Japan

関連リンク

関連リンク

関連リンク

関連リンク

サイト内の現在位置

海水温が見えると、サケがくる日がわかる

広大な海の環境を観測する「しきさい」の能力のひとつに、海面水温の見える化があります。2日に1回、日本付近を観測している「しきさい」の海面水温データを画像で見ると、暖かい海水と冷たい海水が複雑に混じり合い、分布していることがわかります。例えば日本近海の太平洋側には、冷たい「親潮」と呼ばれる海流が北から降りてきて、南からくる暖かい「黒潮」とぶつかり合っています。
青森県の太平洋側は、冷水系の親潮と共にやってくる代表的な回遊魚、サケの漁場です。そこに「津軽暖流」と呼ばれる海流がぶつかり、作られる水温の境目は「潮目(しおめ)」と呼ばれていて、魚のエサになるプランクトンが多く良い漁場になりやすいのです。衛星画像はこの境界域でできる漁場を探す際に漁師さんの力になることができます。あまり暖流が強い場合は冷水系のサケが不漁になるかもしれない、といった傾向を把握することもできるので、漁業のリスクを低減するデータになります。
日々、変化する海の情報を高い頻度で得ることも、漁業にとっては重要です。「しきさい」の観測データは2日に1回と高い頻度で得られることから、漁場予測など漁業への反映ができ、漁師さんの力になっています。

2019年9月25日「しきさい」が観測した日本列島周辺の海面水温の観測画像。画像下部の太平洋から、中程の日本海、上部のオホーツク海にかけて、暖かいオレンジ色(25度前後)から冷たい青色(5度前後)へ分布していく様子が見える。
クレジット:JAXA/EORC

取材・執筆:秋山文野
2020年3月30日 公開

その他の記事

Escキーで閉じる 閉じる