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株式会社ワンダーテーブル様

自社開発に変わるこれ以上ない選択肢
全体最適を実現したサービスだからこそDXを力強く推進できる

大切な人と食卓を囲んで飲食をすることで、ワクワクがあふれるテーブル––––。
そんな思いを社名に込めて事業展開を行っているのが株式会社ワンダーテーブルだ。同社は「ピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京」や「バルバッコア」、「モーモーパラダイス」といったブランドを国内外に130店舗以上の展開を行っている。その成長を支えているのが「豊かな食卓を広げ、大切な人との絆を深めてもらう。」というビジョンだ。
コロナ禍で外食業界全体が大きな変化を求められる中、同社はそのビジョンの下、力強く進化しながらDXを推進し、次の時代を見据えた組織と店舗づくりを行っている。その推進を支えているサービスの一つが『NECモバイルPOS』だ。
導入までにどのような意思決定があり、導入後はどんな効果を発揮しているのだろうか。同社取締役の小川圭介氏と、営業サポート部マネジャーの小幡浩昭氏にお話を伺った。


コロナ禍という急速な市場の変化に
組織としてどう対応していくかが課題だった

株式会社ワンダーテーブル
取締役
小川圭介氏

「コロナ禍の当初、私たちも外部環境の変化に合わせて価値観を変えていく必要がありました。例えば、利益の出し方もその一つです。これまで本部の管理部門は7人体制で業務に当たっていましたが、人々の生活様式が変わり、外食の絶対数が減る中で利益を確保するにはコストを見直す必要があったのです。そこで当社では本部の圧縮を行い、管理部門を7人から一気に2人へ減らしました」

新型コロナウイルスの感染が広がりに伴って、市場変化が急速に変化した状況について、このように語るのは株式会社ワンダーテーブル取締役の小川圭介氏だ。

外食産業は外部環境変化に影響を受けやすいため、コロナ禍をきっかけに“変化への対応”を進めた飲食店も多い。しかし、一つの業務を変えると、それに付随する業務も変えなければならず、その対応に苦戦した飲食店が多かったのも事実だ。同社でも似たような状況に陥り、その課題解決に手を焼いた。その状況について、同氏は次のように話す。

「コロナ禍になったからといって、管理部門の仕事が減ったわけではありません。むしろテイクアウトやデリバリーの売上が伸びた結果、クレジットカードなどによる売掛金が以前に比べて増加し、その分、スタッフの負担が増えていました。当時は店舗から送られてくる紙の伝票と売上データを本部スタッフが付き合わせて、お金の動きを管理していたのでなおさらです。アナログで対応することが限界となり、販路の多様化に合わせながら管理部門の負担を減らす対策が急務でした。

そこで管理部門の負担を減らすために、営業管理システムを変更し、各店舗のPOSレジと連携、売上データを自動で集計できる体制にする必要があると判断しました。そうした背景もあり、既存のレガシーPOSのカスタマイズではなく、新たにサブスク型POSの採用に舵を切り、『NECモバイルPOS』の導入を決めました」

自社開発に変わる新たな選択肢
サブスク型サービスの可能性とNECを選んだ理由

株式会社ワンダーテーブル
営業サポート部マネジャー
小幡浩昭氏

ワンダーテーブルは、20年以上前からテクノロジーを活用しながら生産性向上を図っており、さまざまなシステムを自社で開発してきた歴史を持つ。例えば、今でこそシステムを活用して仕入れを行うことは当たり前だが、そうしたサービスが登場する前から専門商社と組んでシステムを構築し、仕入れに関する業務負担の軽減を図ってきた。

こういった背景があるからこそ、2018年頃からDX推進には『全体最適』の視点が必要であると気付くのと同時に、各店舗をスムーズに変革していく難しさも感じてきた。なかなか進展しなかった背景には、同社のやりたいことを実現してくれるサービスが市場になかったことが関係している。

確かに、サービス自体としては優れたものは多くあった。しかし、POSレジをはじめ、決済サービスや予約管理、仕入れ、業務管理と、それぞれが縦割りになっていて、互いに連携するという思想がまだ醸成されていなかった課題があった。いわば『部分最適』に陥っていたといってもいい。その結果、会計金額を決済サービスに打ち直してキャッシュレス対応するなど、デジタル化したにもかかわらず新たなアナログの作業が発生し、それによるミスも多発していた。

