樫山工業株式会社様

業務改革を支える全社基幹システムを刷新
設計~生産~保守までの製品ライフサイクルを見える化

業種:
  • 製造・プロセス
業務:
  • 設計・開発・製造
  • 生産管理
製品:
  • ソフトウェア/情報管理
ソリューション・サービス:
  • 共通業務/ERP
  • 共通業務/PLM
  • 共通業務/SCM

事例の概要

課題背景

  • 世界的な需要増に対応するため、より短納期・高効率での生産が必要に
  • 基幹システムが老朽化し、事業拡大に伴う変更への追従が困難だった
  • 品質やスピード、利益の最大化に向け、データの活用を促進したい

成果

低リスクかつ効率的な導入を実現

標準機能を活用したフィッティング方式により、システム構築と業務標準化を効率的に進めることができた

オーバーホールを含むメンテナンス事業のリードタイムを1週間以上短縮

BOM(部品表)を起点とする調達・生産・在庫管理を実現。変動対応力が強化され、納期も正確に把握できるようになった

設計と生産の連携を強固にして、データを活用した生産革新が可能に

設計、生産、先行手配のBOMの流れを整流化し、需要を先取りした先行生産、マスカスタマイゼーションに向けたモジュール生産の実現を目指す生産革新に向けた環境が整った

導入ソリューション

zoom拡大する
新システムの概要と業務プロセス

Obbligatoで設計から生産、保守までBOMを統合管理し、受注から出荷までの経営情報はIFS Applicationsで集約・可視化する。仕掛品や在庫状況をリアルタイムに把握できるため、設計変更や急な保守依頼にも正確に対応できる

関連資料ダウンロード

本事例に関連する各種資料をPDF形式でダウンロードいただけます。

本事例に関するお問い合わせはこちらから

事例の詳細

導入前の背景や課題

樫山工業株式会社
代表取締役社長
樫山 彰史 氏

基幹システムが老朽化し、短納期・高効率での生産に対応できない

スマートフォンや液晶テレビなどに使われる半導体・液晶の製造工程に欠かせない真空環境をつくり出す「真空ポンプ」世界トップクラスのメーカー、樫山工業様。1986年に国産初のドライ真空ポンプを開発して以来、30数年にわたって多くの真空設備の製造・開発を通じ、日本の産業の発展に貢献しています。

「主力製品であるドライ真空ポンプは、精密機器の製造に欠かせないコア設備の1つ。その品質と供給体制がお客様のビジネスに大きく影響します。ものづくりに関しては、高い品質の確保はもちろん、『速く、少なく、簡単に』を活動方針としています」。こう話すのは同社 代表取締役社長の樫山彰史氏です。

樫山工業株式会社
システム企画室
室長
上原 歩 氏

同社の製品へのニーズは高く、近年は世界的に需要が増加しています。顧客企業にタイムリーに製品を供給すべく、アジアや欧米を中心に海外展開も進めており、海外の売上比率は6割以上を占めます。世界的な需要増を背景に、より短納期・高効率での生産が求められていましたが、生産管理に欠かせない基幹システムは大きな課題を抱えていました。

「生産関連の仕組みが連携できておらず、在庫状況の共有/可視化やコスト管理に工数がかかっていたのです。例えば、どこに、どんな在庫がいくつあるか。何をどれだけ、いつまでに納品できるか。そのためには、基幹システム上の数値に加え、各担当者が把握する、生産現場の数値、部品在庫や仕掛品、完成品の在庫を確認する必要がありました。またシステム基盤が老朽化しており、事業拡大に追随するのにも限界がありました」と同社の上原歩氏は振り返ります。

こうした現状のままでは顧客ニーズに対しタイムリーに対応できません。「品質やスピード、利益を最大化するためにはデータの活用が不可欠です。データを使って生産管理を高度化し、市場に柔軟に対応できるものづくりを実現したいと考えていました」と樫山氏は語ります。

選択のポイント

統合BOMのデータに基づく生産・在庫状況の一元管理を実現

同社の基幹システムは数十年前に構築したホストベースのものでした。「老朽化している上、当時の主力製品だった人工降雪機の生産管理を想定して構築したため、真空ポンプの生産管理にはマッチしない部分が多かったのです」と同社の松本敏幸氏は打ち明けます。

樫山工業株式会社
技術本部
第二技術開発部
課長
松本 敏幸 氏
樫山工業株式会社
システム企画室
課長
上原 正道 氏

しかも、真空ポンプはお客様のニーズに応じたカスタム生産。「個別受注生産に近く、カスタム設計を強みとしており、1週間当たり30近くの新しい個別品目が設計・生産されます。分解・修理・点検を行うオーバーホールや部分的な改良を行うメンテナンス事業も重要な収益の柱。従来の仕組みではこのメンテナンスニーズに機敏に対応することも難しかったのです」と同社の上原正道氏は話します。

こうした課題を解決し、なおかつデータの活用で生産管理を高度化する。その実現を支援するパートナーに選定したのがNECです。「NECさん自身がものづくり企業であり、製造現場の課題に精通しています。実績が豊富でシステムの構築・運用・保守まで対応できる総合力を評価しました」(上原歩氏)

NECの提案を基に採用したのが、PLMパッケージ「Obbligato」とERPパッケージ「IFS Applications」の連携で実現する全社統合基盤です。2つを組み合わせることで、設計から生産、保守まで製品ライフサイクル全体を一元管理できるようになります。

