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株式会社日比谷花壇様
10年先も「感動」を与えるサービスの実現に向け
販売チャネルの統合、進化する経営基盤を確立
- 業種:
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- 卸売・小売業・飲食店
- 業務:
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- 経営企画
- 営業・販売
- マーケティング
- 製品:
-
- その他
事例の概要
課題背景
- チャネル間で統一された顧客サービスやプロモーションを実施したい。
- 店舗で受けたFAXなどからのの文をミスや時間のロスなく、スムーズに受注したい
- お客様の目的に応じて、わかりやすく快適に利用できるECサイトを構築したい
成果
チャネルを横断したシステムを実現
チャネルを横断した統一的なプロモーション施策や顧客サービスの実現が可能に。さらに5年、10年先も新たなサービスを迅速に提供できる環境も整った
受注業務の効率化・スピード化
各店舗のスタッフがタブレットから瞬時に注文できる環境が整い、受注業務の効率化・スピード化が実現した
ECサイトでの売上を120%以上拡大
「見やすさ」と「選びやすさ」を念頭においたデザインによるECサイトの再構築や新しいサービスの提供により、ECサイトでの売上が120%以上拡大した
導入ソリューション
複数のコンタクトチャネルに対応するEC・通販統合ソリューション
今回、日比谷花壇様が導入した「NeoSarf/DM」では、ECサイト、コールセンターなど複数のコンタクトチャネルに対応するフロント業務から、販売管理業務、バックオフィス業務までを一気通貫でカバーするソリューションが提供されています。細分化された機能を必要に応じて選択し、組み上げていくというシステム構造によって、システムをスピーディに構築していくことができるなど、ビジネス環境や顧客ニーズの変化などに対応したサービスの追加にも柔軟に対応していくことができる拡張性を備えています。
日比谷花壇様では、これまで個別に稼働していたECサイト、モバイル専用サイトという2つのフロントシステム、およびバックエンド側の受注管理システムをNeoSarf/DMの基盤上に統合。業務プロセスの改善をあわせて行うことで、サービス品質の向上、業務の効率化に役立てていこうとしています。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
個別に最適化を進めたシステムにより、サービス品質や業務効率の向上に限界
全国約180の店舗やECサイト、ウエディングフラワーコーディネートを中心に、フラワーサービスを展開する日比谷花壇様。最近では、ウエディングプロデュース事業や葬儀事業を手掛けるなど、「感動はいつも花とともに」をキーワードに、従来のカテゴリーにとらわれることなく、多彩な事業を展開しています。
こうした様々な事業を支えるため、同社ではITやインターネットを先進的に取り入れ、顧客サービスに生かしてきました。1995年にはインターネット上で顧客から発注を受けて花を送るというサービスをスタート。その後も、サービスや業務の効率化を念頭に、ECサイトといったフロント業務だけではなく、販売・在庫管理、配送管理などバックエンドの業務にも積極的にシステムを整備してきました。
しかし、事業の拡大に伴って、各システムを個々に導入・構築してきたため、最近では課題も顕在化していたといいます。
「部分最適がかなり進んでいる状況で、サービス品質や業務効率化の観点からは、いくつかの解消すべき課題を抱えていました」と同社の中山 真吾氏は語ります。
例えば、チャネル間で統一化されたプロモーションを行うのが困難だという問題もその1つ。同社では母の日をはじめ、年末年始、クリスマスシーズンなど、花の需要が高まる時期にあわせて販促のためのプロモーションを実施していますが、チャネルごとにシステムが異なるため、均一のサービスを提供できないという状況でした。
「例えばECサイトでは、母の日の直前まで受注ができるようにシステム改善、オペレーション改善を進めたのに、店頭での受注は、どんなに頑張ってもECサイトより前に締め切る必要があった。ECサイトを見て、せっかく期待して店頭にご来店されたお客様に、受付終了を伝えるのが心苦しかった」と同社の髙見澤 輝彦氏は説明します。
