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ConforMeeting/e ぺんてる株式会社様 導入事例

迅速な経営判断を支援、iPadを使った
ペーパーレス役員会議システム

日本を代表する総合文具メーカー、ぺんてる。同社の経営会議は毎週月曜日、取締役会は毎月実施されるが、従来は長時間におよぶことも多く、その準備をする経営戦略室の事務負担も重かった。経営戦略室の藤村佳子氏は「これまではすべての役員が事前に資料に目を通すのが難しかった」と、その問題点を振り返る。 しかし、2012年6月に新しい経営方針のひとつとして「スピード感のある意思決定」を打ち出し、この方針に合わせて長時間になりがちな会議時間を全社的に1時間半に短縮することを掲げた。その取り組みの一環として導入したのが、iPadを活用したペーパーレス会議システムだった。

新しい経営方針のもと求められた役員会議のペーパーレス化

1946年設立のぺんてるは、クレヨンや絵の具などの学用文具の製造販売からスタートした日本を代表する総合文具メーカーだ。アメリカ第36代大統領リンドン・ジョンソンが愛用したことで世界的なヒット商品となったサインペンをはじめ、筆ペン、ボールペン、消しゴム等々の筆記器具、絵の具、マーカーなどの画材を製造・販売している。

さらに最近は、タッチパネルや液晶パネルなどの電子機器、産業用ロボット、産業用自動組立機などのハイテク分野にも進出。世界21カ国に販売拠点を持ち、120カ国以上に輸出を行っている。文具業界の最新動向について、藤村氏は次のように説明する。

「他の製造業と同様、円高、新興国の台頭、国内の市場規模縮小により、文具業界も厳しい環境にあります。ただ、企業が経費節減で文具の支給を減らした結果、個人のお客様が直接文具を購入されるケースが増え、新機能製品が文具店で“発見”されるようになりました。また、雑誌やテレビの文具特集がきっかけになり、ちょっとした文具ブームが起きているのも、当社にとって追い風だと考えています。」(藤村氏)

厳しい経営環境の中でも、さらなる成長を目指した同社は、昨年6月に新しい経営方針を策定。そのひとつとして、「スピード感のある意思決定と業務改革による企業体質の強化」が打ち出された。その具体的な施策として企図されたのが、経営会議と取締役会へのペーパーレス会議システムの導入であった。

今年で生誕50周年を迎える「サインペン」。第36代L.B.ジョンソン大統領も愛用し、有人宇宙飛行のジェミニ6号・7号で宇宙にまで旅立った。海外市場躍進の原動力ともなり、ぺんてるは今も総売上高の6割を海外で売り上げる
(写真提供:ぺんてる)

ぺんてる製品「サインペン」の写真

その場で書いた手書き文書を<br/>スマートフォンなどにワイヤレスで簡単保存できる「airpen Pocket++(エアペンポケットプラス)」
(写真提供:ぺんてる)

ぺんてる製品「エアペンポケットプラス」の写真

「書いた瞬間から気持ちいい」なめらか油性ボールペン「ビクーニャ」
(写真提供:ぺんてる)

ぺんてる製品「ビクーニャ」の写真

半日以上かかることもあった役員会議の時間を大幅に短縮

同社では、経営会議は毎週月曜日、取締役会は月一回のペースで開催されている。経営会議には10数名、取締役会には20名弱の役員が参加するが、使用する資料はすべて紙であった。会議の準備をとりまとめる藤村氏は、経営会議、取締役会での問題点を次のように説明する。

「経営会議は重要な案件も数多く、従来は半日かけてもなかなか結論の出ない会議もありました。しかし、意思決定をスピードアップするため、1回あたりの会議時間を最大1.5時間と決めました。これを実現するためには、事前に資料に目を通すことが必要になります。この点、ペーパーレス会議システムを導入すれば、事前の資料配付も容易にでき、参加者のほとんどが事前に資料を確認できると期待されたのです。」(藤村氏)

また、役員会議システムの導入で期待されるポイントはほかにもあった。事前準備作業の短縮だ。藤村氏は、作業に費やす時間が大きな負荷になっていたと話す。

「経営会議は毎週月曜日ですので、前週の木曜日には上程部署から担当役員の承認印がある資料を紙で私に送ってもらう段取りになっています。ただ、当社は草加、吉川、茨城に工場があるため、そこからの資料はどうしても遅れがちでした。また、議案のなかには数十枚の資料もあり、場合によっては私一人で人数分を印刷、用意・配付していましたので、作業は非常に大変でした。また、印刷後に修正が入ると、その作業だけで半日を費やすこともありました。」(藤村氏)

iPadを前提に使いやすさ最優先でConforMeeting/eを選択

ConforMeeting/eの操作画面
とにかく使いやすさにこだわって選んだ結果、導入された「ConforMeeting/e」。発表者が指し示す点を赤字で共有できるマーカー機能が好評で、以前よりも会議に集中できるようになったという。

ペーパーレス会議システムの導入を指示された情報システム部門では、具体的な製品の調査を開始。使いやすさと持ち運びが容易なiPadへの対応を条件に、5製品をピックアップし、比較・検討を行った。選定のポイントについて、情報システム部 システム一課 植西隆明氏は次のように説明する。