Obbligatoは設計、生産、先行手配を含む統合BOM(部品表)管理が可能です。図面や仕様書など技術文書も一元管理できるため、設計・調達・製造・営業・サービスなど、ものづくりにかかわるすべての部門で広く情報共有が可能になります。ObbligatoとIFS Applicationsの連携により、個別受注の製番管理業務に対応したBOMの運用が効率化できます。また、IFS Applicationsは、生産・在庫状況の見える化が可能で、かつシステムの柔軟性が高く、業務内容の変化にも機敏に対応できます。「NECさんは両製品の導入実績が豊富にあるため、その技術と知見を活かして連携ソリューションの構築もスムーズに進められると判断しました」(上原歩氏)

導入後の成果

オーバーホールを含むメンテナンス事業のリードタイムを1週間以上短縮することに成功

導入プロジェクトはNECで用意している各種テンプレートを活用し、フィッティング方式で進めました。テンプレートを正として、追加開発を極力行わず、標準機能の中から必要なものを組み合わせ導入していくやり方です。これにより、システム構築と業務標準化を低リスクかつ効率的に進めていくことができました。

全社統合基盤の実現により、同社はさまざまなメリットを実感しています。まず挙げられるのが煩雑かつ属人的な管理から脱却できたことです。「例えば、以前の先行手配はベテラン技術者のカンと経験に頼っていましたが、今はBOMベースで行えるため、長納期品の先行手配漏れやミスがなくなり、調達業務も大幅に効率化されました」と話す松本氏。滞留在庫を削減し、キャッシュフローの改善にもつながっています。

製番を基に製品のライフサイクル全体を見える化できることも大きなメリットです。例えば、仕掛品がどのステータスにあるかは、製番を基に即座に把握が可能です。カスタム生産の強みを活かしつつ、生産状況の“今”を知ることができます。いつまでに、何を、どれだけ出荷できるか。変動対応力が強化され、納期もより正確に把握できるようになりました。「正確な部品在庫もわかるため、保守の依頼にも迅速に対応可能です。メンテナンス事業のリードタイムは1週間以上短縮できています」と上原正道氏は満足感を示します。

生産関連のデータは新基盤に蓄積され全社共有が可能です。今後はこのメリットを活かし、データに基づく生産革新を推進していきます。「需要を先取りした先行生産、マスカスタマイゼーションに向けたモジュール生産の実現に向けた活動も着々と進んでいます」と上原歩氏は語ります。

市場やニーズの変化は速く、技術の進歩にも終わりはありません。「お客様により良い価値を提供すべく、常に新しい技術を取り入れ、私たち自身が変革を目指していきます。今後もNECさんのサポートには大いに期待しています」(樫山氏)

NECのサポートにより、製品ライフサイクル全体をカバーする全社統合基盤を実現した樫山工業様。同社はこの基盤をベースにデータの戦略的活用を進め、ものづくり力をさらに高度化していくことで、お客様企業および産業のさらなる発展に貢献していく考えです。

NEC担当スタッフの声

NEC
製造・装置業システム本部
プロジェクトマネージャー
桜井 秀行

お客様と一体になってゴールを目指します

今回のプロジェクトの狙いは業務改革であり、それによる生産・経営の高度化です。提案段階からこれを肝に銘じ、システムありきではなく、お客様の変革への貢献を最重視しました。

その結果、採用したのがフィッティング方式です。これは業務をシステムに合わせていくやり方。従来の業務を変え、考え方や文化も変えていかなければなりません。特に樫山工業様の場合は製品ライフサイクル全般が対象となるため、適用領域が幅広くインパクトも大きい。検討段階から何度も意見交換を重ね、目指すシステムや業務のあり方について練り上げていきました。

変革の意義や方向性は樫山社長がキーメンバーに伝え、それがキーメンバーからプロジェクトメンバー一人ひとりに浸透していく。変革に賭ける強い思いを受け、私たちも綿密に準備を進めました。こうした一体感がプロジェクト成功の大きな要因になったと思います。

新基盤は無事カットオーバーしましたが、変革を目指す取り組みは、これからが本当のスタートです。先行生産やモジュール生産の実現を目指す取り組みも着々と進んでいます。今後もNECは樫山工業様と一体になって、さらなる高度化フェーズを強力にサポートしていきます。

お客様プロフィール

樫山工業株式会社

所在地 長野県佐久市根々井1-1
設立 1951年1月10日
資本金 8,500万円
売上高 連結 330億円
単独 275億円(2021年3月期)
従業員数 連結 1,290名
単独 735名(2021年3月期)
事業内容 半導体製造などに欠かせない真空機器事業およびスキー場向けのスキービジネス事業などを展開する。なかでも真空環境をつくり出す真空ポンプは世界トップクラスのメーカー。長年にわたり培った技術力、企画力、生産能力を強みに「お客様第一」をモットーとして、高度化・多様化するニーズに応える製品づくりを進める。
URL new windowhttps://www.kashiyama.com/

樫山工業株式会社様

この事例の製品・ソリューション


関連資料ダウンロード

本事例に関連する各種資料をPDF形式でダウンロードいただけます。

本事例に関するお問い合わせはこちらから

(2021年9月22日)

関連事例

Now Loading