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No.4(10月)スーパーコンピュータSX-9特集/ホームサーバ・クライアントソリューション Lui特集

Vol.61 No.4 (2008年10月)

スーパーコンピュータSX-9特集


ハードウェア

中里 聡 ・多賀谷 聡 ・中込 師人 ・渡井 孝行 ・澤村 明寛

SX-9のCPUは、8セットのベクトルパイプラインを有することにより、100GFLOPSを超える高い単体性能を実現しています。また、最大1Tバイトのメモリを最大16CPUが共有することも可能で、CPU-MMU間データ転送性能は最大4Tバイト/秒、I/O装置-MMU間データ転送性能は最大64Gバイト/秒×2を実現しています。本稿では、この高い性能を実現しているSX-9のCPU、メモリ、I/O装置について説明します。


安藤 憲行 ・春日 康弘 ・鈴木 正樹 ・山本 孝人

SX-9のノード間接続装置は、最大512ノードを接続する高いスケーラビリティを持つ専用高速ネットワークです。ノード間データ転送スループット性能が高いだけでなく、RCUとIXSが提供する機能によって短通信レイテンシも実現しています。本稿では、SX-9システムを構成するノード間結合装置の構成、特徴、機能、性能、及びアーキテクチャについて紹介します。


棚橋 俊夫 ・土田 純一 ・松澤 肇 ・丹羽 健二 ・佐藤 達夫 ・片桐 勝

本稿ではSX-9のLSI技術・回路技術及びその検査技術の概要について述べます。SX-9ではNECエレクトロニクスと共同開発した最先端CMOSテクノロジを採用し、超高速のデータ転送を実現する高速インタフェース技術及び高速・低スキュークロック分配技術、ノイズ低減技術、そしてこれらを検査する検査技術を開発しました。


梅澤 和彦 ・浜口 博幸 ・武田 勉 ・保坂 忠男 ・名取 正樹 ・永田 哲也

本稿では、SX-9の実装技術の概要を述べます。SX-9ではシングルコアで世界最高性能を実現したCPUの性能を最大限に引き出すため、高密度LSI実装技術、高密度接続技術、高効率実装技術、高性能電源技術を駆使し、ノード当たり4Tバイト/秒という高いメモリバンド幅を実現し、優れたシステム実効性能を達成することができました。また、これらプロセッサ、システムの高い性能をアピールする先進的なデザインを採用しました。


今野 良展 ・井川 康宏 ・沢野 知紀 ・金丸 恵祐 ・小野 公揮 ・熊崎 雅仁

本稿ではSX-9で利用した設計手法とCAD技術の概要について説明します。SX-9のLSI、パッケージ設計では、大規模化、高速化、省電力化、微細化への対応と、それらの検証をいかに行うか、更に設計リードタイム短縮、設計効率化、設計品質向上が求められており、設計手法とCAD技術を高度にインテグレートして実現しました。


小林 勝美 ・米村 隆 ・高橋 清昭 ・中曽 浩子

スーパーコンピュータSX-9は高信頼化の要求に応えるため、回路レベルからシステムレベルに至るまで、長年培った高信頼化技術を結集し、より高度なレベルで、信頼性(Reliability)、可用性(Availability)、保守性(Serviceability)を実現しています。本稿では、最新の技術を駆使したSX-9のRAS技術について紹介します。

ストレージ

藤森 英明 ・滝柳 真澄 ・田中 洋次

近年、ブロードバンドの爆発的な普及により、eメール、動画コンテンツなどを代表とするデータ量が年率1.6倍で増大し、インターネットを介して様々なデータのやりとりが行われています。特に、ITシステム内におけるストレージにおいて、最も注目されている課題として、データ量の急増、管理の複雑化、業務停止時の影響が大きいことが挙げられます。本稿では、それらの課題に対する解決策としての、スケーラビリティ、マネージャビリティ、アベイラビリティの特長を持つ「iStorage D8」と、高いコストパフォーマンスと簡単導入や省スペース設計の特長を持つ「iStorage D1/D3」について論じます。

基本ソフトウェア

外丸 浩子 ・宮崎 恵美子 ・大谷 敦久 ・佐竹 康司 ・坂井 智 ・北川 信亨

スーパーコンピュータSX-9のオペレーティングシステムSUPER-UXは、SX-6/7/8シリーズで信頼と実績を築きあげてきた SUPER-UXを更に強化したものです。SUPER-UXでは、従来からの特長である、高速・大規模システム、高信頼性を引き継ぎながら、いっそうの大規模システムでの使い勝手の良さ、運用管理の充実を追求しています。本稿では、SUPER-UXの特長と GFS、NQSII の強化内容について述べます。


