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Digital KYC 本人照合WEB 導入事例中央労働金庫様

口座開設やローンの申込みに必要な本人確認を顔認証によりオンラインで完結

~利便性・効率性向上で持続可能な事業モデルを確立~

非対面/リモートでもお客様に安心して相談・取引いただくために

働く人の暮らしの安心と、持続可能な社会に向けて取り組みを進めている中央労働金庫では、お客様である会員・組合員との Face to Face(対面)のコミュニケーションを基本とするとともに、コロナ禍を経て高まった非対面・非接触ニーズに対応するために、Web上で可能な取引を拡大し、非対面/リモートでもお客様に安心して相談・取引いただける環境や体制の整備が課題となっていました。 こうした課題を解決するために同金庫では、新規 Web 口座開設や個人ローンの申込み手続きにおいて、お客様の一連の工程をオンラインでセキュアに完結させるスキーム作りに着手しました。 

今回 NEC が提供したサービス「Digital KYC」は、スマートフォンなどのカメラを用いてオンラインでセキュアに本人確認(eKYC)(注 1)を実現するサービスです。「Digital KYC」には、NEC の生体認証「Bio-IDiom」(注 2)の中核技術であり、世界 No.1 の認証精度(注 3)を有する顔認証 AI エンジン「NeoFace」(注 4)を活用しており、本人確認手続きにおける本人以外の不正利用のリスクを低減します。

顧客満足度の向上とセキュリティの両立、さらには従業員の業務効率化にも寄与

同金庫では、2022年1 月に普通預金口座開設、3 月に個人ローン、4月に投資信託口座開設で「Digital KYC」の運用を開始しました。これにより Web 口座開設や個人ローンの申込みを非対面で行う際に必要となる本人確認手続きがオンラインで完結します。

お客様の一連の工程をオンラインでセキュアに完結させるスキームの実現効果は大きく3つあります。

  1. 1.非対面・非接触で手続き完了するお客様ニーズへの対応
  2. 従来、普通預金や投資信託の口座開設時や個人ローンの手続きには相対による受付や郵送等での手続きが必要でしたが、いつでもどこでもオンラインで完結することが可能になりました。接触をなくすことでお客様と従業員の双方に安心です。
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  4. 2.高セキュリティな本人確認
  5. NEC の顔認証による本人確認サービスは精度世界No.1 の顔認証エンジンを搭載しているため、なりすましによる不正利用を抑止しながらセキュアな本人確認が可能です。 
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  7. 3.事務作業の省力化、スピード向上
  8. 非対面取引においては、書類の郵送工程等の事務作業が不要となり、口座開設やローン手続きに要する時間の短縮(最短で申込翌営業日から口座開設が可能)や、大幅な業務時間削減を可能にします。事務負荷の軽減で生まれる人的資源はサービス向上や新たな営業活動へ配置することができます。

同金庫では今後もオンライン本人確認(eKYC)利用シーンを拡大しデジタル化を推進することで、顧客満足度の向上と安全性の確保、そして従業員の業務効率化、さらには経費削減による収支改善を実現していく考えです。

お客様の声

中央労働金庫 営業統括部(デジタル推進) 担当部長 鴨志田 一貴 氏

当金庫では、2022年4 月にスタートした新しい中期経営計画において「デジタル化の推進」を主要課題の一つとして掲げています。非対面・リモート対応であっても、対面と同じような親身で安心感のある“ろうきんらしい”相談・取引環境を提供すべく、デジタル取引拡大の施策を実施しています。 今回のデジタル取引拡大の取組みと合わせて、普通預金口座開設時にお客様にサービスの利用意向等のアンケートを開始しました。今後、このアンケートデータを分析し、活用することでお客様の声を可視化し、一人ひとりのお客様に寄り添った提案を行えるよう、複合取引に繋がるアプローチを検討していきたいと考えています。また、非対面チャネルの整備による取引基盤の拡大を進める中で、ペーパーレスの機運が高まっていることを感じています。本人確認手続きのデジタル化以外の施策も含めて、当金庫の普通預金口座開設におけるペーパーレスの比率は現在約 50%となっています(2022年8月時点)。 

今後もデジタル化をさらに加速させていく上で、NECには金融業界の未来を見据えた情報提供、提案を行っていただき、お客様にとって利用価値の高いサービス提供にお力添えをいただきたいです。

中央労働金庫 営業統括部(デジタル推進) 次長 土屋 陽 氏

当金庫では、これまで出資会員である労働組合に訪問し、所属する組合員の方たちに相対して、商品・サービスの提案を行っていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、職場訪問の制限やテレワークへの切替えのため、相対での提案活動が難しくなった組合もありました。また、これまで当金庫が参加可能であった会員企業や労働組合による新人セミナー等のオンライン化により、口座開設が従来の書面による受付では非効率なケースや対応できないケースがでてきました。そこで、いつでもどこでもお客様が都合の良いタイミングでセキュアに申込みが可能なWeb口座開設サービスを導入することでお客様の利便性向上を目指しました。 
 
