サイト内の現在位置

製造業のインド進出から拡張・高度化まで、蓄積されたノウハウでワンストップサポート製造業のインド進出から拡張・高度化まで、蓄積されたノウハウでワンストップサポート

製造業のインド進出から拡張・高度化まで、蓄積されたノウハウでワンストップサポート

インドのSAPコンサルティング会社Top10に選定されたNECインドの実力とは?

カテゴリ:DX・業務改革推進設計・開発・技術スマートファクトリー(IoT基盤/AI)

【目次】

人口が2023年に14億2860万人に達し、世界一となるインド。しかも約半数が25歳以下で、生産・消費の両面で成長が期待されています。同国は“Make in India”という製造業拡大に向けた国策を展開し、世界中から企業を誘致しており、進出する日系製造業は増加の一途です。また、市場の大きさもさることながら、コストの安さから中東やアフリカ、中南米といった市場に輸出する生産拠点としても注目され始めています。
そのようなインド市場に進出する日本企業の拠点づくり、および経営をシステム面で支援しているのが、NECインド。そこで、スマートマニュファクチャリングビジネスユニットのゼネラルマネージャーを務める井上 豊が、同社のサービスについてご説明します。

井上 豊 Yutaka INOUE, General Manager, Smart Manufacturing Business Unit, NEC Corporation India

1992年、日本電気株式会社に入社し海外事業部に配属。中近東やアフリカの通信事業者向け国家通信インフラの営業やヨーロッパの移動通信事業者向け携帯電話の販売企画、IOTソリューション基盤のシステムエンジニア等の後、中国及びインド向けIOTサービス(精密機械メーカーと連携した事業開発・ビジネスモデル企画・運用立ち上げ支援等)を手掛け、インド市場と関わるように。2021年10月より現職、現在インドに在住。SAP認定コンサルタント(S/4 HANA FI, CO, MM, SD) 、Salesforce認定コンサルタント(Sales Cloud, Service Cloud, Field Service) 。

1.グローバルNECにおける重要な役割

NEC Corporation India Private Limited(NECインド)は、2017年9月、主にインド市場向けビジネスを担う旧NECインド社と、ソフトウェアのオフショア開発を行っていた旧NECテクノロジーズインディアが合併して設立されました。本社機能はノイダ(デリー首都圏地域)にあり、インド国内に4つの事業所のほか複数のプロジェクトオフィスやNECグループとしてのCoE(専門人材による部門横断組織)などを展開しています。当社単体での従業員数は約2,000名ですが、関連企業の子会社などグループ全体では約6,000名を数えています。
NECインドは成長市場インドでの事業拡大に注力すると共に、NECグループ全体に対しても非常に重要な役割を担っており、インドでの事業経験や製品をグローバルにも展開しています。例えば、インドの主要都市においてBRT(Bus Rapid Transit)向けに料金収受システムや非接触決済システム、及びロケーション表示システムなどを導入していますが、これらの経験を活かし、中東での交通案件のサポートもインドから実施しています。
また、インド人エンジニアを最大限活用し、NECグループのソフトウェア・ソリューション開発の一つの中核拠点として活動していること。例えば、バイオメトリクス、モバイルネットワーク、及びAIプラットフォームといった主要領域でCoE(Center of Excellence)を設立し技術開発を手掛けています。

2.インド版マイナンバーカードの運営など政府や自治体に関わる多数の実績

全体的な事業内容としては、交通システムやテレコムシステム、スマートシティなど政府や自治体向けのプロジェクトに注力しています。「アーダール」と呼ばれるインド版マイナンバーカードの運営に関わっており、インド国民が「アーダールカード」申請時に顔、指紋、虹彩のそれぞれで認証し不正な多重登録を防止する技術をインド政府に提供しています。つまり、14億のインド人全員と関わりがあると言え、これを聞くと驚くインドの方々が多いインパクトのある事業と言えます。
また、物流事業に関わる合弁会社を現地政府と共に設立し、インドにおける全ての港湾から入国する国際コンテナをRFIDで管理・追跡し、物流業務の効率化や高度化を実現するプラットフォームやサービスを提供しています。
これらのように、インドという国の運営にかかわる事業が多いだけに、昨年モディ首相が来日した際に同国と関わりが深い日本企業4社のうち1社に選ばれ、NECの経営幹部と面会する機会も持たれました。

