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中国に進出した日系企業の事業変革をサポート中国に進出した日系企業の事業変革をサポート

中国に進出した日系企業の事業変革をサポート

コンサルティングから革新的ソリューションまでを一貫してご提供【2023.10.18】

カテゴリ:DX・業務改革推進スマートファクトリー(IoT基盤/AI)SCM/MES/FSM

世界第2位の経済大国・中国。日本の貿易総額におけるNo.1の相手国であり、進出している日系企業も数多く、経済的な結びつきは非常に強いと言えます。
NECは1972年の日中国交正常化の際に移動式衛星ステーションを受注し、77年に拠点を設立するなどいち早く繋がりをつくってきました。こうした基盤を強みに、現在では主に日系進出企業の事業変革をサポートしています。
そこで、NECグループのNECSLで中国華東地域を担当している辻村聡史が、そのサービス展開などについてご説明します。

【目次】

日電信息系統(中国)有限公司(NECSL)華東地区総経理 辻村聡史

1998年にNECへ入社し、経営企画関連部門配属に配属。市場調査、中期計画立案を担当。その後、流通関連事業部に異動し、日系流通業様の海外事業展開の支援や北米事業の事業拡大に従事。また、中国ローカル企業M&A及びその後のPMI実施を担当。
2011年、流通事業の責任者としてNECSL中国へ出向。2年間の上海勤務を終え帰国した後、2022年からは上海地域の統括および製造事業全体の責任者として、2回目の上海赴任に就いている。

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1.変わりゆく中国の社会情勢と掲載・企業動向

私が初めて上海に赴任した2011年当時は、2008年の北京オリンピック後ということもあり、インフラや都市の機能は大分整備されてはいましたが、例えば電車に乗る際の割り込み乗車など、お世辞にも市民の社会意識が高いとは言えない状況でした。
あれから10年、監視カメラやSNSの普及により市民の意識は大きく変わり、日本以上にそうしたことに厳しい社会になっていると感じています。

そんな変化の著しい中国ですが、直近の経済情勢はというと日本でも報道されている通り悪化してきていると言えます。
2022年度の実質GDP成長率は、ゼロコロナ政策による規制によって経済活動が阻害され、3.0%という低い伸びとなりました。23年1-3月期は前年比+4.5%と、目標を1%下回っています。
同期間の産業別では、製造業が+7.0%と好調だったものの、不動産が-5.1%と経済の足を引っ張っています。社会消費は、外食が+24%と堅調に回復していますが、自動車への支出は-3%とやや低調です。

その自動車は、23年1-2月のシェアにおいて中国が52%を占めるなど好調です。BYDのEVが大きくリードしている形で、その半面日系企業は22年度比-2.5%の16%と苦戦を強いられています。

米中摩擦などの国際情勢から各国企業の中国に対する投資姿勢は慎重になり、サプライチェーンにおいても“China+1”が加速しつつも、中国市場から撤退する企業は少数派であり、引き続き中国市場への関与は根強い状況が続くと考えられます。

2.NECグループの中国市場への取り組み

NECは、1972年の日中国交正常化の際に移動式衛星ステーションを受注し、田中角栄と周恩来の両首脳が握手するシーンの衛星放送を担いました。以来、77年の現地販売法人に始まり、96年にはNECの中国現地法人を設立。現在まで北京、広州、上海、天津、武漢、西安、重慶などの大都市に事務所をはじめ半導体、交換機、光通信、ソフト開発、データセンターなどの拠点を開設しています。

SIサービスを手掛けるNECグループ企業のNECSLの中国での取り組みは、96年に北京での日電信息系統(中国)有限公司の設立に始まり、2000年代は拠点展開とともに事業を拡大。2010年から“ONE NEC事業統合”でハードウェア販売を量販会社に譲渡し、北京、上海、広州を主要拠点としてSI事業への集中を行いました。2020年代となって、製造装置業や自動車、流通サービス業向けのITソリューション、特にクラウドやセキュリティを中心にDX関連ソリューションの提供を推進しています。

3.NECSL(中国)の主要事業

NECSL(中国)は、現在、北京本社のほかに上海、深圳、広州、桂林、重慶、西安の6支社を展開し、258名(2022年12月末現在)の従業員を擁しています。

事業内容としては、製造装置、自動車、流通、通信の各分野において、事業変革に関わるコンサルティングからシステムの開発・導入、および運営維持、トレーニング、ITアウトソーシングまでトータルなITソリューションをご提供しています。特に、クラウドやIoTなどにおけるソリューションは革新的であると自負しています。

働きやすい職場づくりにも力を入れており、未来交流会・技術交流会などに加え、日系企業として忘年会や社員旅行も実施し好評を得ています。

NECSL(中国)の交流会や社員旅行の様子

なお、NECとして上海に工場向けソリューションを展示するショールームを設けていましたが、これを23年10月に東京・三田の本社ビル1階にある「NEC Future Create Hub」のような先進的な施設に大幅にリニューアルします。

以前は工場長など現場責任者の方を意識した展示でしたが、リニューアル後は経営レベルの方にも見て頂ける内容にしています。上海に来られた際は、ぜひお立ち寄りください。

4.NECSL(中国)の強みとは?

