Japan
サイト内の現在位置
Unlock Business Value - 新たなビジネス価値を創造するIFS社フラッグシップイベント
2024年7月10日開催「IFS Connect Japan」イベントレポート【2024.9.18】
カテゴリ:調達・生産管理保守・サービスSCM/MES/FSM
【目次】
2024年7月10日(水)、フォーシーズンズホテル東京大手町にて昨年10月に引き続き2回目となるフラッグシップイベント「IFS Connect Japan」が開催され200人近いお客様・パートナーが参加しました。今年のイベントテーマは、”Unlock Business Value”。 “Productivity” “Predictability” “Agility”の 3つのキーワードを中心に新たなビジネス価値の創造を目指すというメッセージのもと、IFS の最新ソリューションや製品ロードマップの紹介、AIなどDXを促進する最先端のデジタルイノベーションやトレンドがお客様の導入事例とともに紹介されました。
本記事ではIFS Connectにて発信された数々の最新情報を振り返ります。
【関連記事】
【基調講演】IFSのビジョンと日本への投資
基調講演ではまず、IFSジャパン株式会社 代表取締役 大熊 裕幸氏が登壇しました。2023年IFS社は市場平均の3倍の伸び率を達成したこと、またIFS社は「製造」「航空宇宙・防衛」「エネルギー・ユーティリティ・リソース」「サービス産業」「建設・エンジニアリング」「電気通信」の6業界特化型のERP/EAM/FSMソリューションであり、日本では製造のほか、航空宇宙・防衛の実績が増えているといった近況が語られました。
また、「1997年のIFSジャパン設立当初からNECとタッグをがっちり組んで、日本の製造業に求められる固有の製番管理機能などを実装してきた結果、他ベンダーと比較してアドオン開発が92%減るという事例も出てきています。業界に特化しているが故にソリューションフィット率も高く、これを維持することによりFit To Standardをかなり実現できる製品であるといえます。」と、IFSの強みとなる機能の実装に貢献してきたこれまでのNECとのパートナーシップについても言及いただきました。
グローバルで見ると、IFSは今年2024年1月にはマサチューセッツ工科大学のパトロンとなり、産業AIに特化した研究も連携して行っています。また調査会社各社から「FSM」「EAM」「ERP」「SLM」のすべての製品セグメントにおいてリーダーシップのポジション評価を得ているだけでなく、お客様の声が最も反映されるガートナーのピアインサイトにおいても高評価である“Customer’s Choice”に選出されています。
この複数のソリューションを1プラットフォーム・1プロダクトで提供できるのがIFSの特長であり、さらにコンポーネント単位で選択導入できる利便性も兼ね備えている、と語りました。
最後に大熊氏は「IFS社としてお客様、パートナー、メディアから業界の要求を直接伺う機会が増えた結果、業界特化は日本ではまだ十分ではないと認識しています。ますますのローカライズを継続していきます。」と締めくくりました。
続いてIFS 最高執行責任者(COO)マックス・ロバーツ氏とIFS アジア・中東地域担当 プレジデント ヴィンセント・カルバーリョ氏が登壇、IFSのビジョンと日本への投資について講演しました。
マックス氏は、IFSの際立っている点として、今後の継続的な成長に必要な強力な基盤となる素晴らしいお客様・人・製品・パートナーがいる点、また、ワクワクするような製品のロードマップがある点を上げました。
IFSの成長の源は製品開発とイノベーションであり、これらは極めて重要でかつ強力であるとしたうえで、さらにIFSが特化している業界にとって意味のある買収をすることで、よりIFSを中核業界で強力な存在として際立たせているとし、製造業やEAM、MROといった領域の提案のカギとなる大小さまざまな技術や企業の買収を行っていると語りました。
① 日本への投資
日本経済は変曲点にあり、多くのお客様が自動化やDXを求めているのに加え、労働力不足により、生産性の効率化ニーズも非常に高まっています。これに対し、IFSは日本のお客様をサポートするため日本市場への更なる投資を決定し、注力業界向けの製品のローカライゼーション強化とブランド認知向上を図ると語りました。
② パートナーエコシステム
ヴィンセント氏は「日本の多くのお客様からは“価値提供までの時間短縮”の要望の声が上がります。これに対しては、IFSのグローバルでの成長の重要な原動力の一つでもあるパートナーエコシステムがとても重要です。」と語りました。またそのなかで、パートナーであるNECについては、NEC独自のAI技術との連携はIFSの製品機能を強化する素晴らしい例であるとマックス氏よりコメントをいただきました。
③ IFSのもたらす価値
“価値提供までの時間短縮”の要望についてさらにかみ砕くと、どこから始めることで具体的にどのように段階的に価値をもたらすことができるのかという質問を受けますが、これについては「IFSは組み合わせ可能なアーキテクチャであることによる俊敏性と、タイムリーなモジュール展開ができる柔軟性を提供可能で、まさにここがIFSの真の差別化要因と言えます。」とマックス氏は語りました。また、IFSは何年も前から組み込んでいるAIとは別に、生成AIと大規模言語モデルについても、業界知識と製品のすべてを使って、重要なユースケースを引き出し、できる限り早い価値提供を目指していると述べました。
【製品戦略】IFS Cloud & IFS.ai:現実世界と仮想世界の融合
続いてIFS 最高製品責任者(CPO)のクリスチャン・ペダーセン氏が登壇。改めてIFSは6つの業界にフォーカスしていることが他社との違いであるとしたうえで、この6つの業界に共通する物理的なモノを扱う、というポイントに焦点を当てることで異なる業界間であっても相乗効果があると語りました。
