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医療法人三州会 大勝病院様
顔認証システムを活用し、患者様に寄り添った対応を実現
確実な離院防止で「ご家族も安心できる病院」を目指す
- 業種:
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- 医療・ヘルスケア
- 業務:
-
- その他業務
- 製品:
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- PCサーバ
- ソリューション・サービス:
-
- 生体認証/顔認証
事例の概要
課題背景
- 患者が1人で病棟を出ると、事故などにつながる危険がある
- 医療スタッフは常に患者の行動に目を配らねばならず、業務負担が大きかった
- 患者に不安やストレスを与えず、行動制限の少ない離院防止策を検討していた
成果
患者の自由を確保しつつ、安全性を向上
患者が出入口付近に近づくと登録者の顔情報を顔認証システムが識別し、医療スタッフに通知。即座に対応できるため、患者の行動を制限することなく、見守る形での離院防止対応が可能になった
医療スタッフの業務負担を軽減
以前は片時も目が離せなかったが、今は顔認証システムによる見守りが医療スタッフの目を補完してくれる。そのため、ほかの業務にも多くの時間を費やせるようになった
シンプルな運用を実現
アプライアンス製品のため短期間での導入が可能。認証用の顔情報もセキュリティカメラの映像から登録でき、システム運用における負担がかからない
導入ソリューション
入院病棟に顔認証システムのセキュリティカメラが4台、VMSのセキュリティカメラ(屋外含む)を含め病院内に合計20台設置されている。2つのシステムは、防災センターで集中管理。カメラの映像はナースステーションのモニターにも映し出され、登録された患者を認識すると医療スタッフに通知する。
- ※製品によりカメラ撮影した特定の個人を識別できる画像データは個人情報に該当します。プライバシーに配慮するとともに、個人情報保護法その他の法令及び識別、ガイドラインに沿ってご利用ください。
- ※
2020年6月より製品名称が変わりました(下記参照)
- 「NeoFace 顔認証システム導入セット」→「NEC 顔認証アプライアンスサーバ」
- 「ビデオマネジメントシステム」→「NEC ビデオマネジメントシステムアプライアンスサーバ」
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事例の詳細
導入前の背景や課題
行動を制限することなく、きめ細かに患者を見守りたい
鹿児島県を拠点として、切れ目のない良質な医療・介護サービスを提供する医療法人三州会。その中核となる医療施設が、脳神経内科とリハビリテーションに特化した大勝病院様です。専門的な検査・診療が可能な最先端機器を備えるほか、高度医療施設による一般内科診療も行い、鹿児島県の地域医療を支えています。
2020年4月には、系列病院と統合した321床の新病院が稼働を開始しました。「病床を拡大したことにより、切れ目のない医療体制がさらに強化され、より質の高い医療の提供が可能になります」と三州会理事長の大勝秀樹氏は話します。
新病院には有線/無線による院内LANを完備し、先進のICT機器を利用しやすい環境も整えました。病院機能も順次強化しており、その一環で導入したのが、NEC 顔認証アプライアンスサーバ(以下、顔認証システム)です。セキュリティカメラの映像を顔認証エンジンで識別し、事前に同意を得た登録者であればアラームを医療スタッフに通知する仕組み。カメラを病棟の出入口などに配置しておけば、すぐに気付くことができ、患者の離院防止に有効です。
「ナースステーションには医療スタッフが詰めていますが、患者様の身の回りの世話や診療のサポートで不在のときもあります。その間に患者様が病院を出てしまうと、事故や怪我の危険があり、ご家族にも大変な心配と迷惑をかけてしまいます」と三州会 法人事務局 主任の中村公則氏は述べます。
かといって患者の行動は制限したくない。これが大勝病院様の方針です。「脳神経内科の患者様は高次脳機能障害や認知症などにより、中には判断力が低下しているケースもあります。早く家に帰りたいという思いで院内を1人で歩き回ったり、外に出ようとしてしまったりする方もいらっしゃるのです」と大勝氏は説明します。「顔認証システムならば患者様にストレスを与えることなく、その行動に常に目を配ることができると考えました」(大勝氏)
選択のポイント
世界No.1※の精度を誇るNECの顔認証技術と使いやすさを評価
以前からNECの顔認証技術に関心を持っていた理事長の指示のもと、中村氏が足を運んだのは、新病院のLAN構築を担当した株式会社南日本情報処理センター(以下、MIC)主催のICT専門展でした。ここでNECからシステムの説明、提案を受け、後日、上記専門展の来場以前に提案を受けていた他2社にNECを加えた計3社のデモ機で医療スタッフを対象に検証を実施しました。
その結果、最も優れていたのがNECの顔認証システムでした。「他社製品は速足で通り過ぎたり、カメラから離れたところでの認証にバラつきがあったりしましたが、NECはそうしたバラつきがなく、極めて高精度。認証速度も非常に速い。世界No.1※の顔認証技術の威力を実感しました」と大勝氏は評価します。
- ※米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証技術の性能評価で5回目の第1位を獲得
https://jpn.nec.com/press/201910/20191003_01.html - ※NISTによる評価結果は米国政府による特定のシステム、製品、サービス、企業を推奨するものではありません
