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金融機関・政府機関への出向に挑戦したNEC社員
Digital Financeの最前線に立ち、金融機関のビジネスを技術で支えるNECの金融部門。金融機関や政府機関に出向し活躍してきたメンバーに、
出向時に得られた知見や、業務内での活かし方を、本音で語ってもらいました。
―最初に自己紹介をお願いします。
大村
金融機関向けにソリューションの提案や新サービスの創出を推進する役割を担っています。趣味は、ラーメンを食べることです。美味しそうなラーメンをピックアップして、ラーメンだけのためによく外出しています。週半分ぐらいは、コテコテのカロリー爆弾みたいなラーメンを食べていますね(笑)。
濱下
損害保険会社のアカウント営業を担当しています。具体的には、グループ数万人ほどが使うデスクトップ仮想化基盤を刷新するプロジェクトの営業マネージャーの他、DX推進の新規提案プロジェクトも担当しています。数年前までゴルフが趣味でしたが、子どもが生まれて以降は、子育てを楽しんでいます。
陸
大手金融機関の働き方改革を支えるオフィスオートメーション、いわゆるOA業務を担っています。最近は生成AIの活用支援を主に担当しています。趣味はゴルフです。コロナ禍でなかなかできなかったのですが、最近またレッスンに通い始めました。
葛原
政府系金融機関向けにセキュリティ関連のソリューションを導入するプロジェクトを統括しています。
趣味は、ラーメンを食べることです。ラーメンが好き過ぎて、豚骨を買ってきて、圧力鍋でスープを煮出すところから料理することもあります(笑)。あとは週末、子供と近所の小学校で一緒にバスケットの練習を楽しんでいます。
出向でなければ得られない知見やスキルがある
―皆さんは、金融機関や政府機関に出向した経験があると聞いています。実際にNECのお客様である金融機関や政府機関で働いてみて、勉強になったことや、やりがいを感じたのはどういったことでしょう?
大村
一番良かったのは、お客様が日頃どのようなマインドで業務に臨んでいるのかを、間近で感じられたことです。私が出向していた金融機関はお客様へ「より良いサービスを届け続けたい」という強い想いを持っていました。そのため、サービス利用者は本当に嬉しいだろうか?使ってくれるだろうか?使いやすいだろうか?を徹底的に深堀りします。こうした姿勢を間近で体感できたことが、とても勉強になりました。
濱下
私は政府機関に出向し、金融機関の規制にまつわる法令を作る部署で働いていました。仕事を進めていくと、政府機関が規制をかける意図や、金融機関からの報告の受け方の勘所がつかめてきます。この経験から、私が担当する金融機関が政府機関に報告する際に、私の知見が役立つと期待しています。
また、“法令の原文を書く”という貴重な体験ができました。これは民間企業ではなかなか体験できないことで、深く印象に残っています。
―陸さんは、いかがでしょう?
陸
私は大手金融機関に出向していました。その間、学んだことが大きく2つあります。1つ目が、視野が広がったことです。我々が普段利用する支店での業務以外に、法人営業もあれば、株式取引をする部署もあるなど、幅広い業務があることがわかりました。こうした普段見えていなかった部分を見ることができたことが、大きな学びのひとつです。
2つ目は、“システムに投資する”側の視点が得られたことです。私たちNECは金融機関にシステムを納めて対価をいただく立場です。しかし、金融機関に出向したときは、システムに投資する立場となります。システムを利用する社員のことを第一に考えなければいけませんし、システム投資の効果を上層部に報告する必要があります。特に、上層部のシステムに対する投資の考え方を間近で感じることができ、NECに戻ってからも非常に役立っています。
葛原
私も政府機関に出向して、金融機関のモニタリング業務に就いていました。具体的には、金融機関のサイバーセキュリティ対策の状況を確認し、金融機関との対話を通じて対策が不足している点の改善を促す仕事を担っていました。
この業務を通して、物事を伝える会話力や伝達力が大幅に向上しました。政府機関職員の私が金融機関に伝える言葉は、“国からの指示”と受け取られかねないので、間違ったことは言えません。また、我々が対話する相手は、金融機関の役員レベルの方がほとんどでした。そんな方々に、いかに腹落ちしてもらえるかを考え、ロジックや根拠を立て、相手に伝わるよう実践したことで、伝達力が大幅に向上したと感じています。
金融機関や政府機関で働く意義
―金融機関、政府機関で働く経験をすることには、どんな意義があるとお考えでしょうか?まずは大村さん、いかがでしょう?