NECSL(中国)の強みは、大きく次の3点と考えています。

(1)中国におけるプロジェクトの実績

96年の設立以来、30年近く数多くの日系企業様向けITプロジェクトを手掛けてきました。日系製造業のお客様を中心に、中国本土で約500社のシステム導入実績があり、コンサル・導入~運用・保守までをワンストップでサービスをご提供しております。

(2)産業知見と日系企業の理解

中国国内の政治・経済・社会の事情と各産業に対する知見を踏まえ、お客様の的確なIT中計立案やDX企画、スマートファクトリー構想策定などのデジタル化をご支援します。

(3)テクノロジー/ITパートナー連携

クラウドソリューションやSaaSアプリケーション、PaaSサービス、IaaS/SaaS基盤、ハウジング/ホスティング、クラウドデータセンターなどを、中国の法規制に対応しつつ、日本水準のきめ細かく高水準なサービスとしてご提供します。

製造装置業のお客様向けには、図のとおり“DX Factory”を中心に、“カスタマーDX+リテールSL”ד工場変革”דクラウド”の3軸でご支援しています。

主要な業務ソリューションとしては、日本国内同様、PLM「Obbligato」、ERP「EXPLANNER」「IFS」「SAP」、ワークフロー「FLOWLITES Ⅱ」を中国で400社以上の日系企業様に導入した実績があり、加えて製造高度化やスマートファクトリー化に対応すべく、モジュール単位でのMESもご提供。さらに、NECプラットフォーム蘇州工場での生産革新活動の実証見学も、連携して実施しております。

ERPでは94社、MESでは77社の、合わせて163社への豊富な導入実績があります。お客様も業種も電気・電子機器や精密・医療機器、輸送機器、化学、機械、食料品など多岐に渡るので、各業種の特性に応じたご支援が可能です。

これまでの中国での経験を踏まえて、2022年11月にE-DXを発表いたしました。以前から基幹システム/ERPと製造実行システム/MESは個別にご提供していましたが、E-DXはこの2つを共通基盤に乗せ一体化したソリューションで、同様のソリューションを中国で展開するのは日系企業ではNECが初めてとなります。ERPとMESを一体化することで、経営から現場までのデータが一元管理でき、業務改革や効率アップ、スピーディーな経営判断が・意思決定が可能になることをメリットとして訴求しています。

さらに、生産計画や在庫管理、設備稼働管理、品質管理、可視化など様々なモジュールをご用意し、またそれらのモジュールを単独、あるいは任意の組み合わせで導入可能であるため、工場の実情・成熟レベルに応じてシステムを構築することができます。そのため、多くのお客様の広い範囲での生産高度化を支えられるツールだと考えております。このようなソリューションを開発・提供することで、お客様のモダナイゼーションを実現する支援をしております。

今後、特に力を入れていきたいこととしては、サイバーセキュリティが挙げられます。
中国では、「個人情報保護法」「サイバーセキュリティ法」「データセキュリティ法」の、通称「データ三法」を制定しており、その厳格な順守が求められます。NECでは、この要件に適合した次世代セキュリティのコンサルティングから実装、運用までをオファリングサービスとして一括してご提供しています。

また、複雑化する一方のお客様のIT環境の運用負荷を軽減するITOサービスにも力を入れています。

5.主なご導入事例

主なご導入事例としては、まずは製造業向けのトレーサビリティ実現のケースが挙げられます。
工場の各工程にRFID、QR、AIなどの技術を活用し、生産や品質状況の情報を収集し、品質・工程・工場外におけるそれぞれのトレーサビリティを実現させました。

これによって、従来エラーが発生した際に当該型番の全製品をチェックする手間を削減させるなど、生産性の大幅な向上に寄与しています。
また、NECとしては温度や湿度など厳しい環境下での導入ノウハウ・知見の獲得に繋がり、他のお客様へのリファレンスとすることができています。

また、もう一つの事例として、製造業向けのものづくりDXコンサルティングがあります。まずはお客様の経営目標やビジョンからあるべき姿を明確にし、事業や現場の課題なども加味しながら改革方向性と施策を導き出し、施策をイメージ化します。そしてそれに基づいて、デジタル技術&ソリューションを紐づけて新しいシステムアーキテクチャを描き、実行計画に落とし込んでいくところまでNECが一気通貫で行いました。

NEC自身が製造業としてDXに取り組んでいる点や、コンサルティングだけでなく実装までNECがやり切れる点を評価頂いていると感じています。

以上、中国に進出されている日系企業の皆様、これからの進出をお考えの日系企業の皆様のご参考になれば幸いです。

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