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空気中のチリが見えるから、黄砂がわかる

春先になると、東アジアの砂漠地帯から強風で巻き上げられた大量の砂やチリが風にのって運ばれ、日本にもやってきます。チリが飛んでいる間に大気汚染物質なども付着しているとされ、洗濯物を汚したり、スギ花粉症の症状を悪化させたりと困りものの「黄砂」として知られています。この黄砂、チリの粒子は大きくても0.01ミリメートル、小さいものではなんと0.000001ミリメートルしかありません。
こんな黄砂を、「しきさい」は宇宙から観測することができます。黄砂のような空気中に浮遊する細かなチリの粒子を「エアロゾル」と呼びます。黄砂のように土壌由来のエアロゾルが大量に空気中を飛ぶと、短い光の波長ほど強く吸収されるという性質を利用して観測しているのです。
日本の気象庁は日々の天気予報の中で黄砂の飛来情報を提供していて、2020年からは衛星の観測データを使って大陸から黄砂が飛んでくる経路等の詳しい情報も提供するようになりました。現在は気象衛星「ひまわり」のデータが中心ですが、今後はエアロゾル観測の能力を持つ「しきさい」のデータも使われることになっています。NECは、エアロゾルの光学的厚さ測定をはじめ、「しきさい」に搭載されたセンサー「多波長光学放射計(SGLI)」のデータ処理と、29種類のプロダクトの精度を検証する校正業務にも携わっています。

「しきさい」が観測した2018年3月29日の黄砂とみられる画像。黄色い矢印は朝鮮半島から日本列島にかけて横断するエアロゾル(空気中の細かいチリ)の帯。吸収する光の波長から、黄砂であると推定されている。
クレジット:JAXA

取材・執筆:秋山文野
2020年3月30日 公開

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