3.製造業のインド進出から拡張・高度化までを最新技術でサポート

私が統括しているスマートマニュファクチャリングビジネスユニットについてご紹介します。
メンバー数は100名弱で、外部の協力会社を含めると約150名を擁しています。主なミッションは、日本の製造業のインドへの進出から拡張・高度化までを最新技術でサポートすることです。
進出時においては、新工場やオフィスを構築する際のネットワークケーブル敷設やサーバー/ストレージ/クラウドの構築、構内ネットワークや電話、交換機の設置といったICTインフラの設計・施工から保守運用まで、トータルに支援しています。
進出後においては、SAPによる基幹システムの構築・運用による経営管理をサポート。
さらに、IoTによる生産設備の稼働管理や生産支援管理(MES)、倉庫管理(WMS)といったスマート製造ソリューションを通じた生産現場のデジタル化による可視化や効率化をご支援しています。
ここで重要なのは、進出時だけ、進出後だけというブツ切りのサービスではなく、お客様のインドにおけるライフサイクルステージを切れ目なく一貫してご支援できるサービスを視野に強化している点です。
中でも、現在事業の中心となっているのはSAPの導入や運用でユニットメンバーの70~80%をSAPのコンサルタントが占めています。

4.インドのSAPコンサルティング会社Top10に選定

SAPにおいては、グローバルに広く活用されている最新のERP「S/4 HANA」や[RISE for SAP]の主要なモジュールをはじめ、人事管理や経費管理、中規模企業用などあらゆるSAPプロダクトを扱っており、ジェネレーションの更新やアップグレード、モジュール追加などのニーズに幅広くお応えしています。
SAPだけでなく、SAPと周辺システムとの連携ニーズにも力を入れています。例えば、ある寝具メーカーがオンライン販売を強化・展開する中、購入者がアマゾンやフリップカート等のオンラインサイトでオーダーをすると同社のSAPに連携して在庫調整や資材購買、経理財務などとの連携を行うといった外部のオンラインサイトを連携した自動化を手掛けています。このようにインドにおいてもコロナ禍で製造現場が停止するなどの大きな影響があったことが背景となり、現在では製造業におけるSAP導入への加速を含めDXへの取り組みが活発化しています。当ユニットにも引き合いが非常に増えている状況です。
これまでの実績としては、日本の大手自動車メーカーのインドでの組み立て生産や、世界No.1のシェアを持つインドの容器メーカーへの導入などが挙げられます。後者の場合は世界のトップリーダとして北米、欧州、中南米、アジアといった生産拠点のグローバル展開を積極的に行っており、そのグローバル展開におけるシステム対応についても当社が支援を行っています。このように当ユニットとしても、インド国内に留まらずお客様のニーズに応じてグローバル展開を進めている状況です。
なお、このような活動が評価され、NECインドは、このほどインドのビジネス誌「Industry Outlook」において、インドのSAPコンサルティング会社のTop10に選定されました。

5.「スクエア・サポート体制」で不安解消。現地でのビジネスをスムーズに

かつ、当社ではお客様のインド法人および日本本社と、NECの日本におけるお客様担当部門との連携を強化する「スクエア・サポート体制」を導入し強化しています。インド法人のお客様のお困りごとをNECインドがワンストップで対応するとともに、日本のNECを通じてお客様の日本本社とも共有・連携。お客様のインド進出に関わる情報のギャップを極力解消し、現地でのビジネスをよりスムーズに展開いただくことを支援しています。
インドは前述のとおり世界一の人口を擁するライジングマーケットとして注目を集めていますが、半面、停電が頻発するといった電力などのインフラ事情や、州によって税法が異なり税率も変わるといった複雑な行政制度がハードルとなっている面があります。その点、当社の起源は1950年代に遡り、70年にわたって国家レベルのプロジェクトなどに多数取り組んできた実績があります。サービスにおいても、例えばSAPの財務モジュール導入においては、立地する州によって異なる税率などインド特有の税法ルールを熟知した専門のSAPコンサルタントが導入に関わるなどの対応がなされています。

6.文化の違いを乗り越えてインドで成功するために

こうした中で組織に蓄積されたインドに関わる知見をお客様に提供することを通じて、お客様のインド進出を手厚くサポートしています。インド人の仕事に対する考え方や習慣は日本人と大きく異なり、進出した日本企業の日本人マネージャーは必ず頭を悩ませると言えるでしょう。こうしたレベルから当社はお客様にアドバイスさせていただいています。もちろん、当地での日本語・英語・現地語による対応が可能です。
インドには多くの日本の大手企業が進出していますが、二輪車や四輪車の部品メーカーや工作機械メーカなど、中堅・中小企業の進出も増え始めています。こうした企業においては、“社運を賭けて”進出を果たすといったことも少なくありません。私たちは、そのサクセスに少しでもお役に立ちたいと考えています。ぜひお気軽にご相談ください。

インドにある工場の様子

関連リンク

new window日系企業向けグローバルICTソリューション

NECのグローバルネットワークを通じ、製品・ソリューションの提供から、運用サポートまで、お客様のグローバル事業展開をトータルでご支援します。

日系企業向けグローバルICTソリューション

お問い合わせ