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「みちびき」の活用シーン
みちびきの高精度な位置時刻情報により、人の位置情報、自動車、農業、ドローン、建設、除雪、漁業、測量など様々な分野で新しいサービスの創出や既存GPS製品の高度化が期待できます。
歩行ナビゲーションでは、みちびきを利用することで高精度かつ安定した測位ができるため、歩道や横断歩道レベルで指定できる詳細なルート案内や、店舗や施設に近づくとピンポイントで紹介するような細やかな情報提供が可能になります。また、子供やお年寄を対象とした見守りサービスも、従来のGPSを利用したサービスと比べ正確な位置の把握が可能となります。
高速道路などの自動運転では、カメラやレーダなどのセンサに加え、みちびきの高精度測位によって、より安全な移動が可能になります。現在、いくつかの車メーカから自動運転対応の車が市販されており、今後、より多くの車に搭載されることが期待されます。
農業機械の自動化やドローンによる農薬散布など、高精度な位置情報を活用したIT農業は日本各地で様々な企業・研究機関により進められています。みちびきの高精度測位は地上の電波が届き辛いエリアでも無償で利用できることから、今後IT農業での利用が期待されています。
みちびきの高精度測位に対応した農薬散布用ドローン、インフラ点検や災害調査への利用にセキュアな国産ドローンが発売されています。離島間輸送などドローン配送の実証実験も行われており、受信機の小型化・低価格化も進められていることから、ドローンにおけるみちびき活用が加速していくことが予想されます。
みちびきの高精度測位を建設現場で利用するための実証実験は既に行われており、従来から利用されてきたネットワーク型RTK並みの精度が確認されています。容易に利用可能な、みちびきの高精度測位の活用が期待できます。
高速道路における除雪作業では、積雪や吹雪による視界悪化で白線やガードレールなどの構造物が見えなくなることがあり、除雪車の運転・操縦には高いスキルが求められます。NEXCO東日本では、みちびきの高精度測位を利用した除雪車の自動運転や障害物の自動回避のシステム開発・実証を行っています。なお、みちびきの高精度測位を利用した自動運転に向けた運転アシスト機能については、既に実用化されています。
みちびき対応受信機を搭載した海象ブイを用いることで、波高を計測し現場に行くことなく定置網付近が安全に作業できる環境であるか把握でき、漁船の燃料代の節約などの効率化が図れるとともにCO2排出量の削減にも貢献します。また、魚群探知機でも利用され、ランドマークのない海上で正確な位置情報を提供し漁業に貢献しています。
従来からの測量手法であるトータルステーションと比較して少人数で容易に測量を可能とした、みちびきの高精度測位を利用した簡易測量機が市販化されています。当該機材は、国土交通省での新技術情報提供システムNETISに登録されています。
みちびきは、地震や津波などの気象庁の防災気象情報を、災害・危機管理通報（災危通報）として放送しています。災危通報は、屋外設備（街灯、サイネージ等）、モバイル機器（車載器、スマートウォッチ等）などで受信することで、山間部などの通信網の脆弱な地域や地上インフラの被災により通信が途絶した状況においても災害情報を伝えることができます。また、衛星安否確認サービス（Q-ANPI）は、発災時に地上の通信手段が途絶した場合でも、衛星経由で避難所の情報を収集し、早期の救助・救援に繋げます。
※ 衛星CG 出典：qzss.go.jp