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NECプラットフォームズ掛川事業所の工場見学会でスマートファクトリー化された工場内の様子NECプラットフォームズ掛川事業所の工場見学会でスマートファクトリー化された工場内の様子

進化するスマートファクトリーで最先端のものづくりDXを体感!

第三弾 NECプラットフォームズ 掛川工場見学会レポート【2025.03.19】

カテゴリ:DX・業務改革推進スマートファクトリー(IoT基盤/AI)ロボット/AMR

2025年2月20日(木)、NECものづくりDX 第三弾として、静岡県掛川市にあるNECプラットフォームズ掛川事業所の工場見学会が開催され、10社16名のお客様に参加いただきました。ここでは、その内容をレポートいたします。

[目次]

1.NECプラットフォームズ掛川事業所について

●NECプラットフォームズの概要
まず、NECプラットフォームズの概要についての説明がありました。
国内外の工場・拠点によって業態やつくるものが異なっていても、生産に必要な共通基盤が存在することに着目し、情報システムや生産技術、自働化を全拠点における統一基盤として開発・運用する「グローバル One Factory」や、構内搬送の自働化などによるスマートファクトリー化についても言及されました。
続いて、掛川事業所の概要を説明。1970年代の白黒テレビの生産に始まり、その後のポケットベルやFAX、ターミナルアダプタなどの通信機器を経て、現在はホームネットワーク製品などの通信機器やETC、ECUといった車載器などを生産しています。そして、2023年4月に4階建ての「新A棟」を竣工し、さらに先進的な生産体制を構築していることが話されました。

NECプラットフォームズ掛川事業所の会議室でNECプラットフォームズの概要について説明をしている様子

●先進的な生産体制の特長
その生産体制の特長は、次の4点です。
①長年の現場改善に加え最先端技術の導入による効率化の実現 
②サイバーセキュリティとBCPの考え方を取り入れた「セキュア生産」を採用
③顔認証システム、カメラによるフロア全域の監視など、高いフィジカルセキュリティを実現
④高品質を維持するためにホコリをカットするクリーン対策

大きな投資が難しい短サイクル製品は作業員と共存するライン、生産期間の長い製品は機械化を追求するラインに分けるといった自働化の考え方や、具体的に新A棟の2階のモジュール(SMT)生産ラインから3階のPAPT(ボード)生産ライン、さらに4階のホームネットワーク製品の組立ラインへといった自働化の考え方や、ローカル5Gを活用した部品・製品の自動搬送システムについて説明がありました。
その後、工場見学に進みました。

2.スマートファクトリー化が進む生産ラインを見学

●AGVによる自動搬送
生産ラインのある新A棟2階は、隣接する物流棟の部品置き場と直接通路がつながっており、AGVが部品や完成品を自動搬送しています。生産ラインから部品の要求が物流棟に飛ぶと、AGVが物流棟から生産ラインに当該部品を搬送し、逆に生産ラインから完成品を物流棟に搬送して出荷しています。AGVには自社製Wi-Fiを設置しており、扉の自動開閉やAGVの位置情報の収集に活用しています。

説明を受けている見学者の横を荷物を運ぶAGVが通り過ぎる様子

また、新A棟に生産ラインを移行する際、3DCADやVRを用いて仮想的に新たな生産ラインの作業空間をシミュレーションして作業のしやすさなどを検証することで、ライン構築や移行をスムーズに行ってきました。

●生産性を1.5倍にアップさせたモジュールのデュアルライン
見学者は入口で認証、静電気除去、エアシャワーによるホコリの除去を経て、モジュール(プリント基板)の生産ラインに入場。
モジュールはデュアルラインで生産しており、1つのラインでプリント基板の表面と裏面に部品を実装できるシステムで、部品投入から実装完了まで一度の設定で済ませ、段取り替えを不要にしました。これによって、生産性を1.5倍にアップさせています。

AGVが搬送してきた部品はラインに供給され、完成したモジュールはまたAGVに積まれて3階のPAPT(ボード)生産ラインに搬送するためのオートレーター(垂直搬送機)まで自動的に運ばれます。

