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ConforMeeting/e 日鐵物流株式会社様 導入事例
新日鉄グループの物流を支える日鐵物流様、
仕事の進め方を改革した新しい会議システムの効果とは
2019年4月 日鉄物流株式会社へ商号変更
日鐵物流様は鉄鋼最大手の新日本製鐵グループ(以下、新日鉄グループ)の物流を担う企業だ。同社は毎月末、全国の支店およびグループ会社の経営層が集まって役員会議を実施する。事務局となる総務部は、そのたびに最大3500枚にもおよぶ資料を印刷し、会議に備える必要があった。そこで、これらの負担を軽減し、セキュリティ向上とスピーディな情報共有を実現するため、NECの会議システム「ConforMeeting/e(コンフォミーティング・イー)」を導入。この新しい会議システムによって会議のあり方は大きく変わるとともに、会社の仕事の進め方まで改革されたという。実際に事務局で業務を担当した日鐵物流 総務・秘書課長 原田祐光氏と同課長代理 佐藤大和氏に、新しい会議システム導入を巡るビフォー・アフターを聞いた。
毎月の会議で印刷される資料は最大3500枚におよぶ
日鐵物流様は、鉄鋼最大手の新日鉄グループの物流を手がける企業。製鉄所での構内物流、海上・陸上輸送、全国の主要港における港湾物流など、メーカーからユーザーまでの海陸一貫輸送体制を提供しているのが特長である。
創業は昭和17年。以来、企業統合、再編を経て、現在は日鐵物流本体と製鉄所のある君津、名古屋、広畑、大分、釜石にそれぞれ地域会社を持つグループ体制となっている。各地域会社は、それぞれの製鉄所の構内物流を担当し、日鐵物流本体は製鉄所で生産された製品を船で各中継基地まで運んだり、自動車メーカーや電気メーカーなどに直接トラックで輸送する業務を担っている。
特に鋼材を運ぶ内航海運の輸送量は国内企業ではトップクラスで、ものづくりの基礎となる鉄の流通を通じて、まさに日本経済を下支えする企業と言える。
その日鐵物流様では、毎月末に役員会議を開催する。同会議では、日鐵物流様と地域会社6社の社長、および本社の主管部長が出席し、経営、操業、安全、品質、コンプライアンスなどの議論および情報共有を行う。実際に会議の準備を担当している日鐵物流 総務・秘書課長 原田祐光氏は次のように説明する。
「会議は毎月月末の2日間にわたり、出席者は最大で35名にのぼります。出席者1人あたりに配布される資料は80~100枚になることも珍しくありません。我々、総務部が事務局になるのですが、プレゼンを担当する人は、たいていぎりぎりまで資料を作るため、会議開催前日の夕方になってようやく資料が届くこともあります。また、参加者によって資料も異なりますので、出席者ごとに資料を区分けしたり、修正箇所があると会議中でも差し替えが発生したりと、非常に煩雑な手間を強いられていました。こうした業務を総務の3名で担当していたのが実態で、月末は残業が当たり前になっていました」(原田氏)
役員会議の事務局の負担は経営層から配慮されるほどで、会議出席者からも、膨大な紙の資料の管理、置き忘れなどによる情報漏えいのリスク、情報伝達のタイムロスなどが指摘され、もっとスマートで体系的な会議資料管理の必要性が求められていた。こうした背景から、新たな会議システムの導入が検討されたのである。
汎用ノートPCにタッチパネルを追加、幅広いユーザーに受け入れられる工夫
そこで日鐵物流様では、複数の会議システムを検討。シンプルで使いやすい操作性、ペン操作やマーキングによる意思疎通の容易さなどから、NECのペーパーレス会議システム「ConforMeeting/e」が採用された。その理由について、原田氏は次のように説明する。
「会議の出席者は30代から60代と幅広く、中には月に1回しか利用しない出席者もいますので、シンプルで使いやすいことが最大のポイントでした。もちろん事務局側もできるだけ簡単に議題・議事を登録・削除できることが必要で、こうした点からConforMeeting/eを選択しました。また、紙の資料の場合、出席者は基本的に自分が見たいところを見ますが、ConforMeeting/eならプレゼンする側がペンやマーカーで議論のポイントを示し、見せたいところを確実に見せることができます。我々が比較した他社のシステムには、ここまで手軽なペンやマーカーの仕組みはありませんでした」(原田氏)
さらに、紙を印刷していた際には、原則白黒印刷だったが、ConforMeeting/eのシステム導入後はカラーで見ることができるようになった。また拡大や縮小も手軽に行えるため、図や写真が鮮明かつ詳細に表示でき、幅広い利用者にとって見やすいものになったという。
