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生活協同組合コープこうべ様

生協らしさを体現するための柔軟なEC基盤を実現
多様なシステムと連携し宅配業務全体のデジタル化を目指す

業種:
  • 卸売・小売業・飲食店
業務:
  • 営業・販売
  • 経営企画
  • マーケティング
製品:
  • その他
ソリューション・サービス:
  • 共通業務/その他

事例のポイント

課題背景

  • 単に商品を購入いただくだけではない、生協ならではの宅配事業を実現したい
  • 新規加入受付から利用開始までのリードタイムの短縮、インターネット注文時の商品情報の拡充など、組合員様の宅配利用体験を向上させたい
  • 組合員様に寄り添った人にやさしいUI/UXを新システムで実現したい

成果

生協のネット注文の不満点を解消。特に高齢層の新規加入が増加

新規加入から宅配利用までのリードタイムを短縮し、加入即日での宅配利用が可能となった。また、メールアドレスがなくても電話番号で認証が行えるようにした結果、70代以上の新規加入割合が約1.7倍に増加した

スマホアプリと連携し、生協らしい人と人とのつながりを実現

新EC基盤で組合員様と職員がつながる会員管理システムを構築。スマホアプリを通じて配達員が担当エリアの組合員様にメッセージを送り、レスポンスを返すことができる生協らしいコミュニケーションを実現

コンセプトを深く共有しシステムを共に作る

組合員様に寄り添った人にやさしいUI/UXの実現のため、構想段階から生協職員だけでなく、組合員様、パートナー企業がプロジェクトに参加し、コンセプトを深く共有。NECは、将来の可能性を見据えたEC基盤を設計し、新施策の実現に貢献した

導入ソリューション

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コープこうべ様の新EC基盤

通常のECとは違う生協宅配の注文方法などに対応。APIを通じてほかのシステムと連携し、業務の効率化やスマホアプリを通じた新サービスの提供を支えている。

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事例の詳細

導入前の背景や課題

生協らしい人にやさしいDXを方針に

生活者が出資を行って組合を形成し、協同で買い物を行ったり、サービスを利用したりする生活協同組合(生協/コープ)。全国に多くの生協がありますが、コープこうべ様は、生協の父と呼ばれる賀川 豊彦氏の指導のもと、1921年(大正10年)に誕生しました。

発足以来、コープこうべ様は、組合員様の暮らしを豊かにするための様々な事業や活動に取り組んでいます。

カタログから食品や日用品などの商品を選び、注文をすると決まった曜日の決まった時間に届く。宅配事業は、店舗、福祉、共済・サービスなどと並ぶ、コープこうべ様の重要な事業の1つです。「現在は紙のカタログと注文用紙だけでなく、『コープこうべアプリ』や『コープこうべネット』というサイトを運営し、Webでの注文、つまりECも併用しています」と足立 千尋氏は話します。

ECに必要な会員管理、商品管理、注文といった機能を提供するEC基盤は、クラウドサービスなどではなく、コープこうべ様が独自に構築し、運用しています。既存の基盤が保守の期限を迎えたことから、コープこうべ様は、新EC基盤の構築に向けた取り組みを開始しました。

新EC基盤を構築する上でコープこうべ様は、いくつかの方針を掲げました。

まず、目指したのが「生協らしい人にやさしいDX」です。「例えば、新規加入申込の完全オンライン化です。スマートフォンの普及などを背景に、年代を問わずコープこうべネットの利用は増加傾向にあります。新規加入申込もWebから行えるようになっていますが、受付フォームはWeb上にあっても、その後の事務手続きは、印鑑の押印が必要だったり、必要に応じて対面での確認を行っていたりアナログのまま。申込から利用開始まで時間がかかっていました。新EC基盤では、こうした業務もデジタル化し、効率性や利便性の向上を図りたいと考えました」と薮中 大輔氏は言います。

そして、何より重視したのが「生協らしさ」の追求です。

「組合員様同士がつながり、共に助け合うのが生協。生協の「出資、利用、運営」のしくみを意識し、単に商品を購入するだけのECではない、生協ならではの人にやさしいDXを実現したいと考えました」と浜地 研一氏は強調します。

生活協同組合コープこうべ
情報デジタル推進部
インターネット・デジタル推進
統括
浜地 研一氏

選択のポイント

構想段階から複数のパートナーがプロジェクトに参加

新サービスを実現する上で既存のEC基盤はボトルネックになることが多かった。新EC基盤は、その課題を解決し、新サービスを迅速かつ柔軟に実現できるものにしたい。そう考えたコープこうべ様は、新EC基盤の構築を一般的なシステム開発プロジェクトとは異なるプロセスで進めたいと考えていました。

「私たちがシステム要件や仕様を提示し、システムインテグレーターが、それに沿ったシステムを開発する、これまでの方法ではなく、構想段階から組合員様を含めた関与者が一丸となってプロジェクトに取り組みたいと考えました。生協らしい人にやさしいDXは、どうあるべきか。関与者みんなで頭を悩ませながらコンセプトを定義するプロセスが、プロジェクトをより強いものにすると考えたからです」と浜地氏は話します。

このプロジェクトでEC基盤の構築を担ったのがNECです。「長い道のりを共に歩んでいくわけですから信頼できるメンバーとチームを組むのが何より重要だと考えました。これまで積み上げてきた信頼関係もありNECに依頼しました」(浜地氏)。