NECの顔認証システムは運用も非常にシンプルです。「他社製品はデジタルカメラで撮った写真をインポートして登録するやり方が多いですが、NEC製品は顔検出の精度が高いため、カメラで捉えている映像の中から対象者の顔情報の登録が可能です。もちろん患者様の同意を得た上でとなりますが、そのような簡便で手間がかからない点も評価しました」(中村氏)
さらにMICは顔認証技術の価値を高めるソリューションも提案しました。それが「NEC ビデオマネジメントシステムアプライアンスサーバ」(以下、VMS)です。これは多彩な機能を備えた映像管理ソフトウェア「Milestone XProtect® Express plus」を組み合わせたもの。カメラの映像を録画し、時間をさかのぼって人物検出することが可能です。
こうして同院はNECの顔認証システムとVMSの採用を決定しました。どちらもサーバとソフトウェアをセットで提供するアプライアンス製品で、容易に導入できることも決め手になりました。
提案から稼働までのプロセスは各社の協力のもと行われました。NECは提案とシステム設計、VMSの構築を実施。MICはNECと共に最適なシステムイメージを提案。顔認証システムの構築およびカメラの一部設置は顔認証ソリューションの導入を数多く手掛ける三和コンピュータが担当しました。その後、本人・ご家族の同意を得た患者を対象に顔情報の登録を行い、システムは2020年5月末から正式稼働しています。
導入後の成果
確実な離院防止で安全・安心を強め、医療スタッフの業務負担も軽減
顔認証システムのセキュリティカメラは病院のエントランス、病棟のエレベーターホールに計4台設置。カメラ映像を映し出すモニターは、ナースステーションとサーバルームに相当する防災センターに設置されています。「例えば、患者様がエレベーターホールに近づくと、ナースステーションのモニターにその様子が映し出され、誰であるかを瞬時に特定。同時にアラームで通知されるので、医療スタッフはすぐに患者様に目を向けることができます」(大勝氏)
患者は必ずしも外に出たいわけではなく、少し歩くと気持ちが落ち着く場合もあります。声を掛けたり、何もせず遠くから見守ったり、時には並んで一緒に歩いたり、患者の個性に合った対応をすることが大切です。「患者様の行動を制限せず、見られているというストレスも与えず、すぐに寄り添うことができる。離院リスクが減ったので安心できるとご家族にも好評です」と大勝氏は評価します。
以前はベッド下のセンサーマットや、赤外線センサーで患者の行動を察知していましたが、誤作動も多かったといいます。「センサーが反応するたびに医療スタッフが駆け付けており大変でしたが、顔認証システムは誤作動がまったくない。過度な対応が減ったことで、医療スタッフの負担軽減にもつながっています」と中村氏は述べます。
昨今はCOVID-19感染拡大防止のために来院を控える人も多く、また入院患者の面会も制限せざるを得ません。「新病院のオープンと共に強化した院内LANを活用し、オンライン面談・面会を可能にしたい。電子カルテ以外の医療事務の効率化にもICTを積極的に活用していきたいですね。」と大勝氏は期待を寄せます。
NECの顔認証システムとVMSは、今後も先進的な脳疾患専門病院として地域医療の向上を目指す大勝病院様の発展に寄与していくでしょう。
担当スタッフの声
お客様視点で医療のデジタル化を支援する
患者の行動を制限することなく、常に見守りができる顔認証システム利活用の実現には、認証の精度や速度が非常に重要です。NECの顔認証技術は世界No.1を獲得しています。他社製品を上回るその精度や速度をお客様にも実際に体感いただいたことが、導入の決定打になりました。
顔認証ソリューションの提供は、当社としては今回が初めてだったのですが、技術面・営業面でNECにサポートしていただいたおかげで、お客様の期待に応える最適な提案をすることができました。認証精度を確保するためには、セキュリティカメラの位置や向きなどを現場で調整する必要があります。これらの作業もNECと二人三脚で行うことで、スムーズに進めることができました。
当社は医療・介護向けパッケージを多数提供しています。その強みと今回の経験を活かし、今後もNECの顔認証技術を組み合わせたソリューション提案に力を入れ、お客様の課題解決を支援していきます。
パートナーとの共創で提供価値の増幅を図る
顔認証技術は新しい技術なので、その価値をお客様に理解していただくには、パートナー様の協力が不可欠です。この活動を支援するため、NECでは技術情報を発信するほか、事例に基づく活用法や提案メソッドなどを紹介する勉強会を定期的に開催しています。
お客様の導入のハードルを下げ、パートナー様も提案しやすいように、アプライアンス製品の開発にも注力しています。大勝病院様にも、このアプライアンス製品を導入していただきました。
お客様のニーズと期待に応える上でもパートナー様との共創は欠かせません。お客様のビジネスを誰よりも知っている存在だからです。
今後もNECは価値あるソリューション開発を推進するとともに、医療をはじめとするさまざまな分野において、パートナー様と共に有意義な提案を続けて参ります。
お客様プロフィール
医療法人三州会 大勝病院
所在地 | 鹿児島市真砂本町3番95号 |
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開院 | 1980年2月1日 |
事業内容 | 全国に先駆けて脳神経内科・リハビリテーションの専門病院として開院。急性期から慢性期まで一貫した医療サービスを提供する。パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症などの専門的診療を行うほか、促通反復療法(川平法)やボツリヌス療法など新しいリハビリテーション手法を取り入れ、成果を上げている。 |
URL | https://ookatsu.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2020年9月15日)