「まず、選定にあたってもっとも重視したのは使いやすさでした。すべての役員が必ずしもITに詳しいわけではないので、誰でも簡単に使うことができるという点はもっとも重きを置いて評価したポイントです。次に重視したのはセキュリティ面です。会議の性質上、クライアント端末にデータが残らないことは必須でした。細かいところも含めて全8項目を検討した結果、NECのConforMeeting/eに決定しました。特に使いやすさは、他製品よりも非常に優れており、直観的に使いこなすことができるツールだと感じました。また、NEC自身が自社の役員会議でConforMeeting/eを使っているということ、そしてNECという安心感も、最終的な決断をする大きな要因になりました。」(植西氏)

こうして、NECのペーパーレス会議システムConforMeeting/eの導入が決定。2012年9月からシステム構築が始まった。構築にあたっては、社外での利用も可能にするため、接続環境の整備も行われた。

「役員がiPadを持ち歩き、社外からも会議システムに入れるように接続環境を整備しました。これにより、役員は自宅からでもシステムにアクセスして、資料を事前に閲覧できるようになりました。」(植西氏)

約2ヶ月の構築期間を経て、システムは2012年11月に無事、稼働を開始した。

情報共有がスムーズになり、会議時間の短縮に大きく貢献

実際の役員が利用イメージを再現した写真
実際の会議システムの利用イメージ。最初は紙も併用していたが、現在はほとんど使わなくなった。また、iPadは普段から持ち歩くことが可能なため、事前に議題に目を通すことができ、当日の進行もスムーズになったという。
(写真は実際の役員が利用イメージを再現)

利用開始当初はとまどいがあったという。しかし、さまざまなサポートにより、徐々に役員に受け入れられていった流れについて、経営戦略室 IT戦略課長 三浦良彦氏は次のように振り返る。

「いきなり紙をなくすと混乱すると考え、最初は紙も用意しました。また、iPadの操作に不慣れな役員もいましたので、システム部門が総出で役員会議に参加し、講習会を開きました。その後の会議でも、システムに詳しい担当者がなるべく会議に参加して対応できる体制をとりました。ただそれも最初の1ヶ月程度で、現在はかなりスムーズに活用できるようになっており、紙も使っていません。」(三浦氏)

スムーズに利用できることは、そのまま役員からの評価にもつながったようだ。特に、情報共有のスムーズさは、紙とは比較にならないと好評だ。

「ConforMeeting/e は、発表者が資料にラインや丸印を付けて、それを出席者全員で共有できるのですが、この機能が好評です。役員会議では数字を扱うことが多く、紙を使っているときは『上から○行目の×』といった説明が必要でした。この点、現在は参加者全員が同じ数字を確実に見ることができ、議論に集中できるようになったと聞いています。」(三浦氏)

一方で、会議の準備を担当する現場でも大きな効果があったようだ。資料の受付を、ほぼ一人で担当していた藤村氏も、作業が大幅に軽減されたと次のように語る。

「システム導入後は、各部署で承認された資料がデータとして私の方に送られてくるようになりました。受け付けた資料は、資料名などのフォーマットを整え、サーバにアップします。従来のように印刷の手間が不要になったので、他の作業をしながらでも対応できるようになりました。また、急きょデータの差し替えが必要になっても、迅速に対応できるようにもなりました。」(藤村氏)

さらに、工場にいる役員や社外監査役などの本社にいない役員が、事前に資料に目を通せるようになったメリットも大きいという。事前に資料を確認できるため、会議時間を1.5時間にするというルールも、しっかり厳守されているということだ。

今後は他の会議への横展開も検討

今回導入したConforMeeting/eは、現時点では役員会議だけで利用されている。ただ、役員の高い評価もあり、今後は他の会議への横展開も検討されている。なお、情報システム部門としては、将来的にはWindows 8の活用も考えているということだ。

「社内のシステムをActive Directoryで管理していますので、やはりWindows 8の方が管理は容易です。最新のConforMeeting/eはWindows 8にも対応していますので、こうした面でも安心して利用を継続できると考えています。」(植西氏)

また、ConforMeeting/eの導入により、会議資料の作り方も、今後は変えていく必要があるだろうと三浦氏は言う。

「現在は、B4やA3などのサイズで資料を作っています。しかし、これをタブレットで表示するととても小さくなりますから、必要に応じて拡大しなければなりません。すると、今度は全体を俯瞰するのが難しくなります。今後は、こうした課題を解決できるような資料の作り方も考えなければならないと思っています。」(三浦氏)

当初は、役員会議の準備に関わる作業・コスト低減が目的で導入されたConforMeeting/eだったが、運用が軌道に乗るにつれて、会社全体にさまざまなプラスの効果を及ぼしつつあるようだ。役員会議という会社の中枢で行われた改革は、会社全体を改革する起爆剤となるのではないだろうか。

お客様プロフィール

ぺんてる株式会社

ぺんてる株式会社社屋の写真

住所:東京都中央区日本橋小網町7-2
設立:1946年3月
売上高:2011年度実績 34,327百万円(連結)
URL:new windowhttps://www.pentel.co.jp/