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グローバルERPベンダーIFS社によるフラッグシップイベント開催グローバルERPベンダーIFS社によるフラッグシップイベント開催

グローバルERPベンダーIFS社によるフラッグシップイベント開催

「IFS Connect Japan」イベントレポート【2023.12.18】

カテゴリ:調達・生産管理保守・サービスSCM/MES/FSM

【目次】

2023年10月31日(火)、ホテル雅叙園東京(東京・目黒区)にて日本初となるフラッグシップイベント「IFS Connect Japan」が開催されました。本イベントは、IFSエグゼクティブ、お客様、パートナー企業による講演やネットワーキングの機会を通して、ご来場企業に更なるビジネス変革と成長が見える未来を体験していただく場であり、当初想定を大きく上回る約200名のお客様にご参加いただきました。

IFS社の25年にわたるパートナーであり、IFS製品のユーザでもあるNECは、本イベントのプラチナスポンサーとして、講演およびブース展示を行いました。
本記事ではIFS ConnectにてIFS社より発信された最新の情報とパートナー講演でのNECの発信メッセージについて振り返ります。

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IFSグループ最高執行責任者から日本に向けてのメッセージ

IFSグループ最高執行責任者(COO)マイケル・オイッシ氏の基調講演の様子

基調講演で登壇したIFSグループ 最高執行責任者(COO)マイケル・オイッシ氏は、IFSの現状について、自身の入社からの5年を振り返り、今や売上成長率が33%の成長企業となったこと、また日本においても同様に成長している点に言及しました。IFSは6つの領域「製造業」「テレコム」「航空および防衛」「エネルギー公共資源」「建設エンジニアリング・サービス産業」に注力しています。「なかでもものづくりに強い日本で製造業のお客様への導入実績が多いことは誇りである。また、調査会社各社からも4つのセグメント「FSM」「EAM」「ERP」「ESM」でリーダーシップのポジションの評価を得ており、IFSはこれからもお客様に最善のもの・サービスを提供するための製品づくりを続けていく。」と語りました。

IFSの製品戦略およびロードマップ

IFS最高製品責任者(CPO)のクリスチャン・ペダーセン氏

続いてIFS最高製品責任者(CPO)のクリスチャン・ペダーセン氏はIFSの製品戦略およびロードマップについて講演しました。
「IFS社の注力6業種には“物理的なもの”を扱っているという共通項がある。どこにテクノロジーイノベーションがあるか、かなりのエネルギーを注いで検討している。」と語りました。
様々なデバイスをデジタルで管理することで、問題発生時に修理や人のアサインが可能になる点や、AI活用による予測、また動画を活用した異常検知などのテクノロジーイノベーションの可能性についてとPoC後の商用化の難しさにも触れたうえで、これらを踏まえて注力業界への特化を意識しながら研究開発を継続していくとしました。

IFSラボ バイスプレジデント(VP)のバス・デ・ボス氏

また、サービス領域の事例として、コニカミノルタビジネスソリューションズヨーロッパ様が登壇。200万社のお客様のサービス業務にIFSを活用することで、サービスにかかる時間の短縮、お客様からの評価向上、CO2排出量の大幅削減などの成果があったと語りました。

その後登壇したIFSラボ バイスプレジデント(VP)のバス・デ・ボス氏はIFS Cloud23R2でアップデートされた機能のデモを実施し、物理とデジタルの連携によるコネクテッドファクトリーの実現イメージを紹介しました。

NEC最先端の取り組みによる新しい価値創出

NEC スマートインダストリー統括部 シニアディレクター 鈴木 克巳氏

続いてパートナー講演として、NEC スマートインダストリー統括部 シニアディレクター 鈴木 克巳が登壇。NECが創出する社会と産業のデジタルトランスフォーメーションについて、最先端の取り組み事例を交えながらご紹介し、IFSとNECの組み合わせで実現できることについて語りました。

NECはDXに対する取り組みを3つの柱で定義しています。

(1)社内のDX

1つ目は社内のDXです。NECでは自社基幹システムのモダナイゼーション、データドリブン経営とスマートワークを実現するNECの「Corporate Transformation」を推進しています。システム統廃合や業務プロセス・データの標準化をしたうえで、ダッシュボードでの見える化を進めています。このナレッジをお客様のDXにも展開していきます。

(2)お客様のDX

2つ目はお客様のDXで、カゴメ様との共創事例をご紹介しました。トマトへの肥料や水やりのタイミングといった一連のデータを蓄積し、AI分析によってベテラン農家の暗黙知を形式知化。肥料の20%削減、水投入量15%削減、収穫量20%増加という成果が出ています。

(3)社会のDX

最後に社会のDX例として、富山市でのアルミニウムの資源循環の事例をご紹介しました。自動車の軽量化などカーボンニュートラルを支える重要なマテリアルであるアルミニウムですが、日本は天然資源由来のアルミニウムを全量輸入に頼っており、供給リスクをはらんでいます。これに対し、リサイクルアルミで解決を図ろうと地元の産官学が共創し、先進的な資源循環モデルの創出に取り組んでおり、NECは2つのデジタルテクノロジーで貢献しています。

