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タイに進出した日系製造業のDXをサポートタイに進出した日系製造業のDXをサポート

タイに進出した日系製造業のDXをサポート

業務効率化に最適なICTソリューションをワンストップでご提供

カテゴリ:DX・業務改革推進生産技術・製造スマートファクトリー(IoT基盤/AI)

【目次】

タイ国は、1960年代から進出した日系自動車メーカーの生産・輸出拠点として経済成長を続け、日本と親密な関係があります。在留邦人数も多く、第4位の7.8万人に上ります。
NECも1960年代から進出し、通信設備などの提供を通じて現地の発展に貢献してきました。近年ではタイも生産年齢の人口が減少傾向にあり、NECでは製造業のDXによる生産性の向上を積極的に支援しています。
そんなNECタイのサービス展開などについて、現地よりNECタイランド、 Manufacturing and Automobile Industry Business 部門長の西崎真朋がご紹介します。

西崎真朋 (エグゼクティブマネージャ)
Manufacturing and Automobile Industry Business, NEC Corporation (Thailand) Ltd.

2002年にNECへ入社し、第一製造ソリューション事業部に配属。大手製造業のアカウント営業を担当。2013年、NECタイへ出向。日系製造業のサポートやIFS事業に携わる。3年間のタイでの駐在経験を経た後、2020年にはNECインドにおける製造事業の立ち上げをリード。さらに2023年には2回目のタイへの出向。現在タイにて事業拡大と次世代ローカルリーダーの育成に取り組んでいる。

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未来産業を育成する「タイランド4.0」

タイの人口は6,600万人でASEAN域内第4位、名目GDPは5,362億米ドルで同じく第2位の規模。食品や石油化学、電子製品などの製造業が発達した東南アジア屈指の工業国です。日系製造業としては、自動車産業を中心に約5,800社が進出しています。
日本の自動車メーカーは約85%と圧倒的なシェアを誇っていますが、ここ1年で販売台数を伸ばし始めたBYDなど中国のEVメーカーが存在感を増してきています。長年にわたって培われてきたエンジン車の生産体制やサプライチェーンが一変し、ゲームチェンジが起こる可能性が指摘されています。

加えて、タイも少子化が進行し、2021年の合計特殊出生率は1.33%と日本並みになっています。このため、生産年齢人口も徐々に減少していく見通しにあります。
そこで、タイ国政府は2015年に「タイランド4.0」と名付けた長期ビジョンを提示しました。ここでは、次世代自動車やスマート・エレクトロニクス、バイオテクノロジーなどの未来産業を育成する計画が示されています。

一方で加盟10カ国で6.7億人の人口を有し、経済発展が著しいASEANの中心国であり、工業国のタイには今以上に輸出や消費の拡大が期待されています。各製造業においては、デジタル技術によって省人化や効率化を図るとともに、品質向上やビジネスモデルチェンジ、いわゆるDXに取り組むことが求められると言えるでしょう。

タイ・バンコクの風景

NECタイの事業内容

NECのタイとの関わりは、1962年に現地オフィスを設けたことが始まりで、その後1987・88年と続けて事業部門別の現地法人を設立しました。2003年にこれら各拠点を統合してNEC Corporation(Thailand)Ltd. を設立し、現在に至っています。

現在、タイにはNECタイの他に製造部門のNECプラットフォームズや情報通信ネットワークのインテグレーター・通信工事会社であるNECネッツエスアイ、日本通運との合弁会社である日通NECロジスティクス、NECグループのコンサルティングファームであるアビームコンサルティングの現地法人が軒を連ねて協業しています。

NECタイは従業員216人(2023年4月時点)で、社長の栗原伊知郎はじめ日本人スタッフも多く在籍しています。事業内容としては、通信事業者や官公庁向けのキャリア/パブリックソリューション、エンタープライズ向けITプラットフォームソリューション、製造業向けソリューションなどを手掛けています。