そのような課題の解決を目指し、同社では営業管理システムとPOSレジの切り替えを断行。その経緯について、同社営業サポート部マネジャーの小幡浩昭氏は次のように話す。

「既存のレガシーPOSをカスタマイズする場合、手間もコストもかかります。カスタマイズし変化への対応をしたら、また新たな変化が起こるでしょう。これを繰り返していては体力が持ちません。一方で、サブスク型POSなら市場の中から必要なものを取捨選択し、互いに連携させながら自社にベストな体制を構築できます。しかも便利なサービスや機能もどんどんリリースされるので、自社で追加開発をする手間もコストもかかりません。そうした特徴を踏まえると、コロナ禍による変化のスピードに対応するには、優れたシステムを自社で開発するよりも、市場にある素晴らしいサービスを連携させてパフォーマンスを高めていく方が得策と考えました。

サブスク型POSの中でも、当時最適と選んだ営業管理システムと連携が可能だった『NECモバイルPOS』の導入を決めました。『NECモバイルPOS』はさまざまな外部サービスと連携しているので、アナログの作業をデジタルへスムーズに切り替えることができます。

また、NECという企業に対する信頼感はもちろん、さまざまな企業で既に導入されているという実績から生まれる説得力も大きかったです。サブスク型のサービスを提供する企業の中にはベンチャーが多く、導入前はさまざまな要求に対応できると話していても、いざ導入をすると何も実績がなかったというケースも目立ちます。だからこそ、NECの実績が際立ち、『NECモバイルPOS』をベースにDX戦略を進めていくこととなったのです。」

サブスク型POS導入による
現場のオペレーション変更

営業管理システムとPOSレジの切り替えに向け導入を進めるものの、スムーズに行かないケースも多く、現場の反対はつきものだ。同社も例外ではない。当時の現場について、小川氏は次のように語る。

「現場では、それぞれブランドのオペレーションに合うように既存のレガシーPOSに対し、現場に合うベストなシステムを構築していました。例えば、コース料理の場合、次にどの料理を提供しないといけないかはもちろん、それがちゃんと実行されたかどうかもチェックできる機能も組み込んでいます。そのため、レガシーPOSからサブスク型POSに切り替えた場合、現場はオペレーションを一新しなくてはいけません。そういう課題もあり、POSレジの切り替えについては現場の理解を取り付けることが必須でした」

いわば、『全体最適』でDXを目指す本部と、『部分最適』でパフォーマンスの向上を目指す現場との仕事の質の違いが生まれていたのだ。

しかし同社では、自社開発のPOSレジから『NECモバイルPOS』への移行で、大幅にオペレーションが変わったにもかかわらず、目立った対立は起きていない。その理由は、全スタッフが会社の目指すべき方向性をしっかりと理解しているからだ。「豊かな食卓を広げ、大切な人との絆を深めてもらう。」というビジョンを踏まえ、現場では何をやらなければいけないかまで把握しているからこそ、新しいサービスにあったオペレーションを各店舗がスムーズに確立させることができた。それを支えているのが、企業理念や行動指針などをまとめた「ビジョンカード」だ。一人一人のスタッフが常に携帯し、ビジョンを中心とした店舗づくりに役立てている。その様子について、小幡氏はこう話す。

「ビジョンカード」は英語版も用意されていて、
同社の大切にしている価値観を外国人スタッフも共有している

「これまでも当社ではビジョンを大切にしながら、高い顧客満足度を実現するためサービス力を磨いてきました。それと同じように『NECモバイルPOS」の導入では、それを活用しながらさらなる高みをどのように目指すか、スタッフ全員で話し合って新しいオペレーションを組みました。だからこそ、自社開発のPOSレジから、サブスク型POSへの移行という大きな変化もスムーズに進んだと言えるでしょう』
実際、現場では『NECモバイルPOS』の導入に積極的に向き合っている。例えば、「鍋ぞう 池袋サンシャイン60通り店」のスタッフはこのように話す。

