測し、その動きの特徴から、ひび割れ・剥離・空洞などの内部劣化状態を推定します。この技術を用いることで、巨大な構造物の下から、足場なしで内部劣化状態を調査することが可能になります。これにより、劣化の早期発見や点検コストの大幅低減が実現できると同時に、内部劣化状態の定量化が、点検員のスキルによらず可能となります。今後は、大量の点検データを用いた劣化推移予測や、保全計画の自動生成への取り組みも進めていきます。


IoTの活用を広げる物体指紋認証による個体識別

石山 塁・高橋 徹・工藤 佑太

近年、製造業を中心として、モノの製造や使用の履歴をビッグデータとして収集し解析することで、生産革新や保守点検サービスなどにつなげる動きが広がっています。モノの個々のデータを取得するためには、まず個体識別が必要となります。しかし、従来のバーコードやRFIDなどタグをモノに取り付けて識別する方法では、小型化が進む電子部品や、表面加工が許されない精密機械、素材などに対し、個体識別ができないという課題があります。本稿では、モノをカメラで撮影するだけで、表面の微細な紋様(物体指紋)を画像認識し、均一に作られる工業製品であってもその一つひとつを識別できる「物体指紋認証」技術について、個体識別とIoTへの活用について紹介します。


未知のサイバー攻撃を自動検知する自己学習型システム異常検知技術(ASI)

多賀戸 裕樹・栄 純明・喜田 弘司・朝倉 敬喜

年々巧妙化するサイバー攻撃に対する対策が求められています。自己学習型システム異常検知技術(ASI)は、監視ソフトウェアによりPCやサーバの詳細動作ログを収集し、本ログに対する機械学習(AI)を行うことで、監視対象システムの平常状態を生成します。生成した平常状態と現在のシステム動作との比較を行うことで、未知の攻撃も検知します。本技術を適用したセキュリティ監視システムでは、攻撃プロセスの初期・最終フェーズだけでなく、システム内における感染拡大といった、中間フェーズも含めた攻撃プロセスの全体を通して検知を行うことができ、より強固なセキュリティを実現します。


防犯カメラ映像から未登録の不審者を見つけ出す時空間データ横断プロファイリング

西村 祥治・劉 健全・荒木 拓也

近年、市街地などで膨大な数の防犯カメラの導入が進んでいます。これらの防犯カメラは、犯罪の捜査などを主として事件発生後に活用されてきました。一方、近年テロなど甚大な被害をもたらす犯罪が社会の脅威になってきており、事件発生そのものの予防に関心が集まっています。本稿では、NECの顔認証技術を応用し、従来の指名手配犯など既に登録済みの人物の捜索だけでなく、街角でうろつく不審な人物など未登録の人物を、その出現パターンより見つけ出す新しい映像検索技術を紹介します。本技術により不審者を早期に発見することで、犯罪を未然に防ぐことが期待されています。


きめ細かなマーケティングの実現に向けた顧客プロフィール推定技術

中台 慎二・小山田 昌史

顧客一人ひとりの趣味や嗜好を踏まえたマーケティングを実現するために、個々の商品に顧客視点での特徴(商品DNA)を付与する方法が普及していますが、手間が掛かるという問題があります。顧客プロフィール推定技術は、NEC独自の関係マイニングに基づき、一部のアンケート回答結果から全顧客のプロフィール(職業、趣味、年収など)を推定する際に、手間なく高精度に予測します。この推定技術で顧客プロフィールを充実させることで、仕入や陳列、新商品企画や販促などで、従来見逃していた“個”の真のニーズを素早く発見し、具体的な施策立案を可能とします。


要因分析エンジンを用いた工場・プラントでの品質管理

朝倉 敬喜・落合 勝博

要因分析エンジンは、製造業の工場やプラントにおける製造物の品質を担保する分析技術です。これまで、製造物の品質が低下したときには、専門の分析者が経験に基づいてデータを分析し、品質低下の要因を分析していました。しかしながら、結果が出るまで時間がかかったり、要因が特定できなかったりすることがありました。これを解決するため、要因分析エンジンでは、生産設備に取り付けられたセンサーの時系列データを自動的に分析することで、品質が低下した要因を特定し、改善に向けたアクションにつながる情報を提供します。本稿では、要因分析エンジンの特長と仕組み、及び適用例について説明します。


予測から意思決定へ ~予測型意思決定最適化~

藤巻 遼平・村岡 優輔・伊藤 伸志・矢部 顕大

都市の各地域のエネルギー需要量を予測する、小売店舗の各商品の売上数を予測する、会員のサービスに対する満足度の低下を予測する。ビッグデータの蓄積とその利活用の重要性が広く認知され、NECの異種混合学習技術をはじめとする機械学習技術の進化とともに、人工知能(AI)がデータを分析することによって将来を高精度に予測すること(予測分析)が現実となりつつあります。本稿では、予測(何が起こるのか)に基づいて意思決定(何をすべきなのか)をAIが実現するための最先端技術である「予測型意思決定最適化」について、いくつかの応用事例を交えながら、予測の先、AIによる意思決定への挑戦を紹介します。


REFLEXによるバス運行の動的最適化

Konstantinos GKIOTSALITIS・Nitin MASLEKAR

大都市圏における過密スケジュールのバス運行は、バス停留所での乗客の過剰な待ち時間を減らし、信頼できるサービスを提供することが望まれています。しかし、バスの数珠つなぎ現象を回避し、運行を常に最適化することは難しく、バス運行業者が日々のバス走行を最適な方法で計画することは困難です。NEC Laboratories Europeでは、バス定期運行をモデル化し、バス制御行動を実現する人工知能(AI)エージェント「REFLEX」を開発しました。REFLEXは、日々200を超えるバス便をわずか1~2分の計算時間で最適化することができ、乗り継ぎ間隔や配車頻度間隔の順守といった厳密な運行上の条件に従った定期サービスを理論上17~35%改善できました。

最先端のAI技術開発におけるNECのオープンイノベーション活動

脳の「ゆらぎ」を応用した超低消費電力のコンピュータで「おもろい社会」を実現

将来のICTにはエネルギー効率に優れた新しいコンピューティング技術が求められていますが、これを解決するカギが脳の「ゆらぎ」にあるといわれています。 今回、同分野の碩学である大阪大学大学院特任教授の柳田敏雄氏と、NEC 中央研究所 主席技術主幹の加納敏行が、脳の振る舞いがAIの発展に与えるヒントについて意見を交わしました。


アナログ回路の活用により本物の脳を再現する「ブレインモルフィックAI」とは

従来のデジタル技術とはコンセプトのまったく異なる、アナログ回路を使いAIを本物の脳に近づけていく先進的な試みが、日本を代表する数理工学者である合原一幸氏のもとで進められています。この対談では、合原氏とNEC 中央研究所 システムプラットフォーム研究所の中村祐一が、AIが脳を再現するために必要な要素について議論しました。


AIとシミュレーションを組み合わせ、データに乏しい状況でも意思決定を可能に

NECと産業技術総合研究所は、共同でAIに関する研究・開発を行う「NEC-産総研 人工知能連携研究室」を設立。「未知の状況での意思決定」の実現に向けた取り組みを行っています。そこで今回は、社会システムにおけるAIの応用について、連携研究室長である鷲尾隆氏と、NEC 中央研究所 データサイエンス研究所 所長の山田昭雄のふたりによるディスカッションをお届けします。


AI技術ブランド「NEC the WISE」

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