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デジタル技術による目指す社会とNECが考えるスマートファクトリーとは

ものづくりの未来

サプライチェーンデジタル化のスペシャリストが語る【2020.03.16】

カテゴリ:DX・業務改革推進スマートファクトリー(IoT基盤/AI)ローカル5G

日本電気株式会社
スマートインダストリー本部主席事業主幹 高村啓司

入社以来、生産技術開発部門に所属し、社内向け生産技術の研究開発に従事。
2012年からはNECがサプライチェーン革新を進める中で自動化やセンシング技術等の先端生産技術をベースに製造現場のデジタル革新を進める。
2017年にサプライチェーン統括本部長に就任しNEC Industrial IoT Platformを軸にNECグループのサプライチェーン全体のデジタル化を推進。現在はスマートインダストリー本部主席事業主幹としてお客様のスマートファクトリー化の実現支援を担当。

デジタル技術でものづくりを改革する“スマートファクトリー”が注目されています。そこで、NECが考えるスマートファクトリーについて、「デジタル技術による目指す社会」「NECが考えるスマートファクトリーとは」「スマートファクトリー構想の進め方」の3つの観点から説明します。

1.デジタル技術により目指す社会

“Digital Inclusion~デジタルのチカラで、ひとりひとりが輝く社会へ”

NECではデジタル技術が社会に浸透することにより、実世界を“見える化/分析/対処”しあらゆるものが高度化する社会と、そこで暮らす全ての人がデジタルの恩恵を享受でき、充実感と活力を感じる社会づくり“Digital Inclusion~デジタルのチカラで、ひとりひとりが輝く社会へ”を目指しています。

NECがこれを実現できるのは、1960年に郵便宛名読取機向け文字認識技術を開発して以来、60年間にわたり指紋や顔認証等の生体認証やAIといった技術に取り組み続けた歴史があるから。こうして蓄積したデジタル技術で、人などの情報を見える化し、サイバー空間でAIにより分析し、全てのヒト・モノ・コトに新たな意味性を追加、現実社会に戻すことで“Digital Inclusion”を見据えた新たな価値を創造していきます。

では、ものづくりにデジタルがインクルードされると、どんな変化が起きるのでしょうか?

2.NECが考えるスマートファクトリーとは

製造業を取り巻く環境変化とNECの取り組み

NECが考えるスマートファクトリーとは (スマートインダストリー本部主席事業主幹 高村啓司)
NEC スマートインダストリー本部 主席事業主幹 高村 啓司

まず、現在の製造業を取り巻く環境変化を見ておきます。 低賃金労働力を求めて進出した海外の労働コストの上昇、国内の人材不足やスキル/ノウハウの継承不足、ユーザーニーズの多様化によるマス・カスタマイゼーションへの対応、5G/IoT/AI利活用の進展といった事象が挙げられるようになりました。

このように変化し続ける環境において、NEC自身もものづくりの革新に取り組んできました。1990年代は、「トヨタ生産方式」に倣った工場起点の生産革新活動による効率向上やリードタイム短縮など、2000年代は工場だけでなく営業や物流などを含むSCM改革など、2010年代はグローバルに展開した複数拠点における品質や工期の管理といった遠地/パートナーに分散したサプライチェーンの効率的なQCD確保が挙げられます。

そして今、NECは様々なデジタル技術を活用した次世代のものづくりに取り組み始めています。

デジタル化によるものづくりの変化

こうしたデジタル化によって、ものづくりはどう変化するのか、“自律改善”、“自働化”、“リモート”、“つながる”という4つのキーワードを挙げています。

“自律改善”とは、AIによってこれまで以上に改善が高度化され、かつスピードアップ。“自働化”とは、人を排除する自動化ではなく、人にしかできない強みや価値を活かすこと。“リモート”とは、工場にいなくてもフレキシブルに働ける環境をつくること。“つながる”とは、工場だけでなく、物流やサプライヤーなどバリューチェーン全体を繋げてデータを共有・見える化・分析することです。

NECが考えるスマートファクトリーとは

では、NECが考えるスマートファクトリーについてご説明します。

サプライチェーンやエンジニアリングチェーンからIoTでデータを収集し、「“生産性や変動対応力が高いものづくり”を迅速につくり出すしくみ」と、「“人が活き活きと働ける”環境をつくり出すしくみ」を実現させることが、NECが考えるスマートファクトリーの姿です。

