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わらべや日洋食品株式会社様

オンプレミス環境のシステムをAWSに全面移行
~グランドデザインから構築、運用まで
効率的で安全なクラウド活用に向けた全フェーズを支援~

業種:
  • 製造・プロセス
  • 卸売・小売業・飲食店
業務:
  • 設計・開発・製造
  • ICT管理・運用
ソリューション・サービス:
  • クラウド

事例の詳細

わらべや日洋食品様は、オンプレミスで運用してきた各システムをAmazon Web Services(AWS)に移行しました。最初に取り組んだトライアル、クラウドを中心とした新システム基盤のグランドデザインや移行ロードマップの策定といった上流工程から、実際のシステム構築まで、プロジェクトを一貫してサポートしたのがNECです。「単に移行するだけでなく、AWSを自身で使いこなせるようノウハウを蓄積したい」というわらべや日洋食品様の思いに応えるべく、最適な運用を見据えたクラウド共通基盤の設計、ノウハウの継承を意識した情報共有などを実践しました。

セキュリティ強化などを理由にクラウドへの移行を決断

わらべや日洋食品株式会社
システム部
システム運用課長
齊藤 徹 氏

コンビニエンスストアの店頭に並ぶお弁当やおにぎり、惣菜などを提供し、人々の健康で豊かな食生活に貢献しているわらべや日洋食品様。国内だけでなく中国や米国にも工場を構え、大手コンビニチェーンの海外店舗にも商品を供給しています。日本市場で磨いてきた商品開発力、生産技術力、品質・衛生管理力に支えられた同社の商品は、現地でも好評を得ています。

食材の調査・調達から商品の開発、製造、配送・物流までをカバーする同社独自のビジネスモデルは、さまざまなITシステムによって支えられています。同社は、まもなくそれらのシステムのクラウドへの移行を終えます。「もともとはすべてオンプレミスで運用してきましたが、既存のデータセンターに残っているシステムはあとわずか。それらも近くクラウドに移行します」とわらべや日洋食品の齊藤 徹氏は言います。

クラウドへの移行を決めた理由の1つはセキュリティです。サイバー攻撃による被害は、年々、深刻化しています。リスクを低減するには、攻撃の傾向や動向を詳しく把握し、対策をアップデートし続けなければなりませんが、単独でそれを実行するのは限界があると同社は判断。より多くの人や資金を投じているクラウド事業者の力を借りるべきと考えたのです。

新しい技術への対応力を高めたいという思いもありました。「クラウドは、新しい技術を活用した新機能やサービスなどが次々にリリースされます。システム基盤をクラウドにしておけば、それらを利用するかどうかをすぐに検討できます」と同社の浅見 倫成氏は話します。

自身で使いこなしたいという思いをくんだ提案

わらべや日洋食品株式会社
システム部
次長
浅見 倫成 氏

複数のクラウドサービスを比較し、同社はAWSを新しいシステム基盤に採用しています。

採用に当たっては、システムインテグレーターなどに構築や運用を任せきりにするのではなく、自分たち自身で使いこなすことを方針に掲げました。「もともとサーバやネットワークなど、システム基盤の構築や管理は自身で行ってきました。クラウドに移行しても、これまで同様にスキルやノウハウをきちんと自社に蓄積していくべきだと考えたのです。わらべや日洋食品のビジネスを最も理解しているのは、当然、私たちですから、それがAWSの良さを最大限に引き出すことにつながるはずです」と同社の荒澤 将太氏は言います。

しかし、同社は自分たちだけで使いこなすのは難しいとも考えました。「AWSは、簡単にシステムを構築できますが、当然『ただ動けばよい』というわけではありません。セキュリティや性能、運用工数やランニングコストを考えて、最適な設計を行う必要があります。初めてAWSを利用する私たちだけでそれを判断するのは難しい」と浅見氏は言います。

そこで、同社はAWSの導入を適切にサポートできる企業の選定に着手。最終的にNECをパートナーに選びました。

「AWSから複数のサービスパートナーの紹介を受けましたが、NECが最もAWSと強固な協業関係にあり、多くのAWS技術者の体制を備えるなどによる安心感がありました。また、他社は『すべてまかせてほしい』という提案が多く、システムがブラックボックス化することにより、私たちにノウハウが継承されない懸念がありました。一方、NECは設計情報だけでなく、その設計方針とした理由や、ほかの選択肢まで、詳しく情報を共有しながら私たちと共に作業を進めてくれると約束してくれました。自身で新たな基盤を使いこなしたいという私たちの思いをくんだ提案をしてくれたのです」と齊藤氏は選定の理由を話します。

サポートを通じてノウハウを蓄積。移行プロジェクトの半数は内製で対応

わらべや日洋食品株式会社
システム部
システム運用課
係長
荒澤 将太 氏

NECをパートナーに迎え、同社はオンプレミスの各システムをAWSに移行していきました。「AWS上で新たに構築するもの、そのままシステム基盤だけをAWSにするもの、システムに応じてシフトかリフトかを選択しながら、段階的にプロジェクトを立ち上げました」と浅見氏は話します。

