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社会のデジタルトランスフォーメーションを加速するDXオファリング特集によせて

吉崎 敏文
YOSHIZAKI Toshifumi
現在、世界は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが宣言された2020年3月以降、いまだ感染流行の危機の中にあります。多くの国で、産学官を挙げて対策の取り組みが続けられています。
このパンデミックは、日々の移動の制限をはじめ、私たちの暮らしに大きな変化をもたらしました。ビジネスの世界でもBCPの見直し、サプライチェーンの再構築、リモートワークスタイルの定着、非接触でのプロセス改善などコロナ禍での新たな試みが進んでいます。
結果的にあらゆる産業でデジタル化が進展し、デジタルシフトも社会の潮流になっています。日本もデジタル庁が2021年9月に発足し、政府が目指すデジタル社会の共通指針となる「デジタル原則」(自動化、ガバナンス、官民連携、運用、基盤)も議論されています。
社会価値創造企業を標榜するNECとしても、テクノロジーとビジネスの力を結集して、あらゆる産業、社会のデジタルシフトを支援いたします。
さて、現在NECは全社を挙げてデジタルシフトを加速させています。例えば、デジタルワークプレイスによる実践、積極的なオンライン会議や共創スペースの活用など、社員の働き方改革につながっています。
NECでは、2019年から、どのようにそのシフトを実現していくのか、分かりやすい全社共通フレームワークを3つに定め、それに基づいて進めていくことをリードしてきました。3つのフレームワークをアクションのPrinciplesとしています。すなわち、(1)ビジネスプロセス、デジタルシフトの目的を明確にし、どこをどう変えるか。次に(2)テクノロジー、それをどのような技術で効率的に実現していくか。最後に(3)人材、コンピテンシー(専門スキルと行動特性)、それらを支える人をどのように育成し、コンピテンシーを磨いていくかです。
今特集のDXオファリングは、この全社フレームワークの中の(1)ビジネスプロセスの重要なイニシアティブとして位置付けられます。DXオファリングとは、前述の市場や、お客様、社会が大きく変化するなか、NECの製品、サービスに加えて知見や経験も含めてアセット化し、お客様視点でスピーディに提供していくことです。また、実践を繰り返すことでノウハウが蓄積し、より良いサービス提供につながっていきます。
従来のプロダクトアウト的な発想から、市場やお客様の動向を徹底的に分析し、お客様の構想を実現するためのシナリオをNECの持つR&Dや製品、サービスでオーガナイズし、将来の技術ロードマップとともにITとネットワークの力で支援していくことを目的としています。
今特集では、DXオファリングを牽引する各専門家から、目的、アプローチ方法、メソドロジー、コンテンツ、教育プログラムなどさまざまな内容を紹介します。この内容は完成形というわけではなく、現在も日々開発・改善を繰り返しています。お客様、現場の声をもとにしたすべてのトライ&エラーの集大成でもあります。
今後、皆様のご担当するお客様、社内プロセス、そして日本の変革と成長のための実践に少しでも参考になれば幸いです。
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