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プロフェッショナル人材がもたらす持続的な価値創造とは?
営業・事業開発編
デジタルファイナンスの最前線に立ち、ビジネスを創造する金融部門の営業・事業開発メンバー。
さまざまなプロジェクトで活躍するプロフェッショナル人材のメンバーに、自らの経験や仕事に対する想いを本音で語っていただきました。
「共感」を大切にしながら「自走できる人材」の組織へ
―それでは自己紹介をお願いします。
高石
来年2024年4月で社歴がちょうど20年目になります。入社時は北海道支社に配属され、文教・大学を担当していました。2007年に金融部門に異動し、当初は証券会社を担当、その後に銀行のOA環境刷新を提案する業務を担当してきました。現在は事業開発のプロフェッショナルとして、銀行との共創プロジェクトを複数担う形でグループ長を務めています。
趣味は写真撮影で、撮っているのはオーケストラやブラスバンドです。都内の音楽ホールはほとんど巡りました。
杉山
20年間、金融部門のSEとして従事し、3年前にビジネスデザイン職となりました。SE時代のノウハウを活かし、データやAIの活用により新しいビジネスを創り出しています。直接お客様に相対する部門ではないため、金融部門内のアカウント部門と連携して横断的に業務を進めています。
身体を動かすことが好きで、自分の子どもたちを地元のサッカーチームに入れたことをきっかけに、ボランティアでサッカーのコーチを務めています。
山口
新卒でNECに入社してから金融事業にずっと携わっています。同じ事業領域で34年間仕事をしてきました。最初の9年間は販売促進を担当し、現在所属する営業部門が組織された際に呼ばれ、今に至ります。その後は一つのお客様のアカウント営業をやってきた、という感じです。今のポジションは、統括部長のフォローや部門全体の運営に携わっています。
趣味はお酒を飲むことですかね。最近は次の日に残らないよう焼酎にしようとしています。
笹村
私は2006年に新卒で金融部門に営業として配属され、ノンバンク、証券会社、取引所グループなどの担当を経て、現在は損害保険会社を担当しています。ただ、営業と言うより共創による事業開発の仕事がメインですね。
趣味は、かつては金曜夜から海外に出掛け、月曜の朝に帰ってきてそのまま仕事に行くような弾丸旅行の愛好者だったのですが、子どもが生まれてからは、家のインテリアやアートコレクションなど“家のこと”が好きになっています。
―それでは、みなさんが仕事において大切にしている価値観を教えてください。また、その価値観が日ごろの業務やPJ、チームへどう関わっているかお聞かせください。
高石
私は営業出身で、ソリューション営業(顧客からのヒアリングを重視し、顧客の課題を解決できる商品を提案する営業手法)を行っていた時は目の前のお客様に答えを求めがちでした。今、事業を開発していく立場になり、「自分が主語で事業を起こす」、つまり自分自身の中から答えを出す姿勢を持つべきだろうと考え、その点をすごく大事にしています。これまでお客様として接していた金融機関と一緒に、何ができるのかを考えなくてはなりません。へりくだって、一歩引くような姿勢を美徳とせず、金融機関の皆様とどれだけフラットに話ができる関係を作れるか。そのためにも、自分自身の力で答えを出せることが大事だと考えています。
自分のグループのメンバーにもそういう姿勢を浸透させることが大事だと考えており、上司と部下の関係であっても、言いたいことは言えるようにしていきたいと思います。
―それはある種の意識改革になるわけですか?
高石
グループのメンバーには、これまでのソリューション営業は「アンラーン」(Unlearn=学んだことを見つめ直し、必要に応じて手放すこと)して欲しいと話しています。 もちろん社外の人に対しては、これまでと同じようなホスピタリティを持つことは続けるべきですが、相対する人に答えを求めるのではなく、対等にコミュニケーションできるようにすること。自分自身の力で答えを出せる人に、言わば「自走できる人」になって欲しいとメンバーにはよく伝えています。ただ、なかなかシフトできない人もいると思うので、今金融部門にいるメンバーにこだわらず、社内であれ、社外であれ外にいる新しい意識を持ちやすい人に来ていただき、メンバーになってもらいたいです。
杉山
私には、「心がけていること」が2つあります。1つ目は「 “自分ごと化”して責任を持つ」ということ。高石さんの「自分で答えを出す」と似ていますが、受け身で仕事をすると、いい仕事はできません。自分が任されたこと、もしくは自分がやると決めたことに対しては、自分がちゃんとやりきるということは、意識しています。 “自分ごと化”して責任を持つと、誰よりもそのことに対して考えますし、工夫もするし、行動も起こします。うまくいかないことがあっても、粘り強く頑張り続けられると思います。
2つ目は「共感を作っていく」こと。社内の人が相手でもお客様が相手でも同じ意識です。何か事業を創り出そうとしても、1人ではできません。これまでお客様だった方々を巻き込んで、一緒に動いていただかないといけないシーンもたくさんあります。そうした時に、共有すべき目標やビジョンに対して共感が持てないと、一緒に向かっていこうという形にはなりません。
―自分ごと化すること、そして共感を作っていくことは、仕事の中で育まれてきたものなのですか?