また、業務にも課題が発生していました。従来、同社では全国の店舗で注文を受けた際に、その内容をコールセンターにFAX送信し、それをオペレータがシステムに投入するという運用を行っていました。当然、こうした人手を介する方法では、時間がかかる上、どんなに注意しても入力ミスをゼロにすることはできませんでした。
さらにデータ入力作業のアウトソーシングにも相応のコストを要していました。「仮に送られたFAXの記載内容に判読不明文字や不備があれば、オペレータから店舗に問い合わせなければならないなど、時間や労力のロスが発生していました」と高見澤氏は明かします。
「このような問題の解消はもちろん、サービス品質のさらなる向上やビジネスのスピード化、効率化などを目指していくためには、これまでの部分最適化された社内システムでは対応できないことは明らかでした。また、当社が今後に向けて思い描く、ビジネスやサービスの早期展開といったニーズを考えあわせても、現状の枠組みを脱却し、統合化されたシステム基盤を構築していくことが経営的にも重要なテーマだと考えたのです」と中山氏は語ります。
選択のポイント
フロント/バックエンドの業務システムを網羅する総合力を評価
新たなシステム基盤の構築に向けて検討を進めるなかで日比谷花壇様では、まずはECサイトとモバイル専用サイトという2つのフロントシステムと、バックエンド側の受注管理システムの統合を図ることを決定。ECのサービスに不可欠な24時間365日の稼働を支える安定性、可用性の実現を念頭に、システムの構築に当たるパートナーの選定を行いました。その結果、同社が選んだのがEC・通販統合ソリューション「NeoSarf/DM」をベースに提案を行っていたNECでした。
「ECサイト、モバイルサイト、店舗、コールセンターといった各チャネルを横断した統一的なシステム基盤の実現を目指すには、ECサイトの構築に秀でているとか、モバイル対応にソリューションを持っているといった個々の領域に強みを持つだけでは不十分。それらすべての領域にかかわるトータルなノウハウを持つ総合力を備えたベンダーの選定が不可欠でした。そうした要件を満たしていたのがNECだったのです」と中山氏は採用のポイントを語ります。さらに、フロントシステムだけでなく、バックエンドのシステムとの連携にかかわる技術力、小売・流通業界における豊富な実績を兼ね備えているという点でもNECには大きな安心感があったといいます。
加えて、今回のシステム基盤としてNECが提案していたNeoSarf/DMも高く評価しました。これについて同社の柴田 晃伸氏は「汎用的なビジネスロジックがコンポーネント化されており、それらを組み合わせて必要なシステムをスピーディに実現できる点は、将来的なサービス展開を考える上でも非常にメリットが大きいと感じました」と説明します。
導入後の成果
母の日商戦の売上が120%以上拡大
NeoSarf/DMによるシステム基盤の構築に当たり、日比谷花壇様がとりわけ重視したのが、ECサイトにおける商品の「見やすさ」と「選びやすさ」です。「hibiyakadan.comをご利用いただくお客様は、『母の日に花を送りたい』といったように、明確な目的を持ってアクセスするケースが多く、そうした点をしっかりと踏まえた画面デザイン、操作性を追求しました。その結果、母の日商戦の売上が120%以上も拡大しています」と柴田氏は語ります。
そのほかフロント部分に関しては、来店予約機能も実現。この機能は、文字通り顧客が来店日時等をあらかじめ店舗に告知するもの。来店予約に際して、顧客は自分が希望する花のイメージ写真を添付できるようになっています。また、SNSとして人気の高いFacebookの登録ユーザーである顧客には、例えば友人の誕生日が近づいたタイミングで、花を贈ることを提案する内容をニュースフィードに自動投稿するといった連携の仕組みも検討しています。
一方、バックエンドの受注業務にかかわる部分では、店舗から受注内容のFAX送信を受けてコールセンター側で処理を行うというプロセスを改め、各店舗側のスタッフが店に置かれたタブレットPCを使って受注内容の入力を行い、それが受注管理システムに直接反映されるようなシステムを実現。「これにより、受注管理システムのユーザーは従来の100人から1000人規模に拡大。現在では、全受注処理の90%がこのプロセスに則って行われています。受注業務の効率化、スピード化が図られ、注文からお届けまでにかかる時間を短縮できるようになるなど、顧客サービスの向上にも貢献しています」と髙見澤氏は語ります。同時に、アウトソーシングしていた受注システムへのデータ入力業務に関するコストも削減することができました。