また、ERP、EAM、FSM、SLMといった従来からのカテゴリの分け方に言及し、IFSはこれらすべてを単一のソリューションで提供しているので、IFSはこのカテゴリの枠を超え、お客様が組織内のすべてのリソースを最大限に活用し、適切な人を適切な所に配置し、適切な仕事を適切なタイミングで実行できるようなあらゆる支援をしたいと考えていると語りました。
さらに、IFSは生産計画部門と製造現場といったフロントエンドとバックエンド間のギャップも解消できるソリューションであり、今後さらなるAIベースの世界に移行していくなか、これらシステムの連携とデータ基盤が非常に重要であるとしたうえで、IFSは単にAI技術をお客様に提供する形ではなく、ユースケースを用意し、すぐに使えるAI機能としてIFS Cloud 24R1から提供を開始しており、今後もさらに追加していく予定であると語りました。
またIFS.aiの基盤については、データサービスの階層、AIサービスの階層、ガバナンスと運用の調整の重要性についての詳細と、インテリジェントなレポート・分析への投資やWindowなどのツールとの連携の方向性についても説明がありました。
後半に登壇したIFS アジア・中東地域担当 最高技術責任者(CTO)ビジェイ・ジャスワル氏は、IFSの「AI」「サステナビリティ機能」「現場作業者への遠隔支援」について、エスカレータの製造~サービス・メンテナンスを行う架空の会社を例に、デモを実演しました。
AIについては、IFS Cloudに組み込まれたMicrosoft Copilotを活用しIFS Cloudに関する質問をすることで、従来時間がかかっていたマニュアル探しも、1秒で回答を得ることができるようになります。また、組み込まれたAI翻訳により動画の字幕作成も瞬時に可能となる様子が紹介されました。
またサステナビリティについては、新品製造と再製造で、利用エネルギー・部材費・新部材の割合にどれほどの違いがあるのかを確認できるダッシュボード機能が紹介されました。また、IFSでは10年前より組み込まれているAIであるPSO(最適化スケジュールエンジン)についても、作業者が電気自動車を利用することを想定し、電気自動車のダウンタイムである充電時間を考慮する機能などが追加されています。
さらにメンテナンス作業を行う際、故障原因の究明・調査、修理作業、周辺設備の点検・調査などの複数作業を並行して行う場合もありますが、これら複数のタスクをまとめて実行する機能についても紹介がありました。IFSは、他のシステムと情報を統合することで、KPIやESGに関する情報をダッシュボードで確認できるようになるとビジェイ氏は語りました。
【ユーザパネルディスカッション】変革の実践とビジネス成功の鍵
続いてのユーザパネルディスカッションではIFSのユーザ企業様がご登壇し、変革の実践とビジネス成功の鍵をテーマに、IFSの製品やサービスの導入の背景・経緯、どのように活用してビジネスプロセスの効率化やイノベーションを推進してきたのかについてお話いただきました。
導入のきっかけや活用方法は各社特徴があり異なるものの、メッセージとしてお話しいただいた内容はどれも示唆に富んだものでした。
ユーザパネルディスカッション終了後、IFS Customer Awardが発表されました。NECが導入に携わったお客様では、沖電気工業株式会社様がInfluencer Award*を受賞されました。
- *Influencer Award:事例やユーザ講演などを通して、IFSのCommunity及び、ご検討企業様に対して、素晴らしい示唆を与えてくださったお客様を表彰するものです。
Influencer Award:
沖電気工業株式会社様
<導入事例>
プロセスを標準化し、需要変動対応力を強化 国内主力工場の「One Factory」化を推進
最後に
本イベント後半はいくつかのブレイクアウトルームに分かれる形となっており、今回NECは同会場にて開催されたグローバルパートナーサミットに参加しました。日本のパートナー代表としてNEC 製造システム統括部 本部長代理 宮崎 正博が登壇。ユーザでありパートナーでもあるNECは、NECのこれまでの取り組みと今後の取り組みについて、世界中のパートナーに向けて発信しました。
なお、同時間にユーザの皆様向けに実施されていたIFSセッションでは以下講演が実施されました。
- 【IFS Session 1】レガシーからクラウドへ:クラウド移行の考え方・実例、そしてIFS Cloudロードマップと新機能20+
- 【IFS Session 2】海外事例と最新デジタル技術にみるフィールドサービスのDX
- 【IFS Session 3】 Pokaで実現するConnected Worker: 現場作業者のエンパワーメントとポカヨケの実現
この3つのIFS Sessionのほか、ここまで紹介してきた中の一部講演についてはこちらのIFSジャパンのサイトにてオンデマンド配信されておりますので是非ご覧ください。
オンデマンドで振り返るIFS Connect Japan
関連リンク
沖電気工業株式会社様事例
1881年の創業以来、ミッションクリティカルな社会インフラを支える製品・サービスを提供し続ける沖電気工業様。「IFS Applications for MES」を導入し、3工場を1工場に見立て、業務の繁閑に応じて生産資源を融通する基盤を構築。受注生産/見込生産の業務プロセスの違いを超えて国内主力工場のMESを統合しました。
樫山工業株式会社様事例
生産管理に欠かせない基幹システムの老朽化という大きな課題を抱えていた「真空ポンプ」世界トップクラスのメーカーである樫山工業様。PLMパッケージ「Obbligato」とERPパッケージ「IFS Cloud(旧 IFS Applications)」を採用し、どのように製品ライフサイクル全体をカバーする全社統合基盤を実現したのか、全社基幹システム刷新の導入事例をご紹介します。
IFS Cloud
「IFS Cloud」は、世界的なERPベンダー・IFS社(本社:スウェーデン)のコンポーネント型グローバルERPパッケージです。「IFS Cloud」のユーザでもあるNECは、IFS社のパートナーとして、自身の製造業としての課題や取り組みをベースに、DX時代のお客様のグローバルなものづくりを支援しています。
お問い合わせ