導入後の成果

コンセプトを共有して行った柔軟な設計が新施策に活きる

これからの生協の事業はどうあるべきか──。それをEC基盤やアプリ、UIに落とし込むと、どのような形になるか──。組合員様にインタビューしたり、議論したりしながら、コープこうべ様やNECたちは、プロジェクトを進めました。「思っていた以上にプロジェクトはスムーズに進み、この方法の有効性を確認しました」と足立氏。また、浜地氏も「プロジェクトメンバー間のコミュニケーションは非常に活発で、何一つ不安を感じることなくプロジェクトを推進できました。大所帯でしたがワンチームになれました」と続けます。

NECは宅配事業を担う新EC基盤を構築。一週間ごとにカタログがガラッと入れ替わる。カートに入れた商品は「注文締め日」までキープされ、締め日に注文が確定するなど、生協の宅配事業は一般的なECとは処理が異なること。さらに、すでに述べたように独自の生協らしさを反映したいという強い思いがあったことから、NECはパッケージではなく、スクラッチ開発で新EC基盤を構築しました。

ただし、一からすべてを開発したわけではありません。NECのEC基盤構築の経験やノウハウを結集したフレームワーク「SystemDirectorEnterprise for DevOps neo-lightningモデル」を用いて、システム品質の担保と開発期間の短期化を図っています。

完成した新EC基盤は、生協の宅配事業の特性を踏まえた機能を実現しているのはもちろん、より詳しい情報を確認しながら注文が行えるようにしたり、標準APIを通じて多様な業務システムやサービスと連携し、新規加入申込をオンラインで完結できるようにしたり、ヘッドレスCMSを採用して、スマホアプリ開発企業や画面制作会社が行うフロントエンドの開発自由度を高めたり、様々な価値を支えています。

「新規加入申込は、メールアドレスだけでなく、高齢な方にも身近な電話番号でも行えるようにしています。その結果70歳以上の方の新規加入割合が約1.7倍増加しました。多くの認証サービスが電話番号に対応していなかったため、NECが独自の仕組みを開発してくれました。ご高齢の方はwebと相性が悪いと安易に判断せず、どこでつまずいているのかを考え、プロセスを練った成果だと捉えています。問い合わせの数も激減し、負担軽減にもつながっています」と薮中氏は言います。

また、宅配事業、店舗事業、組合員活動の機能を備えたコミュニティ・プラットフォームと位置付けている「コープこうべアプリ」は、EC基盤と連携して配達担当者からが該当エリアの組合員様だけにメッセージを送ることができる仕組みを実現。信頼関係を大切にする生協らしさを体現しています。

「このようなアイデアを形にできたのも、NECがコープこうべはもちろん他の参加企業とも密にコミュニケーションを取り、生協らしいデータ利活用の可能性などを想定しながら、統合データベースを中心に周辺システムも含めたデータの整流化を図るなど、新EC基盤を設計してくれたおかげです。とても感謝しています」と浜地氏は言います。

今後もコープこうべ様は、生協らしさを追求しながら、組合員様の利便性向上を目指する様々な取り組みを計画していく考えです。

生活協同組合コープこうべ
情報デジタル推進部
業務システム
チーム課長
足立 千尋氏
生活協同組合コープこうべ
情報デジタル推進部
インターネット・デジタル推進
デジタル戦略グループ担当係長
藪中 大輔氏

NEC担当者の声

お客様の理解やアイデアが大切だということを再確認

今回、コープこうべ様の依頼を受けて、一般的なシステム開発とは異なるプロセスのプロジェクト参加できたことは、NECにとっても貴重な経験となりました。

プロジェクト初期の構想段階からコープこうべ様や他の企業と連携し、議論を重ねたりすることで、利用者様のことを深く理解することの重要性、そして、優れたシステムや機能を実現するのは、高度な技術だけではなく、アイデアやひらめきなのだということを改めて確認しました。

NECソリューションイノベータ株式会社
ビジネスアプリケーション事業部
プロフェッショナル
小見山 和典

例えば、ご高齢の方向けに電話番号での認証を可能とし、実際に申込数が増加しているのは、まさにアイデアのたまもの。また、組合員様同士のコミュニケーションの輪の中に担当者様が参加できる機能についても、複雑な処理は行わず、シンプルに会員データベースに配達担当者様を登録し、属性情報で制御をかけて実現しています。

この経験を活かし、NECは今後も多くのEC事業者様のビジネスを支えていきます。

NEC
第二リテールソリューション統括部
第五インテグレーショングループ
主任
大西 庸平

お客様プロフィール

生活協同組合コープこうべ

所在地: 神戸市東灘区住吉本町1丁目3番19号(住吉事務所)
設立: 1921年(大正10年)4月12日 神戸購買組合、1921年(大正10年)5月26日 灘購買組合
組合員数: 172万517人
概要 人と人のつながりや助け合いを大切にする生協の理念を重視し、様々な事業に取り組んでいる。2021年の創立100周年を機に、まずは10年後の“ありたいまち・くらし”を表現したビジョン「ターゲット2030」を策定。「つながり・健康・環境・あんしん」の4つのテーマで活動・事業を推進。
URL new windowhttps://www.kobe.coop.or.jp/


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(2024年9月27日)

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