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NEC、AI技術を活用した金融のリスク・不正対策を高度化するソリューションを販売開始
~高精度なディープラーニング技術と説明可能AI(Explainable AI)を融合~2019年12月25日
日本電気株式会社
NECは、AI(人工知能)技術を活用し、証券・銀行・保険などの金融取引におけるリスク・不正対策業務の効率化・高度化を実現するソリューションを順次販売していきます。今回第一弾として、証券業界向けに、不公正取引の審査業務を支援するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」を本日から提供開始します。
「NEC AI売買審査支援サービス」は、株式会社SBI証券(本社:東京都港区、代表取締役社長:髙村正人、以下「SBI証券」)による採用が決定しており、2020年1月より運用開始を予定しています。
近年、デジタル技術を用いた様々な金融サービスが創出されており、金融取引の高度化が進んでいます。一方、金融サービス提供者は、複雑化・巧妙化する不正取引対策のため、膨大な情報の中から一定の基準に基づき不正の疑いのある取引を専門家が調査・分析していますが、人材不足や審査業務の属人化、高齢化などが課題となっています。
また、デジタル時代のAI適用においては従来の規制枠組みのみならず、業界団体等による自主ガイドラインなどの策定推進が有効と考えています。NECは、証券業界及び関連IT企業等約60社が参加する「証券コンソーシアム」内に立上げられた「共通事務ワーキンググループ 売買審査AI適用サブワーキング」の事務局として、証券7社が参加したAI試行検証の運営、売買審査へAI適用する際に証券会社の拠り所となるホワイトペーパー作成などを推進してきました。(注1)
今回提供を開始する「NEC AI売買審査支援サービス」は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注2)のディープラーニング(深層学習)で高精度な予測を実現する「RAPID機械学習技術」(注3)と、分析結果の根拠を可視化できる説明可能AI「異種混合学習技術」(注4)を活用することで、株式取引における見せ玉や仮装売買などの不公正取引度合をAIが高精度に検出するとともに、その判定理由も出力します。
これにより、審査担当者が従来人手で行っていた株式取引の審査業務を効率化し、審査担当者はより複雑かつ高度な不正手口の調査・分析に取り組むことが可能となります。
サービス名、販売開始時期
- サービス名:NEC AI売買審査支援サービス
- 販売開始時期:2019年12月25日(水)
AI売買審査支援サービスの特徴
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売買取引の中から不公正取引の可能性をAIが高精度にスコアリング
ディープラーニング技術を搭載した高精度な予測を実現する「RAPID機械学習技術」を活用し、全ての取引データを対象に不公正取引の可能性を高精度にスコアリングします。これにより、従来1件1件手作業で審査担当者が調査・分析していた売買取引の最終審査を支援し、審査業務の効率化・高度化を実現します。 -
AIが導き出したスコアリング分析結果の根拠が説明可能
膨大なデータに混在する多数の規則性を発見し、高精度の予測だけでなく分析結果の根拠まで説明可能なAIである「異種混合学習技術」を活用しており、スコアリングなどの分析結果だけでなく不正と判断した根拠もAIが導き出すことが可能です。 -
SBI証券の業務ノウハウとNECのAI活用ノウハウを融合しクラウドサービス化
約495万の証券総合口座数を有するSBI証券(注5)の審査ノウハウとNECのデータサイエンティストのノウハウに基づいたAI予測モデルを採用しており、AWSのセキュアなクラウド環境上で分析を行うことで、既存システムの環境に捉われることなく、短期間かつ効率的にサービス導入が可能です。
また、今後の機能追加としてインサイダー取引審査への対応など機能拡充なども予定しています。
NECは、今後もデジタル金融サービスのリスク・不正対策ソリューションのメニュー拡充を進めることで、さまざまなプレイヤーが安心・安全に金融サービスを提供できる環境を構築し、SDGs(注6)において重要な目標であるInclusive Financeの実現に貢献していきます。
NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」のもと、AIをはじめとする先進技術を活用し、安全で快適な金融サービスを、あらゆる人と産業へ届けるための取り組みを推進します。これにより、人やモノ、プロセスの情報・状態をバリューチェーン全体で共有し、新たな価値を生み出す「NEC Value Chain Innovation」(注7)をお客さまと共に実現していきます。
以上
- (注1)プレスリリース:「証券コンソーシアム」の活動成果について
https://jpn.nec.com/press/201912/20191210_01.html - (注2)
「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。"The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
プレスリリースNEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
https://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
NECのAI技術
https://jpn.nec.com/bigdata/ai/ - (注3)RAPID機械学習技術:
ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習するため、データの分類/検知/推薦などの高精度な判断が可能。また、NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化の両立を実現。これにより、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業への適用が可能。
プレスリリース「自動でデータの傾向を学習する人工知能ソフトウェアを発売」
https://jpn.nec.com/press/201508/20150821_01.html - (注4)異種混合学習技術:
https://jpn.nec.com/press/201206/20120622_02.html
ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、多数の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える技術。これにより、単一の規則性のみを発見し参照する従来の機械学習では分析が困難な、状況に応じて規則性が変化するデータでも、高精度な予測や異常検出が可能。 - (注5)株式会社SBI証券 決算説明資~2020年3月期 上半期~ 2019年10月30日より
- (注6)SDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献するNECの取り組み
https://jpn.nec.com/profile/sdgs/index.html - (注7)NEC Value Chain Innovation:
最先端のデジタル技術を活用し、お客さまとの共創活動を通じて、人やモノ、プロセスを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出すNECの事業領域。地球との共生、企業の持続的な成長と人が豊かに生きる社会の実現に貢献。
参考URL:https://jpn.nec.com/nvci/index.html
NEC AI売買審査支援サービスについて
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC 第二金融ソリューション事業部
E-Mail:necaifd@cwm.jp.nec.com
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