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衛星バス技術
人工衛星の基幹部分である「衛星バス」とは?
標準衛星バスの開発で、衛星を早く、安く作れるように
人工衛星は「衛星バス」と「ミッション部」で構成されている
「衛星バス」とは、衛星が宇宙で存在・動作するための共通的な機能・性能を実現する部分です。衛星バス上に各衛星固有の目的に応じた機能・性能を実現する「ミッション部」を搭載し、「衛星システム」となります。自動車に例えると、エンジンやタイヤ、ハンドルなど走るために必要な部分が「衛星バス」で、消防車のポンプやホース、救急車のベッドや医療機器など、目的に応じて用意されている装置が「ミッション部」となります。
さらに衛星を地上から管制するための「地上システム」を加え、「総合システム」と称します。NECは「総合システム」を構成する「衛星バス」「ミッション部」「地上システム」をすべて自社で供給できる、世界でも数少ないメーカーです。
過酷な宇宙環境で正しく動作し、
ミッションを遂行するために重要な役割を果たす
「衛星バス」は、以下のような「サブシステム」で構成されます。
- 構造系、熱制御系
ロケット打上げ時の振動や宇宙の高温/低温環境に耐えて衛星の形状を保ち、各機器を保護固定します。 - 電源系、太陽電池パドル系
太陽電池で電力を発生、バッテリに蓄積し、各機器に電力を供給します。 - 通信系、データ処理系
地上からの無線指示を受け、衛星上の各機器に届けます。また、各機器のデータを地上に無線送信します。 - 姿勢軌道制御系、推進系
ガス噴射やはずみ車の反動で衛星の軌道や姿勢を制御します。
標準衛星バスの開発
NECは小型(500kg程度)~中型(1,000kg程度)の衛星バスを得意としています。低軌道(高度500kmなど)、静止軌道(高度約36,000km)、深宇宙軌道など幅広い環境でのミッションに対応します。
近年の宇宙利用ニーズの高まりと民間企業や新興国での需要拡大から、人工衛星システムには「低コスト」「短納期」などの要望が増えています。「衛星バス」を標準化して提供すれば、人工衛星を安く早く作れるようになります。このようなニーズに応えるため、NECでは標準衛星バス「NEXTAR(ネクスター)」を開発しました。NEXTARは光学観測衛星「ASNARO-1(アスナロ-ワン)」やレーダー観測衛星「ASNARO-2(アスナロ-ツー)」等で採用されています。