中でもタイにおいて長い歴史をもつのが通信キャリア向けソリューション。
単に通信機器などの製品を提供するだけではなく、ネットワーク設計から保守サポート、コンサルティングまで、さまざまなサービスでお客様の効率的で堅牢なネットワーク構築をサポート。 さらに、クロスドメインのサービスオーケストレーションの自動化により、ネットワーク全体のシンプルかつ効率的な管理を実現させています。

パブリックソリューションとしては、警察や空港などへの顔認証システムや病院向けシステムの導入などがあります。
エンタープライズ向けITプラットフォームソリューションとしては、様々なメーカーのサーバーやストレージ、ネットワーク機器のインテグレーションによるインフラソリューション、コンビニエンスストアチェーン向けPOSシステムなどのスマートリテールソリューション、大型液晶ディスプレイやLEDプロジェクターなどのディスプレイソリューションが挙げられます。

製造業/自動車関連ソリューション事業について

そうした中で私が在籍している製造業/自動車関連ソリューション事業としては、主にERPの提供を手掛けています。製品は主にエンタープライズ向けソリューションであるIFSと、中小企業向け経営管理ソリューションのSAP Business One。これらによって、厳しい競争に直面しているお客様の生産性と効率性の向上をご支援しています。

もっともこうした基幹システムの刷新は、相応のコスト、時間、労力がお客様側にかかり、簡単に行えるものではありません。そこで、NECとしては現行業務のペインポイントをしっかり把握した上で、お客様ご自身でのシステム化や改修を進めやすいローコード開発基盤の導入をご支援したり、NEC独自のAIを用いた自動化や省人化のご提案などを最近では積極的に進めています。もちろん従来からの周辺システムであるPLM、WMS、CRM、ワークフロー、RPAといった様々な業務ソリューションにおいても、ERPとしっかり連携するかたちでご提供させて頂いています。NECはこうした製造業における設計から生産、販売、保守までのあらゆる工程向けのソリューションをワンストップでご提供できることを強みとしています。

主なご導入事例としては、次のものが挙げられます。

  • タイの大手食品メーカー様に、工場設備の稼働状況を“見える化”するIoTプラットフォームを導入。将来的に、統計的品質管理などへの活用も検討。
  • 大手日系自動車関連部品メーカー様に、高度なデータアナリストを必要としないNEC独自のインバリアント分析AIのSIATによる設備故障/品質不良予知システム導入のPoCを実施。
  • 大手日系電機メーカー様に、AI-OCRとローコード開発を用いた伝票処理業務の自動化を導入。従来、大量のインボイス伝票を手入力していたところ、OCRで読み取りAIが判読し自動処理するシステムを、お客様側で改善できるようローコード開発。これにより、従来月間370時間要していた当該作業を170時間に削減。
  • 大手日系電機メーカー様では、フィールドサービスの即時把握を目的にSalesforceでシステムを構築。この保守サービスデータをSAPに繋いで管理できるようにするために、SAP導入コンサルティングを手掛けるアビームコンサルティングと連携しトータルなインテグレーションを実現。

“効果を早く実感できる”ソリューションを

以上のように、NECタイとしては既存の製造企業の現場の方々向けに、“効果を早く実感できる”ようなソリューションのご提供に力を入れていきたいと考えています。そこからさらにお客様企業全体への効果を波及させるため、基幹システム刷新も含めご支援させて頂くことで、お客様の真のDXの実現をサポートさせて頂きたいと考えております。

最後に、タイへの個人的な思いもお話ししたいと思います。

多くの日系企業が集積するタイでは、約7.8万人の日本人が一大コミュニティを形成しています。現在、空前の日本食ブームも起きていて、2022年に日本食レストランが約22%も増えています(JETRO調べ)。そのように親日的なタイの方々は、NEC社内、お客様、街で出会う様々人含め、明るく真面目な人が多いと感じています。
今回、2023年4月より2回目のタイ駐在の機会を頂きました、せっかく頂いたこのチャンスを無駄にすることなく、タイの人材育成や経済・社会の発展、そして日タイ連携の架け橋となれるよう、努めていきたいと思っています。

タイ・バンコクの風景

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