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インドネシアに進出する日系製造業のシステム導入を幅広くサポート
業務効率化に最適なICTソリューションをワンストップでご提供
カテゴリ:DX・業務改革推進スマートファクトリー(IoT基盤/AI)SCM/MES/FSM
【目次】
世界第4位の人口を擁するASEAN最大の国・インドネシア。経済成長が著しく、人口ボーナスの恩恵を受け続け、消費大国に向かっています。
NECは1960年代から現地に進出し、通信機器などを提供。同国には製造業を始め数多くの日本企業が進出していますが、そんな日本企業の支援にも力を入れてきました。
そこで、NECインドネシアのエンタープライズソリューション部門でアシスタントゼネラルマネージャを務める松山光と営業部門でシニアセールスマネージャを務めるファタン(Fathan F Goenandar)が、同社の製品やサービス、お客様への想いなどについてご紹介します。
松山 光 Hikari Matsuyama, Assistant General Manager, Enterprise Solution Business Unit, PT NEC Indonesia
2006年、NECに入社し、製造業向けのソリューション事業部に配属。以後、一貫して製造業向けのITサービス事業を担当。大手電機メーカーの営業担当、マイクロソフト製品を活用したSCM/経営管理のプリセールスを経て、2015年にNECベトナムへ赴任。
日系部門向けの責任者として、製品企画、営業、プロジェクト管理など多岐にこなしながら数多くのシステムを導入。2021年からNECインドネシアへ赴任。従来型のシステムの導入のみならず、
IoTやAI技術を利用した先進的なソリューションの導入提案を得意としている。
Fathan F Goenandar(ファタン), Senior Manager, Sales & Business Development Divisions, PT NEC Indonesia
バンドン出身。東京にて某UI/UX企業での企画業務を3年間経験。その後、ジャカルタに戻り某大手センサー/自動化企業の営業として2年半勤務する。
2019年、NECインドネシアに入社。
主に日系の大手製造業の営業を統括し、AI&IoTシステム、ERP、 セキュリティ、ITインフラ、システム開発等、多様なソリューションの導入を経験。
現地のエンドユーザーと共に、協力しながら進めていくことをシステム導入プロジェクト成功の秘訣と考えており、実際に多数の大規模プロジェクトを成功に導いている。
日本語能力試験(JLPT)1級保持。バンドン工科大学にてMBA取得。
1.2040年頃まで人口ボーナスの恩恵が続くインドネシア
インドネシアの人口は2020年に2億7,020万人を数え、2030年には3億人に達し、2050年には3億3,000万人を超えるまで増加すると予測されています。現在の平均年齢は現在30歳を切るほど若く、このため2040年頃までは人口ボーナスの恩恵が続くと見込まれています。
国民の所得水準レベルが上がり、今後中間層や富裕層が増えていく傾向にあります。
同国の輸出入額も、コロナ禍の2020年から反転しての増加傾向にあります。
このような同国への外国企業による投資も、2022年第3四半期の時点で既にコロナ禍前の通年投資額を超えるハイペース。国別の投資額では中国や香港が伸びる一方、日本は減少傾向にあります。その要因は、新規進出が落ち着き、投資内容が製造拠点の拡張などに移行しているためと考えられます。
2022年10月時点では、2,103社の日本企業が進出(外務省調べ)。うち半数ほどを製造業が占めています。製造業の業種別では、自動車・部品が14.3%と最多で、次に金属が5.6%、機械・部品が3.3%で続いています。特に自動車においては、日本の多くの完成車メーカーが大規模な工場を運営しているほか、そのTier1、Tear2などの部品メーカーも数多く進出しています。同国における日本車のシェアは約93%を占めており、その品質の高さと耐久性には、高い信頼感があります。インドネシア政府としてはEV化を促進していますが、インフラが整っていないため、当面はまだまだ日本メーカーが得意とする内燃機関車が成長すると見込んでいます。また、中間層が増加していることからから、食品・飲料業界の成長にも注目しています。
2.NECは1960年代からインドネシアに進出
次に、NECインドネシアについてご紹介します。
インドネシアにおけるNECの歴史は、1962年にアジア競技大会の放送機器を納入したことが始まりです。1968年に駐在員事務所を開設して進出し、70年代は通信機器、80年代はマイクロ波通信機器、90年代はデジタル交換機を主要な商材として提供してきました。
そして2003年に現地法人であるNECインドネシアを設立。2000年代からは、SIなどのサービスを展開してきました。
NECインドネシアは2023年8月現在、約250名の従業員を擁し、国内26都市に拠点を展開しています。26拠点は多いように見えますが、多くは通信キャリアの通信機器をサポートするためのサテライトという位置づけのものです。
当社の社長は山本譲司という日本人ですが、直下の4部門のトップは全員、現地の人材が務めています。
当社は現在、通信機器などのキャリア部門、都市交通などのトランスポート部門、スマートシティなどのタウンシップ部門、企業へのソリューション提供などのエンタープライズ部門に分かれています。この中で、私が所属しているエンタープライズのMFG(製造業)部門についてご紹介させていただきます。
3.最適なICTソリューションをワンストップでご提供