「当店は最初の導入店舗として、以前使っていたPOSレジとの機能差をしっかり把握することを求められました。具体的なミッションとしては、マニュアルの作成をはじめ、運用方法の確立や、マスタデータの構築などです。初めて使うサービスなので多少不安がありましたが、マスタデータの変更がクラウドで行え、その内容もすぐにPOSに反映できるので、いろいろと試しながらミッションの遂行がスムーズにできました」
こうした体制が可能なのは、ビジョンカードの存在だけでなく、課題が共有できているというベースがある点も大きい。

「ロウリーズ・ザ・プライムリブ 赤坂店」のスタッフは「コロナ禍で、テイクアウト需要の拡大などで飲食店を取り巻く環境の変化したこと。そして、それに合わせてシステムの変更も必要だということを、本部が示すビジョンで理解していました。そうした共有があったからこそ、私たちも変化についていかなければいけないという意識は強く持っていました」と話している。

『NECモバイルPOS』を導入した結果、現場レベルでもさまざまなポジティブな変化が生まれている。「メニュー切り替えがスムーズになった」や「これまで2時間はかかっていたレジ締めが早い店だと30分で終わるようになった」「現場での困り事を伝えたらバージョンアップで機能が追加された」「他店舗のメニュー修正なども遠隔でできるようになった」「モバイルオーダーと予約台帳などの連携が自動でできるようになった」など、工数管理や作業負担の軽減に大きなメリットを及ぼしている。また、しっかりと作り込まれたサポートマニュアルがあって助かったという声もあり、現場からもかなり好評だ。

全体最適を目指しサブスク型POSを
力強く推進したDXの成果

導入後、懸案だった管理部門の業務負担はかなり軽減された。特に、これまで本社に紙で送っていたデータの多くがデジタル化され、確認の手間などがなくなったメリットは大きい。また、月次業績をつくるためにも、『NECモバイルPOS』が効果的な役割を果たしている。そもそも月次業績をつくるには帳簿と売上を照らし合わせながら各店舗の数字を確定させないといけないので、非常に多大な労力がかかっていた。しかし、現在は本部と店舗のやり取りがデジタル化し、確認作業の手間が大幅に削減された。

「NECモバイルPOS」で業務負担の軽減が実現したことで
社内も前向きな雰囲気で満ちている

結果、以前の半分の時間で終わらすことができている。それによって管理部門が少数でも回せるようになっただけでなく、本部で空いた工数で、会社の未来をつくる企画への注力ができるようになった。

今もなお、外食業界は人手不足が深刻だ。コロナ禍では、外食業界を離れた人が二度と戻ってこないのが当たり前となり、業界の課題にもなっている。だからこそ、より働きやすい環境を整え、現場のスタッフが主役になれる店づくりに力を注ぐ。

店長や支配人は営業開始前の数時間前に出勤し、さまざまな準備を行わないといけない。しかし、それだと準備だけで疲労しベストコンディションでなくなってしまう。そこでDXをさらに推進し、店長や支配人はもちろん、料理長やアルバイトも営業開始の5分前に出勤すれば準備ができ、ベストコンディションで営業に入れる体制を整えていきたいと考えている。例えば、自動釣り銭機を導入するだけでも、お金を数える手間などが省け、今以上の働き方改革につながるだろう。スタッフがお金を触る必要がなくなり、不正防止にも役立つので一石二鳥だ。

同社が描くビジョンはそれで終わりではない。POSレジと、予約台帳や業務管理システムなどを連携すると、特定のお客様がいつ来店されて、何を食べて、いくら使ったのかといったデータが蓄積されていく。それをマーケティングに生かせば、航空会社やホテルのようにパーソナライズされたサービスが実現する。これまで外食業界ではなかなか実現が難しかったサービスも、DXの推進で一歩先をいく業界と遜色のない環境が整う。同社はこれからも日本の外食業界を牽引し続け、業界の枠に捉われない変革を行いながら世界で存在感を発揮していくだろう。ワンダーテーブルが描く、“ワクワクがあふれる”未来図のベースに、『NECモバイルPOS』の存在があるのは間違いない。

お客様プロフィール

株式会社ワンダーテーブル様

所在地 〒163-1422 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー22階
設立 1946年7月30日
資本金 5,000万円
事業内容 飲食店の経営
フランチャイズチェーンシステムによる飲食店の募集・加盟店の指導
URL new windowhttps://www.wondertable.com/

(2023年9月28日)

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