工場内に整然と並ぶプリント基板を実装する機械と通路の様子

●量子アニーリングによる生産計画の最適化
生産設備は、メンテナンスや「チョコ停」、段取り替えによってストップするのが通常です。生産性をアップさせるには、こうした要因を踏まえて生産計画を最適化させる必要があります。従来はベテランの作業者が経験を基に1~2時間かけて計画していましたが、ここではその生産計画を量子アニーリングによるアルゴリズムを用いて数分で算出。
さらに、その結果による作業手順を「作業ナビゲーションシステム」を通じてラインの作業者が持つタブレット端末に表示するという仕組みを導入しています。
この2階フロアには4本の生産ラインがありますが、作業者は3人1組で全ラインをまかなうことができています。

「スマートファクトリーの実現量子アニーリングの活用による計画最適化」についての説明スライド

●AGV・AMRの稼働
次に、新A棟4階の組立・検査・梱包の生産ラインを見学。
3階からPAPT(ボード)を搬送してきたAGVは、入口でエアシャワーを浴びてホコリを除去されます。
4階フロアには17本の生産ラインがあり、8台のAGV(注1)と17台のAMR(注2)が稼働している状況が管理画面に表示されています。
(注1)Automatic Guided Vehicle:無人搬送車の略称。
(注2)Autonomous Mobile Robot:自律移動ロボットの略称。
無人搬送車(AGV)が事前に定められたルートを周回し、物を搬送するロボットであることに対し、AMRは事前に定められたエリア内を自律的に周回し、物を運ぶことが可能となる。

磁気テープの軌道上を走行するAGVは貨物列車、無軌道で走行するAMRはタクシーや宅配便に例えて説明されました。ここでは、AGVは物流棟や他フロアからの部品・モジュール搬送、AMRは各ラインで完成した製品の搬送に使い分けられています。

工場内を移動する数台のAMRの様子

AMRは、NECのソリューション「マルチロボットコントローラ」で制御されています。フロア天井部にはローカル5Gのアンテナが1台設置されており、各AMRのカメラで1秒間に20枚の周辺画像を撮影してマルチロボットコントローラに送信し位置を把握。各ラインで完成品ができて作業者がボタンを押すと、マルチロボットコントローラが最寄りのAMRに所定の場所までの最適なルートを指示し、自動搬送するという仕組みです。
実際に多数のAMRやAGVが稼働する様子を見学して、AMRとAGVの使い分けや複数台での運用、フロアレイアウトが参考になったとの感想を多数いただきました。

●ロボットや画像判定カメラの活用工程
次に、ホームルーター製品の放熱板に熱伝導性のあるゲルを塗布し、基板と併せてネジ締めまで行う工程を見学。3つの設備で自働化されていますが、それぞれの工程間はアーム型ロボットが受け渡しをしています。
このロボットは既製品ですが、ハンド部分は大きさの異なるものをつかむ際にいちいち交換しなくても済むよう、NECプラットフォームズの技術者が工夫して開発した独自のものを装着しています。

また、以前は人手で行っていた、製品の本体にパネルを貼り付ける作業を自働化。貼り付ける部分に異物や空気などが入らないよう神経を使う難しい作業を機械化によってばらつきをおさえ安定した生産ができるよう改善しました。
色や形、サイズなどが異なる製品が混流されるミックスラインでは、5台の画像判定カメラが設置されていて、作業者が部品を正確に装着できたかどうかをカメラが判定し合格しなければ次の工程に進めない仕組みになっています。

生産ラインの外の廊下には、部門ごとに改善活動施策の進捗状況を見える化する「千本桜」と呼ばれる掲示物がありました。
数多くの施策を示す枠が横に並び、進捗状況が縦方向の枠で示されていて、その枠内に塗られた色によって一目で分かるようになっています。完了した施策には一番上までピンク色に塗られるので、桜の花が満開になるようなところから「千本桜」とネーミングされています。

部門ごとに改善活動施策の進捗状況を見える化する「千本桜」と呼ばれる掲示物を見る見学者の様子

3.さいごに

工場見学後の質疑応答では、スマートファクトリー化に向けた取り組みから具体的な生産ライン設計など、見学者から多くの質問がよせられました。
最後に、グループに分かれてディスカッションが行われ、工場見学の感想や各社のものづくりDXに関する取り組み事例および現在の課題などについて共有し、意見交換を行いました。参加者からは、各社のDXの取り組みや課題が参考になった、各社で同じ悩みや課題があると共感した、NECプラットフォームズの取り組みやマインドが参考になったなどのコメントがありました。


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