本人確認サービスの選定にあたっては他社も含めて複数事業者の比較検討を行いましたが、NECを選択した理由は大きく 3 つありました。 1つめが、マイナンバー情報の収集について情報漏洩リスクを軽減しスムーズに現行システムと連携できること。Web口座開設は普通預金と併せて、投資信託の口座開設を進めていたため、マイナンバー情報の収集が必須でした。当金庫では、マイナンバー収集についても NEC に構築依頼していたため、NEC に対する信頼感がありました。2つめは、お客様に安心して利用いただけるよう、セキュリティの対策が十分であること。この点については、NEC の生体認証精度が世界トップクラスであることが意思決定を後押ししてくれました。3つめは、大手企業、特に金融機関で十分な利用実績があり、安定した稼働が見込めたことです。   今回の導入に際して、NEC の営業・SE には我々の要望や悩みに寄り添いながら解決策を提案いただき、無事にサービスインすることができました。今後も当金庫の取り組みを、信頼性の高い技術、製品、提案を通じて、後方支援いただくことを希望します。

中央労働金庫 審査部(融資企画)  次長 岩﨑 弘徳 氏

個人ローンにつきましては、2020年11 月 30 日よりセイコーソリューションズ株式会社と共同開発した融資手続きペーパーレスシステム「R-NEXT」を全店導入しておりますが、これまで取引がなかった新規のお客様からの非対面での受付ができないことが課題でした。今回、Web 口座開設サービスで導入した eKYC サービス「Digital KYC」を「R-NEXT」にも接続することで、新規のお客様でも申込受付から電子契約/電子署名・融資実行までの非対面取引が可能となり、お客様の利便性向上はもとより、本人確認書類の券面チェック機能などにより真贋判定の観点でも業務効率化を実現することができました。また、今回のプロジェクトは立上げから3 ヵ月という短期間でローンチまで至ることができ、この間、不具合なく安定的に稼働していることについて、ステークホルダーの皆様から高い評価をいただいているところです。 今後、複雑化・巧妙化する犯罪リスクへ対応するため、eKYC サービスへの要望は益々多様化・高度化していくものと予想されますが、NEC では顔認証の他、銀行認証やマイナンバーカード認証による本人確認サービスも提供されていますので、機能拡充や改善もスムーズに進められると考えています。お客様の意見を反映しながら、より良いサービスをより安全に提供できるよう、NEC には共にイノベーションを創出していける共創パートナーであってほしいと期待しています。

NEC担当スタッフの声

NEC 第二金融ソリューション統括部 山口 俊晴 

NewNormal 時代への変革や厳格な本人確認の重要性から、非対面でセキュアに本人確認を行う必要性が高まっています。この度、中央労働金庫様のデジタル推進への取り組みとして、Digital KYC(eKYC)を活用した Web 口座開設サービス(普通預金/投資信託)、セイコーソリューションズ株式会社の金融機関向け電子契約サービスが基盤の融資手続きペーパーレスシステム「R-NEXT」との Digital KYC(eKYC)サービス接続対応を実施いたしました。Web 口座開設サービスでは、システム開発、サーバ(NEC Cloud IaaS)、ネットワーク(Clovernet)、本人確認(eKYC)までトータルサポートするシステムを安心・安全・低コストで構築いたしました。運用・保守においても、NEC 窓口一元化により迅速に対応を行っております。弊社は、中央労働金庫様と「お客様へより良いサービス提供を行いたい」という思いを共有して、ともに取り組んで参りました。本番稼働に向けて課題等もございましたが、中央労働金庫様にご指導を賜りながら課題解決を図り、現在では安定したサービスをご提供中です。NEC の最先端コア技術のひとつである Digital KYC(eKYC)を活用して中央労働金庫様とOneTeam となって共創し、顧客体験の向上に貢献できたことを、プロジェクト関係者一同、大変、嬉しく存じます。今後も最良のパートナーとして、Digital KYC(eKYC)はもとより、NEC の「Digital Finance」で、中央労働金庫様の更なるDX 推進への取り組みに貢献して参ります。

NEC データコネクティビティサービス統括部 榮  由佳

NEC はオンラインでの本人確認(eKYC)を実現する方法として、マイナンバーカードや銀行情報、画像を活用したサービスなど複数の方法をご提供しています。今回、中央労働金庫様で採用いただいた「Digital KYC 本人照合 WEB」は WEB ブラウザと端末のカメラを用いてオンラインでセキュアに eKYC を実現するサービスです。サービス型のご提供になるため、弊社サービス環境に API 接続いただくことで利用可能になり、事業者様のシステム開発負荷を軽減可能です。   本人確認を対面からオンライン化するという市場動向に対応して本サービスは提供していますが、本人確認書類のマイナンバーカードへの一体化が議論されているように、今後も本人確認手法は変化していくと考えています。また、オンライン化に伴うセキュリティリスク拡大も脅威として考えられます。今後も市場動向や技術動向を見据えたサービスの機能強化を実施し、継続的に中央労働金庫様のDX を支援して参ります。

(注 1) KYC(Know Your Customer)金融機関の口座開設時やリスクの高い取引を行う際の顧客の身元確認、継続的なモニタリングなどの本人確認業務

(注 2) 「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NEC の生体認証の総称です。世界トップクラスの技術や豊富な実績を活かし、ニーズに合わせて生体認証を使い分け、あるいは組み合わせることで、「誰もが安心してデジタルを活用できる世界」を実現していきます。
NEC の生体認証: https://jpn.nec.com/biometrics/index.html

(注 3) NECは、米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストで 5 回の No.1 を獲得 https://jpn.nec.com/biometrics/face/history.html
※NIST による評価結果は米国政府による特定のシステム、製品、サービス、企業を推奨するものではありません。

(注 4) 顔認証 AI エンジンNeoFace」: https://jpn.nec.com/biometrics/face/index.html


(2022年9 月 22日)