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株式会社三井住友フィナンシャルグループ様
高度化・多様化する金融の大変革時代に向け
グループの人事戦略を支える仕組みを整備
- 業種:
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- 金融機関
- 業務:
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- 経理・財務
- 人事・総務
- ソリューション・サービス:
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- クラウド
- 働き方改革
事例の概要
課題背景
- グループ経営戦略を実行するための人材交流をさらに加速する仕組みを構築したい
- グループ各社の個性を活かすため、各社の人事基幹システムを残しつつ、人事情報を集約できる環境を実現したい
- システムは運用保守負担の少ないクラウドサービスで構築したい
成果
グループ戦略に沿った人事施策を支える統合環境を整備
SMBCグループ各社の人事情報の統合管理を実現し、経営戦略に沿った人事施策検討を様々な面で支えるインフラ環境が整った
国内初のセミオーダーメイド型プラットフォームを実現
SMBCグループの人事業務の要件を満たすため、2つのクラウドサービスを適材適所に組み合わせる国内初のチャレンジに成功
新規インフラ構築後の管理負担を最小限に抑える仕組み作り
NECが保守運用までをクラウドサービスとしてワンストップで提供しているため、インフラ管理者の負担を最小限に抑えることができた
導入ソリューション
「SAP SuccessFactors」と「SAP Cloud Platform」を組み合わせた国内初のセミオーダーメイド型人事プラットフォーム。SMBCグループ各社の人事データを集約し、グループ一体運営を支える戦略的人事施策の立案・実行を支援する。
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事例の詳細
導入前の背景や課題
お客様の期待を超える付加価値提供のため、グループ間の人材交流を加速
株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下、「三井住友フィナンシャルグループ」、同社グループを総称して「SMBCグループ」)様は、銀行、リース、証券、クレジットカード、さらにはシステムインテグレーションやシンクタンクに至るまで、幅広い事業を展開する複合金融グループです。2017年4月から、グループ経営を強化するため、4つの事業部門(リテール、ホールセール、国際、市場)において、お客様セグメントごとにグループ内の主要子会社・関連会社を横断した事業戦略を立案・実行する事業部門制を導入。グループ各社での人材交流の活発化や経営資源の共有化を進めています。
「現在、金融機関は大きな変革の真っ只中にいます。ますます多様化・高度化するお客様ニーズに機敏に対応していくためには、様々な課題を解決できる知見を備えた人材を、グループ各社の柔軟な連携を通じて結集し、お客様の期待を超える付加価値として提供していかなければなりません。その意味でSMBCグループにおける人事の最大のミッションは、グループ各社のビジネス形態や人事制度を尊重しつつ、すべての役職員のスキルや専門性、個性や感性といった多様な力も一元的に把握し、経営戦略の実行に沿うかたちでの人材交流や組織の機能配置をスピーディーかつ継続的に推進することだと考えています」と、同社人事部の田嶋敏紀氏は話します。
「そこで重要となったのが、こうした人事戦略を支えるインフラ環境です」と久保健太郎氏は語ります。「以前からSMBCグループは、グループ間での人材交流や情報連携に力を注いできましたし、その成果は着実に出てきていますが、さらにもう一段、グループ全体の組織・人材の見える化と、グループ人事戦略上の意思決定を加速するためには、グループ各社の人事情報を統合管理し、タレントマネジメントやデータ分析を行える新たな人事プラットフォームが必要だと判断しました」(久保氏)
選択のポイント
2つのクラウドサービスを連携させたセミオーダーメイド型のサービスを採用
SMBCグループ様は早い段階で、新人事プラットフォームのインフラをクラウドサービスで構築することを決断していました。「スクラッチで開発すると甚大なコストや期間がかかってしまい、将来的な保守運用性もネックになると考えたからです」と木下欣生氏は説明します。
これを踏まえつつ、新しいインフラに求める要件を次のように掲げました。それは、『データが全く異なる各社のデータを整理統合できること』『グループ独自の切り口で情報参照や機能構築が可能であること』『BI(Business Intelligence)ツールなどで高度なデータ分析ができること』の3つです。
「グループ各社の個性を活かすため、それぞれの人事基幹システムは残しつつ、必要なデータを標準化して集約できることが重要なポイントでした。また、キャリアパスをはじめとしたミクロ的な観点で個々の人材を確認できたり、人数や割合といったマクロ的な観点で事業分野やプロジェクトごとに適した人材を抽出・管理できる独自機能も必要だと考えました。さらに欲しい情報を様々な切り口で誰もが容易に分析できるBIツールも不可欠な要件でした」(木下氏)