アルミ精製プロセスの最適化

アルミ再生の最適な精製工程を導き出すところにNECのAI技術を活用。AI画像認識技術を導入し、廃アルミの元素含有量の確認作業や品質の判定作業など、職人技で行っている工程を自動化しています。

サプライチェーンの分野間データ連携による環境価値の見える化

産業用データ連携基盤とNECのブロックチェーン技術を活用し、サプライチェーン全体のトレーサビリティを担保し、CO2削減量を把握。環境価値の実証につなげることが可能となります。

DXの中核を担うNEC Digital Platform End to EndのDXを実現

ここで紹介した3つのDXの中核を担う「NEC Digital Platform」は、マーケティング、上流コンサル、SI・デリバリー、保守運用までEnd to Endのビジネスモデルでお客様のDXをご支援します。さらに、これを支えるテクノロジーとDX人財/ナレッジを擁していることもNECの強みです。

さらに、NECは製造業のお客様に対しては、ものづくりDX、サプライチェーンのデジタル化、顧客エンゲージメント強化、研究開発へのサポートに加え、経営判断・意思決定に必要なデータドリブン経営の実現のご支援をしています。

なかでもものづくりDXの領域については、IoT、AIなどの様々な最先端のテクノロジーを活用し、工場のラインや物流工程の自働化、自律化を支援する様々な製品・オファリングを提供し、リアルのアクションを適切に管理するための仕組みとして、IFS CloudやObbligato、NEC Industrial IoT Platformなどを活用し、お客様のスマートファクトリーの実現をご支援しています。

また、ものづくりDXの取り組み事例としてNECプラットフォームズの掛川新工場の事例と、IFSをMESの領域で活用し、複数工場を一工場と見立てバーチャルOne Factoryを推進されている沖電気工業様の事例をご紹介しました。

IFS × NECのパートナーシップ

製番管理やかんばん、手配関連機能などの日本化機能の共同開発の実績や、IFS導入コンサルタントの資格保有国内No.1など25年間共に歩んできた強固なパートナーシップが現在も続いている点について触れました。

製造業であるNECは、自社でもIFSを活用しています。ホームルータから人工衛星まで、多種多様なものづくりを4つの形態に分類し、業務を標準化して導入を進めたNECは、そのノウハウをFitting型導入メソッドとして整備し、お客様への導入に生かしています。
さらには、業務プロセスの基幹となるIFSと、ものづくりデータ基盤であるNEC Industrial IoT Platformを連携することにより、データの可視化/活用が可能となり、データドリブンなものづくりが実現できると考えています。

IFS Customer Award 表彰

日本初となるIFS Customer Awardでは、IFSユーザ企業の3社が発表され、壇上で表彰されました。NECが導入ご支援に携わったなかでは、Influential部門として樫山工業株式会社様、Impactful部門としてパイオニア株式会社様がそれぞれ受賞されました。

基幹システム開発運用のモダナイゼーション

IFSジャパン株式会社ソリューションアーキテクト 斉藤 仁氏は基幹システム開発運用のモダナイゼーションと題し、IFSの製品コンセプトを紹介しました。IFS Cloudは半年で1000件に近い機能拡張が実施され続けています。ユーザはIFS Cloudをアップデートし続けることで、古いバージョンを利用することによる弊害を回避しながらベストプラクティスを、エバーグリーンなシステムで使い続けることができます。
IFSのライフサイクルを支える5本柱を「新機能とアップデート」「開発環境」「運用環境」「サポート」「サクセスサービス」としデモを交えながら紹介しました。

「2025年の崖」に立ち向かう製造業の選択

パネルディスカッションではIoTNEWS代表の小泉 耕二氏をモデレータに迎え、IFSジャパン株式会社の3名のパネリストと共に、「2025年の崖」に立ち向かう製造業の選択についてディスカッションを実施。

ディスカッションの中で、製造業におけるIFSの強みの理由として、多様なものづくり形態・ハイブリッドなものづくりにも対応できる標準プロセスを持っている点や、日本で求められる複雑な要件を標準機能に取り込みともに成長してきた点などを挙げました。
また、デモの容易性や、200画面以上あるダッシュボード(LOBBY)のカスタマイズ容易性など、作りやすさ、見やすさなどの点でも優れていると述べました。

最後に、IFS社にとって日本は注力業界がマッチする最重要マーケットであるとし、急激な成長・進化をし続けているIFSは、お客様の課題解決に向けて人を増やし、教育し、お客様の要件を踏まえながら共に歩んでいきたいと語りました。

「IFS Connect Japan」イベントの様子

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「IFS Cloud」は、世界的なERPベンダー・IFS社(本社:スウェーデン)のコンポーネント型グローバルERPパッケージです。「IFS Cloud」のユーザでもあるNECは、IFS社のパートナーとして、自身の製造業としての課題や取り組みをベースに、DX時代のお客様のグローバルなものづくりを支援しています。

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