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宇宙科学

未知未踏への挑戦には安心して運用できる探査機や観測衛星、地上設備そして豊富な知見による支えが必要です。NECは世界初の科学的成果の創出を支援した多くの実績があります。
宇宙開発は、銀河から降り注ぐ銀河宇宙線、太陽から放出される膨大なエネルギー(放射線・紫外線・X線など)、プラズマ流、スペースデブリ(宇宙ゴミ)などの影響を考えなければなりません。
また、宇宙は地上と異なり極低温(-270.4度)・高真空・微小重力環境下にあります。太陽光を浴びれば高温になり、日陰に入れば一気に冷たくなります。打ち上げ時には加速度、振動、衝撃、音響などが複合的に加わります。月・惑星探査では分離・着陸・突入などの段階で大きな荷重にさらされる場合もあります。

当社は1970年、日本初の人工衛星「おおすみ」の成功に貢献した後も、数々のプロジェクトの中で技術力とものづくりの力を発揮しています。例えば、宇宙機を安全に運用するための自動化・自律化技術、高精度で姿勢を制御するための技術、無人化のためのロボティクス技術、狙った惑星にたどり着くための軌道計画・自動航行技術、惑星に着陸する誘導技術、これらを支えるコンピュータープラットフォーム、そして燃料効率を高めるグラム単位での機体の設計・製造、それらの高信頼性確保など、当社は難しい課題にチャレンジすることで解決能力を高めて参りました。

X線分光撮像衛星「XRISM」がファーストライトとして観測した超新星残骸N132DのX線のエネルギースペクトルと画像。16.3万光年遠方の大マゼラン雲にあった星が爆発することで生じた高温プラズマからのX線を、XRISM搭載装置であるResolveとXtendで数日間捉え続けることによって取得された。Resolveのセンサは、絶対零度から0.05度だけ高い-273.10度に軌道上で安定して保持することで、これまでの主力搭載センサより1桁優れた分光性能を達成している。観測では、数千~数億光年離れた天体のX線を5mm角というResolveの小さなセンサの中心に安定して集光・結像させ続けるため、高精度な姿勢制御が必要である。©JAXA

具体的な実績として、当社が衛星システムメーカーとしてバス機器の製造、衛星の全体インテグレーションを担当したX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」は、天体指向中の望遠鏡のゆれを約5秒角(=約0.0014度)*1に抑える高精度な姿勢制御性能を持っています。これは、例えると東京タワーの頂上から1円玉より小さい領域を狙い続ける精度に相当します。この安定した制御性能に支えられたXRISMは、世界各国の天文学者に利用される日本主導の宇宙望遠鏡として、銀河団、超新星残骸、クェーサーやブレーザーといった活動銀河核(巨大ブラックホール)といった天体の観測から数多くの科学成果を挙げています。

*1:Evaluation of the pointing accuracy of the X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission during the first year, J. Astron. Telesc. Instrum. Syst. 11(4), 042025 (2025) より

また、当社では、機器のチップ化などダウンサイジングを図り、機体の共通部分を標準化したりすることで、より効果的・経済的に科学探査ができるよう技術開発を進めています。
宇宙に挑み開発した技術は、例えば太陽電池など、私たちの暮らしの身近なところでも使われています。さらに、高信頼性コンピューター開発で培ったフォールトトレラント技術や、センサー技術を医療に活かすことなどに期待されています。

私たちは、「技術のブレークスルー」は厳しい条件下でこそ実現できると考えています。「技術のNEC」は、人々の探究心を満たし、大切な地球の未来のために、そして私たちのよりよい暮らしのために、チャレンジ精神を礎にお客様の科学探査活動を支援します。

イトカワに映る「はやぶさ」の機影と光るターゲットマーカー ©JAXA / ISAS

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