ただし、導入に課題がないわけではなかった。日鐵物流様は専用の役員会議室を持たず、端末が固定化されていないため、まずシステムが持ち運べることが必要だった。そのため、タッチ対応のノートPCが検討されたが、当時タッチに対応しているノートPCの画面サイズは最大でも13インチ。これだと、通常業務では15.6インチの画面を利用しているのに、会議のときだけ13インチの小さい画面を使わざるをえない。会議のスムーズな進行や参加者の見やすさを考えると、画面サイズは最低でもA4サイズが必要だった。
この課題をクリアするために、NECが提案したのが、15.6インチの汎用ノートPCにタッチ用パネルを装着するというもの。試作品が製作され、パネルが外れて簡単に落ちないか、パネルの取り外しはしやすいか、タッチの精度は高いかといったことから、デザイン・色・形について何回かやりとりを行ったあと、最終的に役員を交えた試用やデモで違和感なく利用できることを確認。ノートPCとタッチ用パネルのセット40台が正式に導入され、稼働を開始したのは、2011年の1月のことであった。
画面上に直接ペンで書き込んでいる様子。書き込んだ内容は即時に共有できるほか、自身のメモとして利用することも可能。ペンを使わずに指でも書き込みできる。
PCとタッチパネルは簡単に取り外し可能。大画面ディスプレイを採用したノートPCとタッチパネルを組み合わせることで、ノートPCの可搬性の良さと紙のような直観的な操作性を両立することに成功した。
ペーパーレスの実現と事務局の負担低減、会議の進行もスムーズに
システムの導入効果は明らかだった。特に会議の準備に忙殺されていた事務局の負担は大幅に低減した。実際に作業を担当していた総務・秘書課 課長代理 佐藤大和 氏は、その効果を次のように強調する。
「ConforMeeting/e導入後は、メールで資料を受け取って、それを登録するだけですので、他の業務をやりながら対応できるようになりました。それまでは、月末の2日間、1日あたり3人で5時間はかかっていた作業が、現在はチェックを含めても、私1人で2~3時間ですむようになったのです。また、会議資料の管理操作も簡単で、もっと手間がかかるかと思っていただけに拍子抜けだったくらいです」(佐藤氏)
また、資料に修正箇所が見つかった場合、従来は資料の差し替えなどの作業が発生していたが、システム導入後はファイルの入れ替えで対応できるようになり、仮に会議中であっても、資料の差し替えができるようになったという。
元々NECの役員会議向けに開発されたConforMeeting/e。直観的な操作性を実現するとともに、情報をより正確・確実に共有できるようになる。
会議出席者の評価も上々だ。発表者の意図が的確に伝えられるようになり、会議の進行もスピードアップした。また、会議後は資料データが出席者別のフォルダに保存されるため、かさばる資料を持ち帰る必要もなくなり、かつ置き忘れ等による情報漏えいのリスクもなくなった。
会議用のノートPCで業務メールをやりとりできる点も大きい。それまでは、2日間の会議で出席者はいわゆる“缶詰状態”となるため、連絡手段は電話に限られていたが、新システムは通常のノートPCを社内LANに接続した構成であるため、自分のアカウントでログインすれば、通常のメールもやりとりできる。これは汎用のノートPCを利用したことによる副次的なメリットだった。
経営会議でA4横文化への変更を承認した理由
とはいえ、導入時点で会議参加者との調整が必要になった問題もあった。それは「会議資料のA4縦の文化からA4横の文化への移行」である。
「システム導入以前、我々の会社の文化はA4縦でした。しかし、A4縦の文書を新しいシステムで表示すると、画面を拡大し、下方にスクロールさせながらプレゼンしなければなりません。同時に会議出席者も見づらい画面となります。そこで、システム導入にあたっては、その解決策として、使用する資料はA4横、さらにフォントを少し大きめのゴシック体にするというルールを定めました。これに対して、最初は反対の声があったのも事実です。それまでA4縦1枚に収まっていた資料が2~3枚になってしまうからです。そこで、本来は投資予算規模として経営会議に付議する必要のなかった本システム案件について、会社の仕事のやり方を変えるという観点から経営会議で承認し、A4横についても了承しました」(原田氏)
いざA4横に取り組んでみると、無駄な文章が減って簡潔になり、会議進行はスムーズになることが確認できたと原田氏は成果を語る。
一連の成果を受けて、新システムを利用した地域会社の社長からは、同じシステムを自社で導入することも検討されているという。さらに、社内の文書を横断的に検索できる文書管理システムとの統合、すでに導入されているテレビ会議システムとの連携なども検討が始まっているということだ。
会議が変われば会社が変わる。ConforMeeting/eを導入した日鐵物流様では、まさにその変化が起きつつある好例といえるのではないだろうか。
お客様プロフィール
日鐵物流株式会社
住所:東京都中央区新川1丁目23番4号(I・Sリバーサイドビル)
URL:https://www.ns-log.co.jp/