エンタープライズ製造業部門では、日系製造業の生産最適化や業務効率化に向け、最適なICTソリューションをワンストップでご提供しています。
プロダクトの内訳としては、PCやサーバなどのIT機器、NW機器やファイヤーウォールなどの社内ネットワーク、顔認証や監視カメラなどのセキュリティ、テレビ会議システムや複合機などのOA機器、ERPやPLMなどの業務システム、故障予兆分析や作業分析ソフトなどのIoT・スマートファクトリー領域があります。
これらを、お客様の現状調査からコンサルティング、導入・構築、運用・保守、障害対応まで一貫してご提供できる点を強みと自負しています。
2社ほど、事例をご紹介します。
DOWAエコシステム・インドネシア様のケース
2022年に日本のDOWAエコシステム株式会社様の子会社であるPT. DOWA Eco System Indonesiaがインドネシア東ジャワ州に産業廃棄物の処理施設を建設するにあたり、高い品質と安全基準で操業するための信頼性の高いシステムを必要とされていました。
そこでNECインドネシアは、セキュアなネットワーク、監視システム、ハードウェアを含む堅牢で信頼性の高いICTインフラを提供するとともに、バイオメトリック指紋技術とRFIDを使用した入退室管理ソリューションにより、施設の主要エリアのセキュリティを確保する支援を行いました。加えて、業務システムとしてERPも導入のお手伝いをさせていただきました。パッケージソフトウェアの導入だけではなく、インドネシア環境林業省が所有するトラック・マニフェスト・システムとリンクするために、廃棄物の重量を計測するシステムであるウェイブリッジ・システム(WBS)の構築とERPとのシステム連携もご提供しています。
ヤマハ・ミュージカル・プロダクツ・アジア様のケース
楽器メーカーのヤマハ様は、2017年3月にインドネシアに製造子会社であるヤマハ・ミュージカル・プロダクツ・アジア(YMPA)を設立し、電子楽器やピアノ部品などを製造しています。NECインドネシアは、同工場に顔認証技術とビデオ分析技術を活用した完全統合型のスマート・セキュリティ・ソリューションを導入させていただきました。このプロジェクトにより、工場の利便性、効率性、セキュリティレベルが向上するとともに、従業員の勤怠状況をよりよく把握できるようになりました。
それまで、YMPA様の従業員は工場の入退出時の手続きを手作業で行っており、ピーク時には混雑の原因となっていました。さらに、入退データを手作業で人事システムに転記していたため、人為的なミスや遅延が発生しやすく、管理部門が従業員の勤怠を正確に把握し、生産性レベルを管理するのが困難な状況でした。他の工場では掌紋認証技術に基づく登録システムが導入されていましたが、このシステムでは従業員が生体認証リーダーに物理的に触れる必要があり、不衛生な上に本人認証に時間がかかっていました。
こうした問題を、わずか1秒以内で認証および照合を行う顔認証技術によるスマート・セキュリティ・ソリューションによって解消することができました。さらに、顔認識システムを利用して事前登録されたゲストやVIPを識別し、施設に到着した際にカスタマイズされた挨拶メッセージを提供することまで実現させています。
4.インドネシア工業省と連携し、お客様のデジタル化を推進
NECがインドネシアに進出した頃からの基幹ビジネスの一つは、マイクロ波通信機器。これまで22万台という累計出荷実績があります。また、インドネシア全土への地震計の設置や、都市高速鉄道(MRT)の通信設備などを手掛け、同国のインフラを支えてきました。このため、政府レベルとの強い信頼関係を構築しています。
インドネシアは国を挙げてデジタル化を推進しており、2021年12月、インドネシア工業省と経済担当調整相はジャカルタに「PIDI4.0(インドネシア・デジタル・インダストリー・センター4.0)」を設立しました。特に製造業分野でインドネシアのデジタル技術の進展を示すショーケースとして、製造業の高度化を支えるIoT製品やロボットなどの展示や、研究室や訓練施設などが設置されています。NECインドネシアは日系企業のSierとしては唯一、パートナーとして登録しており、顔認証やIoTモニタリング、故障予兆検知などの設備を出展したり、工業省と連携したイベントやセミナーを開催しています。
また、某国立大学の研究所にインバリアント解析技術(SIAT)を提供し共同研究を進めるなど、産学連携的な動きも取っています。
総じて、NECインドネシアの強みは、次の3点が挙げられると考えています。
5.インドネシアに進出する日本企業を全力でサポート
インドネシアに外資系企業が進出するには、100億ルピア(約1億円)の払込済資本金が必要という規制があります。中小企業が気軽に進出するというわけにはいかないハードルかと思いますが、半面、進出企業は非常に真剣であると考えられます。当社は、こうした企業を全力でサポートする所存です。
インドネシアで成功するためには、現地化がポイントと言えるかもしれません。なぜならコロナ禍で日本人幹部の(一時)帰国が続き、経営の決定権をインドネシア人の経営幹部に委ねることで好調となっている企業が多いからです。
もちろん人によりますが、概してインドネシア人は日本人のように緻密な計画を立てて万全な準備を行うということをあまり得意としておらず、「まずはやってみる」というタイプが多いように思います。準備が足りない分、抜け漏れがあったり、改善点があることもありますが、例えば80%の完成度のものを、半分のコストで、1.5倍のスピードでアウトプットされるのを見ると、こうした気質については、日本人が学ぶべきことも多いように思っています。
インドネシアへの進出をお考えの際は、ぜひ私どもにお気軽にご相談ください。
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