杉山
きっかけとしては最初にSEとして配属された際、仕事を任されることが多かったことだと思います。「無茶ぶりされているな」という気持ちもあったのですけれど(笑)。今思うと、自分でやらないとどうしようもない状況に直面し、半ば強制的に“自分ごと化”しないといけなかったのだと思います。しかし、後々振り返るとそれが自分の成長にかなりつながったなと思います。その経験から、今、部下に対しても、故意に“テンパる”程度の環境を作る、といったところは少々意識しています。それはもちろん、部下の成長のためであり、見放すことは絶対にしません。
共感については、色々な金融業界の団体と一緒に事業を作るということを長年やってきた中で感じたことです。多様な立場の方が参加するプロジェクトでは「共通の目標」が無いとまとまって動いていきません。共通の目標を、かなり時間をかけて練り上げた結果、プロジェクトがスムーズに動いたことがありました。その経験から、目標やミッションを共有し、共感を得ることはとても大事だと思っています。
笹村
“自分ごと化”については、まったく同意しますが、私は頭が固いところがあると自覚しています(笑)。なので、新しい事業を作るためには、社内・社外含めいろいろな方の意見を否定せずに聞くことを大事にしています。特に、新規事業開発に携わる中では、若手社員の意見はとても重要だと考えています。なので、年次を気にせず若手が発言できるような機会を作ったり、発言しやすい空気感を作ることを意識しています。
もし、私と発言した方との考えが違った場合でも、“そういう見方や視点があるんだ”と否定せず聞くようにしています。必ず最低でも一日15分、プロジェクトの若手メンバーとは時間を作り、その時間の中で、思っていることやアイディアを話してもらうようにしています。
―これからNECの金融部門に来る人が、笹村さんのチームに入ったとしたら、いろんな意見を言っても話を聞いてくださるわけですね。
笹村
はい、もちろんです。“自分の意見を聞いてください!”と言っていただいても大丈夫です。新規事業では何が正解なのかは分かりません。間違っていてもいい。その人なりの考えをちゃんとアウトプットしてくれる人に来て欲しいですね。
山口
長きにわたり営業を経験してきた観点で今にして思うことですが、営業はお客様とコミュニケーションをとって、ビジネスを成立させていく仕事です。大事なことは3つに簡素化されると思います。まず「お客様先でちゃんと自分の言葉で語れること」。SEや製品部門の方に話してもらうこともありますが、アカウント営業である自分という人間をお客様に見てもらうことが必要です。NECを代表する営業として、人柄を見ていただき、話をしていただけるようにしなくてはいけません。トラブルや不具合のことでも、システムのことでも、お客様と自分が話せることが重要です。そうでないとお客様が次に声をかけてくれません。
もうひとつは「お客様にお話ししていただくこと」。金融機関のお客様が私たちに会ってくださるのは、先方に相談ごとや困りごとなどの用事があるから。話を聞いて“それってどういうことですか”と引き出していくコミュニケーション能力が大事です。最後は会社の代表として聞いたことを持って帰りますから、「宿題として約束を守ること」。
この3つを守っていると、お客様も相談ごとがあるときには呼んでくださいます。私はあまり先方に営業に行っていないくらいです(笑)。お客様からちょっと相談ごとがあると呼ばれて、話を聞いてビジネスがスタートします。そこでいただいた宿題をしっかり回答することを繰り返していくと仕事が回り出します。
―営業に対して「大変そう」というイメージを持つ人もいると聞きます。何かアドバイスをいただけませんか?
山口
お客様と話ができ、言っていることを理解しようと努力することができ、交わした約束を守っていれば、たいていのお客様とはやっていけますよ。お客様と人間関係を築けることも営業の醍醐味です。これらができる人であれば、怖がることは何もありません。さらに、経験や知識がついてくれば営業は楽しいものですよ。
スケールの大きい案件で新しい領域にチャレンジできる環境
―次の質問ですが、みなさんがNEC金融で働く理由をお聞かせください。
杉山
たくさんあって、絞るのが難しいですね。あえて2つに集約すると、1つはやはり「人」ですね。金融部門の方メンバーとはもちろん、社内の色々な人たちと一緒に仕事をして行くわけですが、技術力や営業力など仕事のスキルが非常に高いことはもちろん、人間性が素晴らしい人が多い。そういう人たちと一緒に仕事をして、刺激を受けながら自分も成長しながらやっていける。これは醍醐味かなと思います。
2つ目は金融というのはチャレンジングな領域だからです。先輩方が積み上げて来た古き良き部分と、新しくチャレンジしている若い力。両方を味わいながら仕事ができるというのも魅力ではないかと思っています。
山口
杉山さんの「人」の話とかぶるかなと思いますが、私個人の感覚では、NECという会社はおっとりした優しい感じの人が9割です。残り1割にはちょっと変わった人もいますけれど(笑)。社風という意味では本当に働きやすい環境だと感じています。