横谷 雄司 ・工藤 淑裕 ・田村 正典 ・早坂 武 ・林 康晴

SX-9では、優れた最適化・ベクトル化・並列化機能を持つFortranコンパイラFORTRAN90/SX及びC/C++コンパイラC++/SX、分散並列処理用のデファクト標準言語であるHPFコンパイラHPF/SX V2、更に分散並列処理プログラム・インタフェースMPI1.2、MPI-2.0仕様に完全準拠したMPI/SX、MPI2/SXを提供しています。本稿ではこれらの言語処理系プログラムにおけるSX-9向けの高速化技術に関する機能や特長について紹介します。

成果論文

緒方 隆盛 ・久保 克維 ・武井 利文

高速4倍精度演算パッケージASLQUADは、従来の倍精度数値シミュレーションでの数値誤差を軽減し、より信頼性の高い計算を可能にします。ASLQUADでは、NEC製スーパーコンピュータSXシリーズの高い演算処理能力を最大限に引き出しつつ、ユーザプログラムの移植性の向上や機能の豊富さも追求しています。本稿では、ASLQUADの特長や機能について概説し、固有値計算を例に高精度演算の有用性について述べます。


小林 広明 ・江川 隆輔 ・岡部 公起 ・伊藤 英一 ・大泉 健治

東北大学サイバーサイエンスセンターは、全国共同利用施設として、高性能計算を行えるスーパーコンピュータシステムの整備・運用を行うとともに、先端学術情報基盤の研究開発を行っています。本センターでは、スーパーコンピュータの性能を最大限に引き出すため、利用者に対するプログラム高速化支援と利用者との高速化に関する共同研究を行っています。本稿では、2008年3月に稼働を開始したSX-9を中核とした大規模科学計算システムと高速化に関する支援活動について紹介を行い、更に、SX-9の性能について実シミュレーションプログラムを用いて評価した結果を示します。


吉田 義勝 ・丸山 康樹 ・高原 浩志

大気海洋結合モデルCCSM3による温暖化予測計算の概要を紹介します。大気中の温室効果ガス濃度が安定化されたとしても数百年にわたって気温上昇や海面上昇が継続し、海面上昇には濃度変化経路に対する履歴効果が見られるなどの結果が得られています。今後の取り組みにおいては、温暖化の緩和(排出削減)と同時に気候変動への適応という視点もますます重要となります。

ホームサーバ・クライアントソリューション Lui特集

商品概要

松井 裕也 ・山賀 宏之 ・榎本 浩二

NECパーソナルプロダクツでは「ホームサーバ・クライアントソリューション」を具現化する商品として「ホームサーバPC“Lui SX”」「PCリモーター“Lui RN”、“Lui RP”」「個人向けデスクトップPC“VALUESTAR R Luiモデル”」の各商品を2008年4月に商品化しました。これらの商品により「コンテンツオンデマンド」「PCオンデマンド」といったパソコンの新たな利用シーンを実現しています。

技術概要

五十棲 淳考 ・上村 智彦 ・黒岩 実 ・坂本 進 ・千葉 胤明

「コンテンツオンデマンド」を実現するため、大容量HDDを搭載してデジタルコンテンツを一元管理し、ホームネット上のPCやネットワーク(DLNA)対応テレビに配信する「ホームサーバPC “Lui SX”」を開発しました。本稿では、「ホームサーバPC “Lui SX”」を支える技術として、24時間・安定稼働を実現する「ハイリライアブル・デザイン」、デジタル放送の2録画/2配信を実現する「マルチレコードキャストテクノロジ」、及びユーザビリティについて紹介します。


渡辺 淳也 ・佐藤 忍 ・古田 勇次 ・町田 敏 ・丹野 秀和

NECパーソナルプロダクツは、自宅にあるPCを、いつでも、どこでも利用できる「PCオンデマンド」のコンセプトを実現した、「リモートスクリーンテクノロジ」を開発しました。本稿では、「リモートスクリーンテクノロジ」のアーキテクチャと技術について紹介します。

普通論文

守屋 秀則 ・木下 学 ・加藤 啓一郎 ・江崎 将史 ・中田 義靖

「都道府県・市町村デジタル移動通信システム」は、災害などの発生時に救助・復旧活動に用いるとともに、平常時においても行政情報の伝達などに活用されることを目的とするシステムです。本稿では、本システムの開発成果について報告します。

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