「しかし、市場に存在する様々なHR(Human Resource)クラウドサービスを調査しても、これらの要件を単一のパッケージで満たすものは存在しませんでした。そこで検討を重ねたところ、『SAP SuccessFactors』と『SAP Cloud Platform』の2つのサービスを組み合わせることで、今回の我々の要件を満たす、まさにセミオーダー型のシステムが作れることがわかりました。当時国内ではまだ前例がありませんでしたが、そこに挑戦してみようと決断しました。この難しい挑戦にはITの側面から支えてくれるパートナーが必要です。SAP SuccessFactorsとそのサポートを一体化させたサービス※を展開していること、人事業務そのものを理解していること、クラウド構築のスキルを持った人材や運用・保守までをワンストップで提供できること、こうした様々な要素を備えていたNECのみなさんに支援を依頼することにしました」と久保氏は続けます。
- ※Cultiiva Global/HM
導入後の成果
グループの人材情報を戦略的に活用できる環境を実現
SMBCグループ様、NEC、同じくNECグループであるアビームコンサルティングで構成されたプロジェクトチームは、メンバー全員で目標を共有し、アジャイル体制を敷き、サービス導入を推進。わずか約8カ月でサービスインを果たしました。
新人事プラットフォームはSAP SuccessFactorsの豊富な標準機能をベースに、SMBCグループ様の人事業務を遂行するために必要なオリジナル画面・機能や高度なアクセス制御をSAP Cloud Platformで実現し、両製品をシームレスに連携しています。NECグループの充実した保守運用サービスも併せて提供することで、カスタマイズを行いながらも保守性の高い『セミオーダーメイド型のプラットフォーム』となっているのが特長です。
「サービスインからまだ間もないですが、効果は着実に現れつつあります。その1つが稼働開始後の運用負担の軽減です。私はスクラッチで開発したシステムの保守運用も担当していますが、サーバ維持や複雑な設定管理、監視など、日々の作業量は膨大にあります。しかし今回のプラットフォームでは、その負荷を最小限に抑えることができました。それは単純にクラウドサービスによる負担減だけではなく、ユーザ目線に立った保守運用サービスをNECから提供してもらえているからです」と同社の上村理恵氏は評価します。
さらに人事情報システムとしてだけではなく、Learning Management System(LMS)との連携も開始され、人材把握と人材育成をグループベースで行える環境が整備されつつあります。
「グループ各社の協力もあり、このプラットフォームには各社人事データが集約されるようになりました。現在、ミクロとマクロの両面から戦略的な活用を始めているところです。ミクロ的な観点では、あるポストを考えたとき、グループの中から、個人の経験やスキルを判断しながらより最適な判断が可能になると期待しています。一方、マクロ的な観点では、今後のグループ戦略に必要なスキルを持つ人材がどの集団にどのくらいいて、今後どの程度増やしていくべきかといった検討を行えるようにしたいと考えています」(田嶋氏)
「今後は、国内外の幅広いグループ企業にもこのプラットフォームの適用範囲を拡大するとともに、機能強化やHRテックとの連携も視野に入れ、SMBCグループのシナジー効果最大化を支えるインフラとなるよう成長させていきたいと考えています」と田嶋氏は力強く語りました。
NEC担当者の声
国内初のセミオーダーメイド型サービスをさらに発展させていきたい
「Cultiiva Global/HM」の基盤となっている「SAP SuccessFactors」は、クラウド型の統合人事管理サービスとしてグローバルに高い評価を得ている製品です。NECグループは同製品を2010年に自社導入したのを契機に、様々な運用・サポートのノウハウを蓄積し、NEC独自のサービスデスクや運用保守などを付加したサービスへと組み上げ、お客様の人材戦略を強力にご支援してきました。
今回のプロジェクトのきっかけは、SMBCグループ様が、SAP SuccessFactorsとSAP Cloud Platformを組み合わせた国内初のセミオーダーメイド型のシステム構築を決断されたこと。NECはこれまでのノウハウを活かし、そのご要望を満たした提案を行ったことを評価していただきました。また金融業界をはじめとした人事システムの構築・運用や人事制度に精通したメンバーをプロジェクトに投入したことも、ご安心いただけた大きなポイントだと考えています。
こうした取り組みの結果として、本プロジェクトは独自性や機能の実現性が評価され、SAP AWARD OF EXCELLENCE 2019で最優秀賞を受賞しました。さらにNECでもセミオーダー型人事クラウドサービスに関する新たなノウハウや知見を蓄積できました。今後も、新人事プラットフォームをさらに有効活用していただくための積極的な提案をSMBCグループ様に差し上げるとともに、HR業界におけるセミオーダーメイド型の人事クラウドサービスのプレゼンスを高め、その利便性やバリューを他のお客様にご提供していきたいと考えています。
お客様プロフィール
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 |
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設立 | 2002年(平成14年)12月2日 |
資本金 | 23,394億円(2019年3月31日現在) |
売上高 | 5,735,312百万円(2019年3月期連結) |
従業員数 | 約73,000名(NEC調べ) |
事業内容 | 銀行、リース、証券、コンシューマーファイナンス、市場調査、システム開発・情報処理など、様々なサービス展開する複合金融グループ |
URL | https://www.smfg.co.jp/ |
この事例の製品・ソリューション
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(2019年7月10日)