補足すれば、取り出したデータによって工場の稼働状況を見える化し、異常が生じていればAIが分析して対処方法を示し、現場にフィードバックすることで速やかに解決し、作業者の負荷を軽減するといった価値を生むものづくりです。

スマート化には、“工場内のスマート化”と“バリューチェーンのスマート化”があります。

工場内のスマート化

工場内のスマート化にあたっては、サイバー(IT)領域とフィジカル(Operation Technology)領域においての実現ポイントは下記となります。
ひとつ目は、先のキーワードの“自律改善”に当たるデジタルデータ活用によるQCD改善の高速化・自律化。目標値や計画値などのKPIを設定し、リアルタイムに見える化することで問題個所を迅速に割り出し、稼働率の低下や不良発生の原因をAIが判断し、どんな改善をすべきかを現場にフィードバックすることで、従来1ヶ月は要していた改善を1日で行えるようにするといったことです。

次に、キーワードの“自働化”に当たるライン自働化・自律制御。AGVやロボットを活用することで、人が嫌がったり、人でなくてもできる業務を自働化し、人は人にしかできない業務にシフトします。

3つ目は最後に、キーワードの“リモート”に当たる製造間接業務の自働化・リモート化。工場にいなくてもできる間接業務をオフィスや外出先、自宅からもできるようになるということです。

バリューチェーンのスマート化

バリューチェーンのスマート化とは、サプライヤー→設計→購買→生産→物流→販売→顧客というバリューチェーンにおいて、工場外のサプライヤーや顧客をも繋ぎ、サプライヤーの在庫や顧客の受注といったデータをやり取りしつつ、どこに何がどれだけ存在しているかを瞬時に見える化するとともに、トレーサビリティも可能にすることです。

スマートファクトリーの進化シナリオとしては、縦軸となる工場内における管理系業務、遂行系業務、工場IoT、工場OTおよび全体共通事項を、横軸となるバリューチェーンにおける“リアルタイムでの情報の見える化”→“正常/異常判断および異常の兆候のアラーム発出”→“未来の異常発生の予知・予測”→“自律制御”の進化フェーズにそれぞれ対応させてスマート化していきます。

スマートファクトリーの実現

このスマートファクトリーを実現させる基盤となるのが、バリューチェーンに存在するデータを集めるための「NEC Industrial IoT Platform」。これとサプライヤーや物流をIT、ローカル5Gや無線安定化などのネットワーク技術、OTが繋ぎ、データの企業間共有・協調制御を行ってスマートファクトリーを構成します。

なお、デジタルデータ活用による自律改善は、製造現場のKPI改善だけでなく、工場における研究開発高速化、量産立上迅速化、生産平準化、品質向上、稼働率向上、在庫削減、品質保証といったQCD向上という期待効果をもたらし、経営においては原価低減による収益改善を通じて貢献するものとなります。

2020年は日本における“5G元年”と言えるかもしれませんが、スマートファクトリーにおいても、超高速・超低遅延・多数同時接続などの特性をもつ5Gの活用が期待されます。特に工場は多数の設備やロボット、AGV、各種センサ・デバイスがありますのでこれらの機器をリアルタイムに制御できるメリットは大きいと考えられます。

スマートファクトリーで変わる働き方

冒頭で、スマートファクトリーは「“人が活き活きと働ける”環境をつくり出すしくみ」でもあると説明しました。“自律改善”により、現品目視チェックや設備稼働状況の常時監視といった神経を使う作業が軽減でき、ストレスフリーな働き方が実現できます。

“自働化”では、人でなければできない作業以外はAGVやロボット、自働化設備に任せ、危険な作業などを回避させることが可能。“リモート”および“つながる”においては、遠隔オフィスや自宅からデータ監視やリモート操作が可能となり、ロケーション/タイムフリーな働き方が実現できます。このように、スマートファクトリーで働き方を変えることができるのです。

3.スマートファクトリー構想の進め方

トップダウンとボトムアップの両方で

スマートファクトリー化の検討を進めるお客様は増えていますが、よく耳にするのは「目指すゴール設定の仕方や、そこに向けての道筋、進め方がわからない」というお悩み。大事なのは、トップダウンとボトムアップの両方をうまく並行させて進めることです。

NECでは、全社もしくは事業全体などお客様の検討範囲に応じたグランドデザインを検討する進め方、また、現状データを活用し改善と効果の仮説を立案する効果確認型の2つ進め方があると思っており、ぜひご相談いただければと思います。

私たちNECは、人が活き活きと働けるスマートファクトリーを実現するために、さらに、お客様との共創を進めてまいります。

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