最初に取り組んだのはPoCと位置付けた監視システムの構築ですが、それを含む約半数はNECが構築を担いました。「AWSを肌で感じるためのトライアルとして取り組んだPoC(概念検証)から、クラウドを中心とした新システム基盤のグランドデザイン、各システムの移行方針の見極めなどを含めたロードマップの策定、そして実際のシステム構築まで、NECが移行計画のほぼすべてをサポートしてくれました。どの段階でも、当初の約束通りNECは、私たちへのノウハウの継承を意識した体制で臨んでくれました。成果物として納品されたドキュメントは本当に品質が高く、それを参考にすれば、経験の浅い担当者でも同じシステムをすぐに再現できるほどのわかりやすさ。私たちにとって大切な資産となっています。サーバ数にして約100台という大規模移行を、PoC、構想策定、クラウド共通基盤整備、システム移行というステップで、約3年をかけ進めました。そのうちの約半数を私たちが自身の手で移行できたのは、NECの支援と私たちに残してくれたノウハウのおかげです」と荒澤氏はNECの対応を評価します。

もちろん、支援体制だけでなく、AWSに関する豊富な知見も高く評価しています。例えばNECは、AWSをはじめとするクラウドを利用する上では、作成されたまま放置されてしまう野良インスタンスの乱立、それによるムダなリソース消費などを防ぐためのガバナンス強化が必須と考えています。また、それと並んでポリシーに沿ったセキュリティレベルの統一、手順の統一による運用の効率化なども重要と考えており、それらの要素を実現するために、各システム機能について基本的な設計方針をまとめる「クラウド共通基盤」の整備を提唱しています。NECは、わらべや日洋食品様にも、そのクラウド共通基盤の整備を提案しました。「私たちがなんとなくやりたいと考えていたことを、明確に形にして示してくれたことで、クラウド移行の道筋がはっきりと見えました。クラウド共通基盤が整備されていることが、現在の内製によるシステム基盤管理の大きな助けになっています」と齊藤氏は言います。

クラウドへの移行を目指すきっかけとなったセキュリティ強化については、AWSが標準的に備えている安全性によって底上げされただけでなく、独自にサーバ間のトラフィックを管理するマイクロセグメンテーションなどの技術も駆使しています。「以前の環境では、簡単には実装できなかった技術も容易に試すことができます。サーバレスの採用など、今後もさまざまな新技術に挑戦してみたいですね」と浅見氏は言います。

このようにわらべや日洋食品様は、NECのサポートを受け、システムをクラウドに移行する、そして、自分たち自身でAWSを使いこなすという2つの目標を達成しました。「当初、想定していたよりもはるかにスムーズに取り組みを進めることができました。コンサルタントやシステムインテグレーターなど、NECは幅広い役割を果たしながら私たちを支援してくれました。今AWSの進化に追随し、使いこなしのレベルをさらに高めていくために、今後もNECのサポートに期待しています」と齊藤氏は最後に述べました。

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NECのAWS活用支援

ノウハウとツールを駆使してお客様のAWS活用を支援

NEC
共通SIサービス事業部門
エンタープライズデジタル基盤統括部
ITアーキテクト
木下 陽介

AWSには、適切なシステム設計を行うための設計原則をまとめたベストプラクティスがあります。ただし、ベストプラクティスにも複数の選択肢があり、決して唯一のものではありません。同じ目的のシステムであったとしても、お客様のポリシーや考え方、環境に応じて、どの選択が最適かを考えなければなりません。

NECは、多くのお客様のAWS活用を支援する中で、AWSに関するノウハウを蓄積し、お客様に最適な設計を提案するためのテンプレート群を整備しています。わらべや日洋食品様からの依頼は、単にAWSを利用するだけでなく、いずれ自身でAWSを使いこなせるようになりたいというものでしたが、その依頼に応える上でも、これらのテンプレートが大いに役立ちました。

例えば、システム要件定義フェーズにおいて、ゼロから検討を開始すると時間と労力がかかりますが、予め準備したテンプレートを用いてディスカッションし、詳細を決めていくことで効率的に進めることができます。

具体的にテンプレートは、システムの目的や特性などに応じて適切な仕様を選択できるよう、検討項目と選択肢が予め整理されています。わらべや日洋食品様には、自社のポリシーに沿って選択いただきつつ、ミーティングを通じて質問の意図や設計のポイントを解説し、AWSに関するノウハウをお伝えしていきました。

もちろん、その後、複数のシステム構築プロジェクトを自身の手で成功させたのは、クラウド移行を成功させるというわらべや日洋食品様の強い意志があってこそ。私たちも、その強い意志に大いに刺激を受けました。今後もビジネスパートナーとして、情報提供や技術支援を通じてお客様のAWS活用をしっかりとサポートしていきます。

集合写真 わらべや日洋様とNEC

お客様プロフィール

わらべや日洋食品株式会社

本社所在地 東京都新宿区富久町13-15
概要 お弁当やおにぎり、惣菜などの調理済み食品を製造して販売。人々の健康で豊かな食生活に貢献している
URL new windowhttps://www.warabeya.co.jp/ja/

わらべや日洋食品株式会社様

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(2023年11月24日)

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