大村
金融機関には膨大な利用者がおり、金融機関で働くメンバーは、絶対に止めてはいけないという思いで日々業務に励んでいます。そのようなシステムを運営する立場として、「世の中を支えている」という実感を持つことができました。
また、お客様のマインドを理解し持ち帰ることができたのは、非常に意義があったと考えています。お客様が伝えたいことの背景にある考えを理解できるようになり、お客様との距離が一気に縮んだのを実感しました。このことは、今後お客様とのプロジェクトを推進する上でも、とても役立つと考えています。
濱下
お客様の業務を、お客様の立場で体験することは、提案をしていくうえで、非常に意義のあることだと考えています。例えばお客様からの要望がまとめられた提案依頼書から、お客様が真に求めていることを読み取れるので、的確な提案をすることができます。私が出向から戻ってすぐに政府機関担当の営業から「お客様の立場で意見を聞かせてほしい」と依頼を受けました。私自身の経験からアドバイスができたことは、出向の価値のひとつだと思います。
陸
私はNECに戻ってきて、ソリューションの提案内容を考える際に、実際に見聞きしたシーンを思い浮かべながら取り組めるようになりました。また、出向中に、金融機関が中期経営計画を立てる様子を間近で見ることができたので、金融機関が目指す方向に沿った提案を考えられるようになりました。
―葛原さんはどのようにお考えですか?
葛原
政府機関がかける規制の意図や、次の対応を読めるようになったことが大きいと考えています。政府機関の発表と金融機関の発表には密接につながりがあることがわかり、因果関係を読み取れるようになりました。
また、NECに戻ってからも、定期的に政府機関でつながった他のベンダーの出向経験者と会っています。セキュリティの専門領域にいる人たちと親密なネットワークを築けたことも、大きな収穫です。
出向で得た知見を、今後どう活かすのか
―出向の経験が、今後の業務にどう活きるとお考えですか?
大村
出向で学んだこと全てが業務に活かせると考えています。例えば、提案やプロジェクトを推進する中で、お客様側の勘所を理解していれば、それに対応した動きができると考えています。
また、出向を通してお客様のビジネスを“自分事”として捉えられるようになりました。この点も、お客様と一緒にビジネスを創っていく上で重要なことだと考えています。
―濱下さんはどのようにお考えですか?
濱下
金融機関や損害保険会社との共創においても、出向の経験が活かせる場合があると考えています。昨年、ある損害保険会社と共同で、老朽化した橋の監視に衛星画像を活用する事業を立ち上げる話がありました。実現するためには橋の点検は目視で行うよう定めている道路交通法を変える働きかけが必要になり、政府機関で法令を作った経験が役立ちました。
異業種が交わり新しいことを生み出す機会が多い時代にあっては、政府機関に出向し法令に携わってきた経験は、多くの場面で役立てられるものと考えています。
陸
出向時に金融機関の役員に説明する際には、端的かつ明快に説明することが求められました。この経験が、現在でも資料のまとめ方を考える指標になっています。
葛原
政府機関で金融機関のサイバーセキュリティ管理態勢について対話を重ねてきたため、管理態勢の現状と整備・高度化するためのポイントについて整理することができました。この知見はNECの金融部門で参画したセキュリティ監視機能の導入プロジェクトや、金融機関向けのセキュリティ演習で活かせています。
―最後に一言ずつ、意気込みをお願いします。
大村
私は、「世の中をもっと便利にしたい」という想いで働いています。今後もお客様とビジネスパートナーとして、多種多様な業界を巻き込みながら、新しいビジネスやサービスを創出していきたいです。そして、私たちのグループのビジネスを、NECを牽引していく存在にしたいと思っています。
濱下
私は出向経験を通して、環境が変わることを恐れなくても良いと学びました。自分自身への好影響はもちろん、出向者という“異分子”が組織を行き来することで、会社も組織も活性化され、良い方向に向かう可能性が高まります。そういうメリットも鑑み、この先は、自分が経験してきたことを、出向未経験の人たちに広く伝えていきたいと思います。
陸
今後は担当する金融機関を変えて新たな業務を経験し、そこで得たものを再度現在担当しているお客様に還元できればと考えています。また、リーダーとしてチーム全体を率いていけるような人間に成長していければ嬉しいですね。
葛原
私が仕事をするうえで大切にしているのは、「仕事を楽しむ」ことです。今後も、新しいことに積極的に参画し、楽しみながら仕事をしていきたいです。これからも、自分がNEC金融部門のセキュリティ業務を引っ張る人材となれるよう、日々の業務に邁進したいと思います。
―ありがとうございました。
(本記事は2024年3月時点の内容です)