それではなぜNECの金融部門で働くのか? 私は20年の間、同じお客様を担当しています。そのお客様は国内有数の金融機関で、いつも新しい金融の世界のことを考えられています。その方たちには他社ベンダーが最新情報を浴びせるように提案にやって来ています。ところが、他社ベンダーではなくて、あえて「NECだったら何ができるのか提案して欲しい」とお客様は声をかけてくださる。その話を受けて、「一緒に創り上げましょう」とビジネスを提案しています。新しい最先端技術に触れながら、NECの金融部門とお客様とで作るビジネスに魅力があるのかなと私は思います。
―金融機関という顧客はやりがいのある相手ということですね。
山口
はい。お客様たちの投資体力は、みなさんが想像する以上にすごいものですよ。加えて、お客様のITへの期待値はとても高く、それは投資金額にも比例していると思います。我々から見ると、大変大きなビジネスが成立する相手でもありますので、そんなお客様と一緒に成果を出したときの達成感は大きいです。
高石
NECの中でも、金融のお客様は親密な相手だと思います。だからこそ、協業や共創などの話もできますし、ビジネス規模も最大級というか、山口さんが話すとおり投資される金額も大きいです。
そのため、今までと違ったようなビジネスモデルの事業をこの環境でなら作れるかもしれないと率直に思いました。少なくとも、現在自分が携わっている領域で働くのなら、今の場所しかないと思います。スケールの大きな仕事に携わることができていますので。
笹村
私もそう思います。どの金融機関も、新しいことへ取り組むスピード感が非常に早いですね。生成AI等の業務活用についても最も取り組みが早かった業界だと思います。新しい技術が出てきた時、どこよりも早くテクノロジーを使った新しい事業にチャレンジしながら、お客様と一緒に大きなビジネスに取り組めること。これはやはり金融部門で働く醍醐味です。
―醍醐味を具体的に感じたことがあれば教えていただけますか?
笹村
取引所グループにAIを利用して不正な株取引の検知を行うソフトウェアを提供したプロジェクトがあったのですが、証券業界でも先進的なことであり、プレスリリースも出て、メディアの記事やテレビ番組でも注目され、大々的に取り上げられました。自身が関わったプロジェクトが対外向けに発表されたのは誇らしかったですね。
関連プレスリリース:NEC、日本取引所自主規制法人の売買審査業務にAI技術を提供
新しい事業を創造する中で自分自身も成長できるように
―それでは、今後の展望についてお聞かせください。
山口
今、金融機関向けの営業活動をマネジメントする立場ですが、私が経験してきたことを後人に伝えていきたいという思いです。組織が必要としてくれるのであれば、横で寄り添いながら、安定的な次世代の組織を作り上げていくところを引き続きやっていきたいな、と。若い人たちが進んでいく道で、私の経験を少し足してあげて大きく転ばないようにする。もし転んでも立ち上がることができるようにサポートする。また、気になることを助言することで、半歩前に進める状態にすることができればと。私は現在58歳ですが、60歳になるタイミングで会社を変わることは考えておらず、求められれば継続して金融部門で業務に携わりたいと思っています。
杉山
私は「つながる」というワードをテーマとして、色々チャレンジしていきたいと考えています。金融機関や業界団体と一緒に事業をやって来ましたが、最初は何もないところから、様々なステークホルダーとつながり、そのつながりの中で信頼を得て、共感を生み最終的にビジネスにつなげられました。その成功体験を踏まえて、今年度はより色々な人、特に社外の人たちとつながっていき、新しい事業をやるための土台を作っていきたいなと思っています。
笹村
私は国内で新規事業企画開発をやって来ました。今後は、海外でNECのテクノロジーを使った新規事業企画を立ち上げたいと思っています。企画については、まさに今取り組んでいるところでして、私が担当している損害保険会社とアジアパシフィック地域で新規事業の立ち上げを進めています。これを起点に、アメリカやヨーロッパでもNECのテクノロジーを使った新規事業をお客様と共に創りたいですね。
高石
新しい形でビジネスを作っていきたいと思っているのですが、道半ばどころか、まだ全然数字としての結果にはつながっていなくて。それこそ山口さんを始めとして、金融部門のみなさんに別の事業でしっかりと成果を上げていただいているからこそ、トータルで見たときに続けていられるぐらいにしかまだなっていません。まず結果を残さないことには始まらないので、まず事業の規模を大きくしていき、金融部門の中でも指折りの利益を出せる存在になっていきたい。それが私のモチベーションの、ほぼ全部と言ってもいいぐらいです。
そのチャレンジが成功した際は、自分のキャリアを考え直して、新たにチャレンジしていきたいという思いもどこかにあります。例えば、アルムナイ(会社の卒業生が連絡を取り合う組織)みたいなものを作り、出入り自由のようなカルチャーを作っていけたらなと考えています。
―さらにチャレンジがしやすいカルチャーを作っていきたいということですか。
高石
そういうカルチャーを作っていきたいですね。また、そのような意識でグループメンバーと接しています。例えばキャリア採用で入って来ようと思う方は、極論すれば、自分自身のステップアップにNECを使うぐらいの考えでもいいのではないでしょうか。会社に依存するのではなく、まず自分自身の成長を考えるのが、自然だと思います。
―本日はどうもありがとうございました。
(本記事は2023年10月時点の内容です)