そして日比谷花壇様が何よりも大きな成果として捉えているのが、NeoSarf/DMによって、5~10年先を見据えたビジネスプラットフォームが実現できたことです。「統合された基盤が構築できたことで、我々は各チャネルにかかわるフロントシステム、バックエンドシステムの全体最適化に向けて大きな一歩を踏み出すことができました。この基盤によって、チャネルを横断した統一的なプロモーション施策や顧客サービスの実現が可能になり、必要なサービスをいち早く実装していける環境が整備できました。これは、当社のビジネス戦略に実に大きなインパクトをもたらします」と中山氏は強調します。
今後の展望
各システムの統合や店舗スタッフの業務を支援する仕組みを整備
今後、日比谷花壇様では、今回新たに構築した基盤へ各システムを順次統合していくことになります。直近では、BtoB向けECサイトをNeoSarf/DM上に統合する予定で、すでにその取り組みもスタートしています。
「将来的には、今後、現場の店舗スタッフが発注の処理だけではなく、様々な情報を入手したり、必要な業務を行える仕組みも整備していきたい。そうした局面も含め、今後もNECには当社のシステムの統合、機能強化に向けた取り組みを、パートナーとしてしっかりと支えていってくれることを期待しています」と中山氏は語りました。
NEC担当者の声
お客様の「やりたいこと」を綿密に吟味して最適解を提示
日比谷花壇様では、個別最適化されたシステムの制約から、発案したプロモーションやサービスを柔軟に実施していくことができないなどの課題を抱えていらっしゃいました。これに対しNECでは、そうした問題の解消を目指し、同社の将来のビジネス展開をも見据えるかたちで「NeoSarf/DM」をベースとした統合化されたシステム基盤の構築を提案させていただきました。
ただし、お客様にとって統合システム基盤の構築は手段であって目的ではありません。そこでNECは、まず日比谷花壇様の抱える課題を一つひとつ解きほぐすとともに、お客様の業務についての理解を深めることに注力しました。EC・通販のためのソリューションを提供するにしても、お客様の業務やビジネス上のゴールを踏まえ、その独自ニーズに応える形を考えていくことが不可欠だからです。
特に今回のお客様の業態は、扱っているのが花というギフト商材で、様々なオプションの追加が可能であるなど、一般的な商品とはまったく異なる業務フローがあり、またビジネスロジックも非常に複雑です。そのためNECでは、経理、物流、EC事業、店舗などそれぞれの立場のお客様と綿密な打ち合わせを重ね、各業務内容の詳細を確認するのはもちろん、例えばコールセンター業務なら、実際にセンターにうかがって受注業務を見せていただくといったことも行いました。
また、要件定義を進めるなかでは、日比谷花壇様が第一義とする「顧客満足度」の向上を念頭に置いた販売プロセスの改革についても一緒になって検討させていただきました。ときには、そこで立案されたプロセスに対し、他の部門の方々から反対意見が寄せられるといったこともありましたが、『日比谷花壇様が目指すべき顧客サービスやビジネスを実現していくためには、どのようなECサイトやプロセスであるべきか』という原点に帰ってお客様と一緒に見つめ直し、調整させていただくことで少しずつあるべき姿に近づけていくことができました。
稼働後のシステムについても、お客様からは高いご評価を頂戴しています。今後のさらなるシステムの統合、拡張・強化についても、お客様との間でゴールをしっかりと共有し、最適なソリューションの提供に注力していきたいと考えています。
お客様プロフィール
株式会社 日比谷花壇
所在地 | 〒106-8587 東京都港区南麻布1-6-30 |
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設立 | 1950年12月 |
従業員数 | 1,612名(2013年12月1日現在) |
概要 | 1872年創業の花業界におけるリーディングカンパニー。独自のフラワーデザイン技術による高品質な付加価値をもつ花の提供により、社会や人に安らぎや夢のあるくらしを提案している。 |
URL | https://www.hibiyakadan.com/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2014年9月30日)