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指紋認証・指静脈認証とは

指紋認証のしくみ

指紋は「隆線」と呼ばれる縞模様からなります。この隆線には、切れているポイントと分岐しているポイントがあり、切れているポイントは「端点」、分岐しているポイントは「分岐点」と呼ばれます。そして、このような隆線の端点・分岐点を特徴量として利用する照合方式が一般的です。図のように、特徴点間の相対的な位置や方向といった情報を利用して照合することで、基本的な一致確認が可能となります。当社では、この特徴点の情報を可能な限り使用して照合を行っています。

特徴点(端点と分岐点)で位置と方向を情報として格納している図
特徴点(端点と分岐点)

しかし、特徴点の位置と方向の情報だけでは偶然に一致する可能性があります。そこで、当社では、より照合精度を高めるため「リレーション」と呼ばれる情報を付加しています(特許取得済み)。「リレーション」とは、ある特徴点と他の特徴点との間を横切る「隆線」の数の情報を指します。これを特徴点の情報に付加することにより、特徴点の位置と方向の情報だけを利用した場合に比べ、照合精度は格段に向上します。

特徴点とリレーション方式を表した図
特徴点とリレーション方式

当社では、「特徴点」と「リレーション」を組み合わせた情報で照合を行うことにより、世界トップレベルの高い照合精度を実現しています。

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指ハイブリッド認証のしくみ

生体認証には、指紋・掌紋・静脈・顔・虹彩・DNAなどの様々な部位を利用した方式があり、これらの個々の認証技術は「モーダル(あるいはモード、モダリティ)」と呼ばれます。それぞれのモーダルには、入力のしやすさ、認証精度、ユーザの受け入れやすさといった特徴があり、単独のモーダルでは、利用環境や個人性によって認証しにくかったり、怪我や病気で利用できなくなったりする場合があります。
そこで、これらの問題をカバーするために利用が進んできているのが、複数のモーダルを組み合わせて認証する「マルチモーダル認証」と呼ばれる方式です。マルチモーダル認証を利用すれば、一方のモーダルの認証精度が落ちても他方のモーダルで補って認証するため、安定して高精度での認証ができます。また他人になりすまそうとした場合でも、複数のモーダルを偽造しなければならないため、偽造や改ざんが極めて困難となります。
当社では、世界トップレベルの技術と実績を持つ指紋認証技術と、独自に研究開発した指静脈認証技術を組み合わせ、誰もが使いやすくかつ高精度・高セキュリティなマルチモーダル認証技術として、指紋と指静脈を同時に撮像して認証する「指ハイブリッド認証」技術を世界で初めて*製品化しました。

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    2011年2月当社調べ

「指紋」「指静脈」が並列に並び、下矢印で「フュージョン照合」そこから下矢印で「判定」を表している図です。

指静脈は樹木のような構造をしており、指静脈の紋様が比較的大きく得られる指の第一・第二関節間は情報量が多く、認証処理に適していることが分かっています。また指静脈は指紋と近い場所にあるため、指をスキャナに置くという一度の動作で指紋と指静脈を同時に採取することができます。これにより、乾燥や手荒れなどで指紋がうまく読み取れない方や、寒さや血管が細いことで静脈認証でエラーになりやすいという方でも、どなたでも安定して認証が行えます。また2つのモーダルを組み合わせることで、認証エラー率0.00001%以下(認証エラーとなる確率は1000万回に1回以下)という超高精度も実現しています。
指ハイブリッド認証方式は、世界最高レベルの高精度・高信頼の認証で、誰にでも快適にご利用いただける厳格な本人認証を実現します。

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照合精度とは

照合精度には、一般的に、「他人許容率」と「本人拒否率」の2つの数値があります。

照合精度
他人許容率(FAR) 他人の生体情報を、本人の生体情報と誤って認識してしまう率
本人拒否率(FRR) 本人の生体情報を、本人の生体情報ではないと誤って認識してしまう率

通常これらの数値は、同じ照合方式あるいは装置では、相反する数字となります。たとえば、他人による「なりすまし」を厳しく防ごう「他人許容率」を小さくすると、本来照合されるべき本人も拒否される(「本人拒否率」が大きくなる)傾向があり、何回も入力し直しが必要な使いにくいものとなってしまいます。一方、使いにくいのは困るからということで、本人が照合されやすいように「本人拒否率」を小さくすると、他人の指紋も照合されやすいようになってしまい(「他人許容率」が大きくなる)、いわゆる「なりすまし」の要因となり、認証装置としては最も避けなければならない状況に陥ってしまいます。
この矛盾を解決するために当社では、「特徴点とリレーション方式」を採用し、他人許容率(FAR)0.00001%以下という極めて高い照合精度を実現しています。

照合精度
他人許容率(FAR) 指ハイブリッド認証 0.00001%以下=約1000万回に1回以下
通常オフィスで使用した場合で、当社製専用スキャナーで登録できた指紋・指静脈に関して、当社の評価基準により算出した数値です。また、ある程度、指の置き方に習熟した後の数値です。

「1対N照合」と「1対1照合」

照合方式には「1対N照合」と「1対1照合」の2つの照合方式があり、用途や生体情報のデータ量に応じて適切な照合方式を採用しています。

照合精度
1対N照合 「入力した指紋」を、登録されているすべての指紋と指紋情報のみで照合し、一致する指紋を探し出す方法
1対1照合 登録されている多数の指紋の中から「IDなどの情報」により指紋を特定した上で指紋照合を行い、個人を特定する方式
1対N照合の説明図です。1.特徴点+リレーション、2.融合して指紋だけで個人を特定する
1対1照合の説明図です。1.指紋DB検索、2.特徴点抽出、3.融合して指紋とID番号との両方を入力します

当社ではいずれの照合方式にも対応しており、大規模なデータベースに対してもID番号などを指定する必要のない「1:N照合方式」での運用が可能です。これにより利用者は、スキャナーに指を置く、カメラに顔を向けるといった簡単な動作だけで認証ができ、ユーザビリティを向上させています。

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